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ノベルホラーゲーム【現代都市怪奇録】の全話あらすじ紹介やダウンロード方法解説

 

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現代都市で起こった怪談話を収録、各々違った物語の結末が楽しめる無料公開中のノベルホラーゲーム「現代都市怪奇録」。
今回はそんなゲームのプレイ方法から、ちょっと詳しいゲームの特徴、ネタバレなしの物語のあらすじまでを一挙紹介。

 

 

ダウンロード方法

ゲームサイトの運営やイベントのプロモーションをしている企業「有限会社ふりーむ」が運営している無料のゲームなどを紹介しているサイト「Freem!」で無料公開中。

Windows専用、容量は約270MB程。

ゲームの特徴

オムニバス形式のノベルホラー

1話~5話までそれぞれが独立した物語のオムニバス形式のノベルホラー。
一枚絵の紙芝居風のゲーム画面に、かまいたちを連想させる人物のシルエットが登場し、会話やあらすじ形式の文字を読んでいく事で物語が進むのが特徴的。
1話をクリアするのにだいたい10分~15分程度は必要で、全5話トータルで1時間程度のプレイ時間が必要な無料のノベルホラーとしてはなかなかのボリュームを持っている。

選択した行動の結果、エンディングが変化する

それぞれの独立した物語を読み進めていくと、1話毎に2~3回の2択の選択肢を選ぶ事となる。それによって物語の展開は変化するが、特に重要な局面での選択では、その後のエンディングに影響を及ぼす。
いわゆるマルチエンディングの方式になっており、全5話でそれぞれにバッドエンディングとグッドエンディングが存在する。

 

物語のあらすじ(結末のネタバレなし)

第一話「引っ越し」

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やっと引っ越し作業がひと段落した。目の前から去っていく引っ越し業者のトラックを見つめながらそう思った。

彼の名は佐藤、大学入学をきっかけに一人暮らしをする事にした大学生だ。安い引っ越し業者を選んだため、自分も作業に加わった事でクタクタだ。ひとまずエアコンで暖房を付けようとした彼だったが、引っ越し作業に気を取られ電気ガス水道の開通手配を取るのを忘れてしまっていた。佐藤は、その日ネットカフェに泊まる事にした…。

翌朝、アパートへ戻るとちょうど隣人が出てくる所だった。

隣人のおばさんは佐藤を見かけると身に覚えのない事を言い出した。詳しく聞くと佐藤を前の住人と間違えてしまったらしい。前の住人のトラブルが気になった佐藤は、隣人に詳しく話しを聞くと前の住人はカップルでトラブルがあったと事だった。
後日、佐藤は水光熱の開通手続きを済ませ部屋へ戻ると、荷ほどきもしていない閑散とした部屋に置かれた小さな紙の破片が目に入る…。

その紙片には「ユルサナイ」と赤い文字が書かれており…。

第二話「305号室の怪」

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無類の酒好きの沢野という女性は、病院で医者から入院を勧められていた。検査の数値的に異常はないと思うが、念のため、という事らしい。医者に305号室に入院する様に言われたが、その場にいた看護師がそれを聞いて動揺していたのが沢野は気になっていた…。

翌日、沢野は305号室へと検査入院した。ベッドで横になる彼女に食事を届けに来たのは、昨日305号室へ入院すると聞いて動揺した看護師だった。沢野は看護師へと昨日の件を聞くと、看護師は重い口を開き噂について教えてくれた。

305号室には以前心臓に病気をかかえた患者が入院していた。その患者は心臓外科居医として腕が良い山形先生が担当する事になったが、手術直前に亡くなってしまったそうだ。患者の手術は延期になったが、その患者も亡くなってしまい、それから305号室には山形先生の幽霊が出ると噂されるようになった、との事だった。

そして、その夜…。

第三話「終電」

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サラリーマンである田名部は焦っていた。立て込んだ仕事の残業をし、退社するのが終電ぎりぎりだったからだ。明日は取引先との商談を控え、急いで帰らなくてはならない。走って駅ホームへ駆け上がる田名部だったが、無慈悲にも、そんな彼を残して最終電車は線路の向こうへと消えていってしまった。

帰りのタクシー代を考えていた彼の前に、もうないはずの電車がホームへとやってくるのだった…。終電は先ほど乗り逃して無いはず…狐につままれた気持ちで、ホームへと停車した電車の中へと足を踏み入れるのだが…。

電車の中には誰もいなかった。車輪の音を残して、あたりは静寂に包まれている。

そんな中で急に田名部に声をかけてきた人物がいた。彼は田名部の恩師である二宮先生だった。懐かしさで会話が弾む二人だったが、ふと田名部は一通の手紙の内容を思い出す。

そう一ヶ月前に送られてきた手紙、二宮先生の訃報を伝える内容が…。

 

第四話「罰当たり」

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動画投稿者の沢野と寺西は「心霊スポットに凸してみた」の動画撮影のため森に来ていた。心霊スポットへの凸行為にビビる寺西だったが、沢野は再生数稼ぎのためだと言い、寺西と森の奥へと進んでいく。

この先には通称「呪われた祠」があると言われ、罰当たりな行為をした者に災いをもたらすという噂が囁かれていた。

沢野と寺西は、森の奥で祠を見つける。再生数を稼ぎたい沢野は、罰当たりな行為として、持ってきた鉄パイプで祠をボコボコにしてしまったのだ…。

これで再生数は貰った。そう思った沢野だったが、ふと周囲に雨が降り始める。天気予報では今日一日は晴れ、寺西は祠の祟りだと動揺するも、沢野はそんな彼をいさめようと…した瞬間、森の奥から覗く2つの目を視線が合ってしまった。

しかし、次の瞬間にはそれも消えており、不審に思いつつも2人は自宅へと帰ったのだが…。

第五話「顔無しさんの噂」

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生粋の怪談好きの彩葉は、学校の放課後にスマホを弄りながら「この街にも怖い話ってないのかな?」と呟いていた。一方、美月は再来週に控えたテストに向け勉強をしていた。学校の放課後にスマホを弄る彩葉と、適当な事をしながら駄弁る美月、それは彼女たちの日課だった。

彩葉は美月へこの街にある怪談は知らないか?と尋ねるも美月は怪談好きではないため知らないと答えた。つまらなそうにしている彩葉に、美月はそんなに言うなら自分で怪談を作ればいいじゃんと気軽に伝えてしまう。その言葉に好奇心を刺激された彩葉はテンションが上がり、美月と協力して適当な怪談話を広めようとする。

彩葉は真実と虚構を混ぜた怪談話、自分がかつて遭遇した事故とそれにまつわる幽霊話を創作する。彩葉と美月は、学生生活での会話の中でそれとなく、その怪談を広めようとする事にした。

そして一か月後…。

授業の教室移動の際に美月は聞きなれない噂話を耳にする、それは「顔無しさん」と呼ばれる怪談話だった。その友達に詳しく聞くと、それは彩葉と美月が広めていた怪談話だったのだが、内容は全く違う過激な物語になっていた。放課後、美月はその話を彩葉にすると、彼女はテンションが上がり、もっと噂を広めようと美月に提案するのだが…。

 

プレイ非対応のMacの方、またはプレイ実況の方がいいという方はコチラ

03:20 第一話「引っ越し」
31:26 第二話「305号室の怪」

終わりに

無料のノベルホラーゲームとしてはクオリティが高かった。ホラー好きな人には先の展開が読めてしまうが、それでも面白さを感じる程にプロットがしっかりしており、物語に引き込まれる面白さを感じる作品になっている。

特殊部隊+テレビ+脱出 ホラーゲーム【CARGO】のダウンロード方法・あらすじ解説

 

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ある会社で起こった緊急事態。それに対応するため特殊部隊「CARGO」が派遣された。しかし、そこはいつもの任務と違いSクラスオブジェクトという「何か」が闊歩していた…という様なホラーゲーム「CARGO」。今回は海外で無料公開中の脱出ホラーゲーム「CARGO」の無料ダウンロードや特徴、物語のあらすじを紹介。

 

 

ダウンロード方法

ソーシャル機能を備えた無料から有料のゲームを扱っている海外サイト「Game Jolt」で無料公開中。

ゲーム「CARGO」の特徴

2つの作品からインスパイア

本作は2008年発売の近未来を舞台とした、未知の生命体との戦いを繰り広げるSF3人称ゲーム「デッドスペース」と、不可解な生き物や現象を扱う架空の組織であるSCPからインスパイアされた作品。

そのため、SCPに出てきそうな化け物との戦いを描く、近未来型の3人称視点のシューティングホラーとなっている。

デモ版のためプレイ時間は短め

本作はあくまでデモ版のため、プレイ時間は10分程度でクリアできるボリューム。

物語のあらすじ

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近未来、ある会社で発生したアウトブレイクに対処するべく、特殊部隊「CARGO」が派遣される事となった。

派遣された社内には職員に対し避難を促すアナウンスが流れていた。

「Sクラスのオブジェクトが収容所から脱走しました。CARGOによって安全が確保されるまで、職員は避難所で待機して下さい」と…。

新人エージェント

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歴戦のエージェント達は緊急事態にも関わらずリラックスしていた。主人公である新人エージェントは彼らに話しかけるも、新米に対しての扱いとしては舐めた態度をとられてしまう。

そんな中、先輩エージェントの指示通りエレベーターへ向かう新人エージェントだったが、そこにはアナウンスで流れていた「Sクラスオブジェクト」による被害を受けた男性が倒れていたのだった…。

感染源の排除

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社内には、アウトブレイクの原因と思われる「謎の物体」が生えていた。主人公である新人エージェントは先輩に言われた通り、触れない様に自身が持つ武器によって排除し、任務をこなしていくのだが…。

Sクラスオブジェクト

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順調に謎の物体の駆除を進めていた主人公だったが、彼の耳にある無線が入ってくる。それは他の部隊が「何か」と交戦し、劣勢のため応援を求める内容だった…。

そして奴が姿を現す。

手には交戦していた隊員を掴んで引きずる化け物、細身で顔にテレビを付けた様な姿をした化け物「Sクラスオブジェクト」と言われる存在が…。

このSクラスオブジェクトは、一回でも捕まったらゲームオーバーになってしまう。そのため、ひたすら逃げていくしか方法がない。しかし、逃げる道中には「謎の物体」が道を塞いでおり、それを排除しつつある地点まで逃げるという方法でクリアを目指していく。

 

終わりに

10分程度でクリアできるボリュームながら、事件の背景やクリア後の展開に興味が出てくる内容で、完成版が出たら3000円くらいなら買ってもいいかなといったクオリティで、無料のゲームながら「当たり」といった印象を持った。
ただ、心霊や怪奇現象といったジャンルではなく、シューティング要素も少なからずあるため、好みが分かれるかもしれない。

八尺様登場!ホラーゲーム【不在の学生】特徴・あらすじ・遊び方を紹介

 

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ネットで流行った怪談都市伝説「八尺様」。日本国内のマイナーな都市伝説だが、日本通なのか、それを知った海外クリエイターがホラーゲームにしてしまった。そんなホラーゲーム「不在の学生」、今回はこのゲームのダウンロード方法(フリー)や物語の簡単なあらすじ、八尺様について紹介していく。

 

 

八尺様とは?

八尺様とは文字通り八尺(240cm)程ある大きな女性の怪異であり、2008年にネット上の書き込みにより、その存在が認知され広まった。一般的な八尺様のイメージとしては、身長2m以上の大柄な女性で、長いストレートの髪に白いワンピース、麦わら帽子を被った外見として有名で「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ」という特徴的な笑い声を発している。

書き込みによる体験談では、ある学生が長期休みの際に父方の実家に帰省、暇な時間を持て余していると実家の生垣から大きな麦わら帽子を被った大きな女性を目撃してしまう。その事を祖父に伝えると状況は一変、何処かに電話した後、学生であった投稿者を新聞紙とお札で覆われた異様な一室に避難させるのだが…

という内容の体験談であった。その登場する怪異の特徴や、田舎ならではの古くから伝わる地域限定の怪談っぽさが人気をはくし、書き込みから10年以上経過した今でも、ネットで流行した都市伝説の一つとして語り継がれている。

物語の詳しい書き込みは以下のサイトで閲覧可能のため、興味が出た方は、どうぞ。

ダウンロード方法

海外クリエイター「Jeo」により無料公開中、下記リンク先よりダウンロードが可能。無料でもダウンロードできるし、ゲームが気に入りクリエイターを支援したい方は任意の金額を寄付する事もできる。

ゲームの特徴

全編英語音声

日本の都市伝説「八尺様」をモチーフに、海外のクリエイターが作ったインディーズフリーゲームになるため、ゲーム内言語は全て英語になっている。英語字幕すらないため、英語を聞き取れる方でないと物語の意味すら不明な点がネックとなる。

ゲーム中に出て来る行方不明となった子供が書いたであろうメモ等は英字のため、聞き取れなくても何となく意味はわかるが…。

攻略は単純明快

ゲームをクリアするためには学校内に存在する子供が描いたメモや、前任者が残した調査テープを回収していく事でクリアを目指していく。その道中、当然学校内では何もないわけがなく、大柄な女性「八尺様」が主人公であるプレイヤーを追いかけ回して来る事となる。

 

物語のあらすじ

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相次ぐ失踪事件を追っていた警察のチーフはある人物を呼び寄せる。その人物は物語の主人公であり、前任の担当者である田村警部が病気で入院した事で仕事を引き継ぐ事となった。

主人公である吉郎は、最後の失踪者が出た場所である学校へ向かい事件の事を調べて行くのだが…。

学校での調査

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主人公である吉郎は現場となった学校を訪れる。事件解決のため、校内を探索していくのだが、そこで入手した証拠となる子供が描いたであろう絵には、ある一人の人物について描かれていた…。

「ぽ?240cm位の大きな女性?名前は何だっけ?不気味だな…。」

さらに校内には、以前行方不明事件を記録した音声テープも残されていた。その内容は、行方不明になった子供達に共通しているのは「その人物」に会った事があるであろうと推理した内容を記録した物。そして他のテープでは、登場している人物も会ってしまったのだろう、この世でない場所に連れて行かれる…そう叫び、怯える男性の声が録音されていて…。

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その録音テープを聞く主人公にも「その人物」は静かに迫って来ていた…。

名前

主人公は探索の過程で「その人物の名前」を言う事が、この閉ざされた校内から脱出するキーである事を知るり、迫り来る「その人物」に名前を伝える。彼女は頭を抱えて苦しみ出し、そして…。

 

終わりに

海外クリエイターが制作したゲームであるので仕方がないが、学校内の雰囲気や設置物等は日本の学校を知る身としては正直微妙な物ではあった。しかし、作中で手に入れる子供の絵や事件についての音声テープで、物語の背景を補完していったであろうゲーム性は面白いと思う。

プレイ時間も1時間程度でクリアできるため、八尺様をモチーフとしたホラーゲームに興味がある人は無料でもあるし遊んでみてもいいかもしれない。

恋人同士のトラブル物件!ホラーゲーム【私の頭、どこ?】特徴・プレイ方法・あらすじ紹介

 

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仕事場に近く、家賃が安い、周りより家賃が低い理由には「何か」しらある。何も考えず安い物件に引っ越した事から、その対価を支払う事となってしまった…恐怖という名の対価を…。そんな事故物件に住んでしまった人の身に起こった出来事を描いたホラーゲーム「私の頭、どこ?」。

今回は、このゲームの特徴やプレイ方法、物語のあらすじを紹介。

 

 

遊び方

unityroomというフリーゲームを扱った投稿サイトにて、ダウンロードが不要なブラウザゲームとして楽しめる。

ページは下記リンクより。

ゲームの特徴と注意事項

無料のインディーズブラウザゲームという事もあり、操作性が少し独特な部分がある。ゲーム内の調べるコマンドの反応が鈍い所があり、角度を変えたりしないと上手くいかない時もあるのが少し難点。

とはいえ10分程度でクリアできるボリューム、そこまで悪くないグラフィック、マンションを題材としたゲーム、ブラウザで手頃に遊べる事から暇つぶしにはもってこいのゲーム内容となっている。

 

物語のあらすじ

プロローグ

実家から職場が遠い事もあり引っ越す事にした。会社から徒歩10分程の物件を探したが、家賃が高くなかなか見つからない。

ある日、不動産は良い所を紹介してくれた。2階と3階の家賃は高いが、4階の403号室のみ安くなっているとの事。

なぜ安いのか?

初めはオーナーが上層階に住むことが多いとの友人の言葉から、安い理由はそこかと思っていた。職場から近く、家賃も安い、安易な考えだった…もっと403号室のみ安い理由、もっとよく調べるべきだった…。

隣人への挨拶

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主人公は、引っ越ししてきた初めにマンションの隣人への挨拶を行う事にした。402号室、404号室、下の階の303号室…これが恐怖の始まりだった…。

ゲーム開始直後には、指定されたタスクがある。そのタスクをクリアし、マンションの玄関から出る(仕事に行く)と翌日に進むという仕様。マウス操作で視点を動かせ、左クリックで調べる、WASDボタンで進行方向へ進むといった単純な操作性。

怪文書

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昨日挨拶できなかった隣人への挨拶を済ませる主人公。気味の悪かった住人だったが、気にせず郵送物の確認にポストへと向かった。だが、403号室に入っていた郵送物は「頭のない◯体」と題された、かつて403号室に住んでいた住人が起こした事件の顛末が書かれていた。

3日目深夜2時

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深夜に403号室のチャイムが鳴り響く。主人公は、ドアの外に出て確認するのだが、そこには誰もいなかった。

そして、恐怖の宴が始まってしまう…。

ここで怪文書に書かれていたであろう人物が襲い掛かってくる。マンション内に浮遊している5つの魂を回収する事で、ゲームクリアとなる。あくまで、マンションの廊下に魂が浮遊しているので、難易度自体はそこまで高くはない。

終わりに

ブラウザゲームでは比較的2Dドット絵の作風が多い中、本作の完全3Dは珍しい印象が残る作品だった。作者は「ポテト先生」、他にも「脱出ゲーム」を中心に投稿しているので脱出系が好きな人はプレイしてみてもいいかもしれない。

倒せない敵が登場するホラーゲーム7選

 

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ホラーゲームに登場するオリジナリティー溢れた見た目や挙動でプレイヤーを楽しませてくれる敵クリーチャーの存在。様々なクリーチャーが登場してきたホラーゲーム業界でも、今回は「倒せない」「無敵」というワードに絞って7作品をピックアップしてみた。

 

 

クロックタワー

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登場クリーチャー:シザーマン

クロックタワー ザ・ファースト・フィアー

クロックタワー ザ・ファースト・フィアー

  • 発売日: 1997/07/17
  • メディア: Video Game
 

1995年にスーパーファミコンから発売されたホラーゲーム。初代は主人公のジェニファーを操作し、大鋏を両手でもつ「シザーマン」から逃げつつ屋敷を脱出する事を目指していく。その道中で襲い掛かる「シザーマン」の対処方法は「逃げる」「隠れる」のみ。イベントを介さないと倒せない敵であり、プレイヤー操作時に遭遇する際には無敵である。

一般的なゲームである直接主人公を操作する方法ではなく、画面上に出現する矢印を押す事で主人公をそのポイントへ誘導する方法で操作する。この直接操作せず、指定ポイントを選択して誘導するワンテンポ遅れる操作が、よりプレイヤーに恐怖を与える作品となった。

Monstrum

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登場クリーチャー:Brute・Hunter・Fiend 

Monstrum(輸入版:北米)- PS4

Monstrum(輸入版:北米)- PS4

  • 発売日: 2020/10/23
  • メディア: Video Game
 

1人貨物船に取り残された主人公が、船内を徘徊する謎の怪物に襲われつつも、落ちている道具を使いながら貨物船から脱出する事を目指すホラーゲーム。

PCゲーム販売サイト「Steam」で販売されたが、後にPS4やSwitchに移植されている。船内での部屋に配置や落ちているアイテム、出現するモンスターは完全ランダムとなっており、なおかつセーブが不可能の仕様。当然、出現するモンスターは無敵であり倒す事はできない。プレイヤーが取れる行動は「逃げる」「隠れる」しか存在しない。

そんなモンスターが徘徊する船内で、ランダム配置のアイテムを回収しゲームクリアを目指すわけだが、各々違う特徴能力を持つモンスター、その特徴による各々違った回避方法は、プレイヤーに焦燥感と恐怖を味合わせてくれる。

DEMENTO

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登場クリーチャー:追跡者

デメント

デメント

  • 発売日: 2005/04/21
  • メディア: Video Game
 

開発当初はクロックタワーの続編として製作されたが、新規ユーザーの取り込みを図るため別作品として発売された。それゆえ、作中ではクロックタワーにおける「逃げる」という特徴が色濃く反映されている。

物語の章ごとに別々の忠ボスが登場するが、章をクリアするまでボスは絶対に倒す事ができない仕様。さらにホラー映画のアングルも意識されており、画面外から急にボスが迫ってくるなど、プレイヤーの恐怖を煽る演出が特徴的。

 

SIREN

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登場クリーチャー:屍人

SIREN

SIREN

  • 発売日: 2003/11/06
  • メディア: Video Game
 

2003年シリーズ作品第1作がPS2で発売。その作中にでてくる「屍人」が倒せない敵として登場する。厳密に言うと、一時行動不能には追い込める。しかし、時間経過で復活する事や、そもそも主人公達が戦闘向きでない事から、基本的に「逃げる」「隠れる」の行動を取らなければいけない。

ゲームの仕様上の能力として、この敵が見ている光景を見る「視界ジャック」という能力が登場する。この能力を使う事で、現在の敵の位置を把握し、隠れながら進んでいくのだが、使用中は当然主人公視点の視界は塞がれてしまう。敵が見ている光景を確認しつつ、先へと進もうとした時、自身自体に敵が迫っていたなんて事も…。

バイオハザード:RE2

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登場クリーチャー:タイラント

BIOHAZARD RE:2 - PS4

BIOHAZARD RE:2 - PS4

  • 発売日: 2019/01/25
  • メディア: Video Game
 

2019年に発売された1998版「バイオハザード2」のリメイク作品。本作に登場する「タイラント」という敵クリーチャーは、ある物語上のイベントまで倒す事はできない。ゲーム中で手に入る銃の弾丸を惜しみなく使ったとしても、一時的に動きを止める程度の効果しかない。そのため、基本的には逃げ回る事になるのだが、銃の発砲音や物音を感知すると、その場所に近づいてくるため、タイラント以外の敵への対処方法などにも影響を及ぼしてくる。

その物音をたててしまった事への焦り、何処からタイラントが現れるかわからない見えない恐怖、その2つの感情がプレイヤーに襲い掛かってくる。

Shadow Corridor-影の回廊-

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登場クリーチャー:徘徊者

フリーゲームから始まり、追加要素を加えた製品版が様々プラットフォームで発売された。興味本位で足を踏み入れた路地は、異界への入り口だった。様々な怪異が徘徊する世界からの脱出を目指していく和風ホラーゲーム。

鈴を鳴らす徘徊者、音を出しながら走り回る徘徊者、無音で忍び寄る徘徊者、様々な特徴を持つ徘徊者達が登場し主人公に襲い掛かるが、すべての敵に共通する事は「倒せない」事。

そもそも武器と呼ばれるアイテムを入手する事がないため、ゲーム上「逃げる」「隠れる」わざと音を出し「おびき寄せる」しかできない。

薄暗い和風の屋敷が舞台となり、その不気味な雰囲気もさる事ながら、登場してくる無敵のクリーチャーの容姿も「ザ・日本」の恐さがよく表現されており、怖いの一言。

エイリアンアイソレーション

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登場クリーチャー:エイリアン

映画「エイリアン」と「エイリアン2」の間に起こった物語で、エイリアンシリーズの主人公エレン・リプリーの一人娘であるアマンダ・リプリーが主人公のステルスホラーゲーム。

この作品に登場するクリーチャーはタイトル通り「エイリアン」。映画本編でも猛威を振るった宇宙生命体が登場する。映画では倒せない敵ではない存在であるが、本作においては「倒せない敵」として登場する。

エイリアンの身体能力上、見つかってから逃げる事は困難を極め、そもそも「見つからない」ぐらいしか対処法が存在しない(あるアイテムを使用する事で、退かす事は可能だが…)。

そのため、プレイヤーはまるで映画の中に登場するエイリアンを相手にしたサバイバルな恐怖を体感する事ができる。

 

終わりに

その見た目だけでなく、特徴豊かな特性から人間が持つ潜在的な恐怖の一つ「立ち向かえない事への恐怖」を感じさせてくれるクリーチャー達であった。
今回はゲームタイトルが被るため記載していないが、ゲームキューブで発売された初代バイオハザードのリメイク作品に登場した「リサ・トレヴァー」も倒せない敵としての恐怖を感じたキャラクターだった。攻撃できる武器を所持しておりながらも「立ち向かえない」、この無力感からくる恐怖心をすごく感じた事を今でも覚えている。

短編ホラーゲーム【例外配達】2つのエンディングと物語の考察・解説

【あらすじ考察・エンディング解説】

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時間外配達。深夜の静まり返った住宅マンション。残業を押して、配達物を届ける主人公に襲いかかる恐怖の体験を描いた短編ホラーゲーム「例外配達」。インディーズホラーゲームクリエイターとして名高い「チラズアート」が送り届ける和風ホラーゲーム。

今回は、チラズアート作品では定番となっているマルチエンディングの到達条件や物語のあらすじを解説。

 

 

ダウンロード方法

2021年6月5日からPCゲームの配信サイト「Steam」にて定価310円(税込)でダウンロード販売中。購入ページの詳細は下記リンクより。

物語のあらすじ

配達員(31歳)の例外配達

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最後の配達エリアに到着した主人公は、5つの荷物を届ける事で、今日の仕事を終える事ができる。深夜遅くの配達、仕事を終わらせる焦燥感に駆られつつ、1件1件丁寧な時間外の「例外配達」を行って行くが、配達先の住人達は何処か異常な行動を見せてくる。

夜のアパートの雰囲気がよく表現されており、チラズアート作品初のエレベーターが搭載されたステージとなっている。前作「終焉介護」と違い、今回のステージはこのアパートのみ。

206号室宛ての荷物

スーツ姿の男性「おせぇなぁ!あいつと同じかよ!2度顔を見せるな!」と吐き捨て、配達員である主人公に持っていたペットボトルを投げつけてくるのだった。

502号室宛ての荷物

パジャマ姿の女性。電気の着いてない室内に立つ彼女は、404号室の住人から貰ったキャットフードを主人公に渡し、一方的に扉を閉めてしまう。

401号室宛ての荷物

フードを被った男性。「怖い…僕も同じに見えます?怖くないですか?…このアパート…僕も、この中の一人になってます?」と意味不明な言葉を発する男性は、主人公に、あなたは信用できないから105号室に住む「祭司」と話さないと荷物は受け取らないとごねてしまう。

305号室宛ての荷物

メガネをかけた女性。「その荷物わかるでしょ?」「ベットフレームよ」「組み立てるまでが仕事でしょ?」と言ってくる。主人公は指定された場所にベットフレームを組み立てるも、組み立て終わった時には先ほどまでいた部屋の女性は何処にもいなかった。

202号室宛ての荷物

母子。扉が開いた瞬間、小さな子供が飛び出し走り去ってしまう。母親と思われる女性は、主人公が急に来た事が原因だと激怒し、息子を捜してこいと命令してくる。主人公はアパート内を捜し回り、扉が開いた4階の一室内に居た子供を連れていくのだが…。

 

異様な雰囲気に呑まれた空間

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子供を連れ2階の母親の所に向かう途中。周囲は異様な雰囲気に包まれてしまう。保護した子供の姿もいなくなっており、周囲が赤くぼやけ、階層毎にハシゴが掛けられたあみだくじの様な様相のアパートがそびえ立っていた。

駐車場には、配達用のトラックが置いてあり、中には先ほど届けたはずの荷物が横たわっていたのだった…。

このステージでは、今まで使えていたエレベーターが使用不能に。廊下に掛かっているハシゴを登り、指定の荷物を届けていく。

異様な空間での例外配達

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廊下に掛けられたハシゴを登り、各階へと荷物の再配達を行う主人公だったが、部屋には住人の姿はなく、日記の様なメモが置かれていた。

この日記の内容は、康平が綴った物となっており、引っ越しして来てからのつらい環境を伺い知れる物になっている。

202号室

子供が歩いていた。僕は子供が好きだ、あの子は202号室のまりこさんとこの子供だ。まりこさんが気づくと、子供を抱え「悪いものがうつるわ」と言った。僕は、ばい菌か何かなの?

206号室

206号室のたけおさんが荷物を運んでいた。「手伝いましょうか?」と伝えたら「とろいおまえが何ができるんだよ!手伝う事ができるなら生活保護なんか貰うなよ!社会のお荷物が!!」と言われた。僕は周りからそうな風に見られてるのかな?

305号室

305号室のありささんは学生さん。学業にバイトと頑張っており、僕も応援したいと思った。ある日、廊下ですれ違ったら「ストーカー、きもっ!」と言われた。ストーカーなんてした事ないのに…。

401号室

401号室のみちるさんは、歳が近いから仲良くなれるかも。みちるさんの姿を見た事がないから、今日は直接訪ねてみる事にした。「君みたいな人と仲良くする人なんていないと思うよ」と言われた。どういう意味…?

502号室

今日は502号室のえりかさんに猫缶をあげた。僕も犬を飼っているから仲良く出来たらいいな。「ほんときもい」と言われた。傷ついた。

105号室

105号室のゆきちさんが歩いている所を見た。祭司さんで優しそうだと思い、声を掛けたら「金を持ってない奴がなんの用だ。二度と俺の前に現れるな」と言われた。機嫌が悪かっただけかもしれないけど、あんな言い方するなんて…。

戻って来た世界

異様な雰囲気のアパートでの配達を終えた主人公は、動き出したエレベーターに乗り、元の世界へと戻って来る事ができた。手には、先ほど保護した子供も抱えていた。そのまま202号室へと送り届けるも、部屋には母親の姿はなかった。

一応、全ての荷物の配達が終わった主人公は、トラックへと戻るのだが、そこには届ける予定にない荷物が一つだけ置いてあったのだった。

最後の荷物

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無いはずの荷物、それは404号室宛ての物だった。主人公は不審に思いながらも、最後の荷物を届けに404号室を訪れるのだが、部屋には誰も居なかった。台所の机の上に生活保護の書類がある事から、404号室の住人は、今まで読んで来たメモの人物「康平」だと思われるのだが…。

 

⚠ここからエンディングにおけるネタバレを含んだ内容になっています。

 

 

エンディング

エンド2「大家(53歳)」

特定の行動をせず、一般的なプレイスタイルで到達するであろう、エンド1を迎えるための3つの条件を達成しなかった場合のエンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

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康平を捜し、部屋の中を見て回るが、ある和室の真ん中に置いてある、冷気を放つ冷蔵庫を見かけた瞬間、あたりは赤く染まった凄惨な部屋へと切り替わってしまう。そこには、今まで荷物を届けた際に会話を躱した住人達が倒れており、とても生きているとは思えない姿をさらしていた。

そして、配達員の意識は…。

 

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404号室で起こった出来事、その全てを監視カメラで見ていた大家は、その異常な出来事を確かめるため404号室へと向かう事にした。

404号室には誰もいない。

中を捜索する大家さんだったが、身体に衝撃が走り倒れてしまう。

意識のなくなる寸前、大家が目にしたものは、視界の端からゆっくりと現れた2本の足。

上半身は見えなかったが、そこからは白い冷気の様な物を放っていたのだった…。

エンド1「真エンディング」

3つの条件を満たし、康平の母親からの手紙を読む事で迎えるエンディング。

【1】206号室の住人から投げられたペットボトルを拾い、公園にいる犬に与え、母からの手紙を読む。

【2】502号室の住人から貰ったキャットフードを、アパートごみ捨て場にいる猫に与え、母からの手紙を読む。

【3】202号室の子供が隠れていた部屋、403号室のベランダに置かれている花瓶を地面に落とし、子供を202号室へと連れて行く。そして404号室へと届ける最後の荷物を取る前に、地面に落とした花瓶から「404号室のメールBOXの鍵」を入手する。

その鍵を使い、404号室のメールBOXに入っている母からの手紙を読む。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

404号室はもぬけの殻だった。

中を捜索する主人公だったが、ある和室に不自然に置かれた冷蔵庫を目にする。

冷気を放つ冷蔵庫、その中からは凍り付いた人間が入っていたのだった…。

 

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その場を後にする配達員。

アパートで起こった事を知った彼は、あそこをそのままにしてはおけなかった。

決心した彼は、大家の通帳を持って(アップデートで削除)警察へと向かい、警官に事の経緯を説明した。彼の話を聞き、警官はアパートへ向かった。

警察は早々に自◯と判断した。

それは、配達の仕事の範疇を越えているものだった。

大家は警官に事情聴取される事となった。(アップデートで削除)

今も康平の魂はアパートに住んでいるのだろうか。なかよしアパートは姿、名前を変え、人が来るのを今か今かと待っている。

物語の考察

作中で読める康平の手記や、エンド1・エンド2での出来事から配達員が例外配達に来る前に起こった出来事を推察する事ができる。以下「なかよしアパートでの出来事」は、本編での手記をまとめ、一つの物語として推察した物になってます。

なかよしアパートでの出来事

前のアパートでの人間関係の構築に失敗した康平は新たな引っ越し先である「なかよしアパート」での生活を始めた。積極的にアパートの住人と交流を持とうとした康平だったが、被生活保護者への世間の風当たりと偏見から中々上手くいかなかった。さらに、前のアパートで色々と問題があった康平は、大家に相場より高い家賃を請求され搾取されてしまっていた。

康平は自身の性格から、その事に深く悩み、ついには憎しみを募らせてしまう。そしてアパートの住人を◯し、自らの命を断ってしまったのだった。その事を察したアパートの大家は、今後の住人の受け入れや世間体を考え、康平を冷蔵庫に入れ監視カメラで、この事が発覚する事を防ごうとする。

本作の主人公「配達員(31)」は、不可思議なアパートでの出来事を警察に話した事で、捕われていた康平は解放されるのだった…。

物語の考察ポイント

異世界の様なアパートでのエレベーターで遭遇した康平の手には包丁が握られていた事、エンド2での404号室内に住人の無惨な姿が散見される事から、康平は冷たい態度のアパートの住人を皆◯しにしていると思われる。

エンド1エピローグで、康平を発見した警察が自◯と判断した事、404号室のある地点の床が黒く染みていた事(自◯の特徴)から、康平は自ら命を断っている事は確定か。

エンド2冒頭、配達員の視界にノイズが走り、その引きとして大家宅のテレビが映る事から、大家は404号室を監視していたのであろう。もしかしたら4階に置いてあった大量のゴミ袋は…アパートのごみ捨て場には出せない「何か」だったのかもしれない…。

エンド2冒頭、大家宅で見かける通帳には康平だけが、他の住人よりも倍近い家賃を支払っている事がわかり、被生活保護者である康平を不当に搾取していた事を垣間見る事ができる。

母らの手紙

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ゲーム中に入手するアイテムを使用する事で、物語上の重要人物「塩田康平」に関する手紙を読む事ができる。一人暮らしする息子を心配する母親の愛情溢れる内容になっており、物語に隠れる「悲しさ」をより補強する内容になっている。

エンド1のエンディングを迎えるための条件でもある。

ゴミ捨て場に捨てられた手紙

502号室の住人から貰ったキャットフードを与える事で、ゴミBOXから退いてくれる事で読む事が可能に。

康平、アパートの暮らしはどう?前のアパートでは、住人の人達と合わなくて引っ越ししてしまったけど、康平は悪く無いわ。お母さんは康平の見方だから、挫けずもう一度頑張ってみて。お母さん応援してるから。

公園で佇む犬が咥えた手紙

206号室の住人が投げつけて来たペットボトルの水を犬にあげる事で、手紙を読む事が可能に。

康平、アパートの新しい環境にはもう慣れた?康平の優しさはお母さんが一番よく知っているから、周囲もきっと解ってくれるわ。仕事もあせらずゆっくりでいいからね。そういえば、犬ちゃんも元気?たしか愛吉って名前よね?お母さんも早く見たいな。 

404号室メールBOXに届いた手紙

康平、大丈夫?最近連絡ないから心配で。新しいアパートでは良い人と巡り会えるといいね。お母さんもお父さんも康平の見方だからね。康平が幸せに暮らせる事が一番だから。そういえば、おばあちゃんが康平の顔が見たがっているよ。落ち着いたら。一度顔を見せに帰っておいで。 

 

 

終わりに

本作は正直、怖さはあまりない。生活保護者への世間の風当たりの強さ、その生活保護者を利用しようとする者、生活保護を受けねばならない者と家族、生活保護という社会のセーフティネットを中心に様々な立場の人間達が一同に介し、その物語にホラー要素を混ぜ込んだ、何とも後味を感じる作品であった。

とはいえ、ホラーゲームとして恐怖を感じる事をメインに考えている人には物足りず、物語メインでホラーはトッピングとして考えている人には好まれる賛否の分かれそうなゲームであった。

多分、制作者もその事は十分に理解しているためか、今までのホラーゲームの値段より低いのはその点を考えてなのかもしれない。

個人的には、康平の人の良さと、その母親の優しさがゲーム中の手紙で読み取れるため、エンディング後には悲しい気持ちになり憂鬱な気分になったので、きつかった。

他のChilla's Art(チラズアート)氏制作のホラーゲーム

訪問介護職員が体験した恐怖の出来事「終焉介護」

いじめが原因で子を亡くした母が主人公「行方不明」

学校の都市伝説をモチーフとした前作ホラーゲーム「花子さん」

学校のトイレに潜む妖怪をモチーフとしたサバイバルホラー「赤マント」

 雪女を基とし独自解釈を含めたサバイバルホラー「雪女」

 

タイピングホラーゲーム【アカガオ】の特徴や物語のあらすじ攻略ルート

 

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自身のタイピング能力を駆使し、捕われた研究所から脱出せよ!タイピングホラーゲーム「アカガオ」。スマホやタブレットの普及によりキーボードを打つ事が少なくなって来た昨今、果たしてタイピング能力が必要な本作品をクリアできる人は存在するのだろうか…。

という様なホラーゲーム「アカガオ」のダウンロード方法や攻略手順、あらすじを一挙紹介。

 

 

ダウンロード方法

無料のPCゲームの配信や紹介を行っているウェブサイト「Freem!」で無料公開中のWindows専用ゲーム。

ゲーム「アカガオ」の特徴

タイピングホラー

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迫り来る異形の化け物「アカガオ」から逃げながら、研究施設に隠された謎を解き脱出を目指して行く。その途中には鍵の掛かったドアが存在し、タイピング能力を駆使して突破していかなくてはならない。

3段階の難易度

「生存率70%」「生存率30%」「生存率10%」の3段階からなる難易度を選択できる。生存率70%ではタイピング文字が1文字、生存率10%ではタイピング文字が3文字と難易度に応じてタイピングする文字数が増加していく。

入力する文字数はそこまで多くはないが、迫り来るアカガオの速度が早いためゲーム難易度は高い。

 

物語のあらすじ

見知らぬ場所

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主人公は、ある場所で目が覚める。見知らぬ場所…閉ざされた空間…そんな場所に1人の男が現れる。彼の名は「安藤」。安藤は主人公に「これから実験に付き合ってもらう。おまえは逃げるだけでいい…「アカガオ」からね…」と告げ、部屋から出て行ってしまうのだった…。

不測の事態

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主人公は安藤の後を追い、目覚めた部屋から外へと出た。そこは広い屋敷の様な場所で、主人公を除き人の気配が全くしない異様な空間が広がっていた。

屋敷から脱出するため先へと進んで行く主人公だったが、ある場所で「佐藤」と名乗る人物と出会う事となった、佐藤は主人公へ「アカガオが脱走してしまった。みんな逃げている」と告げた瞬間、背後から迫って来た異形の化け物に襲われてしまうのだった…。

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攻略ルート

クリックで表示:【簡易的攻略ルート】

1.最初の部屋から出た後、机の上においてある箱から鍵を入手し先へ進む。

2.広い大広間の右上、階段下の部屋へと入る。

3.宝箱横の水の入った桶の水を抜き、物置小屋の鍵を入手。

4.大広間左上の物置小屋の中から棒を入手する。

5.物置小屋の鍵を入手した部屋へ戻り、壁にあるボタンを棒で押す。

6.宝箱から食堂の鍵を入手。

7.大広間奥の食堂を開け、暖炉に置いてある2階の鍵を入手する。

8.2階の廊下を抜け、4つの扉の謎を解き鍵を入手。

9.別場所の1階へ進む、廊下左上の部屋の机の下に隠された階段を発見する。

10.階段先の部屋でプラスチックの剣を入手する。

11.地下室から向かいの廊下へと移動。

12.廊下途中の白黒タイルの部屋向かいの研究室の電源を落とす。

13.アカガオが襲って来るので、研究室の部屋真ん中の箱に隠れやり過ごす。

14.電気を消したまま、白黒タイルの部屋へと入る。

15.タイル部屋の壁に光っている盾をプラスチックの剣を使い落とし、カードキーを入手する。

16.向かいの研究室内の扉をカードキーを使い解錠、先へと進んで行く。

17.進んだ先でUSBを入手。

18.進んで来た道を戻り、途中に置いてあるPCにUSBを繋ぎ、パスワードを入手。

19.パスワードを使用し先へと進む。

20.脱出へ

終わりに

タイピング能力、論理的思考力が試される作品であった。一般的なタイピングゲーム程に長い文章を打ち込んで行く必要はないが、迫り来るアカガオの速度が中々早いため、「生存率70%」の難易度でも比較的難しい。

調べると破滅する物件 ホラーゲーム【内藤アパート】の4つのエンディング解説や物語のあらすじ

【分岐する4つのエンディング解説・出現方法】

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オカルト雑誌のジャーナリストは、格安の超優良物件「内藤アパート」に引っ越す事にした。この物件はいわゆる事故物件であり、記事ネタ豊富でサイフに優しいこのアパートを気に入り引っ越す事にしたのだが…。そんな彼女に襲いかかる恐怖を描いたホラーゲーム「内藤アパート」。今回は分岐するエンディングの出現方法や解説、遊び方を詳しく紹介。

 

 

ダウンロード方法

無料のPCゲームの紹介や配信を行っているウェブサイト「Freem!」で2021.4月23日に無料公開中。詳細はリンク先にて。

ゲームの特徴

マルチエンディング

主人公はオカルトジャーナリストである。物語も内藤アパートにまつわるオカルトを集め記事にする事を目的とし進行していく。この「オカルト記事のネタ」は、作中に登場する様々な人達から聞いた噂が元になるのだが、この集めた「ネタ数」に応じて4つの分岐するエンディングが存在する。

2Dホラーと飽きさせない丁寧なゲーム作り

懐かしのドット絵2Dと立ち絵の会話シーンや1枚絵で進行するイベントで物語は進行していく。

自室に戻ると「その日」は終了し、次の日へと物語は進んで行く。2日目に登場した人物が3日目には登場しないなど、細かく丁寧なゲーム作りで、狭いゲームフィールドでも探索を飽きさせない作りになっている。

物語のあらすじ

駅近、バストイレ別、wifi完備、敷金礼金なしで月4万円のアパート。当然この超優良物件に「何か」がないわけがなく、不動産からの説明でもあったがいわゆる「事故物件」である。

オカルト雑誌を発刊している会社で働く主人公の「鈴原穂乃果」は、その職業柄から世の中に蔓延るオカルト話の全てが創作物である事を知っており、いわくつきの物件も全く気にしていなかった。即座に契約、主人公にとってこの部屋は、単なるお得な物件という認識しかなかったのだが…。

1日目

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事故物件に住む事、会社の編集長はそんな鈴原穂乃果にアパートのオカルト話についての取材を命令する。

引っ越してきた当日、穂乃果は隣人への挨拶ついでに、アパートで起こるオカルトについて取材をし、その事をおもしろおかしく記事にすれば編集長も満足するだろうと考えていた。

大家へと挨拶をする穂乃果だったが、そこで大家に2つの禁止事項を告げられる事になった。

1.屋上に上がってはいけない。

2.アパートの噂について調べてはいけない。

2日目

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この日もアパートについての調査を開始した穂乃果だったが、アパートの敷地で1人の女の子の姿を見かけ、少女へ自己紹介ついでに挨拶をする。そんな穂乃果にアパートの住民である少女は「頑張ってね」という言葉を投げかける。

穂乃果はその意味深な返答に詳しい事情を少女へと訪ねると、少女はアパートに伝わる1つの噂を聞かせてくれた。

アパートの奥には1つの小屋がある。誰もいないはずの小屋だが、時折1人の女性が立っている事があるらしい。その容姿は、髪が異常に長く顔を見る事はできない。しかし、髪の間からコチラを伺う視線は感じる事ができる。でも絶対に視線を合わせてはいけない…合わせると自身の命を失う事になるのだから…。

そんな噂を聞かせてくれた少女は、追加で1つの出来事を教えてくれた。

今朝「大家さん」が、小屋に立つ女性を目を合わせちゃったんだって…。穂乃果は自室への帰り道、大きな叫び声とあたり一面を赤く染め、その中心に横たわる「大家さん」の姿を目撃するのだった…。

 

3日目

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身体に倦怠感を覚え始めた穂乃果だったが、引き続きアパートの取材を開始する。街に出た穂乃果は、道端でアパートについて噂する女性を見かけ、詳しい話を伺う事にした。噂を教えてくれた女性はおかしな事を穂乃果に告げてきたのだった。

あのアパートの大家さんはおかしい。何度も命を失う事になったとしても、いつのまにかけろっとした顔でアパートに戻ってくるのよ。気味が悪くて、周辺の住民はみんなあの大家の事を嫌っているの…。

 

奇天烈な噂話を取材した穂乃果はアパートに戻る事にした。そこで街へ向かう時にはいなかったアパートの住人と顔を合わす事になった。話を聞くと、アパートに伝わるもう一つの噂を聞かせてくれた。

このアパートの屋上には行列ができる時がある。順番待ちをしている様に並んだ行列の影は、先頭の者から順番に地面へと飛び降りて行くらしい。

 

そんな話をした住民が「今日もそろそろ…」と嘆いた瞬間、穂乃果の横に屋上から飛び降り地面へと激突する人が現れる。

その人物は、前日に襲われ命を失ったアパートの大家さんだった…。

4日目

だび重なる異変を体験した穂乃果は青い顔を浮かべていた。この日はいつもよりおかしく、アパートはもちろんの事、街にも人の気配がしない異様な空間が広がっていた。

そんな中、街の奥には1人の老人が佇んでおり、穂乃果は老人からアパートの成り立ちについて話を聞く事ができた。

あのアパートにはもともと神社があったのを知っているか?

当時、この地を支配していた大地主は、その神社の神主が気に入らないという理由でとっても酷い事を行い排除したのだ。それからあの土地は呪われてしまった。その後の大地主も酷い事があり命を落としてしまったらしい。あのアパートの大家は、その大地主に似ているって話だ。

全部、あいつのせいだ…。

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アパートに戻った穂乃果は、しれっとアパートで佇む「大家さん」を目撃してしまう。恐怖にかられ引っ越して来て早々に部屋から退去する事を決めた穂乃果は、極度の倦怠感から部屋へ戻って寝てしまうのだが…

 

⚠ここからエンディングのネタバレを含んだ内容になっています。

 

 

通常エンディング

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
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アパートで体験した出来事を記事にする穂乃果。オカルトを信じていない彼女は、アパートで体験した出来事について未だに半信半疑だった。記事も一通り完成し、編集長へメールをしようとした時、部屋のチャイムが鳴り響く。

部屋のドアを開ける穂乃果だったが、そこには誰もいなかった。

いたずらに憤りを覚える穂乃果だったが、部屋に戻った彼女の耳には女性の笑い声が聞こえて来る。

気がつくと、穂乃果の肩には顔を隠す程に伸びた髪の間から眼だけが見える異様な姿の女性が顔を寄せていたのだった…。

分岐エンディング

この物語は上記で紹介した通常プレイで迎える事になるであろうエンディングの他に、「取材し集めたネタの量」により3つの分岐するエンディングが存在している。

狂気と驚喜エンディング

編集長に言われた通りにアパートの住民や街の人へと取材していく通常ルートと異なり、記事のネタを集めない事で迎えるエンディング。ゲーム開始の大家さんへの挨拶以降、誰とも会話する事なく物語を進めると出現。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

5日目

部屋から出た穂乃果はバグった様に色や文字がおかくなった世界が広がっていた。

アパート横に佇む大家さんに話しかける穂乃果だったが、彼女の様子は狂気に満ちていた。

彼女はアパートで起こっていた不可解な事件や事故に驚喜する。

ネタの尽きない素晴らしいアパート。

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記事を書いて書いて書きまくって、この素晴らしいアパートに人を集めよう。

この狂った世界で、狂った穂乃果の高らかな笑い声が空しく響きわたるのだった…。

アパートの噂「屋上に並ぶ人影」エンディング

一つだけ記事ネタを集めた状態で迎えるエンディング。ゲーム開始直後に大家さんへと挨拶をすませ、街のコンビニで内藤アパートにまつわる噂を聞いた以降、誰とも会話するなく自室へ戻り日付けを進めると到達する。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
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さいきん身体がだるい。

せっかく集めたネタも記事にする気もおきない。

会社にも顔をだしていない。

スマホの通知がすごい事になっているが、何もやる気が起きない。

気分転換に外に出てみよう。

たしかアパートには屋上があったはず。

屋上での光景はすばらしかった。

真っ赤に染まった広々と輝く空。

無性に空を飛びたい気持ちにかられた。空を飛べば、この鬱屈とした気分からも解放される気がする……。

その後…

地面には何かが潰れる音が響いたのだった…。

アパートの噂「奥の小屋」エンディング

ゲーム中で語られる内藤アパートにまつわる記事ネタを全て集めると到達する真エンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

5日目

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部屋の外に出た穂乃果は、この世ならざる光景を目にしてしまう。

まるでバグッた様に色や文字がおかしくなった世界。

髪の長い女性が出現すると噂されるアパートの奥にある小屋の扉が開いていた。

穂乃果は小屋の中に足を踏み入れるが、とても小屋の中とは思えない光景だった。

奥へと進んでいくと、神社の鳥居が無造作に立っている空間が広がっており、そこにはアパートの「大家さん」が佇んでいた。

とてつもない恐怖から怒りが沸き上がった穂乃果は、佇んでいた大家に元の世界に帰す様に問いつめる。

しかし、大家はアパートで起こる出来事はあくまで自分が制御できる物ではなく、自分も巻き込まれているだけであり、そんな土地に興味を持ち噂を広めようとしていた穂乃果だからこそ好かれ、この世界に招かれてしまった事を説明する。

それでも現実を受け入れられない穂乃果に、大家さんは「非情に残念ですが…さようなら」と告げるのだった…。

 

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後日、穂乃果が住んでいた内藤アパート202号室は新たな入居者を迎えていた。

次の入居者は男性、彼も穂乃果と同じくアパートにまつわる「噂」を集め知り合いや友人達に広めようとしていたのだった…。

終わりに

作中で登場する人物達の言葉に何一つ無駄がなく、全ての会話が物語に紐付けされており、丁寧によく練られたゲームであった。大家さんが最初に主人公に告げた2つの警告も、物語を終えると単純に大家サイドの迷惑行為に対する警告ではなかった事がわかる点も伏線の一つとして面白かった。

無料で公開されている作品としては少しもったいないレベルのハイクオリティゲームの一つでだった。 

残業した者の末路 ホラーゲーム【NIGHTMARE SHIFT】の特徴やあらすじ解説

 

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深夜遅くまで残業していた会社員に襲い掛かる恐怖を描いたホラーゲーム「NIGHTMARE SHIFT」。こじゃれたオフィスには自分一人しかいないはずだが、彼と共に残業をしていたこの世の存在ではない何者からのメッセージが…。

今回は、という様な海外のインディーズゲームのダウンロード方法から大まかなあらすじを解説。

 

 

ダウンロード方法

Windows専用の有料ホラーゲームで、専用サイトで2ドル支払う事でプレイが可能。

商品サイトは下記より

ゲームの特徴

3Dゲーム作品で、海外ドラマでよく見かける様な少しおしゃれなオフィスが舞台。ゲームクリアまで20分程度で、謎解き要素もそこまで難しくないお手軽に遊べるのが特徴。

物語のあらすじ

残業

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夜遅くまで働いていた主人公だったが、一息ついた所でキッチンにコーヒーを入れに向かう。コーヒー片手にデスクに戻った時、パソコンの画面に奇妙な文字が打ち込まれていた。「hello」自分で打ち込んだ覚えのない文字に、同僚のいたずらか何かと思った主人公は、犯人を捜しにオフィスを歩き回るのだが…

異常

会社のオフィスを隈なく歩き回る主人公だったが、人の気配はまるでない。深夜まで残業していたのは自分だけ…。この事を再確認した彼は、自分のデスクに戻るろうとする。すると、今まで鍵が掛かって入れなかった一室の扉が一人でに開いてしまう。

その部屋の中には1台のパソコンが置かれており、モニターにはパスワードを入力する画面が映し出されていたのだった…。

同僚ではない何者かの存在

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部屋に置いてあるメモを元にパソコンに入力するパスワードを探していく。しかし、その道中には自分の同僚ではない、会社に所属していない何者かの影が動き回っていた。

そして

パスワードを入力する事に成功した主人公。パソコンの画面には「第2ラウンド」の文字が浮かび上がる。急いで会社の外に出ようとする主人公だったが、今までは影しか見えなかった同僚以外の何物かが突如襲い掛かって来るのだった…。

エンディング

何とか会社の外に出る事が出来、無事に生還を果たした主人公…。

明日も出社しますか?

→はい

 いいえ

そして…。

 

 

終わりに

海外クリエイター作品のため、全編英語オンリーとなっている。とはいえ、ゲームクリアまで非常に短い作品であるため、そこまでの英語能力は必要とせず、謎解きも単純のため雰囲気で何となく理解できる。全体としてはそこまでホラー要素があるわけではないため、がっつり恐怖を体験した人には少し物足りない作品。

名作映画を再現したホラーゲーム【CUBE】のダウンロード方法や特徴を解説

 

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サイコロの様な正六面体の空間に閉じ込められた人達へ、R指定の恐怖が襲いかかるホラー映画「CUBE」。数十年前に公開された古い映画だが、ホラー映画好きの人は一度は耳にした事はあるだろう。

人気のシリーズのため様々な派生映画作品が作られたが、1997年に公開(日本は1998年)されたオリジナル作品の世界を完全再現したゲームを今回は紹介していく。

 

 

ダウンロード方法

コチラのサイトから無料でダウンロードが可能。容量は約50MB程。

※視覚品質にかなりこだわっており、古いPCだとゲームの動作が不安定になる可能性有。動作が不安定な人はYouTubeで実況動画が上がっているため、そちらを見ても映画を再現した雰囲気は楽しめる。

ざっくりした映画の内容

ここでは、ゲームの元となった映画のあらすじをざっくり解説。

キューブ (Cube)

キューブ (Cube)

  • メディア: Prime Video
 

あらすじ:7人程の男女が気がついたらCUBEの部屋に閉じ込められていた。男女達は部屋から脱出しようと隣りへと進むハッチを潜って行く。しかし、隣接する部屋にはトラップが仕掛けられており、様々な罠により仲間達は命を失っていってしまう。

そんな中、主人公は隣りの部屋へと続くハッチに謎の番号が割り振られている事に気がつく。主人公はその数字の謎を解き、CUBEからの脱出を目指して行くのだが…。

ゲームでは、物語の再現は行っていない。あくまでも映画の舞台となった謎の立方体「CUBE」のホラーを再現した作品になっている。

ゲームの特徴

ランダム配置のトラップ

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トラップの一つ。壁から無数のヤリがプレイヤーに襲いかかる。

近未来の様な模様が特徴の正六面体の空間が舞台。この部屋にはハシゴとハッチが取り付けられており、ハッチを潜ると全く同じ正六面体の同じ様な部屋に出る。しかし、同じ様な部屋に見えるが、部屋毎に様々なトラップがランダムで仕掛けられている。

プレイヤーは映画の登場人物さながら、このトラップを見抜きながら出口を目指して行かなくてはならないが…。

映画を完全再現

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1997年に公開された映画「CUBE」を完全再現。部屋の雰囲気からハッチの開く動作、隣室へと続く通路に刻まれた謎の数字、そんな所まで細かく再現されている。映画同様、入る部屋を間違えてしまうと、一発でゲームオーバーになってしまう所も再現されている!?

まだ未完成

無料で公開されており、将来的にはマルチプレイヤーやVR対応を考えている様だが、現在はソロプレイ専用となっている。バグの報告用として無料で遊んでもらっている様で、いずれ完全版が発売または公表されるかもしれない。

 

終わりに

まさか、あのCUBEがゲームで再現されているとは…といった感想。かなり細かく映画の雰囲気を再現しているため、映画を観た事がある人は是非とも遊んでみてほしい。

ゲームと全く関係無いが、映画「CUBE」が2021年に日本版リメイクが菅田将輝主演で公開されるらしい。

懐かしのグラフィック…ホラーゲーム【散歩-Walk】の遊び方

 

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初代プレイステーションを彷彿とするインディーズゲームの体験版を合わせた「Demo Disc 2021」。そこに収録されている一つの作品「散歩-Walk」。デモ版のためプレイできる時間は短いが、初代PSを思わせる粗いグラフィックだからこそ、CG技術が発展した現代では感じれないホラーが味わえる。

 

 

ダウンロード方法

コチラのページから無料でダウンロードが可能。

ただし、本作で紹介する「散歩-Walk」の他に24タイトルのデモ版も入っているため、容量は「4GB」とかなりのデータ量になっている。逆に言えば25タイトル全てのゲームを無料で遊べて、かなりお得。

ゲームの特徴

1人の少女を操作し、迫る「何者か」から逃げる

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日本のよるある住宅街がゲームの舞台。

プレイヤーは1人の「少女」を操作し、迫り来る「何者」かから逃げ自宅へと帰る事を目的としたホラーゲーム。

懐かしのPS風グラフィックとゲームアングル

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初代PSゲームをプレイした事がある人は懐かしい感覚を思い出すだろう画質とアングル。

本作のゲームは、1枚絵のCGイラストの中をプレイヤーが操作する「少女」を動かしゲームを進めて行く。PSホラーゲームの「バイオハザード」や「ディノクライシス」等の操作感にかなり近い。

粗いグラフィックと妙にマッチするBGM

現在のCGホラーに慣れ親しんだ人は、PS時代のホラーゲームをプレイしても恐怖を感じる事はないだろう。その一員はグラフィックが粗い事にもある。

本作に登場するクリーチャーは正直しょぼい。粗いグラフィックで表現された「黒い格好に白い顔」の女性と思しき化け物は、今のグラフィックに慣れたプレイヤーでは恐怖を感じるのは難しいだろう。

しかし、この粗いグラフィックに妙にマッチするBGMが加わる事で、なぜか粗い画質の化け物で恐怖を感じてしまうのである。

プレイ時間は約15分程度(ゲーム攻略ネタバレあり)

デモ版になるため、クリアまでのプレイ時間はかなり短い。

1.黒い何かから逃げつつ、100円玉を2枚拾う

2.拾った200円を使い自動販売機で飲み物を購入(なぜか門の鍵を入手)。

3.入手した鍵を使い、閉ざされた門を開く。

4.黒い何かと少女の家までの逃走劇

おおまかに分けると、この行程でゲームクリアまで行ってしまう。ただ「4.」のクリアまでの逃走劇は、今までの1枚絵のステージとは違い少女を追いかける「黒い何か」視点での3D逃走シーンはなかなか新鮮で面白い。

 

終わりに

素晴らしいの一言。CG技術が進んだ現代の一般的なホラーゲームでは、まずお目に掛かれない作品。無料でプレイできるホラーとしては頭ひとつ抜けて面白い。

本作はあくまでデモ版であるため製品版の発売は不明だが、もし製品版で発売されたらフルプライスで購入しようと思える程に面白さを感じた作品であった。

短編ホラーゲーム【終焉介護】物語の謎と考察・エンディング解説

【物語の謎と考察・エンディング解説】

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ある介護職員に襲いかかる恐怖、2人の主人公から見る物語の結末とは?ゲームクリエイター「チラズアート」による和風ホラーゲーム「終焉介護」。過去の作品と違い、ウォーキングホラーとサバイバルホラーを組み合わせた新境地が特徴的。今回はそんな「終焉介護」の物語のあらすじ解説や隠された謎を程よく考察。

 

 

ダウンロード方法

2021年4月3日からPCゲームの配信サイト「Steam」にて定価520円(税込)でダウンロード販売中。購入ページの詳細は下記リンクより。

本作品「終焉介護」の特徴

異様な雰囲気がいい感じの民家

チラズアートの過去作品「怨霊」や「雪女」でも同じ様な民家が登場しているが、そこに登場した民家の間取りはゲーム性を重視してか不自然さが目立っていた。

しかし、今作に登場した民家の間取りは良く見かける自然な作りで表現されている。さらにテクスチャもわざと粗く作られている。この自然なステージの間取りと、粗いテクスチャが交わる事で、古い民家で感じられる何処か異様な恐さが表現されている。

ムービーシーンの搭載

前作のホラーゲームである「花子さん」では少し実装されたムービーシーンが、今作ではがっつり物語の中にとけ込む形で使用されている。エンディングでも、今までの恒例である文章による後日談と合わせて、初めてムービーによるエンディングも収録されている。

 

物語のあらすじ

富田 咲千江(26)

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介護施設で働いている富田咲千江は、休憩室で寝ている「直美」を片目に訪問介護先である「古賀宗一」の下を訪れる。家には介護相手であるはず宗一はおらず、何かの異臭が漂っていた。異様な雰囲気の中、咲千江は宗一を捜すため家の中を歩き回る。そして2階を訪れた彼女は、この世ならざる異様な光景を目撃してしまい…

チラズアート作品では初のダブル主人公による2つの視点から展開される物語になっている。前日章として富田咲千江の物語を体験し、本編として「直美」の視点で物語は終局へと向かって行く。

倉本直実(22)

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直美は受付の先輩職員から出勤しなくなった富田咲千江が担当していた「古賀宗一」の担当を押し付けられてしまう。先輩の同行もなく、1人で初めての訪問介護のため不安を覚える直美だったが、先輩の説得に押し切られ、この日から宗一の下へ向かう事になった。

宗一宅へ赴いた直美は、暗い部屋の中で車いすに乗る宗一へと担当変更の挨拶を済ませる。しかし、その言葉も空しく宗一は一言のしゃべる事なくどこか虚空を見つめるのだった…。

本作は前半は「事故物件」の様な雰囲気で楽しむホラー、後半は「怨霊」の様な逃げ隠れを楽しむサバイバルホラーへの切り替わりが特徴的。オートセーブになっており、任意のセーブは出来ないため後半のサバイバルホラーパートはゲームオーバーになると、オートセーブ部分まで巻き戻され少し面倒。

異様な雰囲気と怪奇現象

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宗一の不可解な態度もそうだが、宗一宅は異様な雰囲気に包まれていた。突如電源がつくテレビ、家の窓にぶつかって絶命するカラス、数々の怪奇現象に襲われる直美だったが、初めての訪問介護という事もあり、何とか宗一の介護スケジュールをこなそうとする。

何とか宗一を風呂に入れ寝かしつける所までスケジュールをこなした直美だったが、宗一を布団に寝かしつけた瞬間…。

家の中の雰囲気はチラズアート作品でピカイチの出来前。物理的な恐怖はないが、古民家独特のどんよりとした雰囲気の不気味さは上手く作り込まれている。

咲千江

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未だに出勤してこない前任者の富田咲千江。直美は宗一宅で体験した不可解な現象の謎を解くべく、自宅に引きこもっている咲千江の下へと訪れるも、何かに怯える彼女からは要領を得る事は出来なかった。

情報を得る事を諦め、咲千江の部屋から出る直美だったが、彼女の背後から何かから逃げる様に叫び声を上げた咲千江が、マンションから飛び降り亡くなってしまうのだった…。

今作は移動ステージが多い。介護施設、街の中、宗一の家、咲千江のマンションと4つのステージを行き交う事になる。ただし、移動できる範囲自体はそこまで広くはないが…。

 

⚠ここからネタバレを含んだ内容になっています。

 

 

天狗と呪い

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直美は何かに急かされる様に再び宗一の家を訪れる。彼女は家の中で唯一、開かずの間だった部屋に入るため、家に散乱する道具を使う。開かずの部屋の中には「幸運は床の下に貯まる」と記された謎のメモが…。彼女はメモに従い、家の中に隠された地下室への入り口を見つけ、足を踏み入れて行く。

家の地下には一般家庭ではあり得ない広大な地下道と、天狗の面を被らされ捕われている宗一を発見する。すると同時に、この家に住む「何者か」が直美に襲いかかる。

彼女は、地下で見つけた「助かるためのメモ」に従い、襲撃者から逃げ隠れつつ謎を解いて行く。

ここからがサバイバルホラーパートになる。今までは宗一の家で起きる不可解な現象に恐怖を感じるが、このパートでは何者かに襲われつつ謎を解かなくてはならない恐怖と焦燥感が混じった感情を味わう事になる。

クリックで表示:【ネタバレあり】エンディング

直美はメモの謎を解き、封じられた短剣を使い捕われた宗一を解放する事に成功する。

「ありがとう」一言も喋らなかった宗一がお礼の言葉を口にする。

彼は「自分が呪いでしゃべれなかった事、直美を襲った襲撃者は自分の亡き妻だった事、その亡き妻を利用し元凶である天狗は自分を完成させようとしている事」を直美に伝える。

直美は不可解な出来事を解決すべく、宗一に言われた通り家に封印されている骨壺を家の外に出そうとするも、自分を完成させようとする天狗が彼女へと襲いかかるのだった…。

 

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何とか天狗から逃げ家の外に出た直美は、一心不乱に近くの神社に駆け込んで行く。そこでは神主がお経を唱えており、入って来た直美が抱える骨壺に眼をやると「もう少し遅かったら大変な事になっていたよ」と告げ、骨壺の供養と夏美のお祓いをしてくれた。

 

直美は今でも宗一の介護を行っている。後日、直美は宗一と共に亡き妻のお墓参りに訪れた。ちゃんとした挨拶ができた。直美はそんな事を思いながら、どこか嬉しい気持ちを覚えていた。

 

そんな彼女を、車椅子に乗り天狗の翼を生やした宗一が見つめていたのだった……。

終焉介護「富田咲千江」の手記

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劇中では、直実の前任者であり1人目の主人公「咲千江」の「宗一」への介護手記が登場する。5日間に渡って書かれたその内容には、彼女が宗一宅で感じた違和感が刻々と綴られている。

ゲーム中で読める手記の概要になってます。詳細はゲームにて

1日目

宗一さんの家、平凡な1日だったが、臭いが…?明日は、この臭いを取り除かなくては

全ての始まりの日、ゲーム中でも「臭い」を強調する場面が多く、ゲーム背景を考察する重要なキーワードになっている。

直実編で初めて、咲千江編では行けない1階と2階の間の空間に行ける様になる事から、咲千江の感じた臭いはここから発生した、もしくは物語終盤で訪れる地下空洞もしくは天狗自身の臭いの可能性も…。

2日目

宗一さんが認知症だったとは…。昨日はあんなに元気だったのに。良くなるといいのだが…。

ここですでに宗一が呪いにかかり喋れなくなったと思われる。咲千江編・直実編ともに宗一は車椅子に座っているだけの存在で、物語終盤まで一言たりとも言葉を発する事はない。

3日目

今日居るはずの宗一さんの家族が土壇場で来れないって…。ゴミ出しをして芳香剤を置いたが効果なし。まだ家の中は腐った物の臭いがする…。

この時にはすでに「宗一の家族」はこの世を去っていると思われる。物語終盤のメモから、宗一を含む5人家族(宗一の妻は他界)だった様だが…。

4日目

今日訪問したら宗一さんが家の外の地面に横たわっていた。何があったのだろう?

壁や天井から引っ掻く音や叩く音が聞こえて来る。音の元を探っても何にも見当たらない。それにしても臭いが…。臭いが何処から来ているかも皆目見当つかない。

家の全てが私を狂わせる。

介護施設にある宗一の介護カルテには、彼は外に出る事を嫌がる性格が記されている。しかし咲千江の手記には、外に出ている宗一の姿が書かれている。

5日目

2階の部屋。なんでおばあちゃんが…?何してる?何でここに?

なんかすごい寒い…。風邪かも。明日は仕事に行かない方がいいかも。

5日目の内容が本作プレイ開始時に富田咲千江としてプレイヤーが体験する出来事なのだろう。咲千江編ラスト、彼女がある部屋を覗いてその光景に驚き尻餅を付くが、この時に目撃した物はゲーム中は暗くてよく見えない。彼女の手記からは「おばあちゃん」が「何か」していた所だったのだろうと推測できるが…。

 

烏天狗の謎と物語の考察

烏天狗の謎

平安時代には、絵画で描かれた怨霊の姿が「烏天狗」そっくりに描かれていたりする。この事から烏天狗は怨霊を具現化したモチーフとしても扱われていた事がわかる。

また天狗は不老不死とされており、ゲーム中に宗一が「奴は妻を利用して完全な姿になろうとしている」と言及している場面と合わせて、烏天狗による「完全なる存在(不老不死)の儀式」に「古賀宗一家族」が巻き込まれたのかもしれない。

物語の考察

・烏天狗と宗一

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ゲームで読む事ができる以下のメモの内容から、主人公のゲーム中で取った行動が烏天狗による誘導ではないか?という考察もできる。

・宗一の介護カルテによる彼の性格

・物語終盤、捕われた宗一の近くに置いてある不可解なメモ

ゲーム中に、宗一の介護カルテに「宗一は外に出る事を嫌う」と記されている。

しかしゲーム中の宗一は、外に出ている事が多い。この事から、咲千江が訪問した時にはすでに宗一の身体に烏天狗が憑依しており、儀式が完全でなく満足に動けない烏天狗に代わり、亡くなった妻を利用し儀式を執り行っていた最中であった…。

・主人公も烏天狗に利用されていた

物語終盤で地下に捕われていた宗一の近くに置いてある「助かるために行動すべき4つの行動」が記されたメモが落ちている。この内容が、まるで主人公のこれからの行動を指示する様な物になっている。

実はこのメモに書かれている事は助かるためのメモではなく、烏天狗による儀式の手伝いをさせられていたのではないだろうか。

・亡き妻「宗一さん、会いたかっただけなのに、ごめんね」の意味

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物語終盤で主人公が家の謎を解き、隠された短剣を宗一に刺す事で捕われた彼を解放する事になる。そして主人公に襲いかかってきた亡き妻の亡霊は「宗一さん、会いたかっただけなのに、ごめんね」と懺悔し、再度天へと帰る事になる。

この宗一を解放するために短剣を取るための謎解きパートになった瞬間に、亡くなった妻の亡霊はまるで主人公を邪魔するかの様に襲いかかり始める。そして主人公が短剣を入手すると、亡き妻は上記の懺悔の言葉を漏らす。

この事から、亡くなった妻は烏天狗からの「宗一にもう一度会える」という誘惑に乗ってしまい、烏天狗の儀式を手伝う駒となってしまったのではないだろうか。儀式が完了してしまうと宗一は烏天狗に乗っ取られ宗一本人ではなくなるため、短剣を取ろうとする主人公の邪魔をしに襲いかかったと推測できる。

そして、主人公が短剣を取った事で儀式の完了を悟ってしまう。「宗一さん…会いたかっただけなのに」自分のほんの少しの宗一と再び会いたい淡い思い。「ごめんね」結果として宗一は宗一でなくなる事への懺悔を口にしたのではないだろうか。

 

終わりに

順調に進化を遂げて行くチラズアートホラーであった。今までは、恐怖体験を主とした作品と化け物から追われるサバイバルホラーを主とした作品とで交互に発売されてきたが、本作ではその両方を混ぜ合わせた作風が印象的だった。

とわいえ、まだまだ改良の余地はありそうで、ラストのゲームオーバー要素のあるサバイバルホラーパートでゲームオーバーになると、その直前から再開するのではなく少し戻った所からリスタートになってしまう。

任意の場面でセーブする機能がないため、もう一度同じ謎解きをしなくてはならず、全滅要素のあるサバイバルパートにおいて何度も同じ行程をさせる事が、プレイヤーに不要なストレスを与えてしまう点が残念であった。この点は後にアップデートで対処されそうではあるが…。

総評として、ゲームの主な舞台である民家の雰囲気は最高。2人の主人公による物語も新鮮。ラストの化け物が襲って来る場面も、いつ現れるかわからなくて最恐。ただし、オートセーブによる全滅時の巻き戻してからの再度の謎解きはストレス。といった所。

他のChilla's Art(チラズアート)氏制作のホラーゲーム

学校の都市伝説をモチーフとした前作ホラーゲーム「花子さん」

NyxTalesとチラズアートによるコラボ作品「テケテケ」

学校のトイレに潜む妖怪をモチーフとしたサバイバルホラー「赤マント」

 雪女を基とし独自解釈を含めたサバイバルホラー「雪女」

カメラを使って怨霊を退けろ!サバイバルホラー「怨霊」

 

娘・行方不明・新聞の断片…ホラーゲーム【壊想録】の遊び方

 

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娘が行方不明になった。手がかりを探すため、大正時代という遠い過去へと行く事で隠されていた真実が明らかになる、そんなホラーゲーム「壊想録」。

ゲーム制作等を学ぶHAL専門学校生による未来想像展「銅賞」の期待の新作和風ホラー。学生作品とは思えないクオリティ、その恐怖がプレイヤーを待っている…。

 

 

ダウンロード方法

以下のサイトにて、無料でダウンロードが可能。

壊想録BrokenMemoriae by BrokenMemoriaer

リンク先のページを下へスクロール。そこにある「ダウンロード」ボタンをクリックする事で自動でダウンロードが開始される。

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容量は942MB。

ゲーム紹介

物語のあらすじ

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行方不明になった「娘」を探すため主人公は、過去に行く事に反対する妻と喧嘩別れする形で「過去」へと飛ぶ事にした。そこは「大正時代」であり、屋敷の中にある「新聞紙の断片」を集めて行く事で、行方不明になった娘の真実を探ろうとするのだが…。

ゲームの特徴

全6ステージ構成の物語

本作は「啓示」「回想」「壊想」「混沌」「輪廻」「終焉」からなる全6ステージで構成されている。このボリュームで「無料」で遊べてしまう。ただし、最初のステージはチュートリアル的な物になっているため、実質的には5ステージといった所。

特徴豊かなクリーチャー達が登場
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「おかっぱの少女」「ナースの様な女性」「天井を這う者」これらの特徴豊かなクリーチャー達が、行方不明の娘の手がかりを探す主人公へと襲いかかって来る。

対処方法は、たった一つ。クリーチャーを発見したら「視界」から外さない事。視界を外した瞬間、あなたの背後へと迫って来るのでクリーチャーを視界に入れたまま、舞台となる屋敷を探索しなくてはならない。

この様なクリーチャーが登場するが、ゲームプレイ自体に謎解き要素は無い。あくまで、屋敷を徘徊する敵から逃げつつステージクリアを目指すシステムになっている。謎解き要素が苦手な方でも気軽に遊べる。

さらに、各クリーチャー毎にゲームオーバー演出も別々で作られている。それぞれの敵キャラにやられる楽しみ?も味わえる。

物語の謎

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ステージをクリアしていく毎に、ある「欠けた新聞記事」のページが埋まって行く。最後のステージをクリアする事で、行方不明になった娘の「真実」と、主人公へと襲いかかってくる化け物達の「正体」が…。

 

終わりに

学生製作とは思えない程のクオリティを誇る無料のゲーム作品であった。クリーチャーも3体でてくるが、その個性も他と被る事なく存在しており、その被らない個性がプレイヤーに特徴毎に感じる別々の恐怖を味合わせてくれた。

このクオリティならPCゲーム販売サイト「Steam」でも「有料」で販売できただろうに。そんな感想を抱くゲームであった。

無事に駅まで辿り着け!ホラーゲーム【デス・シティ】の遊び方

 

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残業続きで家族との交流を疎かにした企業務めのサラリーマン。誰しもが通るであろう生活の一部、そんなある日の会社からの帰宅道、駅まで続くいつもの道に異変が起こる。

非日常と化した帰宅道を無事に駅まで辿り着け!そんなホラーゲーム「デス・シティ」。今回は、フリーホラーゲームである「デス・シティ」の遊び方や、どういうゲームなのかを端的に紹介。

 

 

遊び方

本作は無料のインディーズゲームが多数公開されているサイト「Freem!」にて2020年12月末から無料公開中。ダウンロードが不要で、ブラウザ上のみで遊べるのが特徴的。

ダウンロードは下記リンクより

デス・シティ:無料ゲーム配信中! [ふりーむ!]

ホラーゲーム「デス・シティ」とは?

物語のあらすじ

20××年×月×日。今日も今日とて残業の日々。家族とのコミュニケーションが疎かになっているが、この会社での出世も近い。会社で夜遅くまで働いていた主人公は、明日の仕事に備え家に帰る事にした。

会社を出てすぐに、いつもの見慣れた帰り道だが、主人公は妙な胸騒ぎに襲われる。早く駅に向かわなければ…自身の根拠のない焦燥感にかられ駅へ向かうのだが、そこはいつもの街ではない何者かが迫り来る「デス・シティ」と変容していた。

本作の特徴

制限時間内で瞬時に何処へ逃げるか「選択」し続ける

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プレイヤーが第3者視点で主人公を操作するタイプのよくあるゲームではなく、主人公に「何者」かが迫ってくる「制限時間内」に画面に表示された「選択肢」を選ぶ事で「何者」かから逃げ続け、駅まで逃げ切る…というゲーム性が特徴的。

ブラウザ上で遊べるが「セーブ」にも対応

選択肢は1回の場面で2つ〜6つ、「何者」かが迫ってくる時間も短い。そのため、瞬時に選択を考えなければ、迫り来る「何者」かから逃げ切る事はできない。そのためか、本作はブラウザ上で遊べるゲームではあるが「セーブ」が出来る仕様になっている。

プレイ時間は「5分〜10分」でクリア!そして迫り来る「何者」かの正体は…

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キャラクターを操作するのではない、迫る「何者」かから逃げるための「選択」をし続ける。そのゲーム性から、本作のクリア時間はかなり短い。暇な時に少し遊ぶ分には申し分ないボリューム感になっている。

エンディングは1種類しかないため、作中でどんな「選択」を行っても同じエンディングに辿り着く。そのエンディングでは、残業続きの主人公に襲いかかって来た「何者」かの正体が判明するのだが…。

 

終わりに

5分〜10分で遊べて、なおかつダウンロードが不要のブラウザ上で遊べるゲーム。仕事中や家での暇つぶしに最適のボリュームのゲームであった。簡単なストーリーも用意されており、エンディングで迎える「何者」かの正体も上手く物語にとけ込ませていたので、フリー作品の中では中々面白いゲームだと思う。

ただし、主人公に迫り来る「何者」かのデザインが……あれなため、純粋なホラーゲームよりも若干コメディ要素が入った感じになっている。制作者の意図がどうなのか、少し気になるホラーゲームでもあった。

学校の肝試し…ホラーゲーム【おんがくしつ-music room-】の遊び方

 

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深夜の学校での肝試し。どこの学校でも一つは怖い噂のある場所「音楽室」。今回のゲームは、そんなホラーの定番場所を題材としたウォーキングシミュレーションホラーゲーム「おんがくしつ-music room-」を紹介。

 

 

ダウンロード方法

本作はPCゲームを多数扱っているサイト「Steam」で、定価「100円」で販売中。プレイ時間は約10分程度と短いものの、学校の作りはどこか懐かしさを思い出す。

ゲームの紹介

物語のあらすじ

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最近、学校のクラスで一つの遊びが流行している。それは、深夜の学校に忍び込んで行う「肝試し」だ。主人公は、友人に誘われてクラスで流行っているこの遊びを行う事にした。友人と深夜の学校で待ち合わせをし、いざ校舎の中に入ると…。

友人により出入り口は封鎖されてしまい、主人公は独り校舎の中に閉じ込められてしまうのだった…。

そして、数々の怪現象が主人公の身に降り掛かる事となる。

本作の特徴

ウォーキングシミュレーター

ホラーゲームにありがちな「謎解き」や「化け物に追われる」「ステルス要素」は一切ない。あくまで、遊園地にある「お化け屋敷」の様に、プレイヤーがマップ内で移動していく過程で起こる「怪現象」を楽しむ作品になっている。

一本道のマップ構造

基本的にマップは1本道となる。校舎の作り込み自体は、イメージされる学校そのままなのだが、あくまで「音楽室」に向かう事を目的としているため、他の教室や廊下を探索する事はできない。

進行出来ない場所には「音楽室はこっちではない…」のメッセージと共に、ゲーム特有の見えない壁で進めない様になっている。広大なマップを彷徨う事もないため、気軽にプレイを楽しめる。

数々の怪現象

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当然、ただ単に「音楽室」を目指すだけではない。目的地へ向かう過程でも、数々の怪現象が主人公(プレイヤー)を恐怖の渦に飲み込もうとしてくる。

突如倒れる消化器、窓に現れる無数の手形、音楽室に住まう者、幾重にも待ち受ける怪現象に果たして物語の結末は…。

 

終わりに

ゲームのグラフィックは、よく作り込まれている方だろう。だいたいPS2〜PS3の間ぐらいの画質になっている。

海外の日本の学校をモチーフにしたホラーゲームでは、海外クリエイター特有のおかしな日本の学校の作りではない忠実な学校が再現されている。どこか懐かしい雰囲気を思い出させてくれる。

唯一残念な点は、ゲームボリュームが薄い点だろう。だいたい5分〜10分程度でクリアしてしまう程のゲームボリュームしかない。学校の作り込みが良かった分、もう少しボリュームが多く楽しめれば言う事はないが…。

このクリエイターのSteamでの発売履歴では、本作が第1作目になるようなので、どんどん開発・販売しさらなるクオリティアップでプレイヤーを楽しませてほしい。