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マヤの予言…人類滅亡の危機 映画【2012】物語のあらすじ紹介と感想

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【ネタバレあり】

マヤの予言…それが現実に起こった世界を描いた物語。

2012 (字幕版)

鑑賞後評価:☆☆(2.9)

題名:2012

公開:2009年 時間:158分

監督:ローランド・エメリッヒ

出演:ジョン・キューザック、アマンダ・ピート、ダニー・グローヴァー

あらすじ:2009年。インドの科学者サトナムは、地球内部が異常に加熱されている事に気がつく。サトナムはアメリカ大統領の科学顧問ヘルムズリー博士に、惑星直列が原因で太陽活動が活発化、その影響で地球内部がまるで電子レンジに入れた卵の様に加熱されている事を伝える。

ヘルムズリー博士は、そのままアメリカへトンボ帰りする。ヘルムズリー博士の地球機器に関する報告を受けたアメリカ大統領は、G8を招集し各国にこの事実を伝えるのだった。無用な混乱を引き起こさないために、各国は極秘裏に「チョーミン計画」、旧約聖書にある「ノアの箱船」の建造を開始する。

そして3年後の2012年、ついに恐れていた事態が地球各所で起こり始めるのだった…

⚠【ネタバレ】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。

 

予告動画

www.youtube.com

映画「2012」の特徴

マヤの予言をモチーフにしている

マヤ文明が長期の暦を計算をしており、その終わりが2012年12月21日で途切れている事から後世の人間がそこに意味を見いだし、人類滅亡の予言と結びつけた有名な予言の一つ。ノストラダムスの大予言と双璧をなす、この有名なマヤの予言を元に製作された映画。

3つの立場の登場人物達

主人公とその一向の活躍を描く物語。よくある物語の構成ではあるが、本作「2012」においては、様々立場の登場人物達に集点を当てている。いわゆる一つの大きなホテルに様々な人物模様を持つ人が集まり、そこから各登場人物により物語が展開していく「グランドホテル方式」の演出が取られている。

一般国民である「ジャック一行」、政府関係者である「ヘルムズリー博士」、選ばれた国民「ユーリ一行」、異なる立場の登場人物達が物語の中心となって、人類滅亡を描く「黙示録」に立ち向かっていく。

物語のあらすじ(ネタバレあり)

マヤの終末予言

2012年、テレビではマヤの予言で持ち切りだった。ジャクソンは、離婚した元妻一行とキャンプに出かけるため、車に乗って迎えに行っていた。何気ない休日の1日だったが、街では携帯の電波不良や地割れなどの異変が起きていた。それでも、一般市民達は不可解に思いながらも、いつもと変わらぬ日常を過ごしていた。

一方、ホワイトハウスでは各地で起こっている異常現象への対応に追われていた。ヘルムズリー博士と大統領は、3年前に開始した「チョーミン計画」の本格始動のタイミングで意見をぶつけていた。

こうしている間にも、マヤの記した終末へのカウントダウンは刻一刻と人類へ迫っていたのだった…

ホットストーンの活性化

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ジャクソンと子供達はキャンプ地へと歩を進めていた。だが、政府により封鎖された地区を発見、そこにあるはずの川が干上がっている事から、興味を惹かれたジャクソン達はその中へと入ってしまい軍に追い払われる。

一方、ジャクソンが訪れた場所の調査をしていたヘルムズリー博士は、インドのサムナンへ地殻データを送る。サムナンの計算によれば、この今を持って予言のタイムリミットが迫った事実を突きつけられてしまう。

ヘルムズリー博士は、世界各地のホットゾーンで活動が活性化している事実を政府に報告、人類を救済する「チョーミン計画」を始動する様に伝える。

 

箱船の存在に気がつく者達

軍に追い払われたジャクソンは、子供達と別の場所でキャンプを行っていた。そこには黙示録を信望する変わり者が住んでおり、小説家でもあるジャクソンはその人物がラジオで語りかけていた終末論に興味を持ち話しかけていた。

一方、ホワイトハウスではヘルムズリー博士の報告を元にチョーミン計画を始動。G8への電話会議で、各国一律の「箱船」ヘの乗船開始を宣言していた。

その頃、ホワイトハウスや地球の異変を知らない一般市民は変わらぬ日常を過ごしていた。だが、国民の中でも上級に位置する権力者の家族達は、密かに「箱船」への搭乗を開始していた。

街の異変に不安を覚えた元妻ケイトにキャンプから帰って来る様に言われたジャクソンは、子供達をケイトに預け自分の雇い主であるユーリの子供を迎えに行く様に仕事を依頼される。

ジャクソンは、生意気なユーリの子供達の態度に凪の様な態度で接していた。その事が気に入らないユーリの子供は、自分達は生き残るために選ばれた「船への搭乗券」の存在をジャクソンへほのめかす。

黙示録で示された1日の始まり

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そして、とうとう大規模な地球の地殻変動は世界各地で猛威を震い始める。

元妻達の家へ戻ったジャクソンは、巨大な地震に机の下で耐えていた元妻と子供を車に乗せて走り出す。人類の文明の利器、巨大な建築物達は地殻変動の影響を受けて崩れ出す。ジャクソンはひたすらに車を走らせ、地殻変動の影響を受けない「空」すなわち空港を目指す。

空港に着いたジャクソン達だったが、パイロットは地震の影響で亡くなってしまう。操縦者が居なくなってしまった飛行機を、ケイトの現在の恋人でジャクソンの車に乗っていたゴードンが操縦する事になった。

何とか飛行機を飛ばしたジャクソン達だったが、窓から見える街の光景は、まさしく黙示録に相応しい地獄絵図とかしていたのだった…

イエローストーンの爆発と灰の世界

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飛行機の給油のため、町外れの給油所の降り立ったジャクソンは、かつてキャンプで出会った黙示録の信望者チャーリーを迎えに行った。チャーリーはイエローストーンの活性化を興奮した様子で眺めており、一緒に逃げる様に説得しているジャクソンの言葉に拒否を示していた。

ここに残る、チャーリーから聞いたジャクソンは、車を走らせ飛行機で待つゴードン達と合流し、イエローストーンの爆破の余波に巻き込まれながらも急ぎ空へと飛び立つ。

一方、チャーリーは爆発したらアメリカの75%の土地の環境が変わり、周囲1000キロの90%の人が亡くなり、地球の平均気温を10度下げるとも言われるイエローストーンの爆発に、愉悦の表情を浮かべていたのだった…

 

大統領の吟じ

ホワイトハウスでは、ヘルムズリー博士と政府の高官達はテレビニュースを眺めていた。世界各地で起こるマグニチュード10越えの地震の影響、情報を封鎖している政府への抗議デモ、食料を奪い合う人々、国民は恐怖に捕われていた。

それでも、ホワイトハウスは国民に情報を伏せており、その事に対する不満をヘルムズリー博士は大統領へ投げかける。それには返答せず、大統領はヘルムズリーに研究者は人類の宝であり新時代を築くために不可欠な存在である、自分の様な政治家よりも、と語る。

ヘルムズリーは、大統領はホワイトハウスに残る選択をしたと悟り、複雑な表情でその顔を見つめていた。そして、アメリカ合衆国の大統領は、自らの吟じに従い国民に向けた最後の演説を行うのだった…

中国へ

空港で亡くなったパイロットが持っていた「箱船への道しるべ」を元に、中国へ行ける飛行機がある空港へ辿り着いたジャクソン達は、そこでユーリ一家を見かける。ジャクソンは自分達も「箱船」へ向かわせてほしいと願うも、ユーリは首を縦に振る事はなかった。

そこにユーリの部下サーシャが空港の中から戻って来る。サーシャは飛行機を飛ばすための操縦士を務める自分以外に、副操縦士が必要な事を伝える。ジャクソンの子供は、ゴードンが操縦できる事を伝え、共に飛行機の中へ乗り込む事に成功する。

空港には多くの人が助けを求め押し掛けていた。そんな中で、管制塔の制止を振り切りながら無理矢理飛行機を発進、イエローストーンの爆破の余波や地殻変動の影響で崩壊する空港を背後に中国への航路を飛んで行くのだった。

一方、世界各地では「箱船」に乗れない人々が、家族との最後の会話や自身の職責を最後まで全うする人々が各々の最後を迎えていた。

方舟へ

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中国へ到着したジャクソン達は、そこで中国軍の保護を受ける。しかし「チケットの有無」を問われたジャクソン一行は、その意味を理解できずにいた。そんな中でユーリ一行はチケットの所持者であり、中国軍の問いかけの意味を正しく理解している。ユーリ一行はチケットを見せる事で中国に保護され箱船へと向かう事となった。チケット未所持のジャクソン達は、その場に取り残されてしまう。

取り残されたジャクソン達は、幸運にも中国の僧侶が運転する車に拾われる。僧侶と一緒に箱船の港へ到着する事ができたジャクソン達は、当然チケット未所持のため門前払いを受けてしまう。しかし、僧侶と同行していた門番の母親の説得を受け、無事に港へ入る事ができたのだった。

一方、一足先に箱船に乗り込んでいたヘルムズリー博士は、そこで政府高官による箱船へのチケットが裏で販売されていた事、船の整備をしている作業員はその場に取り残される事、さらには親友であったサトナムに政府から迎えが来ずに箱船に乗れなかった事を知ってしまう。

そんなサトナムの電話口には、ヘルムズリーが何度も呼びかける声が聞こえる。それでもサトナムは、巨大な津波が迫る僅かな時間でも、家族のぬくもりを最後まで感じる選択を取るのだった…

 

方舟の中へ

方舟の港にも巨大な津波が迫っている。政府は、乗客を全員乗せないまま方舟の発進準備を進めてしまう。次々と舟のハッチが閉まる中、乗れない人達が混乱の極みに達する。そんな人ごみの中にユーリ一行の姿も見られた。

ジャクソン達は、門番の裏ルートを使い方舟の中に入る事に成功する。

一方、ヘルムズリー博士は各国の首脳へ問いかけていた。まだ時間はあるのに、舟のハッチを閉める事への誤ち、ここで生き残っても助けられる人達を見捨てた未来を子供達に伝えていくのかと…その説得に応じた首脳陣は、ギリギリまでハッチを解放する事を選択する。

それでも満員になった舟のハッチは閉じて行く。外に残されていたユーリは、閉まるハッチに自分の子供達を何とか乗せ様とする。しかし、その事で自分は舟の外に取り残されてしまったのだった。

日の出

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巨大津波は港に押し寄せる。裏ルートを使って船内に入っていたジャクソン達は、ハッチの開閉歯車や海水の浸食に苦しんでいた。一緒に乗り込んだ内の何名かはその影響で亡くなるも、ジャクソンと元妻子供達は無事に苦難を乗り切る。

一方、ヘルムズリー博士と政府高官達は、今回の影響を衛星から受信したデータを解析していた。それによると、世界最高峰はヒマラヤ山脈ではなくなった事、今回の影響でアフリカ大陸全体が1000mも隆起した事実が判明する。

黙示録の一日が明けた日の出と共に、方舟は影響が少ない希望の地、そして人類発祥の地でもあるアフリカ大陸に進路を取り、人は新時代の一歩を進み出すのだった…

終わりに 

2012 (吹替版)

2012 (吹替版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

158分、2時間38分という長編映画ではあるが、3つの異なる立場の登場人物から物語が展開され映画では珍しい手法で面白かった。

特に地球の地殻変動で崩壊していく街の描写が圧巻だった。地面と共にビルが崩壊、それにともない人も地の底へ落ちて行く。そして地下鉄の電車も、崩壊した地面の側面から飛び出す描写など細かく見ると一つ一つを丁寧に作られたCGがなんとも見事な出来前だった。

物語の流れもリアルで、街に異変が起こっていても日常生活を送ってしまう人達の存在や、秘密裏に建造された方舟への乗車権利も平等に選考するのではなく金で売買されている様など、リアルでもこうなりそうな展開が自然で違和感なく演出されており、人類滅亡の過程をより現実感のある形で楽しむ事ができた。