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書籍化小説【淡海乃海 水面が揺れる時 】第一巻のあらすじ・見所・特典小説・感想

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書籍版「淡海乃海」第一巻【あらすじ・見所・特典・感想】

わずか8千石の弱小武家へ転生してしまう、しかも2歳で当主就任!?

サラリーマン時代の交渉力と、史実の知識を武器に、群雄割拠の戦国時代を生き抜いていけるのか。

淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~ (TOブックスラノベ)

題名:淡海乃海 水面が揺れる時 -三英傑に嫌われた男、朽木基綱の逆襲- 第一巻

著者 : イスラーフィール

: 碧風羽

あらすじ : 日本在住の歴史好きのサラリーマンが、気がつくと戦国時代の弱小領主「朽木基綱」として転生してしまう。

朽木家は足利将軍家と深い繋がりのある家で、足利と三好家の権力争いに否応でも巻き込まれてしまう。周辺諸国もその繋がりや、主人公の手腕にだんだん目を付け始め…

果たして主人公は国の存亡激しいこの時代を、生き抜く事ができるのか。

2016年に素人小説投稿サイトで連載が始まった小説の書籍化作品第一巻。

 

 

小説「淡海乃海」の魅力

著者の深い時代考察

有名な歴史の出来事だけではなく、一般的でない事柄までをも物語に組み込む、著者の深い時代考察が深い。そのため、本作に記されている創作ストーリーが、本来あった歴史ではないかと勘違いしてしまう程の、リアルな物語が描かれている。

登場人物達が抱く感情への深い描写

それぞれの立場にある登場人物達が抱く様々な感情、その感情に「理」が存在している。物語に都合が良い「理」では無く、説得力のある「理」により、物語の登場人物が過去に、本当にこう考えていたのでは?と思わせる魅力がある。

マイナーな武家「朽木家」への転生

戦国時代へ転生する小説は世に数多存在する。大抵の小説が、織田信長や上杉謙信などの有名な武将に関わりのある存在に転生している。しかし本作では全く関係のない、一般では知る人が少ない「朽木家」という「その他無勢」に転生する。

その事が、織田信長、上杉謙信を物語の「引き立て役」としている。数ある戦国時代をモチーフにした作品の中でも異色を放ち、有名武将がどう物語に絡んで来るか好奇心を刺激してくる。

シリーズの特徴 web版から大幅加筆されていく物語

web版では描かれなかった人物の心境や、会話シーンの加筆要素が豊富になっていく。本作である一巻ではあまり加筆はないためweb版と大差ないが、二巻以降は加筆が増すため、発売毎に楽しみが増していく。

web版を読んで、この作品の風潮が合った読者には、購入を進めて損はない小説の一つで間違いない。登場人物が多く名前も似た名前が多いため、小説では把握しずらかった読者は、こちらの漫画版だと登場人物が特徴豊かなキャラクターでデザインされているため理解し易いものになっている。

 

もうちょっと詳しい物語のあらすじと見所ポイント

織田が台頭するまでの天下人「三好」からの裏切りの誘い

転生した事による現代知識、そのアドバンテージを発揮し朽木は豊かになっていく。周辺の情報を漏れなく集めていた大名「三好」に目を付けられ、ある人物が朽木を訪れる。

その目的は朽木家の三好への裏切りを示唆する物だった。

幕府の足利将軍と権威争いを続ける三好は、将軍家に近い存在の朽木家を裏切らせる事で、足利の権威を失墜されようとする。圧倒的強者による武力をチラつかせた勧誘に、主人公竹若丸の決断は…

戦国時代からすでに金が物を言う

三好との権力争いに破れた足利が、 京から朽木に逃げて数年が経過する。重過ぎる足利の権威に、弱小武家の朽木は次第に重みを感じていく。

何とか足利を京に戻したい主人公は、ある事に目を付け準備する。

いつの時代にも存在する真理「銭の力」を生かした、ある策略を仕掛けるのだった…

淡海乃海の覇者「六角」との凌ぎ合い

京を実質支配する三好家、その存在に対抗している別の大名「六角家」。淡海乃海(琵琶湖)の覇者である六角からも目を付けられる朽木家は、度重なる六角からの干渉を受ける事になる。

史実で六角が崩壊する事を知っている主人公は、何とかその圧力を退けようとするのだが… 

特典 書き下ろし小説

特典短編【一】:朽木家による足利との「決別」

京の権力争いに破れ、朽木家に避難してきた足利義輝。足利に忠義をつくす祖父と、足利とは離れて独立すべきと考える主人公との会話が描かれている。

特典短編【二】:三好家に目をつけられた主人公「童子」

なぜ朽木家に、三好から裏切りの誘いがあったのか?

その真相を、三好家当主と重鎮との会話を軸に語られている。

 

第一巻を読んだ感想

web版を読んでいたため、書籍の購入は正直控えていた。web版でも、充分に高い完成度を誇る物語だったからだ。

そんな時に、Amazonプライム特典で一巻を無料で読めたため、たまたまダウンロードし読んでみた結果…二巻から最新刊まで購入する結果になった。

決めては、書き下ろし特典の存在が大きい。web版の物語を強化し補完する内容が、面白くて、購入意欲がすごく刺激された事が大きい。

web版を読んで満足している読者が居るのであれば断言できる。

購入して後悔しない作品であると。