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書籍化小説【淡海乃海 水面が揺れる時】第三巻のあらすじ・見所・特典小説・感想

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書籍版「淡海乃海」第三巻【あらすじ・見所・特典・感想】

ついに三好との激突!朽木・六角・織田・一色連合vs三好。

そしてweb版では巡り会う事が無かった朽木基綱と織田信長が邂逅を果たす…

淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~参【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 (TOブックスラノベ)

題名:淡海乃海 三英傑に嫌われた男、朽木基綱の逆襲 第三巻

著者 : イスラーフィール

: 碧風羽

あらすじ:朽木・織田・六角・一式連合と三好の上洛戦にて、六角・一色の裏切りにより、朽木の軍勢だけで三好と戦う事になる基綱。重蔵の知らせにより、前もって六角・一色の背後に基綱宿敵本願寺の影がいる事はわかっていたが、果たして勝てるかどうか…そして祖父の代から因縁のある六角との決着、織田信長との初会談…歴史の覇者に対して主人公は…

2016年に素人小説投稿サイトで連載が始まった小説の書籍化作品第三弾。

 

 

ノベル「淡海乃海」の見所は?

第一次山科の戦い「朽木vs三好」

第三巻にて、とうとう朽木と三好の直接対決が実現する。本来であれば、朽木・織田・六角・一色の所を六角と一色が三好側に付いた事で苦境に立たされる。一色は織田に任せ、基綱は単身で六角と三好と対峙する。

織田信長との会談

web版では、顔を合わせる事がなかった両者だが、本巻にて顔合わせが実現している。内容自体はwebと乖離しない程度に抑えてあるが、大幅加筆で描かれたこの会談はファン必見の内容となっている。

独自で銭を使った兵の運用をする信長と、信長を知っているからこそ銭を使った兵を取り入れた基綱。この世界では両者の取る行動は当然似ている。いわゆるオリジナルとも言える人物を見て基綱は何を感じるのか…

祖父朽木稙綱の喪失

2歳で当主を就任した基綱を長年支えて来た祖父が亡くなってしまう。足利に忠義の思いはあれど、孫の足かせにもなりたくない。そんな思いを抱きつつ、大きくなる朽家を見て来た祖父は生前何を思っていたのか?本編のみならず、書き下ろしで加筆された物語は本巻最大の見所。

特典 書き下ろし小説

特典短編【一】:祖父稙綱の思い「老雄朽木稙綱」

一五六九年十二月、年越しの準備で城内が忙しなく動く中、朽木稙綱は冬景色を見ながら物思いにふけっていた。苦渋を舐めた六角家、自身が生きている間に見れるとは思っていなかった六角の崩壊。

孫が当主に就任した際には、朽木の繁栄の礎になってくれればとは思っていたが、十年経つ頃には近江で最大の勢力を誇っていた。

そんな十年にも渡る激動の時代を孫の側で見て来た祖父は何を思ったか?

基綱の母親綾と祖父稙綱、お互いを交互に見ている視点で描かれた物語。

特典短編【二】:側室雪乃の嫁入り事情「側室」

現代感覚を持っている主人公基綱は、周囲がひっきりなしに進めて来る側室に乗り気ではなかった。そんな基綱に側室を受け入れてもらう様に家臣宮川は正室小夜に相談、基綱を説き伏せる。そんな一連を描いた物語。

電子版特典:幕府からのゴリ押し「忠義」

これ以上朽木家に大きくなってもらいたく無い幕府は、幕臣三淵と細川はある交渉をするため基綱の元を訪れていた。基綱は支配地や周辺国への影響から難色をしめしていた。幕府の意向を受けた2人は、基綱との難しい折衝をこなす。

ひとえに足利家への忠義の心ゆえに…

 

第三巻を読んだ感想

三好との戦い、六角との決着、信長との邂逅、祖父の喪失、第一巻から続いた周辺国との不和の決着や主人公の理解者の喪失と、これから新展開を迎える上で一定の決着が付いた物語だった。

作者による加筆にて、祖父稙綱の心情や基綱の母との会話が描かれている。因縁に思っていた六角が滅んだ事は嬉しいとは思うだろうが、足利に対しての事はどうか。朽木稙綱の半生が、足利への奉仕で歩んできた事を考えると、本当は心の奥底でどう思っていたのか、加筆部分を読み主人公同様ついつい考えてしまう。

そんな色々な事を思い起こさせる小説で面白かった。

第二次山科の戦い勃発!書籍版「淡海乃海」第四巻の紹介記事

もしも基綱が朽木家の当主にならなかったら?「異伝 淡海乃海」第一巻の紹介記事