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映画【ランド・オブ・ザ・デッド】レビューと鑑賞した評価

 

ゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロが手がけるゾンビパニックホラー!

既に世界はゾンビに染まった。

安全に生きるために電気網に隔離された領域に住む人類。だがその空間こそが破滅への一歩となる。

ランド・オブ・ザ・デッド (字幕版)

題名:ランド・オブ・ザ・デッド

公開:2005年

時間:93分

あらすじ:ゾンビが支配した世界にて、人類は三方向を川で囲まれた島に防御陣地を敷きなんとか生存を維持していた。『ゾンビは川を渡れない』この世界のゾンビへの常識が、ある一匹の自我あるゾンビによって覆されようとしていた。果たして人類安住の地はどうなってしまうのか…

 

鑑賞後評価

  物語:★★★★

  恐怖:

  演出:★★★☆☆

  印象:★★★

  総合:★★★☆☆

 

2005年公開のジョージ・A・ロメロによる新作ゾンビ映画である本作。前回に紹介したドーン・オブ・ザ・デッドのリメイク前『ゾンビ』の監督でもある。

 

劇中の始まりは、本編より少し前の出来事、ゾンビが世界を闊歩し始めた序章から始まる。この序章はラジオ放送のような、断片的な出来事を読み上げる形でスタートされており、劇中はすでに、ゾンビの蔓延後の世界を扱った内容になる。今作のゾンビは基本的に、一般でイメージされる歩くゾンビになっている。これはロメロが、自身の作品のリメイク版での走るゾンビに対して不快感があったらしいので、リメイク版とは対比して、作られているのではないかと私は邪推している。その根拠に映画の公開年数もリメイク晩公開2004年の1年後に本作は公開されている。ドーン・オブ・ザ・デッド(リメイク版)での、走るゾンビというスパイスを本作は使用しない。そのために新たなスパイスとして、知能あるゾンビの登場が本作の特徴となる。

 

主人公は傭兵部隊長のライリーという男で、フェンスで区切られ貧富の差によって分けされた生活エリアに嫌気が指しており、外の世界で人のいない自由な場所を探す事に夢を持っており、正義感溢れる主人公になっている。対して彼の部下の一人チョロは逆で、この貧富で区分けされた世界の中で、上を目指す男として登場しており、どこか現実を受け入れつつ今の境遇に抗う人物として登場する。その対比と知能あるゾンビの三者を軸に物語は構成されている。

 

個人的には、チョロというキャラクターには好感が持てる。貧富の差が絶対の世の中で、何とか成り上がろうとするその姿には、現実の世の中での生きる勇気を貰える様に感じるからだ。ロメロはこの作品の裏で、『絶対強者による覇権主義の姿』を取り入れ『世界状況の他方向からのアプローチ』をテーマとして描いているとの事で、知能あるゾンビの外の世界からの襲撃は、そんな強者の世界でも崩れる時は一瞬だと揶揄しているのかもしれない。

 

視聴後評価

総合★3と言ったところか。ゾンビ映画としては、正直ドーン・オブ・ザ・デッドには及ばないという評価は固いところだ。歩くゾンビの襲撃での「この襲撃は避けられるでしょ」という特有の違和感は本作には無い。その演出に対しては、さすが巨匠といえるものを感じる。登場人物のキャラも個性的で、変なギスギスした人間関係もなくノーストレスで見れる。単純に見れば数あるゾンビ映画の中では、可も無く不可もなくといった中間の位置に存在する作品だ。しかし、上記でロメロの込めたテーマを頭で理解した上で見ると違った目線で楽しめるものになっている。