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書籍化小説【淡海乃海 水面が揺れる時】第四巻のあらすじ・見所・特典小説・感想

 

書籍版「淡海乃海」第四巻【あらすじ・見所・特典・感想】

長きに渡り幕府を支配していた三好政権、戦国の大大名と単独で戦う朽木家

前回の戦いの教訓を披露する三好の秘策に対して、果たして基綱の取った戦術とは

淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~四【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 (TOブックスラノベ)

題名:淡海乃海 水面が揺れる時 第四巻

著者 : イスラーフィール

: 碧風羽

あらすじ:長島一向一揆への戦いへ本格的な準備を始めた朽木基綱。急がば回れ、長島への補給路の切断、支援者の処断を行う。そして長島への攻撃を開始する。苛烈な攻撃により無事降伏させる事ができた主人公。これにて周辺諸国での不安要素がなくなり、とうとう三好政権への上洛戦を行う事に。史実とは違う天下分け目の戦いがついに始まる…

2016年に素人小説投稿サイトで連載が始まった小説の書籍化作品第四弾。

 

ノベル「淡海乃海 第四巻」の見所は?

背後の整理

長島への支援者の処断を行い、補給路を断ち長島一向一揆への攻略を開始する。商人を通じて、反朽木の長島一向一揆へ支援していた北畠家。当主の息子北畠右近丈夫将監の境遇を不憫に思い、いちゃもんを付け身柄を預かるのだが、息子が心配の母親苗が基綱の元に乗り込んでくる。

大まかな流れはweb版と同様だが、朽木基綱と苗のやり取りの詳細が大きく加筆されている。そこでのやり取りが、主人公の海千山千ぷりが良く表現されていて、あらためて50歳代のサラリーマンが転生した事を思い起こさせる。

三好の秘策の打開

上洛戦を行う朽木家は、眼前に聳える奇妙な三好軍を目撃する。全軍の三分の一の兵が手に持つ「竹を束ねた盾の様な物」、その狙いを即座に看破した基綱は、ある戦術を取る選択を行う。

今回は主人公の現代の知識があるからこそ打開できた場面が存在しており、一つが長島一向一揆での戦術と、三好との上洛戦での相手側の秘策を見破る場面だ。

今までは史実の歴史を知っているという優位性は、金儲けと相手側の情報・銃の有用性が主だった。だが今回の2回の戦いについては、ある種の負ける可能性の有る戦いであった。その状況を史実の知識を活用するので、物語の良いスパイスになっていた。

特典 書き下ろし小説

特典短編【一】:様々な視点から見る事ができる相手側「容易ならぬ敵」

三好側の足利義助への将軍宣下が行われる事になった。この事態を重く見た足利義昭は幕臣を基綱に向かわせ取りやめさせる様に命令する。そんな身勝手な幕府を醒めた目で見つめる基綱は、仕方なしにとある計略を教える。

この物語では、基綱から見た潜在的な敵「足利義昭」、足利義助から見る敵「朽木基綱」、足利義昭から見る将来の潜在的な敵「朽木基綱」と様々な視点から見る「容易ならぬ敵」についての解釈が取れる物語。

特典短編【二】:妻から見る基綱と信じる心「絆」

基綱の妻・側室の小夜・雪乃が、最近気落ちしている主人公基綱を心配して訪ねるシーンが書き下ろしで描かれている。そこでの三人のやりとりや、表に見せる夫の顔を信じる決意をする女性陣は、長年に渡って支え合って来たまさしく絆と呼ぶに相応しい物語を感じさせてくれる。

電子版特典:堀内家の葛藤「乱世を凌ぐ」

朽木家海軍の九鬼家から自分達に付く事を勧誘される堀内家。悪評の高い朽木基綱に付く事に不安を覚える堀内家当主は今後の行く末を葛藤する。先代と今後について相談する現当主は、そこで弱小勢力の取り方「乱世を凌ぐ」単純な倫理を教えられる。

 

第四巻を読んだ感想

巻の終盤にて、対三好への上洛戦(第二次山科の戦い)が始まる。三好軍3万に対して、朽木軍5万と前回の戦い(第三巻)より、両者共に倍以上の軍隊を率いての大決戦のシーンなのだが、ここでは残念ながら加筆はなかった。

加筆する箇所がないという事でもあるのだろうが、この戦いは日本の行く末を変える一大決戦だったため両陣営の心境を、もう少し詳しく読みたかったため少しだけ不満のある物語だった。

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