いつもの街の風景、仕事場でのやり取り。
非日常の世界は唐突に訪れた。
ある『ひと鳴き』によって…
題名:ビッグ・バグズ・パニック
公開:2009年
時間:91分
あらすじ:不真面目な主人公クーパーは、職務怠慢により会社から解雇される。ちょうどその時に『何かの』叫び声の様なものが聞こえ気を失う。目が覚めると、でかい昆虫と繭にされた同僚達。娘が心配な上司と一緒に会社から出るクーパーだったが、そこで目にしたものは…街中の人間が繭にされた光景だった…さらに虫達にはある特性があり…人類は未曾有の危機におちいってしまう。
鑑賞後評価
物語:★★★☆☆
CG:★★☆☆☆
演出:★★★☆☆
印象:★★★★☆
総合:★★★☆☆
カイル・ランキン監督、主演フレディvsジェイソンのチャーリー・リンダーマン役のクリス・マークエットが演じている。
紹介
よくあるB級昆虫パニック映画になる。主人公クーパーは不真面目でいたずら好きな青年なのだが、意外と面倒見がよく、そのせいでトラブルに巻き込まれる事も。主人公以外の登場人物は、真面目に、この昆虫が溢れた世界で懸命に生き残ろうとする。そんな過酷な状況なのだが、主人公の性格も相まって、会話の合間にジョークが挿みつつ、物語が進んでいく。クーパー(クリス・マークエット)の演技とセリフが場を和らげ、本来ならムードメーカーになり得るが、劇中ではそんな扱いはまったくされていない(笑)。決してリーダーシップを発揮する人物ではないが、物語はクーパーを中心に進んでいく。
邪魔にならない程度のコメディ要素が強いモンスターパニック映画になっており、最初から最後まで安定していて、グダる事なく見る事ができる。主人公の情けなさと、いざとい時の逞しさ・コメディ要素が上手く融合した作品で飽きる事なく最後まで見ていられる。
はずれが多いB級映画の中では、トップクラスで安定した面白さを持つ。
この映画は昆虫パニック映画になるのだが、ただ単に巨大昆虫から生き残るだけの話しではなく、昆虫のとある特性・特徴を持つがために、さらなる危機が存在する。その事が、登場人物の家族愛を引き立てる味を出しており、劇中の親父連中のかっこよさも本作品の見所の一つだ。
劇中の中盤にクーパーの父親が登場するのだが、どこかで見た事があると思ったらアメリカのテレビドラマ『24』や『BONES』などに出演しているレイ・ワイズであった。見た事のある人もいるのではないだろうか?本作では厳格な父親で、人一倍愛情があるがゆえに、息子に厳しい人物を演じてよく衝突している。しかしコミカルさは忘れてはいないため、そこまで重くは感じない。
観賞後評価
B級映画の中では安定して面白い。しかしCG技術は拙く、過去に紹介したスターシップ・トゥルーパーズより良くない。それを補う様に、画面全体の色調が若干暗くなっている。ストーリーはありきたりな内容なのだが、主人公のキャラ付けで、一味違った物語の進み方に感じる事ができる。私は吹き替え版で鑑賞したのだが、劇中のコミカルな部分を表現する声優の演技力との親和性が高く、面白さに磨きをかけている。