2種類のエンディングが存在する希有な作品
どちらのエンディングが好み?
はたして題名「レジェンド」の意味とは?
鑑賞後評価:★★★★☆(3.1)
題名:アイ・アム・レジェンド
公開:2007年
時間:100分
あらすじ:2009年女性科学者「アリス・クリピン」博士によって、開発された癌の特効薬。はしかウイルスを元に開発されたこの薬は、すでに1万人以上の患者に投与され、効果を発揮していた。しかし3年後の2012年、ニューヨークはゴーストタウンになっていた。1人の男と1匹の犬が、廃墟となった街で動物達を狩りながら生活していた。その男は元アメリカ陸軍中佐で科学者の「ロバート・ネビル」と愛犬「サム」、廃墟となったニューヨークに存在するただ1人の人間だった。癌の特効薬で開発されたウイルスは突然変異し、人を捕食する「ダーク・シーカー」に変貌させてしまった。このウイルスにより世界人口60億人の人々は、そのほとんどが亡くなるか「ダーク・シーカー」へ変わってしまった。このウイルスに耐性があるが故に、生き残った「ロバート」は、自身の血液から血清を生成し、臨床試験のため「ダーク・シーカー」を捕らえる。しかしそれが敵のボス「アルファメイル」に執拗に追われるキッカケになってしまった。敵の物量に「ロバート」はやられそうになるが、その危機を救ったのは、別の街から訪れた他の生存者だった…
⚠【ネタバレ】を含む記述があります。未視聴の方は注意して下さい。
紹介
「リチャード・マシスン」の小説『アイ・アム・レジェンド(日本語タイトル:地球最後の男)』が原作の映画。「ウィル・スミス」が主演で、劇中そのほとんどが「ウィル・スミス」の1人芝居で、物語のエンディングも2種類存在する珍しい作風の映画。
世界設定上「バイオハザード」に近いゾンビ物だが、原作小説では「吸血鬼ウイルス」による「吸血鬼化」設定になっている。
見所
「ウィル・スミス」の1人芝居の演技力に感動する。劇中のほとんどが、CGや愛犬「サム」「マネキン」が相手になるが、撮影でのCG合成用緑の背景に語りかけているとは思えない演技力。あまり卑下したくは無いが、日本の俳優とはレベルが違う。
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2種類のエンディング
クリックで表示:【ネタバレあり】ノーマルエンディング
「ロバート」の自宅へ「ダーク・シーカー」達が総攻撃を仕掛けて来た。何とか応戦するも多勢に無勢、「ロバート」達は追いつめられ頑丈な研究施設に逃げ込む。その時に「ロバート」が生成した血清が効果を発揮している事に気がつくが「ダーク・シーカー」は研究施設にもなだれ込んで来る。「ダーク・シーカー」になった人間を元に戻す事に見通しが立つのだが、これ以上の逃げ場は無くジリ貧に、このままでは血清もろとも全て無駄になると悟った「ロバート」は、人間に戻りつつある「ダーク・シーカーの血液」を他の生存者「アナ」に託し、自身は手榴弾を抱えて、敵に特攻するのだった。生き残った「アナ」は他の生存者達の拠点に辿り着き、血清は完成する。そして彼は、世界を救った「レジェンド」となる。
クリックで表示:【ネタバレあり】別のエンディング
「ロバート」の自宅に「ダーク・シーカー」達が攻めて来た。「ロバート」達は応戦しつつ頑丈な研究施設へ逃げ込む。その時、血清が効果を発揮しており、人間に戻り見込みが立つ。しかしその時に研究施設へも「ダーク・シーカー」達がなだれ込む。研究施設の頑丈なガラス扉に体当たりするも破れない「ダーク・シーカー」は、ガラスに「蝶」の絵を書く。「ロバート」は臨床試験で今人間に戻りそうな「ダーク・シーカー」に「蝶」のタトゥーがあった事に気がつく。そう「ダーク・シーカー」が執拗に追いかけて来る理由がわかった「ロバート」は、捕らえた「ダーク・シーカー」を返す事に。取り返した「ダーク・シーカー」達はそのまま自分の住処に戻っていった。その後「ロバート」達は他の生存者の村へ車を走らせるのだった。そう彼こそが「ダーク・シーカー」達の生活を脅かす「レジェンド」だった。
原作小説での結末
クリックで表示:【ネタバレあり】原作の結末
ただ1人「吸血鬼」にならなかった「ロバート」は「吸血鬼」達を狩りまくり、生活必需品を得て何とか生き残っていた。しかし後に彼らに捕まってしまう。連行されて行く時に「ロバート」は、彼らの目に怯えがある事に気がつく。そう彼らこそが「新人類」であり「ロバート」こそが、世界でただ1人の存在、彼ら(吸血鬼)達にとっての「レジェンド」だったのだ。
観賞後評価
2種類存在するエンディング、原作により近いエンディングは2つ目の「別のエンディング」の方だろう。初めは、別エンディングがメインで撮影されていたらしいが、途中で通常エンディングの方に切り替わり、劇場公開されたらしい。どちらのエンディングが好みかは、人によって分かれる。個人的には、2つ目の「別エンディング」が好みではある。英雄的なレジェンドではなく、相手視点でのレジェンドの方が、物語が深くなると思うからだ。「通常エンディング」は、物語の展開が在り来たりすぎて面白みに欠ける。観賞後評価は、ED2種類を勘案して★(3.1)。