数ある「夢」をキーワードにした怖い都市伝説を3つ紹介。
数千人の夢に現れる謎の男『This Man』
『やりすぎ都市伝説』や『世にも奇妙な物語』で取り上げられる程、有名な都市伝説。
内容
この噂が認知されるキッカケは、2006年とある精神科かららしい。この精神科に1人の女性が訪れる。相談内容は「逢った事もない男性が、しばしば夢に現れる」というもの。医師は女性の協力の元、似顔絵のモンタージュを作成。後日、先日訪れた女性の症状と似た事を言う別の男性患者が現れる。気になった医師は試しに再びモンタージュを作成する。そのモンタージュは、女性の夢に出て来た男性と似た風貌の人物像だった。
興味を引かれた医師は知り合いの精神科医に、このモンタージュを送る。すると、新たに数人の患者の夢に登場していた事が解った。医師達はウェブサイトを立ち上げ、世界中から情報収集を行う事にした。すると世界各地で2000人以上の人達が「この男(This Man)」を見ていた事が発覚したのだった。
体験談は人それぞれ
・「夢の中で。ただ見つめられる」
・「延々と追いかけられる」
・「日に日に近づいて来る」等等…
噂の説・考察
【その1】政府によるマインドコントロールの実験の一部だという説。これは、テレビや広告を使い人々にある一定のイメージを植え付ける事を目的にしている。そうする事で、世論の操作を行おうとしているのではないか?というもの。
【その2】宗教的観点から、この男性は神が具現化した存在ではないかという説。
【その3】ドリームサーファーだという説。この男性は実在する人物で、人々の夢の中を行き来できる能力を持っているというもの。
【その4】集団無意識における、ストレスを受けた人々が夢の中でイメージする人物は、この「This Man」の姿に収束するという説。
事の真相
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イタリア「Andrea Natella」氏による作られた話しであった事が判明。この方は社会学者であり広告業界人でもあり「ゲリラマーケティング」の実験の一つだった。本人により作り話であった事が語られている。
『This Man』を取り扱った書物
あらすじ:警視庁「似顔絵捜査官」天野斗にある依頼が来る。天野の彼女の友達である明里が、最近よく見かける「不審者」に困っているというものだった。天野は明里の証言を基に、その不審者の似顔絵を描くが、その人物は都市伝説で有名な「This Man」とそっくりだった……
3度目、同じ夢見たら……『猿夢』
2000年頃に「2ch」のオカルト板に投稿された事がキッカケで広まった都市伝説。この話を読んだ人が同じ夢を見る事から「検索してはいけない言葉」の一つとして噂される。『猿夢』は投稿者が言った言葉ではなく、「猿の電車の夢」から自然と『猿夢』と呼ばれるようになっていった。
内容
投稿者が、夢の中で電車に乗っていた時に体験した内容が書き込まれた。夢の中で、駅のホームにいた投稿者。そのホームに停車した遊園地にある様な「猿の電車」。それには、複数の乗客がいて、みんな虚ろな感じだったらしい。ふいに車掌のアナウンスが流れ、それが示唆する内容で、乗客がどんどん亡くなってゆくというもの。
徐々に減る乗客、自分の番が近づいて来た投稿者は、必死に目を醒まそうとする。「次はえぐり出し〜」のアナウンスが聞こえた時に、なんとか目を醒ます事に成功した。
それから4年が経ち、すっかりこの事は忘れていた投稿者。しかしある晩にまた「あの夢」を見る事に。しかも前回の続き「えぐり出し」からだったのだ。そして新たなアナウンスは「次はひき肉〜」という言葉。とうとう自分の番になった投稿者は、台に固定され、迫るミンチ機の音に恐怖する。何とか目を醒まそうとした瞬間「また逃げるんですか?次が最後ですよ?」とアナウンスの声が聞こえたという…
もし見てしまったら?
【その1】そもそも見ない様にする。この話の印象が強く頭に残り、同じ様な夢を見てしまう可能性は存在する。そのため寝る前に「頭を空っぽに出来る映画・アニメ」を見て気持ちをリセット。それから寝る。
【その2】投稿者は駅のホームに居て、電車が停車したので乗り込んでしまっている。その事が恐怖の初まりなので、「夢で意識があるなら、余計な行動はしない事」。
【その3】夢に見てしまい、目を醒ます事ができたなら、即行、神社に行く事。投稿者は全部で2回夢を見て目が醒めている。猶予は2回、1回目の段階で「お祓い」に。
信じるか信じないかは貴方次第…
『猿夢』の詳細を取り扱ったサイト
『猿夢』の話を「起承転結」「読者の感想」を合わせて解説してある。上部で記載した「内容」の出来事を詳しく書かれている。
正しい手順で脱出しないと夢から出られない『ブキミちゃん』
「ブキミちゃん」の噂話を聞いた者の夢の中に現れる。決まった手順で「ある物」を探し出さないと、一生夢から醒める事はない。『地獄先生ぬ〜べ〜』で登場し、世間の子供達を恐怖に落し入れた存在。この「ブキミちゃん」だが都市伝説の一つとしては実在している。
実際は「トイレの花子さん」の噂に似ており、「花子さん」はトイレの3番目に潜んでいる噂が多いが「ブキミちゃん」は1番奥の個室に出現する。性格も「花子さん」より苛烈な事が多い。花子さんの「妹」とも言われる事も…
内容
「ブキミちゃん」は意地の悪い子で、よく同級生の持ち物を隠して喜んでいました。
そんなある日、交通事故で「ブキミちゃん」は亡くなってしまいました。
しかし、大切な持ち物である「ハーモニカ」は、現場から発見されませんでした。
後日、クラスメイトの夢の中に「ブキミちゃん」は出て来てきました。そして言ったのです。「私のハーモニカ返してよ……」「あなたが隠した事はわかっているのよ…」「でも私は隠し場所を知っているの…あなたが取って来なさい」と…
そして「ブキミちゃん」に1度だけ、見つけるための手順を教えてくれる。
複雑な手順を間違えずに行わないと、夢の世界から出られなくなってしまう。
基になったと思われる都市伝説
「ソウシナハノコ」
この話しを聞くと夢に出て来る。事故でバラバラになった少女が出て来て「小指」を持ってくる様に指示してくる。取りに行く手順が複雑で、間違えると夢から帰って来れなくなってしまう。最初の段階で「ソウシナハノコ」に隠された謎を解くと、その場でクリアとなる。
クリックで表示:隠された謎の答え
「ソウシナハノコ」逆さまから読むと「コノハナシウソ(この話し嘘)」となる。
『ブキミちゃん』を取り扱った作品
まとめ・考察
意外に「夢」に関する怖い都市伝説は存在しないみたいだった。「夢」にまつわる怖い話では、主に以下の3点に収束していく傾向がある様だ。
【1】話を聞くと、自ら体験する事になる。
【2】夢で何かしらの行動を求められ、クリアしないと夢から出られない。
【3】指定の「文言」を言う事で逃れる事ができる。
この3点にどうしても物語の結末が収束していく。そのため「夢」にまつわる都市伝説が少ない理由の1つだと思う。どの物語も同じ分類になってくるため、人の恐怖心を新たに刺激する事なく、広まる前に下火になるからだ。
『This Man』は【1】の分類、『猿夢』も【1】の分類、『ブキミちゃん』は【1】と【2】に分類されてくる。この他にも、「ソウシナハノコ」や「ババサレ」「火龍蕎麦」などの話は【3】に分類されてくる。
この様にある種、どの話も似たり寄ったりする事が「夢にまつわる都市伝説」の限界点になってしまっているのではないかと思う。