【ネタバレ注意】 レビュー・あらすじ解説・青鬼の正体考察
ある廃墟の洋館に忍び込んだ高校生達を襲う異形の怪物。執拗に襲う「青鬼」に、果たして逃げ切る事はできるのか?
鑑賞後評価:★★★☆☆(2.6)
題名:青鬼-アオオニ-
公開:2014年
時間:70分
あらすじ:転校生の「しゅん」は新しいクラスに馴染めずにいた。「拓郎」に虐められていたしゅんを「杏奈」は気にかけ声を掛ける。丘の上でしゅんは、自身が作ったゲームを杏奈に紹介する。しゅんは杏奈に、ゲーム「青鬼」へ込めた「思い」を語る。
拓郎・しゅん・ひろし・美香・たけしの5人は、ある廃墟の洋館「ジェイルハウス」へ向かう。拓郎が持つ「大きな箱」と他4人の姿を見かけた杏奈は、後を追いかける。拓郎達5人と杏奈の計6人は洋館に入るも、そこには不気味な雰囲気が漂っていた…まるで誰かに見られている様な、そんな雰囲気が…
⚠【ネタバレ】を含む内容になっているため、未視聴の方は注意して下さい。
物語の予告・結末・青鬼正体の考察
元AKB「入山杏奈」が主演の、大人気PCゲーム「青鬼」原作の実写化サバイバルホラー映画。ゲームでのシチュエーションや設定に、少し映画オリジナルの設定を織り交ぜた作品。
予告編
登場人物(キャスト)
・堀川杏奈(入山杏奈)
本作の主人公。ゲーム未登場でノベライズ版に同名の人物がいる。ノベライズ版同様ある特殊能力の持ち主。
・しゅん(須賀健太)
もう1人の主人公。ゲーム未登場でノベライズ版に同名の人物がいる。杏奈の学校へ転入してきた転校生。自身の性格もあり、クラスに馴染めず卓郎にいじめられている。「青鬼」というホラーゲームの開発者。洋館での事件が、自身のゲームと同じシチュエーションに不審がる。
・ひろし(聖也)
ゲーム版からのオマージュキャラ。昆虫マニアで、人に対して興味が全くない。ゲーム版での主人公と同じ名前。メガネを掛けている事もゲームと共通している。
・卓郎(陣内将)
ゲーム版からのオマージュキャラ。いじめっ子気質のためえ、自分の言う事を聞かない人に対して攻撃的。ゲーム版と同じ名前で、いじめっ子の設定も同じ。
・美香(古畑星夏)
ゲーム版からのオマージュキャラ。卓郎の彼女。
・たけし(尾関陸)
ゲーム版からのオマージュキャラ。映画版は、見た目に反してマザコンで気が弱い。気が弱い点はゲームと共通している。そのため映画とゲーム共に同じ様な所に隠れている。
青鬼とは?


左:ゲーム版 右:劇場版
ホラーゲーム「青鬼」に登場する怪物。登場人物達を執拗に追いかけ襲う、異形の化け物。出会った人物の声を真似る事ができ、それによって閉じこもっている人間を誘い出そうとする。
ゲームとのオマージュ部分



・登場人物の名前
・ピアノが置いてある部屋と血まみれの鍵盤
・たけしがクローゼットで震えているシーンなど
物語の結末
クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
男女6人は、次々と「青鬼」に襲われて行く。しゅんは「青鬼」の存在、建物の構造から自身の制作したホラーゲームに酷似している事に気付く。しゅんは杏奈を導き、建物の仕掛けを解き脱出しようとする。
地下室に辿りつき、しゅんは地下室に置かれた箱の中に自分が入れられている事、そしてこの世にはすでに存在していない事に気付き、消えてしまう。
そこに容赦なく襲いかかる「青鬼」により、生き残りは杏奈1人になってしまう。
逃げに逃げ、とうとう杏奈は部屋の一室にまで追い込まれる。絶望に捕われた杏奈だが、しゅんがゲームに込めた思い「立ち向かって行く強さ」を励みに、この現状に立ち向かって行く。
そして物語は「NEXT STAGE」の文字と共に幕を閉じる。
青鬼の正体とは何だったのか?
劇中でその正体についての言及はないため、終始正体不明の存在。物語の演出を見て考察するなら、下記の3つの理由が考えられるが…
【1】ホラー作品特有の、特に原因は無い不可思議な存在。
【2】映画の展開上「杏奈の弟・しゅん」の「無念」がゲームに登場する「青鬼」に投影されている。
【3】「たけし」のある理由による「自責の念」が「しゅん」のゲームプログラムに乗り移り具現化した存在。
観賞後評価
ドラマ性を入れすぎているため、本編約70分と短い間の大半が、ドラマパートとなっている。始まって30分以上経過してから、実際に「青鬼」が登場し出すので、そこまで少しグダった印象がある。登場人物に襲われるシチュエーションのバリエーションが豊富ではないため、やられてしまう場面が容易に読めてしまう点も残念だった。
ゲームで馴染みのある視聴者は楽しめる場面も存在するが、未プレイ者にとっては楽しめるかどうか…そのため観賞後評価は★(2.5)。
次回作「青鬼Ver.2.0」