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映画【トリハダ-劇場版-】レビュー・あらすじ解説と鑑賞評価

 

【ネタバレ注意 】

メインストーリーとサブストーリーからなるオムニバスホラー

日常に潜む恐怖にトリハダが立つ

トリハダ ‐劇場版‐

鑑賞後評価:★★★☆☆(3.2)

題名:トリハダ-劇場版-

公開:2012年

時間:87分

あらすじ:コールセンターで働く「高林ひかり」は、上司と不倫している秘密をもっていた。そんな彼女は、度々会社に電話してくる悪質なクレーマー「宮脇沙世」への対応に疲れきっていた。いつも愛想よく声を掛けてくれる隣人の表札を見るひかりは、そこでクレーマーと同じ名前「宮脇沙世」を見つけてしまうのだが…

⚠【ネタバレあり】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。

作品の紹介・特徴

紹介

テレビドラマ「トリハダ〜夜ふかしのあなたにゾクっとする話を」の劇場版。ドラマと同じくメインストーリーの間にサブストーリーが展開していくオムニバス形式の作品。現実的な枠組みの中で物語は構成されており、誰しもが何かの拍子に劇中の出来事が襲いかかる可能性を感じさせる演出が魅力。

特徴-トリハダ五ヶ条とは

・幽霊は出ない

・超常現象は起きない

・音楽で恐怖を煽らない

・過度な演出はしない

・日常から逸脱しない

劇場版公式サイトに上記の5つの特徴が記載されている。この原則に従い、物語は展開されていく。

 

メインストーリー

キャスト【谷村美月】

コールセンターで働く「高林ひかり」は、上司と不倫している秘密をもっていた。そんな彼女は、度々会社に電話してくる悪質なクレーマー「宮脇沙世」への対応に疲れきっていた。いつも愛想よく声を掛けてくれる隣人の表札を見るひかりは、そこでクレーマーと同じ名前「宮脇沙世」を見つけてしまうのだが…

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

ひかりは疑念を抱きつつクレーマー対応、隣人付き合いをこなしていたが、溜まりに溜まったストレスから、ある日電話口で「寂しいからって毎日電話してこないで!」と罵ってしまう。宮脇沙世は「おまえの◯ぎ声がうるせぇんだよ」と言い電話を切る。

この事で隣人「宮脇沙世」は悪質なクレーマーと同一人物だと確定してしまう。

電話口では罵倒、マンションで会う際には愛想良く話しかけて来る宮脇沙世、先が見えない上司との不倫関係に疲れきったひかりは、隣人と上司を◯し、マンションの屋上から身を投げるのだった。

サブストーリー

「見えざるものの中にある真理」

キャスト:【木南晴夏】

あらすじ

女性は貸し倉庫に荷物を預けていた。そんなある日、貸し倉庫前で他の利用客と鉢合わせする。その利用客の怪しい雰囲気を不審に思う彼女だったが、その場を後にし自宅に戻る。

家のドアを開けようとするが、鍵が無い事に気付き、慌てて先ほどの倉庫に探しに行く。無事発見し一安心する彼女だったが、なぜか先ほどの利用客とまた遭遇。気味悪くなり急ぎその場を後にする。後日、貸し倉庫付近を通りかかった際に、先日遭遇した怪しい雰囲気の利用客を見かける。女性は気になり後をつけていくのだが…

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その利用客は必死に自分の倉庫をこじ開けようとしていた。護身用に近くにあった鉄パイプを持ち、利用客に近づく彼女だったが…表情を変えずに殴りかかるのだった。そして……女性の貸し倉庫に並べられたキャリーケースからは、血が滴り落ちていた…

解説:付近で行方不明になっていた人は、彼女に襲われキャリーケースの中に入れられていた。彼女は自分の貸し倉庫を気にする利用客を、最終的に自分の「コレクション」の一つに加えたという事。

「異常な愛情と執念の6日間」

キャスト【古川雄輝・笹野鈴々音】

あらすじ

1日目(土曜日)宅配業者の山本は再配達の連絡を受け、すぐに荷物を届けに伺う。だいぶ変な女性に、早々にサインを貰い引き上げる。

2日目(日曜日)コインランドリーで洗濯をしていた山本は、そこで先日再配達に伺った家の女性と遭遇する。気まずくなり外に出てやり過ごす。

3日目(月曜日)仕事中の山本の携帯が鳴る。電話に出る山本だったが、電話口からは「たかし…会いたいよたかし」と繰り返す女性の声、気味悪くなりすぐに電話を切る。家に帰り玄関前に着くと再度着信が鳴り響く。不審に思うも電話に出ると「たかし…ここ…後ろ」の声が聞こえる。そして振り向くとそこには、再配達で伺った女性が立っていた。

4日目(火曜日)風呂で頭を洗っていた山本は、自分が真っ赤に染まっている事に気付き驚愕する。シャンプーのボトルの中を見てみると、そこには「人の指」が入っていた。

5日目(水曜日)コインランドリーで洗濯する山本、ふと外に目を向けると、例の女性が立っていた。女性は手を山本に見せ、先日のシャンプーは自分の血だと誇示する。

6日目(木曜日)そして……

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車で荷物の配達中、着信が鳴り電話に出ると「たかし…愛してるたかし」を繰り返す女性の声。山本は激高し罵倒、電話を切るが再度着信が鳴る。山本は文句を言いながら電話にでるが「もう…おしまい」の言葉とともに、山本の運転する車の前に、女性は飛び出して来たのだった。

ひかれた女性は笑顔で立ち上がり、山本に「責任とれよ♡」と告げるのだった。その場には頭を抱える山本と、女性の高笑いが響くのだった……

解説:まさにタイトル通り「異常な愛情」と「執念の6日間」だった。このサイドエピソードは一番人気で評判が高い。異様な女性役「笹野鈴々音」は事務所のプロフィール写真はとてもかわいい女性で、劇中の不気味さは一切ない事から、その演技力と雰囲気作りは見事だった。

「好奇心から生まれる想像と漆黒」

キャスト【野間口徹・入来茉里】

あらすじ

バスに乗るスーツ姿の男性は、待ち合わせ相手にメールを打つ。前に座る女子高校生の打つメールの内容が目に入り、その内容に好奇心が沸きその子の顔を覗く。それからしばらく、前の女子高生のメールのやり取りを覗く男性だったのだが、そのやり取りの相手が、自分と待ち合わせしている友達と同じ名前だった。

ますます好奇心が沸き、メールのやり取りを覗いて行くが、だんだんとメールの内容は不穏なものに変わっていき…◯人を匂わすものになっていた…

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そしてとうとう女子高生が「後ろから覗くおっさんがうざい」と相手にメールを打つ。覗いていた男性は狼狽してしまう。すると他の席に座っていた屈強な男が近づいて来て……その後の顛末を想像した女子高校生は、高らかに笑うのだった。

解説:イギリスの諺「好奇心は猫をも◯す」をモチーフにした内容。この後に男性は女子校生と屈強な男に◯されたと思われる。

「理想と現実の相違から訪れる闇」

キャスト【佐津川愛美・菊田大輔】

あらすじ

様々な男性と付き合い、自分の理想の男性を探していた女性。隣人が引っ越して来てから、毎晩「鍋」を持参し、お裾分けをしてくる隣人男性「川村」がいた。初めはインターホンごしに断ったり、居留守を使っていた女性だったが、ある日根負けし玄関先に出てしまう。

帽子を深くかぶり顔が見えない男性に警戒心をむき出しにするが、帽子を取った男性の顔を見て一転、警戒心は和らぐのだった。その容姿と人当たりの良い性格から、ますます警戒心を解く女性はお裾分けを貰い食すのだったが…

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翌日、家を出る女性は隣人とばったり会うが、昨日の男性では無く別人の女性だったのでガッカリする。

何とか気を取り直し昨日のお礼を男性に伝えてほしいとお願いするが「あんた何言ってんの?私1人暮らしなんだけど」と言われてしまう…じゃあ昨日食べた食事は?急いで部屋に戻りおそるおそる鍋の中を確認する女性。箸で残り物の中をいじくると「人間の舌」が出てくるのだった。

解説:人は見た目9割で人を判断してしまう。その事モチーフにしたサイドストーリーと思われる。「奇麗な花には棘がある」が頭に浮かぶ奇妙なストーリーだった。

「自身に降り掛かった悪夢と結末の相違」

キャスト【石橋杏奈・】

あらすじ

自宅に戻った女性は上着の中に「30」と書かれた紙がはいっているのを見つける。次の日は「29」。通勤時にバスを降りるにしたがい紙が入っている事に気づく。そして日が経ち、紙の数字は「13」になっていた。

友人からのアドバイスで「やめてほしい」と書いた紙をポケットにしまい通勤する女性。バスを降りて確認すると「12」の数字の紙だけがはいっていた。ストレスが溜まる女性は、相手に向けたメッセージの言葉が過激になっていく。しかし効果は無く「11」に。そして自宅のポストに「10.9.8.7.6.5.4.3.2…」と一気に書かれた紙が入っていたのだった…

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怖くなり部屋へ急ぐ女性。そして部屋の中には「1」の紙が置いてあり、発狂する女性。友人の家に避難させてもらう事になった女性は、友人と一緒に自宅に服を取りに行く事になった。ポストは確認しておこう友人は言い、女性に代わりポストを開けると…ボウガンが設置されており、友人に矢が刺さってしまう。

病院に友人の両親が訪れ、その結末に泣き崩れる。警察に事件の事情を話すためロビーに向かう女性は、満面の笑みを浮かべていたのだった。

解説:この結末から、主人公の女性が友人を嵌めるためにした自演自作と勘違いしそうになるが、ストーカーに悩まされる女性は、本来自分に降り掛かる結末を友人が身代わりになった結果にホッとしたためのラストの笑顔だと思われる。

「自身に降り掛かった悪夢」は、ストーカーに悩まされる「悪夢」。

「結末の相違」は、本来自分が迎える事だった「結末」の相違。

「誘惑と疑念の葛藤と脅迫」

キャスト【白羽ゆり・小林高鹿】

妻「真貴子」に「浮気したら◯す」と言われ、たじろぎながら出勤する男性。真貴子は家で洗濯中に電話が鳴り響く。電話に出ると「キタガワ」と名乗る女性から夫婦限定の無料のライフカウンセリングの誘いを受けるのだった。

次々を自分達の個人情報を連呼するキタガワに、不審と怒りで真貴子は電話を切る。その後も電話は鳴り続け何とか断ろうとする真貴子にキタガワは、今後の夫婦のスケジュールを言って来る。そして「来週」の月曜に「夫が亡くなる予定」を伝えて来たのだった…

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絶句する真貴子。こんな事をするキタガワに目的を問いただすと、電話先で高笑いが聞こえて来る。夫に高額の生命保険が入っている事、提案は双方に利益があるのだと伝えて来る。キタガワは「奥様は毎朝ご主人に言ってますよね?」「どうしますか?」と…そして真貴子は「お願いします」と依頼する。

解説:真貴子に電話してきた「キタガワ」はメインストーリーの主役の女性であり、真貴子の夫の浮気相手の「高林ひかり」だった。

多額の保険金を得る「誘惑」と、浮気を匂わされた「疑念」、夫を◯す依頼をする「葛藤」、自身が毎日言っていた「脅迫」と人間の持つ様々な負の感情が混ざり合っているストーリー。

動画の配信サイト

Amazonプライムリンク

トリハダ ‐劇場版‐

トリハダ ‐劇場版‐

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

U-NEXT

2020年6月現在、見放題対象作品として配信中 

 

観賞後評価

トリハダ五ヶ条が忠実に守られ丁寧に制作されていた。ホラーでありがちな不穏なBGMで恐怖心を煽る事もしないため、純粋な怖さ、気味の悪さを味わえた。観賞後評価は★(3.2)

「異常なお愛情と執念の6日間」が人の本能に訴えかける気味の悪さが逸脱しており、他のサイドストーリーは気味の悪さというより、奇妙さが目だっていた。サイドストーリーは他の物語にあまりリンクしていない事も、日常に潜む恐怖の演出として面白いものを感じる。