【ネタバレ注意】あらすじ・作品の特徴・感想
都市伝説の一つ「くねくね」をモチーフにしたホラー映画
ある出来事で「クネクネ」になった存在が、キャンプ場を訪れた再婚間もない家族を襲う
鑑賞後評価:★☆☆☆☆(1.0)
題名:クネクネ 公開:2010年 時間:50分
監督:吉川久岳 出演:しほの涼、所里沙子、熊谷美香、中野剛
あらすじ:ある晴れた休日、浩平とその娘の遥と再婚相手である良子とその娘である千里。4人は人里離れた山奥にキャンプ場に向かっていた。道に迷った浩平は、道中で見かけた村人に道を尋ねるも、村人は浩平の問いには答えず「今すぐ帰った方がいい」としか答えなかった。
何とかキャンプ場に着き、準備に掛かる遥、浩平、良子だったが、再婚に反対していた千里は輪に加わらず、独りふてくされていた。再婚間もなく微妙な空気が流れる中で迎えたキャンプ場での夜、そんあ家族を待ち受ける存在が、襲いかかろうとしていた…
⚠【ネタバレあり】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。
映画「クネクネ」の特徴
都市伝説の怪異「クネクネ」を扱った作品
2000年初期頃からインターネットの普及と共に広がっていた都市伝説上の怪異。田んぼや川向こう等で見え、白い又は黒いクネクネ動いている存在と言われている。見た時に、その存在の正体を理解してしまうと、精神に異常をきたしてしまう…らしい。
この都市伝説の怪異をモチーフとした映画になっている。
おまえがクネクネするんかい!?
都市伝説上では、クネクネがくねくねしている。
しかし本作では、クネクネがくねくねしていなく、クネクネを見た人が、くねくねしてしまう。
唐突な解説役の登場
謎に包まれた存在「クネクネ」。劇中終盤まで、その正体は不明なまま進んで行くのだが、劇中終盤に今まで「帰れ」しか言わなかった村人が、クネクネの正体や成り立ちを解説し出す。B級あるある演出が待ち受ける。
物語のあらすじ(ネタバレ有り)
次々に襲われる家族
新しい家族と馴染もうとしない千里は、1人車の中で夜を過ごす。そんな娘を心配した良子は、夜中に千里の様子を見に行こうとする。良子は車に向かう道中に急に霧が発生した事を不審がるも、その場にいた「存在」を見てしまい目から血を流すのだった。
翌朝、テントに戻らない良子を心配し、周辺を捜しまわっていた浩平と遥と千里は、道で倒れ亡くなっている良子を発見してしまう。
その光景に動揺した千里は走りさり、浩平は警察に連絡しようとするも電波が繋がらないため車へ向かう。
遥はその間千里を追いかけ、慰めるのだった。
車のエンジンが掛からないため、浩平と遥は歩いて警察を呼びに向かうが、川の畔で休んだ時に、あたりに霧が漂い始める。
浩平と遥はその存在に目を向けるも、浩平は娘を守るため目を覆い隠し、自身はそのまま亡くなるのだった。
クネクネの正体
一方、千里は村人が荷車で人を運んでいる光景を目撃、後をつけて行くと母親を荷台に乗せ包丁を研ぐ老人の姿だった。
千里は老人から、クネクネの正体は「村で生まれた予知能力者だった事」「その能力を悪用しようとする村人が居た事」「指示に従わない予知者に苦痛を与えた事で亡くなってしまった事」を聞く。
その時の強い恨みから、クネクネは村に出没する様になってしまった。村人は罪滅ぼしからか、果てはクネクネに対する自衛のためか、みんながクネクネを見ない様に自身の目を潰す事にしたのだった…
地獄からの脱出
そんな話の最中に、千里の母親はクネクネに操られたゾンビとして活動を再開、千里に襲いかかるも老人の一振りで首が落ちた良子はその場で倒れるのだった。
千里はその場から逃げ出し、遥に合流しようとするが、そんな遥の後方には、ゾンビになり追いかけて来る浩平の変わり果てた姿を見てしまう。
遥は自身を囮に千里を逃がすが、途中で戻って来た千里により遥は助けられ2人はその場から逃げるのだった。
逃げる途中で、千里は立ち止まり、上を向く。そこには黒い雲が広がっており、千里の顔に1粒の雫が降って来る。
千里は老人の言葉「水辺の近くにクネクネは現れる」の言葉を思い出し、絶望するのだった……
都市伝説と劇中の「クネクネ」の違い
都市伝説での「クネクネ」
2000年初頭のインターネットの普及と共に噂される様になった怪異。
田んぼや川向こうなど、距離が離れた所に出没し白い又は黒い「クネクネ」と動く存在。特に積極的に襲っては来ないが、その正体に勘づいてしまうと、心に異常をきたしてしまう。
劇中の「クネクネ」
村に生まれた予知能力者の成れの果ての姿。自身の力を悪用しようとする村人に強い恨みを持つ。都市伝説とは違い、自身の身体はクネクネしていない。自身の姿を見た人間の方を「クネクネ」させ操る。
感想と評価
思っていたクネクネを違いすぎて、ギャクでは?と思ってしまう程のツッコミ所の溢れる映画だった。クネクネはくねくねしているからクネクネなのであって、クネクネを見た人がくねくねするのは何か違う気がする。その場合の怪異の名称はクネクネではなく「ネジラレ」とかになりそうな物だ。
50分の映画になっているので、見る事に苦痛は感じないが何とも言えない粗さが目立つ内容である。
村人は家族に危険を伝えてくるのだが、「帰れ」その一言で済ましている。本当に危険が存在し、帰そうとするのであれば、家族が信じる信じないは置いといて、説明すべきだった。
クネクネに襲われ亡くなった人がゾンビ化して襲って来る点も意味不明。都市伝説「くねくね」の要素が殆ど存在しないので、ただ単に名前を使って客を釣ろうとしている映画ではないかと思わせる作品だった。
題材は都市伝説を扱ったもので、期待値を煽る分その全く関係ない内容に非常に残念な思いを抱かせた物だった。そのため観賞後評価は★(1.0)。