【ネタバレ注意】
都市伝説ダーク・ウェブの存在。一般人ではアクセスできないネットの闇に触れた時、日常を生きる若者達の運命は狂気に染まる。
鑑賞後評価:★★★★☆(3.5)
題名:アンフレンデッド・ダークウェブ
公開:2019年 時間:93分
監督:スティーヴン・サスコ
出演:コリン・ウッデル、レベッカ・リッテンハウス、ベティ・ガブリエル
あらすじ:高性能PCを手に入れたマタイアスは、前の持ち主のSNSアカウントを消して自分のアカウントを登録し使用していた。
恋人のアマヤや友人達との会話を楽しむのだが、そんな中で送られて来たメッセージ「俺のPCを返せ」の言葉を機に、一般人の日常を楽しむ若者達に、ネットの闇が襲いかかってくる…
⚠【ネタバレ】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。
予告動画
映画「アンフレンデッド・ダークウェブ」の特徴
都市伝説ダークウェブ・レッドルームがモチーフ
一般で使用されるネットブラウザではアクセスできない「ダーク・ウェブ」を舞台にした物語。いわゆる都市伝説上に存在する一般人ではアクセスできないネットの裏社会、その中でも金次第で人を使った実験や◯◯ショーが観戦できるサイトが登場する。
演出は全てPCの内蔵カメラからのアングル
PCの内蔵カメラ(インカメラ)に映る登場人物達の演技のみで物語は展開されていく。
映画をPCのフルスクリーンで見る事により、まるで画面の向こうで本当に起こった出来事の様な臨場感を味わう事ができる。珍しい手法で撮影された演出が特徴的なサスペンスホラー。
物語のあらすじ(ネタバレ有り)
ありふれた日常から
マタイアスは中古で入手した高性能PCを使い、恋人のアマヤとSkype通信をしていた。マタイアスは、聴覚障害を持つアマヤとのコミュニケーションが上手くいっていなかった。マタイアスに手話を覚える様に頼んでいたアマヤは、教室に通おうとせず、音声を手話へ変換する会話アプリの開発にいそしむアタイアスに不満を募らせていた。
怒ったアマヤに通話を切られたマタイアスは、約束していた他の友人達とのSkype会議に参加しながら、アマヤと連絡を取ろうとしていたが、PCの不調によりアプリが強制終了してしまう事にイラだちを募らせる。
友人でPCに詳しいデイモンの手助のもと、PCの動作環境をチェックすると、そこにはPCの容量のほとんどを占有していた大量のファイルを発見する。
持ち主からの連絡
そんな中で、前の持ち主からPCを返せとメッセージが届く。別のアカウントからは、「送金が完了した事」と「ザ・リバーのアプリ」が添付されたメッセージを受信する。恐くなったマタイアスは、行きつけのネットカフェで持ち主不明のPCを失敬した事を友人達に告白し助けを求める。
マタイアスはデイモンに「ザ・リバー」のアプリについて聞くため、起動した画面を見せる。
デイモンはそれは「ダーク・ウェブ」にアクセスするツールで、既存のインターネットの外にある存在であると明かし、一同は日常から外れた事態に不安を抱くのだった。
そんな中で、アマヤからマタイアスへテレビ通話が入るが、PCの前に彼女は存在せず誰もいない部屋を映すのみだった。
そこに現れたフードを被る男により、PCを返却する事、さもないとアマヤに危害を加える事を伝えて来る。
相手の要求は、アマヤをマタイアスの自宅へ呼び寄せる事、それについていき彼女の身柄とPCの交換を要求するものだった…
次々と犠牲になる友人達と罠
アマヤを何とか説得し、自宅へ来る様にしむけるが、その間に次々と「ザ・リバー」の会員「カロン」と名乗る者達によって、次々と友人達に被害が及び、残すはマタイアスとデイモンの2人になってしまう。
アマヤから最寄りの駅に到着したと連絡がありマタイアスは彼女を迎えにいく。一人になったデイモンは、今までの出来事を録画しており、web上で様子を伺っているであろうネット・リバーの会員カロン達に対して、このままでは済まさないと挑発する。
しかし、そんなデイモンの前で、今まで行われていたカロン達の犯行映像の犯人の顔を合成でマタイアスに差し替えた映像を見せられ、マタイアスはカロンに嵌められていた事を察する。全ての出来事は仕組まれており、PCをマタイアスに盗ませる事によって、今までのカロン達の犯行を全てマタイアスに被せる罠だった…
デイモンは、その事をマタイアスに伝えようと彼のスマホに連絡するのだが、背後から現れたカロンによって襲われてしまうのだった。
そして始まるネット投票(結末のネタバレ有り)
クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
度重なる心労により、マタイアスはカロンに「何故こんな事をする?」とネットを通して投げかけるが、「これはゲームさ」の言葉と共に始まった「マタイアスを生かすかどうか?」のネット投票が始まる。
結果は反対多数、マタイアスを生かさない事に決まった投票通り、その投票結果を見ていたマタイアスは、そこに現れた車に轢かれてしまう。
カロンのメンバーは警察官、救急隊員など様々な職業を務める者達によって構成されており、事件は闇に葬られるのだった…
観賞後評価
アメリカ公開での批評家の論評は、この映画を平凡な物と評価している。しかし、カメラの演出など特徴的で面白く、PCのフルスクリーンで見る事により、画面に映る映画だけではない、自分のPC周辺をも巻き込んだ日常の1コマにとけ込んだ錯覚を覚える臨場感は素晴らしかった。
劇中の使用PCはMACになるので、MACユーザはさらに面白く見えるだろう。