漫画版「淡海乃海」第六巻【あらすじや見所、収録特典など紹介】
史実でもあった六角家の混乱「観音寺崩れ」その混乱の最中、ある武家が朽木基綱に接触してくる。
題名:淡海乃海 水面が揺れる時 第六巻
原作:イスラーフィール
作画:もとむらえり
あらすじ:現代から戦国時代へ転生した主人公、朽木基綱の元に1つの報告が入る。それは史実でも起こった近江の一大勢力の「六角家」混乱と衰退の始まりをあらわす「観音寺崩れ」と言われる出来事だった。
目の上のたんこぶの存在でった「六角家」の混乱は朽木家にとって吉兆のはずだったが、周囲の状況により逆に積極的な行動が取れない様になってしまった。
朽木家周囲は仮想敵だらけ…そんな中、一つの家から同盟の打診が入る。その家は、戦国時代を終わらせるきっかけを作り、現代においても人気の武将「織田信長」からだった…。
今作の「淡海乃海」の見所は?
織田信長の登場!
今作でようやく現代でも有名な戦国武将「織田信長」が登場する。が、実際のキャラクターとしては登場せず、名前のみの登場となる。小説版においては、ここから織田家との関わりがちょくちょくあるので、漫画版でも今後深く関わってくる事になる。その始まりの出来事が収録されている。
朽木軍の問題噴出
観音寺崩れの後、加賀の一向一揆と朝倉家が激突する。その隙を突き、生き残るために必要な領地を得るため軍を動かした朽木基綱だったが、その軍事行動中に1つの問題が噴出する。
それは、転生者のアドバンテージ「情報」と「知識」から、無敗を誇っていた朽木軍だからこその問題で、若い者の連中の間で「戦い」について舐めてかかる癖がつきはじめていたのだった。
群雄割拠の戦国時代において「戦いを舐める」事は、直接家の滅亡をも意味する危ない事であり、そんな気の緩みを抱く若者連中に基綱は頭を悩ませるのだが…。
特典 書き下ろし小説1「聖域」
漫画版限定の書き下ろし小説のタイトルは「聖域」。今回は2つの短編小説が収録されている。1つめのタイトルは「聖域」。朽木基綱と妻である小夜との寝室、まさしく聖域での物語。
あらすじ
朽木家の敦賀侵攻の10日前、小夜は基綱との夜の営みの余韻に浸っていた。戦に絶対はない、その事を不安に感じている小夜に基綱は声を掛ける。
一向一揆との戦いで敦賀を領有している朝倉家に朽木家との戦いに割ける余力はない。楽に戦いは終わり、自分は無事に戻ってくる。その事を告げられる小夜だったが、不安は消えず…。
特典 書き下ろし小説2「臭い」
漫画版限定の書き下ろし小説、2つめのタイトルは「臭い」。朽木家にとって重要な戦力増強の出来事、その舞台裏が詳細に描かれている。
あらすじ
武田の家臣を辞め、一族総出で士官先を探していた真田弾性の妻である真田恭。彼女は戦国時代の荒波に埋もれたくない一心の夫を支えていた。
そんな中、戦国において勢いのある家「朽木家」への士官を目指し、朽木家臣である日置家への挨拶を行おうとしていた。士官への必死さをアピールするため、ぼろぼろの服装のまま挨拶へ向かおうとする夫に対し、恭は一つの心配事を胸に抱えていた。
そう、ずっと服を交換していない事で発している、夫が放つ臭い匂いを…。
今回の「おまけまんが」
朽木家の忍びである「八門」の後取りである「小兵衛」との恋仲であり、朽木家の女中とし仕事をしている「キリ」に子供ができる。その事を小兵衛と共に重蔵と基綱の母親である綾に報告する4コマ漫画が収録されている。
終わりに
第六巻で観音寺崩れと朽木の敦賀侵攻、三好家後継者の喪失そしてラストにたぶんだが、本編で基綱と10年以上に掛けて争い続ける宿敵「本願寺の顕如」が登場して終わりを迎えている。ここで小説版第二巻の半分を消化といったところ。
今後は六角家崩壊と朽木家と本願寺との争い、そして足利将軍家との権力争いが激しくなっていき読み応えが益々増していく展開になる。物語でもっとも盛り上がる場面へと突入するので先が楽しみ。
漫画版「淡海乃海」第一巻のレビュー
漫画第六巻の続きは、小説版第二巻に収録
そして、第一巻で朽木家の当主に就任しなかったらを描いたIFストーリーが