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三好没落の始まり永禄の変【淡海乃海 水面が揺れる時】第七巻の見所・あらすじ・感想

 

漫画版「淡海乃海」第七巻【あらすじや見所、収録特典など紹介】

三好家が「足利義輝」を強襲、後に永禄の変と呼ばれる事件が勃発する。

淡海乃海 水面が揺れる時 第7巻 (コロナ・コミックス)

題名:淡海乃海 水面が揺れる時 第六巻

原作イスラーフィール

作画もとむらえり

あらすじ:急速に領地を広げた主人公「朽木基綱」は、多数の国人領主を纏めるべく内政に精を出す。自らの足をもって領内を回り、領地を豊かにしようとする基綱だったが、周囲はそれを許す事はなかった。

近江の一大勢力「六角家」は、観音寺騒動の影響と、朽木と織田の同盟締結などの影響で朽木家との関係は悪化の一途。さらに朽木の北では一向一揆の勢力が勢いを増していく。そして、京ではとうとう三好家が長年権力争いを続けていた足利家、現征夷大将軍足利義輝を襲撃した「永禄の変」が起きようとしており…。

 

今作の「淡海乃海」の見所

永禄の変

三好家の絶対的当主「三好長慶」が亡くなり、後を継いだのは養子の「三好義継」だった。彼は足場の固まらない状態のまま三好家当主を継いでしまい、何かと三好家打倒を声高に叫ぶ征夷大将軍足利義輝を襲撃してしまう事となる。

武家を纏める棟梁を恣意する行動は、戦国乱世に与える影響は計り知れなく…。

漫画版、書籍版ともに襲撃された本人「義輝」の朽木基綱への思いが描かれているが、本編でも基綱の義輝への冷めた思いは感じ取れるが、淡海乃海外伝「羽林、乱世を翔る」での基綱と義輝の関係を知っていると、さらに義輝への同情心が増し面白い。主人公の将軍家に対する思いを知っている読者にとっては、この時の義輝の思いは読んでいて辛く悲しい気持ちを覚える事だろう。

特典 書き下ろし小説

タイトル「再生」

観音寺騒動を巻き起こした張本人「六角義治」の幽閉している様が物語になっており、この時の義治は六角当主という重責が無くなった影響か、かなり温和で悟りを開いた落ち着いた印象を受ける人物として登場している。

本編でも言及がある通り、この後に彼は現在の六角当主により命を奪われる事となるが、書籍版では幽閉後の彼の様子を知る事はできないまま物語から退場しているので、書籍版読者にとって本編をうまく補完された物語となっている。

タイトル「氷刃」

観音寺騒動後の六角重鎮から見た基綱の行動や、三好修理大夫の命が短い事での幕臣達の三好打倒へと逸る気持ち、さらに永禄の変前において朽木基綱が義輝の身の危険を知っていながら、助ける機会に目を瞑り見捨てようとする場面を描いた短編が収録。

漫画本編で義輝の朽木基綱への思いを読んだ後に、書き下ろし小説「氷刃」を読むと、主人公の冷徹さが強調され、さんざん主人公サイドの足を引っ張る行動を取り、ヘイトを買っはずの義輝への同情心が生まれてくる不思議な感情を抱く物語として仕上がっていて面白い。

 

今回の「おまけまんが」

今回のおまけ漫画は、漫画版第1巻書き下ろし小説「領内視察」で描かれた物語の一部を朽木家家臣「五郎衛門」の回想シーンとして漫画にした物を8ページに渡り収録。そのためか四コマ漫画の収録はなし。

終わりに

第七巻で足利義輝が亡くなってしまう。この事が、ただただ戦国乱世を生き残ろうとする主人公基綱が、別の事を成すための契機となっている。次巻から小説版第2巻終盤の戦国時代の一大勢力「三好家」の分裂騒動や、史実では信長が「第六天魔王」と呼ばれ恐れた悪行を主人公が代わりに行う所業が描かれていくはず…。
漫画版作画担当の「もとむらえり」先生は、基綱のダークな面を描く際の表現が怖いので、第六天魔王と呼ばれる契機「比叡山焼き討ち」時の戦いの凄惨な風景を基綱のダークサイドを描く様な感じで怖く迫力のある表現で描かれる事を期待したりしている。

※2021年12月16日時点。

漫画版「淡海乃海」第一巻のレビュー

漫画第七巻の続きは、小説版第二巻終盤に収録

そして、第一巻で朽木家の当主に就任しなかったらを描いたIFストーリーが