#ストーリーのネタバレ注意 #豆知識 #トリビア
鑑賞後評価:★★★★★(4.3)
題名 | エイリアン |
---|---|
公開日 | 1979年 |
監督 | リドリー・スコット |
時間 | 116分 |
出演 | シガニー・ウィーバー、トム・スケリット、ジョーン・ランバート |
西暦2122年、宇宙貨物船ノストロモ号は地球への帰還途中にあった。乗組員7名はハイパースリープから目覚め、地球への到着も間際かに思われた。しかし実際は、船の制御A.I「マザー」により、人工的な信号を検知した場所へ勝手に航路が変更されていたのだった。
ウェイランド・ユタニ社の規則「知的生命体と思われる信号を受信した場合は調査する事」に従い、信号を検知した惑星「LV−426」へ降り立つ。
船長のダラス、副長ケイン、操縦士ランバートは、信号の発信元まで捜索へ向かい、知的生命体の船と思われる物を発見し中へ入っていった。
同時に、通信士のリプリーは受信した信号を解析、それは救難信号ではなく警告を意味する事が分かり不安を覚える。そして調査に出かけた3人が戻って来た。副長ケインの顔に何らかの生物が寄生された状態で…
⚠【ネタバレ】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。
エイリアンBD発売特集動画
物語のあらすじ(ネタバレあり)
誕生
リプリーは当初検疫の観点からケインの入船を許可しなかった。しかし、アッシュの独断でエアロックは解放され、3人は入船してしまう。
アッシュとダラスはケインの顔に張り付いた寄生生物を剥がそうとするが、寄生生物の足に切り込みを入れた際に飛び出した血液が強酸性をおびており、船へのダメージの懸念から手を出す事が出来ずにいた。
しばらくすると、ケインに張り付いていた謎の生物が地面に落ち亡くなっているのを発見する。同時にケインの意識が戻り、全員で食事と地球への帰還を楽しむ最中、急にケインが苦しみ出し、その胸からは謎の生物(チェストバスター)が飛び出すのだった。周囲を一見した生物は、何処かへと消えて行ったのだった…
捕獲作戦
乗組員一同は、船内に逃げ出したチェストバスターを捕獲するため、自作した電磁棒と動体探知機で捜索するも、発見できたのは飼い猫「ジェームス」だけだった。
警戒して気が立っているのか、猫は船内に逃げ出してしまう。乗組員の1人であるブレットは、そんな猫を追いかけるが、脱皮を繰り返し成体となったエイリアンによって襲われてしまい命を落とすのだった。
駆除作戦
船長のダラスは、エイリアンの捕獲をあきらめ駆除へと乗り出す。ダクト内に潜むエイリアンをエアロックまで追いつめ、宇宙空間へ放り出そうと作戦を立てる。
ダラスは自作した火炎放射器を片手にダクト内を捜索、他の乗組員はダクト内で検知したエイリアンの場所をダラスに伝えながら順番にダクトを閉じエイリアンを追いつめて行く。
しかし、ダクト内を縦横無尽に移動するエイリアンにダラスは襲われ、そのまま行方不明になっていまうのだった。
秘密指令
まとめ役のダラスを失った事で、残りの乗組員は混乱。次の方針を決める事が出来ずにいた。そんな中で、リプリーはアッシュの人ごとの様子に不審を抱き、船の制御A.I「マザー」に直接問い合わせをする。
すると、ウェイランド・ユタニ社による秘密指令が発覚する。それは、乗組員の生存を度外視し、エイリアンの捕獲を最優先する様にアッシュに命じていた事だった。
アッシュは、秘密を知ったリプリーの口を封じようと襲いかかるが、寸前の所で乗組員のパーカー達によって助けられる。
その過程で、アッシュは自分達を監視するために会社が潜入させていたアンドロイドだと判明する。リプリー達はアッシュを問いつめるも、エイリアンの情報については聞き出す事が出来なかったのだった。
ノストロモ号の爆破準備
会社から命の保証がない事を知ったリプリー、パーカー、ランバートは、エイリアンをノストロモ号ごと爆破し、自分達は脱出艇で逃れ救助を待つ作戦を決行する。
それぞれが分担で準備を行っていたパーカーとランバートの2人は、酸素冷却剤を集める過程で、エイリアンに襲われ命を落としてしまう。
リプリーはパーカーとランバートの無惨な姿に深い悲しみを覚えるが、ノストロモ号の自爆装置を起動させ、猫のジョーンズと共に脱出艇へ乗り込もうとする。しかし、その道中でエイリアンを発見、一時着た道を戻り自爆装置を止めようとするが、すでに停止命令を受け付ける制限時間は過ぎてしまっていた。
決死の決意で脱出艇へ向かうも、そこにはエイリアンの存在は居なくなっており、無事脱出艇に乗り込む事ができ、爆破するノストロモ号から脱出する事に成功するのだった…
最後の生存者
悪夢は終わったと思い、リプリーは脱出艇でハイパースリープの準備に取りかかる。そんな準備の最中、船内のバイプ類に擬態していたエイリアンの存在を発見してしまう。驚愕と恐怖にかられたリプリーは、船内の宇宙服保管所に逃げ込む。
何とか対策を考えたリプリーは、静かに宇宙服を着込み、自分を励ます様に小声で歌を歌いながら椅子に着席、自分と椅子をしっかりと固定するのだった。
リプリーは恐怖に駆られながらも船内の噴射口を操作。エイリアンをパイプスペースから追い出す事に成功する。
だが、エイリアンはリプリーの存在に気がつき近づいて来る。
寸前の所で、リプリーはエアロックを開放。船内の空気と共にエイリアンを船外へ出そうとする。だがエイリアンはエアロックのふちに捕まり船内へ戻ろうとする。リプリーは、ひも付きのボウガンでエイリアンを押し出そうとするも、逆にボウガンがエアロックに引っかかり、それを辿りエイリアンは脱出艇のブースターに捕まり中へ入ろうとする。
リプリーは咄嗟にブースターを起動、今度こそエイリアンを宇宙空間に放出する事に成功するのだった。
そしてリプリーは音声メッセージを残し、救助される希望を抱きハイパースリープで眠りにつくのだった…
映画「エイリアン」の豆知識・トリビア
ゲームで今作から15年後の物語が描かれている


本作からエイリアン2までの間の出来事を描いた物語「エイリアン アイソレーション」がPS4・PCゲームで発売されている。
このゲームは、リプリーの娘アマンダが主人公で、母を探すアマンダが奇しくも母リプリーと同様エイリアンを戦う運命を迎える…という物語。
かなりの完成度で、作中に登場する宇宙船のデザイン等は映画を意識した物になっており、映画の中を自由に移動できる様な楽しさを十分に表現されているのが特徴的。
さらにDLCにて映画「エイリアン」第1作目の、ダラス船長達がエイリアンを追い出そうとする映画のワンシーンを追体験できるコンテンツも遊べる。
エイリアンの血液の強酸性を演出するシーンは柑橘系の果物が使われている。


ケインの顔からフェイスハガーを剥がそうとした場面で、フェイスハガーの足から強酸性の血液が滴り、船内の床を溶かすシーンがある。
この時代、CGがそこまで発展していなかったため、発砲スチロールに柑橘系の果汁をかけ、その溶ける様子を撮影しエイリアンの血液の強酸性を演出している。
チェストバスタードッキリ!
ノストロモ号の乗組員一同の食事中に、ケインの胸からエイリアンが飛び出すシーンがある。劇中で役者達はかなりビックリした様子を見せているが、あれは演技ではなくガチのリアクションになっている。
リアルなリアクションを求める監督による、役者達へのドッキリだったのだ。
終わりに
40年経っても色褪せない不朽の名作ホラー作品である。CGが発展していなかった当時だからこそ、CGデータの存在ではない実体感のこもったエイリアンが面白かった。
この物語から15年後、エレン・リプリーの娘アマンダ・リプリーが母親と同じくエイリアンと対峙する事になる。そんな物語の解説記事は↓コチラ↓
今作から57年後。ハイパースリープから目覚めたリプリーは再度エイリアンと邂逅する。映画「エイリアン2」のあらすじ紹介はコチラ。