【ストーリーのネタバレ注意】【豆知識付】
エイリアンとプレデターが混じった最強のエイリアンが登場。
鑑賞後評価:★★★★☆(3.3)
題名:エイリアンVSプレデター2
公開:2007年 時間:94分(公開版)、102分(完全版)
監督:コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス
出演:ジョン・オーティス、レイコ・エイルスワース、スティーヴン・パスクール
あらすじ:前作ラストにて、エイリアンクイーンとの激闘の末に命を落としたプレデターの体内からエイリアンが飛び出し、船内での活動を開始した。
強靭な戦闘能力を持つプレデターの特性を引き継ぎ、成体になった新種のエイリアン「プレデリアン」は、プレデター達が活動している船内で暴れ始める。
プレデター達も、その異常な事態に指を咥えて逃げ回る事はせず、積極的に迎撃行動に出るも、プレデリアンの戦闘力の前には赤子同然であった。そんな中で、1人のプレデターによる攻撃で宇宙船が破損、コントロールを失った船はアメリカ・コロラド州ロッキー山脈も麓に墜落してしまうのだった。
こうして、史上最悪のエイリアン「プレデリアン」は地球の大地を踏みしめ活動し始めてしまうのだった…
⚠【ネタバレ】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。
予告動画
物語のあらすじ(ネタバレあり)
ある親子の結末
森の中でハンティングをしていた父親と息子は、空から落ちて来たプレデターの宇宙船を目撃する。親子は墜落現場に向かうも、そこには見た事も無い宇宙船が鎮座していた。地元の保安官に事態を伝えるため、街に戻ろうとするも船内から抜け出したフェイスハガーに寄生され、親子はその場で意識を手放してしまうのだった…
歴戦のプレデター出陣
この事態を知った歴戦のプレデター「クリーナー」は、地球で起こった事態の収拾のため、装備を整え自身の宇宙船に乗り込み地球へ向かった。
一方、そんな人類の危機的状況を知る良しもない街の住民達は、いつも通りの日常を送っていた。そんな中で、窃盗の刑期を終えたダラスが街へ戻って来る。ダラスを迎えに来た保安官エディはダラスを車に乗せ、自宅へ送り届けるのだった。
そんな時、フェイスハガーに寄生された親子は森の中で目を覚ます。自身に起こった出来事を把握する間もなく2人は苦しみ出し、胸からはチェストバスター(エイリアン幼体)が飛び出すのだった…
繁殖と証拠隠滅
エイリアン達は街から離れ、森に近い下水道に住むホームレスを襲い、着々とその数を増やして行った。
地球に到着した歴戦のプレデター「クリーナー」は、墜落した船を調査する。一通り見て回り、地球人に事態を悟らせないために船を爆破、自分達の痕跡を消してしまう。
一方、行方不明になっていた親子を探すため、保安官一同が森を捜索し始める。1人の保安官が森の中で証拠隠滅をしていたクリーナーと遭遇してしまい、そのまま襲われ木に吊るされるのだった…
エイリアンVSプレデター
エイリアンを追い地下下水道を進んでいたクリーナーは、そこでエイリアン達を遭遇、戦闘が始まる。複数のエイリアンで1人のプレデター「クリーナー」に襲いかかるも、戦闘歴が長く、自身の戦闘力を研ぎすましたクリーナーには及ばすに首を掴まれてしまう。しかし、とどめを指そうとした瞬間に背後から近づく新種のエイリアン「プレデリアン」に攻撃を受け吹き飛ばされてしまう。
クリーナーから距離を取ったプレデリアンはそのまま逃走、下水道を上りマンホールから街の中に飛び出してしまう。クリーナーはプレデリアン達を追いかけるため、自身の腕を強化した一撃で道路を破壊、後を追うため地上に顔を出す。
こうして、街の住民はエイリアンVSプレデターの戦いに巻き込まれ、生涯で最も長く最も危険な夜を過ごす事になるのだった…
異変を感じ始める街の住民
地上に降り立ったプレデリアンは、ある特定条件を持つ女性を探しては自身の口から直接エイリアンの卵を寄生させていく。
クリーナーとエイリアンの戦いの余波やエイリアンの住民への襲撃により、住民達は何かの異変に気がつき始め、慌ただしく動き出す。ダラスは弟のリッキー、保安官エディ達と合流、一同は逃げ出すための武器を用意するため武器屋の中に侵入する。
一方、州軍もこの異常事態を把握、鎮圧にあたるため街の中で布陣を布くが、エイリアンの前には無力でしかなく、1人また1人と襲われていき、気がつくをそこには誰もいなくなってしまうのだった。
プレデリアンの目的
武器屋で準備を整えていたダラス達は、そこで居合わせたクリーナーに攻撃を受けていた。
その一方で、プレデリアンはある目的のため病院内へ侵入。子供を宿す女性を探し、直接口からエイリアンを寄生させていくのだった。今までのエイリアンの繁殖方法より、遥かに効率化されたそれは、体内の子供を養分とし一気に数十匹のエイリアンを誕生させる能力を行使していた。
運命を分ける選択
武器屋から逃げ出したダラス達は、州軍が布陣している場所に辿り着く。しかし、そこは戦車や装甲車しか見当たらず、軍の人間は誰1人として存在しなかった。保安官のエディは装甲車内の無線機で軍本部へ連絡、軍の指示により脱出エリアに指定された広場へ向かう事にした。だが、ダラス達はその指定エリアが街の中央部である事に不信感を覚える。エディは中央広場に向かう事を提案、ダラス達は病院からヘリに乗り直接自分達で街から離れる提案で対立する。
言い合いの結果、ダラス達は病院へ向かう事を選択、保安官エディとは別々の道を行く事になる。エディとダラスは最後に、お互いの選択が正しい物であると祈りその場を別れるのだった。
それぞれの結末
クリックで表示:ダラス達の運命【ネタバレあり】
病院へ向かったダラス達は、そこで繰り広げられるプレデリアンとクリーナーの戦いに巻き込まれてしまう。クリーナーの放った一撃にダラスの弟リッキーの思い人が亡くなってしまう。
その光景に逆上したリッキーは、クリーナーに銃を乱射、それに気を取られたクリーナーはプレデリアンの体当たりをくらい2人はエレベーターシャフト内に落下してしまう。
リッキーの怒りを治め、一同は屋上へ向かう。ダラスはその場に落ちていたプレデターの装備品「プラズマキャノン」を手に一同と一緒に屋上へ向かうのだった。
ダラスは手にしたプラズマキャノンを使いつつエイリアンを撃退、無事に屋上に着いた一同は、置いてあったヘリに搭乗し街を脱出する事に成功する。
クリックで表示:保安官エディの運命【ネタバレあり】
軍の言う事を信じ、街の中央広場で待機していたエディは、広場に辿り着いた他の人達と一緒にエイリアン達の襲撃に応戦していた。
そんな彼が見た最後の光景は、軍から発射されたミサイルが自分達の目の前で爆発し、あたりを閃光で包んでいくものだった…
クリックで表示:プレデリアン、クリーナーの運命【ネタバレあり】
病院の屋上で戦うプレデリアンとクリーナーだったが、その戦闘は互角。お互いが一歩も譲る事なく、一進一退の攻防を続けていた。
クリーナーは、自身と戦うプレデリアンの実力を認め、付けていたヘルメットを脱ぎ素顔を晒し咆哮を上げる。その咆哮をキッカケに両者はさらなる激闘を繰り広げ始める。
クリーナーは自身の腕の装備から伸びたかぎ爪でプレデリアンの頭部を串刺しにするが、プレデリアンも負けじと自身の強靭な尻尾でクリーナーの腹部を貫く。
互角の勝負に決着が着く前に、軍が放ったミサイルの閃光は2人の身体を包むのだった…
エンディング
ヘリで脱出したダラス達は、ミサイルの爆風を受けて郊外の森の中に墜落してしまう。
何とか一命を取り留めた一同の前には、軍の人間が姿を現す。ダラスは、街をミサイルで沈めた事を責めるも、弟のリッキーの怪我を考えて軍の保護を受けたのだった。
その後、ダラスが所持していた「プラズマキャノン」は、ある会社の社長「湯谷」の元に届けられるのだった…
映画「エイリアンVSプレデター2」の豆知識・トリビア
エイリアンの強酸性の血液で溶けない理由
本作では、人間とエイリアンが至近距離で戦う描写が多い。にもかかわらず、エイリアンの強酸性の血液で溶ける描写がほとんど演出されていない事に疑問を覚える視聴者もいただろう。
この理由もちゃんとした設定があり、降りしきる雨の中での戦闘により、エイリアンからでる強酸性の血が雨の水で弱まるという理由付けがされているためだった。
初の成人プレデター
映画「プレデター」「プレデター2」「AVP」で登場してきたプレデター達だが、「AVP」の監督によればどの個体も成人に達していない修行中の若者である。そのため、今作に登場したプレデター「ザ・クリーナー」が初めて戦闘経験を十分に積んだ成人プレデターが戦闘した作品になっている。
ウェイランド社前身企業の登場
映画「エイリアン」のファンなら知って当然であるが、今作ラストシーンにおいてウェイランド・ユタニ社の前身企業と思われる会社の社長「ユタニ」なる女性が登場する。
前作ではウェイランド社の社長「チャールズ・ビショップ・ウェイランド」が登場、今作でユタニ社の社長「ユタニ」が登場した事になる。この後にユタニ社が社長が亡くなった事で経営悪化したウェイランド社を合併し「ウェイランド・ユタニ社」が誕生する。
ここからは、勝手な推測だが
映画「エイリアン」でウェイランド・ユタニ社が乗組員を考えない程、異星人に対して並々ならぬ執着を見せるのは、今作で入手した革新技術「プラズマキャノン」の存在があったからである…かもしれない。
終わりに
前作とは違い、プレデターの強い部分が強調される演出が多くて嬉しかった。ただし、演出の一環ではあるが画面の暗さがすごくて、劇中でのプレデリアンとクリーナーの戦いが何をしているのかわかりずらくて残念でもあった。
視聴モニターの明るさを高くすれば見れなくも無いが目が痛くなりそうだし、いちいち明るさを調整しなくてはならないのも面倒な所だった。
今作は結構グロい部分が多いため、苦手な人は閲覧注意。
ちなみに記憶が確かであれば、本作で初めて子供にエイリアンが寄生する演出が登場している。