【ストーリーの紹介と考察】
自身の赤ん坊を連れ去られた男は、赤子を助けるために異界へと踏み入れる。そこは異形の者が闊歩していた。その異形から隠れつつ、赤ん坊を探して奥へ進んで行くステルスホラーパズルゲーム「Blame Him」。
チラズアート氏の作品にしては高価格だが、その値段に見合うだけの内容はある。
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- 父と子そして異界への道
- チャプター1「The Deceived(だまされた)」
- チャプター2「The Escapist(逃避主義者)」
- チャプター3「The Lost Puppet(失われた人形)」前編
- チャプター3「The Lost Puppet(失われた人形)」後編
- チャプター4「Jones(ジョーンズ)」
- 物語の考察
- 終わりに
父と子そして異界への道
赤子を独り育てていた父親は、子供と一緒にベットへ入り目を閉じる。しかし、大きな音ともに目が覚める。あたり一面は漆黒で覆われ、部屋には何処かへ通じる穴ができていた。
穴の中に何者かが去る光景を目にする。周囲を見ると自分の子供が消えていたため、穴の中へと消えた何者かが連れ去ったと思った父親はその者の跡を追いかける。
チャプター1「The Deceived(だまされた)」
追いかけて行った先は、何処かの学校の様な空間が広がっていた。廊下、教室、ロッカー、図書室に隠された謎を解き、鍵の掛かった扉の鍵を手に入れる。
学校を徘徊する「包丁を持った女性」から隠れつつ…
チャプター2「The Escapist(逃避主義者)」
扉を抜けた先は、地下へと続く階段があった。階段を降りて行くと、そこは広い洋館に繋がっていた。不気味な洋館に開かない扉、主人公は洋館を隅々まで調べて行く。
すると、「ゴミ袋を被った大男」が襲いかかって来る。大男から隠れ逃げつつ、赤ん坊を追いかけるため先へと進んで行く。
チャプター3「The Lost Puppet(失われた人形)」前編
エレベータに乗った主人公は、2つの教室が広がる空間に降ろされてしまう。まるで左右対称の様な教室、その謎を解き先へ抜けると、洋館の様な場所と数字が書かれた紙と女性の顔写真、無数の扉のある空間。さらには襲いかかる「黒ずくめの女」。
主人公は数々の謎を解きつつ、この不可思議な空間の深淵へと潜って行くのだった…
チャプター3での謎解きパズル要素
・左右対称の教室の謎
・無数の扉とブレーカーの謎
・数字の書かれた紙と女性の顔写真、鍵の掛かった金庫
チャプター3では、今までに比べて謎解き・パズル要素の強い章になっている。ステージの置かれたギミックを利用し謎解きへのヒントを探していく事になる。
チャプター3「The Lost Puppet(失われた人形)」後編
進んだ先では、再び洋館と思われる場所に辿り着くのだが、廊下の奥には「白い服を来た女」がこちらを見ていた。
白い服の女は、主人公を視界に映すと襲いかかって来る。視界に映らない様に隠れながら、黒い霧が漂う広間の謎を解いて行く。
チャプター4「Jones(ジョーンズ)」
黒い霧の広間を抜けた先は、薄暗い霧が広がる丘に辿り着く。道伝いに進むを像の下にジュラルミンケースが置いてある。その中には、拳銃のパーツが入っていた。
そして、視界にノイズが入った直後に現れる人影の存在。主人公は、広野を駆けつつ拳銃のパーツを集め、襲いかかって来る人影を迎え撃つのだった。
クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
迫り来る人影を退治した主人公は、道しるべの様に佇む街灯を辿り、ある扉に辿り着く。
そして扉を抜けると、そこは幻想的で安心感を与える草原が広がっていた。
草原の奥に横たわる大木には、すやすやを眠る我が子が置いてあるのだった…
物語の考察
チラズアート氏制作ゲーム第4弾「Blame Him」。物語は難解で、なぜ主人公の赤ん坊を連れ去ったのかは不明なまま物語の幕は閉じてしまう。
ステージ中で読める「ジョーンズ」のメモから、この人物についての背景が多少判明するが、あくまで多少に留まるため、物語全体を伺い知れる物ではなかった。
ネット上での考察では
・作中最初のステージ学校の廊下に書かれている文字「D.A.R.T」が、子供を薬物から守ろうと啓発するメッセージになっている事。
・主人公の部屋に「離婚届け」が置いてある事。
・ステージ攻略途中で薬に関する記述のメモが置いてある事。
この3点から、この物語は主人公が薬の禁断症状で苦しむ幻覚だったのではないかという説が考察されている。
薬を止めない夫と離婚した妻。
子供が連れ去られたのは、父親から子供を引き離し保護した職員で、主人公はそれを異界の住民に見えていた。
ラストの明るい草原に出るシーンは、主人公の禁断症状から解放された心理描写を表現していたのではないかという考察。
終わりに
今作でのステルスとパズル要素を含んだ作風は、後の作品である「赤マント」「雪女」「怨霊」に続く基礎的な要素を含んだホラーゲームであった。
改善点もやや散見され、操作性がもっさりしている事、物語が難解な事、敵が登場しないバグが存在している事があり、今後の課題が浮かび上がった作品でもある。
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