人気漫画のファンは作品の世界観に愛着を持ち、人気アニメのファンはアニメの世界観に愛着がある。
その界隈で人気だから一定の集客が見込める、完全オリジナルより失敗する危険が少ない、そんな理由で実写映画化されていく漫画やアニメ作品達。それでも、出来が良ければ原作と合わせて二重で楽しめる。
しかし出来が悪ければ…。
今回はそんな思い入れの強い原作ファンが激怒し失望した実写化映画を8作品ご紹介。
⚠︎作品は観る人によって作品から受ける面白さは変わります。今回紹介する映画はあくまでも原作ファンによる批評の多かった作品を取り上げまとめたものです。
そのため作品自体が絶対につまらない等というわけではありません。その点ご注意ください。
原作ファンが激怒し失望…大失敗した実写化映画8作品
原作からの登場人物は1人だけ「黒執事」
月刊Gファンタジーにて連載していた漫画「黒執事」。
主に19世紀末のイギリスを舞台としており、幼い貴族の当主シエルが使役する悪魔(黒執事)と共に自分の両親を襲った相手の正体に迫り復讐していく物語が特徴の大人気漫画。
2008年にアニメ化、2009年には舞台化、そして2015年俳優の水嶋ヒロを主演として実写映画化。
大人気漫画の大物俳優による実写映像化に原作ファンは期待を寄せるも、原作からの大きな内容改変、漫画の登場人物が1人だけで他のキャストは全てオリジナルなど漫画からの大きな変更に伴いファンが激怒、見事大コケしてしまった。
どうなるんでしょうかねー?黒執事あれは見事でしたね。
あそこまで改変されるとは思いませんでした。
黒執事見たんですがあれは黒執事関係ないな目線で見たらそこそこイケました個人的には。
引用元:X(旧Twitter)
今まで見てきた実写の中で1番ひどいと感じました。
タイトルにも書いた通り原作ファンは興味本位で見ては絶対にダメです。
正直これを黒執事の実写化というのなら星1も付けたくないです。
引用元:Yahoo映画
この他にも当時賛否のあった特定タレントのゴリ押し採用への批判も多く、そもそも「黒執事」である必要がないオリジナル作品として作ればよいなどの意見も多かった。
原作ファンの怒りを買ったためか、興行収入は6億円と散々な結果に。同年に公開された同じ実写化映画「永遠の0」(こちらは小説の実写化)が85億円を突破している事からも、黒執事の爆◯ぶりはより目立つ結果に。
原作崩壊で大炎上「進撃の巨人」
別冊少年マガジンで連載(現在完結済み)の漫画「進撃の巨人」の実写化作品。
人類が突如として現れた巨人により滅亡の危機に瀕してしまう。巨人の魔の手から逃れるために人類は、巨大な壁で防波堤を作り僅かな生存圏で細々と種を繋いでいった。
100年後、主人公エレンが住まう区画の壁が破られ巨人の侵入を許してしまう…次々と巨人に捕まって食べられてしまう人類、その魔の手はエレンにも…という物語。
2013年にはアニメ化、その大人気ぶりからOPテーマはその年の紅白歌合戦にも選出されるほどに。それほどの人気作だけに実写映画製作の発表は大きな話題と期待を寄せたのだったが…。
蓋を開けてみれば実写化作品恒例の原作無視による改変により原作ファンは大激怒、SNSが発展していた時期だけに大炎上する結果となってしまった。
続いて実写版進撃の巨人を見た・・なんだ?これは?
酷い・・あまりにも酷いほとんどが原作無視、原作崩壊ここまで崩していいのか?ってくらいに滅茶苦茶だもう進撃の巨人じゃないだろ!
別の何かでいいだろ?ってオリジナリティの意味を履き違えてるな、これは
引用元:X(旧Twitter)
原作、アニメとは別物として見ればいい。って。
ここまで違うと、じゃもう進撃の巨人て言わなくていいんじゃない?
逆にすごい。感心する。
よくもまあこんな基礎がぐちゃぐちゃなのに小さいエピソードだけそのままやったもんだわ。
引用元:Yahoo映画
様々な賛否で炎上した本作だが、興行収入は前編が32.5億円とそこそこの結果に。しかし後編については16.8億円となり、約半分の視聴者は前編だけで観るのをやめている。
主な原作の違いについては主要キャラクターの性格改変や人気キャラの差し替え、原作では中世ヨーロッパの世界観により西洋人が多数登場するも、映画ではアジア系のみのしか登場しないなどがあげられる。
なお作者である「諫山創」先生は実写化のクオリティには大変満足していた模様。
超クオリティのコスプレ映画「ジョジョの奇妙な冒険」
根強い人気を誇るダークファンタジー作品「ジョジョの奇妙な冒険第4部ダイヤモンドは砕けない」の実写化映画。
プロデューサーによると構想に10年、作者の荒木先生を口説きに口説いて実写化にまで漕ぎ着けたらしい。
物語はスタンドと呼ばれる現実に干渉できる力を持った自身の像を発動し私欲のために使用する者たちから、同じくスタンド使いとなった主人公の仗助が街を守るため闘いに身を投じていく、というもの。
大人気漫画なためファンによる期待は高い…かに見えたが、数ある他作品での実写化失敗の過去を知っているファンにとっては「見る前から地雷」と公開前から言われてしまっていた。また物語の中で重要な能力「スタンド」の説明もない事から、初見で観た人には分かりずらいなどもあり炎上してしまった。
原作ファンの感想は案の定
やっぱコスプレ感が気になった。
現実であんな服装、髪型を再現しようとするとこうなるんだなって感じで納得したがまあ要はクオリティの高いコスプレだった。
引用元:Yahoo映画
星1もあげたくないぐらい酷い。
ジョジョ好きをバカにしてるとしか思えないぐらい実写が面白くない。
アニメを実写化するのはもうやめて欲しい。
引用元:Yahoo映画
酷評が多いが、原作を追っていない視聴者からすると面白いという意見もあり、かなり賛否の分かれる結果に。
タイトルに第一章が入っている通り、本来であれば複数章で構成される続編の構想もあった様だが、大失敗の余波か2024年現在第二章の発表はない。
アニメ準拠、ゆえに不自然さが目立った「氷菓」
物語は何事にも積極的に関わろうとしない省エネ主義の高校生「折木奉太郎」が、姉の命令で廃部寸前の古典部へ入部。好奇心旺盛のヒロイン「千反田える」に振り回されながらも奉太郎は持ち前の推理力で様々な謎を解明していく、というもの。
本作品は実写化の前にアニメ化されており、かなり高い評価を得ていた。そのため原作ファンとしては、そもそも実写化する事自体に反対の声も多かった。
映画スタッフも原作ファンの目を気にしてか、アニメで描かれていたキャラの細かい癖や演出を実写化に持ってきてしまったのだ。それが逆効果になってしまい、実写でアニメを演じている様な不自然な部分が目立ちさらに評価を落とす事に。
米澤さんの原作小説とアニメはすごい好きだけどこの実写映画は正直微妙。
アニメで登場人物のイメージが固定されてしまったからっていうのもあるけど山崎賢人以外の配役が合ってない気がする。
演技と見た目も。特にさとしはどうしても高校生に見えなくて違和感すごい。
引用元:Yahoo映画
広瀬アリス目当てで大コケしてる映画「氷菓」を見てきました。
いや〜期待通りにつまらない作品でした。
引用元:X(旧Twitter)
アニメ版の評価が高いがゆえに苦労し、アニメで好きなった原作ファンを失望させるだけの結果に。
なお主題歌の評価は高い模様。
鋼の仮装大会「鋼の錬金術師」
月刊少年ガンガンで連載(現在完結済み)のダークファンタジー漫画「鋼の錬金術師」。
物語としては、母親を失ったエルリック兄弟が錬金術を用いて母を復活させようとするも失敗。人を生き返らせる禁忌をおかした代償として兄は片腕と足を、弟は体全部を失ってしまう。兄弟は失った体を取り戻すため無から有を生み出す賢者の石を探し求めていく、というもの。
物語の伏線を張り巡らせつつ上手に回収していく演出などで人気を博し、連載後比較的早くアニメ化され、そして実写映画に。
しかし2017年に実写映画の公開。キャスティングや衣装、映画に合わせるため原作セリフの改変なども相まって原作ファンが激怒し大炎上してしまう。
衣装が仮装大会レベル
マスタングがあまりにもダサい
大根演技
よってクソ
引用元:映画.com
過去に何度となく繰り返されてきた「それだけは実写化したらあかんがな案件」を忠実になぞってきた、ある意味わかりやすい作品。
映像のお粗末さもさることながら、そもそも単純に一本の映画としてつまらないのだからどうしようもない。
原作は本当に面白いのに…
引用元:X(旧Twitter)
またがっつり日本人の見た目の演者に対して海外の名前(マスタング等)で呼び合う内容から、恥ずかしくて観ていられないなど言われたが2022年に完結編が公開。
一応これにより無事に?漫画、アニメ、実写の3作品がしっかりと終わりを迎え完結した。
キャストは超豪華なのだが…「テラフォーマーズ」
火星テラフォーミング計画でゴキブリが送り込まれた。地球とは違う過酷な環境のためか、送り込まれたゴキブリは独自に進化を果たし人類に牙をむき始めた。そんなゴキブリを駆除するため、宇宙飛行士15名を乗せたバグズ2号は火星へ降り立とうとしていたのだったが…。という物語の人気SFファンタジー作品。
実写化PVが公開された段階で原作ファンは嫌な予感はしていたものの、実際に観てみると以下の点が目立つ作品に。
・本来であれば多国籍からなる田多種多様な人種が登場する地球規模の計画だが、実写化映画の登場人物は全員日本人(演者)になり規模がしょぼくなる。
・ゴキブリなどのCG表現が拙い。
・全体的に安っぽくB級映画感が半端ない。
これにより原作ファンの失望のみならず映画評論家からの評判が芳しくなく、興行収入も及第点となる10億にも届く事なくひっそりと終わりを迎えてしまった。
テラフォーマーズ。くそつまらなかった。
悪徳商法に引っかかった気分になりました。
引用元:X(旧Twitter)
なぜか映画「テラフォーマーズ」を観たけど、なんか新春かくし芸大会みたいなクオリティだな…^_^;
引用元:X(旧Twitter)
映画の内容はさんざんだが、出演者だけ見れば伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、小池栄子、小栗旬と認知度70%以上はあろうかという豪快俳優が出演するドリームチームで構成。
そのため本作品の最終興行収入は約8億円程度である事から、豪華俳優たちのギャラの方が高いのでは?とも言われてしまう結果に。
誰が見ても嫌な予感しかしなかった「ドラゴンボールEVOLUTION」
言わずと知れた鳥山明による国内はもとより海外での人気も高い漫画「ドラゴンボール」。当然人気漫画の実写化の波には逆らえず、本作も実写化された。しかもハリウッドで。
実写化の際には、いくつか映画用に設定を変更。
・主人公「悟空」は拳法修行の傍らに都会の高校に通う高校生でいじめられっ子。
・悟空の祖父である「悟飯」の仇がピッコロへ。
・悟空の嫁である「チチ」とは同級生。
など原作から大幅な設定の変更や主人公の人格改変などもあり評判はさんざんな結果に。予告PVを見た原作ファンは、観なくてもわかる地雷作品とも揶揄されていた。
そんな作品にお金を出して観るわけもなく、日本での興行収入は約8億円にとどまる。
設定めちゃくちゃ。
ストーリーめちゃくちゃ。
配役めちゃくちゃ。
ムカつくくらい面白くなかったけど、最後だけちょっと吹きました。
引用元:Yahoo映画
もう原作と違うとかそういうレベルではないね。
ドラゴンボールではない物として楽しもうと思ったけどそれも無理! 普通につまらない。
怖いもの見たさで試しに見てみたけど、想像を越えるどうしようもなさだった。
引用元:映画.com
日本人でもこのような感想が多い本作だが、海外でも似た様な評価を受けておりモントリオールの映画サイト「WatchMojo.com」では2000年代最悪の映画8位に選ばれている。
とはいえ製作費4500万ドルに対し、全世界での興行収入は5500万ドルと一応製作費は回収できたのは、ひとえに大きすぎるネームバリューのおかげだろう。
後に出る作品の評価基準となる「デビルマン」
先住人類「デーモン」が200万年の眠りから目覚め人類から地球を奪い返そうとしてきてしまう。デーモンに憑依された不動明は悪魔の体と人間の心を持つデビルマンとなり、デーモンから人々を守るために抗うのだが…という様な物語の1970年代不朽の名作、その実写化作品。
製作費10億円を前面に出した謳い文句、美麗なCGによるデビルマンの世界観を完全実写化…多くの人を魅了し公開当時は映画館は満員御礼だったのだが。
あまりの酷さから当時のネットは大炎上、デビルマンと認めたくないがゆえに本作を「デビルマソ(でびるまそ)」と呼ぶ者もあらわれる。
主な酷評点として
・演技経験のない素人による大根演技や台詞の棒読み
・不自然なワイヤーアクションなどの陳腐な演出
・はしょりすぎたストーリーによる物語の過程や心理描写の大幅なカット
などがある。実際に観た人の感想として。
観ないで批判はするべきでないので視聴。
途中20回位、止めて休憩してまた観ての繰り返してなんとか完走。
一人でババ抜きしている方が有意義だったかもしれない。
引用元:Yahoo映画
役者陣の棒読み演技とか戦闘場面の雑さとか色々あるが個人的に一番不満に思ったのはデビルマンと言う漫画作品のポテンシャルを出せないままペラペラな物語になった事。
もっとグロくて重い雰囲気で良いのよデビルマンは。
引用元:X(旧Twitter)
酷評が多い本作品だが、ネタとしては人気が高く「初見でも酷さが分かりやすい入門向けクソ映画」「高いチケット代を払わずネタ映画として観る分には十分面白い」など、ある種の視聴を普及する動きまで出ていた。
またその酷さから後に公開された実写化映画への評価基準「デビルマン基準」なるものまで生み出されてしまう。
当然製作費10億円という大作ながらも興行収入は約5億円程度と大失敗に終わってしまっている。
以上、原作ファンが激怒し失望、大失敗した実写映画でした。