ネットで流行した怪異「八尺様」。現在では日本各地で目撃情報が散見される。それにはある出来事が関わっているとされ…。
魅入った者を連れ去ってしまう長身の女妖怪「八尺様」。田舎の実家へ戻ったある男性の身に起こった恐怖の体験談、それがネットに書き込まれると瞬く間に広まった大妖怪。
今回はそんな怖い都市伝説となった「八尺様」を超解説。物語の概要から全国での目撃情報、創作であれば元ネタ?とされたであろう妖怪達、八尺様にインスパイアされ誕生したゲームに登場するクリーチャーなど、彼女にまつわる事象をまるっと一気に振り返る。
八尺様とは
八尺様とは、2008年8月匿名掲示板「2ちゃんねる」オカルト板に投稿された怪談話に登場した妖怪であり、身長が8尺(240cm)はある超長身の女性の名称。
白いワンピース姿と顔を隠す程の大きな帽子を被っており顔の判別はつきにくく、自身が魅入った子供を連れ去ると伝えられている。また「ぽぽぽ」という特徴的な声?を発し、魅入った子供の知り合う人物の声色を真似し誘い出そうとしてくる。
道に設置されたお地蔵さんにより、とある地域に閉じ込められているため八尺様が特定地域外に出現する事はないとされるが、もし何かの拍子に地蔵が壊されれば彼女は日本中に解き放たれる可能性も。
そして2012年、彼女を封じていたお地蔵様が…。
八尺様のあらすじ
怪談都市伝説となった八尺様のエピソードは2008年に書き込まれた匿名の投稿主のこの様な書き出しから始まった。
908 名前:1/9 投稿日:2008/08/26(火) 09:45:56 ID:VFtYjtRn0
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗るようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。
春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら、
「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」
と変な音が聞こえてきた。
投稿者がこの事を祖父母に伝えたところ、2人の態度は急変。窓という窓を新聞紙で目張りされ、その上にはお札、さたに四隅には盛り塩がされた一室に居る様に促されてしまう。
どうやら昼間見た者は「八尺様」と呼ばれ魅入った子供を連れ去ってしまう妖怪で、朝までこの部屋で耐えれば難を逃れる事ができる、との事だったが。
912: 5/9:2008/08/26(火) 09:50:22 ID:VFtYjtRn0
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときに、ばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、
放置したまま、布団に包まってひたすらガクブルしていた。
そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
ふと隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。
投稿主は盛り塩の異変や「ぽぽぽ」という声、窓を叩く音に恐怖を覚えるも、このとき聞こえてきた祖父の声に反応せずに朝まで耐えきる事ができたそうだ。
翌日、よく耐えきったと涙をながし喜ぶ祖母父が用意していたワンボックスカーに乗り田舎を後にする事になった。
914: 7/9:2008/08/26(火) 09:52:24 ID:VFtYjtRn0
「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」
またあの声が聞こえてきた。
Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ下を向いていたが、
なぜか薄目をあけて、外を少しだけ見てしまった。
目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。
この後、投稿者は何とか田舎を出る事ができ窮地を脱したとのこと。一度魅入られた者は、この地に二度と足を踏み入れては危険らしく、祖母が亡くなった時すらも葬式に参加できなかったらしい。
914: 7/9:2008/08/26(火) 09:52:24 ID:VFtYjtRn0
今となっては、迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「ぽぽぽ…」という、あの声が聞こえてきたらと思うと…
祖父母からの情報によれば、八尺様はこの地域に置かれたお地蔵様により外部へと出る事が出来ないとのこと。そのため、危険な夜を避けて朝一番に投稿主を外部へと送ることで八尺様の危険から身を守った…祖母のお葬式にも出席させられなかったのはこのため。
なのだが…。
八尺様目撃情報
お地蔵さんの効果により一定地域から出る事ができないはずの八尺様だが、2013年頃からネット上では彼女と思われる目撃情報が度々報告される様に。
茨城県での目撃情報
2013年頃、茨城県である噂が囁かれる様になる。それは肌が透き通る様に白く異様に長身な女性で聞き取れない言葉をブツブツ嘆いている人がいる…という噂。
その噂は広く知られる様になっていき、ネットにも書き込まれるほど。
八尺様が最近茨城だかどこかに出てるって・・・・
1 :本当にあった怖い名無し:2013/09/18(水) 23:09:07.50 ID:9/eVBpLN0
ヤバくね?
7 :本当にあった怖い名無し:2013/09/19(木) 00:13:48.16 ID:oapRq4Av0
前は愛知の犬山にいたんでしょ?
8 :本当にあった怖い名無し:2013/09/19(木) 00:16:29.08 ID:axOc/B8B0
>>7
マジで!?愛知だけど知らんかったわ
9 :本当にあった怖い名無し:2013/09/19(木) 00:32:37.07 ID:oapRq4Av0
>>8
俺も地元愛知で今東京だけど確か1.2年前にそんな噂出てたよ。
北海道での目撃情報
日本の北端北海道の住宅街でも目撃された情報が。
目撃者は住宅街にある駐車場の塀から頭だけ見える女性を目撃したとのこと。その塀は2mほどの高さがあり、さらには「ほほほほ」や「ぼぼぼぼ」と呟きながら笑顔だったという。
この報告がネットでにもたらされると、八尺様ではないか騒がれる事態に。
芸人ゆりあんの目撃情報
芸人ゆりあんも以前に受けたインタビューで怖い体験を話しており、そのエピソードの中には「八尺様」と思われる大女に出会った事を語っている。
このエピソードを体験した時期も、なぜか2013年であり…。
先輩から「お花見行こう」って誘ってもらったんです。男の先輩3人と、私の計4人で、夜中の1時くらいに自転車で集合して。難波のとある公園に向かっている時、近くにスーパーがあったんですけど、「お花見しながらお菓子でも食べよう」と思いまして。
私、自転車漕ぐのが遅いので、先輩2人が先に走ってて、私ともう1人の先輩が一緒に走ってくれてたんです。で、スーパー行く際に公園を横切ったら、滑り台があるんですけど、その裏に1人だけ女の人が立ってて。
バリクソ、デカイ女の人やったっていう。
引用元:https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201704_post_12916/
東京八王子での目撃情報
2022年5月24日、Yahoo知恵袋にて息子が目撃した存在についての質問が投稿された。
内容は息子が大きい女を目撃したというもの。質問者も当初は八尺様とは知らず、ネットで調べて初めてその存在を認知したそうで。
先日、私の息子が八尺様らしき女の人を見たらしいのですが大丈夫でしょうか? その時は私も息子も八尺様という存在は知らなかったのです。
先日、息子が 「パパ、今日めちゃくちゃ背が高い女の人見たよ!」 って言うので、「どれくらいデカかったの?」と聞いたら「とにかくめちゃくちゃデカくて気持ち悪いんだよ、側を通ったらポポポポとか言っててさ!」
私は息子が冗談を言っているようにもみえず、気になって、背の高い女 ポポポポ と調べたら、まさに八尺様ってドンピシャで出てきてビックリしたのと同時に心配になりました。
ちなみに場所は八王子です。
どなたか同じような経験をした方はいますか?
引用元:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14262284069
各地での目撃情報には理由が…封印が解け全国に!?
2013年、各地で八尺様と思われる者が目撃される1年前の2012年、2ちゃんねる「オカルト板」にあるエピソードが書き込まれる。
それは男性3人がドライブしていた所、車道に飛び出して来た狸に驚いてハンドルをきった際にお地蔵様を壊してしまったというものだ。
男性達は脱輪してしまった車を移動させるため手配したレッカー車を待っているところ、異様に長身な女性が走ってきて、すれ違い様に笑顔で「ありがとう」と言われたらしい。
このエピソードが書き込まれた以降、各地で八尺様ではないかとされる人物の目撃情報が出始めた事から、ネットではお地蔵様により封印されていた彼女が解き放たれてしまったのではないかと話題となった。
八尺様の元ネタに類似する妖怪とその正体
長身の女性妖怪、古来より日本で伝わる妖怪達の中に八尺様と非常に似た姿を持つものが存在する。
非常に長身な者、山中で現れる者、建物の2階を覗く者、八尺様とほぼ同じ七尺二寸の身長を持つ者、もし八尺様の物語が創作であるのであればこれらの妖怪の特徴を織り交ぜ作られたモノなのか…しかし全国で目撃情報があるという事は、創作ではなく以下の妖怪達の中の誰かが現代社会に応じて姿を変えたモノなのか…。
七尋女房
島根県東部、鳥取県中西部に伝わる妖怪。名前につく尋は妖怪の大きさを示しており一尋は六尺となりメートル換算で1.8m、その7倍の七尋で12.6mもあるとされる。
この妖怪だが基本的に人の命を奪う妖怪ではなく、山道を往く人間に石を投げつけたり笑いかけたりするに留まる。
また石を投げつけられて激昂した侍に斬りつけられたりと、逆に手痛い反撃を受けていたりする。その際に斬りつけられそのまま消えた七尋女房の場所には、斬られた所に傷のある石仏があったという。
山女
別名山姫ともいう名の通り山中に現れる女の妖怪。全国各地で似た伝承が残されている。
七尋女房とは違い、こちらの妖怪は血を吸う、毒気を巻くなど人の命を奪う凶悪な能力を使用する。服装は草の葉の蓑を纏っていたり、樹皮を編んだ服、また十二単を着た姿と多種多様。
熊本県では身長が一丈、メートル換算で約3mと高身長であった言い伝えが残っている。
高女
嫉妬深い女が男に相手にされないあまり、男の遊び場である場所の2階を覗いて歩く妖怪。
七尋女房や山女の様に石を投げたり血を吸う事はせず嫉妬深く覗き見るのみと言われるも、1776年刊行の画図百鬼夜行(妖怪画集)に解説文がないため詳細は不明。
大女房
一般的な意味としては大きい女性のこと。ここでいう大女房は身長は7尺2寸あった江州出身で見世物小屋で働いていた女性をいう。怪異・妖怪伝承データベースでのみの記述しかなく、詳細については一切不明。
身長で女性という観点では、八尺様に一番近い風貌ではあるが。
八尺様ブーム
八尺様の怪談話は、その完成されたストーリーが人気に人気を呼び様々な媒体に影響を及ぼす結果となった。特にクリエイター達の間でブームとなり、SNSなどで八尺様を扱ったイラストや漫画、果てはゲーム作品にまでその影響を轟かせ、いわゆる怪談都市伝説の一つとして根付く事となった。
白いワンピースと大きな帽子を被り、その巨大な体が特徴のバイオハザード8に登場する「オルチーナ・ドミトレスク」は八尺様にインスパイアされデザインされたのではと言われているほど。
そして八尺様は映像・ゲーム作品が作られる。
オムニバスの一つを担当!八尺様登場の映画作品
タイトル:封印映像16 八尺様の呪い
物語のあらすじ
【髪子さん】 20代男性からの投稿映像。友人の家を訪ねるも、不在。しかし鍵が開いていた。ふざけ半分で部屋に入ると、信じがたい友人の姿があった-。 【憑き人】【踏切】 【映り込み】 【八尺様の呪い】
八尺様は海を渡った!八尺様モチーフの海外製ゲーム作品
タイトル:不在の学生
物語のあらすじ
あいつく失踪事件を捜査していた刑事が入院してしまい事を引き継いだ吉郎は、最後の失踪者が出た場所「学校」を調査する事に。
校内を調査する吉郎は、失踪者が残したであろう手がかりである音声テープを見つけ再生してみると。
「ぽ?240cm位の大きな女性?名前は何だっけ?不気味だな…。」
と大きな女性の存在に不審を覚える失踪者の声が録音されており…。
不在の学生紹介記事は
以上が怖い都市伝説「八尺様」超解説でした。その他の怖い都市伝説はコチラ。
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