
「裏山には入るな」――ふと口をついて出たその忠告は恐怖の始まりに過ぎなかった!?
2008年に掲示板へ投稿され話題となった怪談『邪視(じゃし)』は、目が合った者に強烈な負の感情や自殺願望を植え付ける異形の存在を描いた恐怖譚である。一度目を付けられると、ゆっくりと確実に追い続けてくるソレは、その執拗さが不気味さを際立たせている。
本記事ではネットで広まった怪異「邪視」の正体や元ネタ、邪眼伝承や「くねくね」との共通点までをまとめ、真偽も含め徹底的に考察していく。
邪視とは
N県のとある裏山に潜むとされる怪異。
真っ裸で身体は白く揺れており、手に鎌を持っている。人の形をしているが、頭はツルツルで眉間には縦に裂けた大きな目があり、その目と目が合うと強い負の感情(自殺願望)に苛まれてしまう。
このことで邪視に興味を持たれると、非常にゆっくりとだがどこまでも追ってくるらしく、投稿者の叔父によれば相手が苦手とされる不浄のものを使い興味をなくさせる必要がある。
また非常にゆっくりと移動してくるが、対象を眠らせることも可能。ゆっくりと確実に、眠ってしまった間も確実に距離を詰めてくる点は非常に厄介。
2008年1月、掲示板に書き込まれたことで「邪視」の存在がネットを介し広まった。
邪視あらすじ

696 その1 sage 2008/01/17(木) 21:36:23 ID:U3a23e/90
これは俺が14歳の時の話だ。冬休みに、N県にある叔父(と言ってもまだ当時30代)の別荘に遊びに行く事になった。
本当は彼女と行きたかったらしいが、最近別れたので俺を誘ったらしい。
小さい頃から仲良くしてもらっていたので、俺は喜んで遊びに行く事になった
引用元:邪視
よくある甥っ子と叔父の旅行だったが、恐怖の一幕とは投稿者もこのときは思ってもいなかっただろう。
別荘に到着後、彼らはバーベキューしたり、ゲームなど充実した休日を過ごす。夜には定番の怖い話で盛り上がるも、ふと何かを思い出したように叔父が「裏山には絶対に入るなよ」と呟いた。地元の人は絶対に入らないし、関係ないと思うが近くの別荘を持っていたどこかの社長が昔に裏山で首を吊って亡くなったこともあったようだ。
甥っ子である投稿者は、気味が悪くなり絶対に裏山には行かないと決め、その日はそのまま寝たとのことだ。
翌日、部屋に差し込む光で目を覚ました投稿者は、喉の渇きを癒すため1階のリビングに。そのままベランダで都会の喧騒とは違う自然豊かな新鮮な空気を楽しんだ。ふと部屋にある望遠鏡で景色を楽しみたくなり、色々な場所を覗いては30分程夢中で景色を楽しんでいたとのこと。そして。

697 その2 sage 2008/01/17(木) 21:37:46 ID:U3a23e/90
視界に動くものが入った。
人?の様に見えた。背中が見える。頭はツルツルだ。しきりに全身を揺らしている。地元の人?踊り?
手には鎌を持っている。だが異様なのは、この真冬なのに真っ裸と言う事。そういう祭り?だが、1人しかいない。
思考が混乱して、様々な事が頭に浮かんだ。背中をこちらに向けているので、顔は見えない。
その動きを見て、何故か山海塾を思い出した。
「これ以上見てはいけない」
と本能的にそう感じた。人間だろうけど、ちょっとオカシな人だろう。気持ち悪い。
だが、好奇心が勝ってしまった。望遠鏡のズームを最大にする。ツルツルの後頭部。色が白い。
ゾクッ、としたその時、ソイツが踊りながらゆっくりと振り向いた。
恐らくは、人間と思える顔の造形はしていた。鼻も口もある。ただ、眉毛がなく、目が眉間の所に1つだけついている。縦に。
体が震えた。1つ目。奇形のアブナイ人。ソイツと、望遠鏡のレンズ越しに目が合った。口を歪ませている。笑っている。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
目が合った瞬間、叫んでいた。涙が止まらない。とにかく、死にたい。異常なまでの鬱の様な感情が襲ってきた。
引用元:邪視
この後、投稿者の叫び声を聞いて飛び起きた叔父が合流。投稿者にバケモノがいると促されるまま、叔父も望遠鏡を覗くも、彼も発狂。そんな叔父の様子に危機感を覚えた投稿者は叔父を平手で叩いて正気に戻す。
叔父が言うには、望遠鏡で見た存在は「邪視」と呼ばれるもののようで。
698 その3 sage 2008/01/17(木) 21:39:21 ID:U3a23e/90
体を小刻みに揺らす叔父。10秒、20秒…叔父が俺を見つめてきた。
「邪視」
「じゃし?」
「いいか、俺の部屋の机の引き出しに、サングラスがあるから持ってこい。お前の分も」
「なんで(ry」
「いいから持ってこい!!」
俺は言われるままに、サングラスを叔父に渡した。震える手で叔父はサングラスをかけ、望遠鏡を覗く。しばらく、望遠鏡を動かしている。
「ウッ」と呻き、俺に手招きをする。「グラサンかけて見てみろ」。恐る恐る、サングラスをかけ、覗き込む。
グラサン越しにぼやけてはいるが、木々の中のソイツと目が合った。言い様の無い不安がまた襲ってきたが、さっきほどでは無い。
だが心臓の鼓動が異常に早い。と言うか、さっきの場所では無い…ソイツはふにゃふにゃと奇妙な踊り?をしながら動いている。
目線だけはしっかりこちらに向けたまま…山を降りている!?まさかこっちに来ている…!?
引用元:邪視
699 その4sage 2008/01/17(木) 21:40:47 ID:U3a23e/90
「00、お前しょんべん出るか?」
「は?こんな時に何を…」
「出るなら、食堂に空きのペットボトルあるから、それにしょんべん入れて来い」
そう言うと、叔父は1階に降りていった。こんな時に出るわけないので、呆然としていたら
数分後、叔父がペットボトルに黄色のしょんべんを入れて戻ってきた。
「したくなったら、これに入れろ」
と言い、叔父がもう1つの空のペットボトルを俺に差し出した。
「いや、だからアイツ何?」
「山の物…山子…分からん。ただ、俺がガキの頃、よく親父と山にキャンプとか行ってたが、
あぁ、あそこの裏山じゃないぞ?山は色んな奇妙な事が起こるからな…
夜でも、テントの外で人の話し声がするが、誰もいない。そんな時に、しょんべんとか
撒いたら、不思議にピタッと止んだもんさ…」
そう言うと叔父は、もう一度望遠鏡を覗き込んだ。「グウッ」と苦しそうに呻きながらも、アイツを観察している様子だ。
「アイツな。時速何Kmか知らんが、本当にゆっくりゆっくり移動している。途中で見えなくなったが…
間違いなく、このロッジに向かってるんじゃないのか」
「じゃあ、早く車で戻ろうよ」
「多分、無駄だ…アイツの興味を俺たちから逸らさない限りは…多分どこまでも追ってくる。
これは一種の呪いだ。邪悪な視線、と書いて邪視と読むんだが…」
「さっき言ってたヤツか…でも何でそんなに詳しいの?」
「俺が仕事で北欧のある街に一時滞在してた時…イヤ、俺らが助かったら話そう」
「助かったらって…アイツが来るまでここにいるの?」
「いいや、迎え撃つんだよ」
引用元:邪視
投稿者は迎え撃とうとする叔父に反対するも、昔から頼りになる叔父が言うことだからと2人で迎撃することに。
どうやら叔父は邪視について北欧に滞在していたときに似た経験があったらしく、ここで逃げても邪視がこちらに興味を持っている以上、いつか遭遇することになる。あくまで邪視の興味をこちらから外さないと完全に回避したとは言えないらしいのだ。
700 その5 sage 2008/01/17(木) 21:41:44 ID:U3a23e/90
「邪視ってのはな、不浄な物を嫌うんだよ。糞尿だったり、性器だったり…
だから、殺せはしないが、それでアイツを逃げされる事が出来たのなら、俺らは助かると思う」
「…それでもダメなら?」
「…逃げるしかない。とっとと車で」
俺と叔父さんは、言い様のない恐怖と不安の中、ジッと岩に座って待っていた。
交代で双眼鏡を見ながら。時刻は4時を回っていた。
引用元:邪視
やれることはやる!それでダメなら逃走の一手。
この後、投稿者たちは極度の緊張にも関わらず意識を失ってしまうも、事故で亡くなった弟の呼びかけで目を覚ます。
叔父も同様に気を失っており、何とか起こすものの、そのバケモノは彼らの前方数mの茂みまで接近し、民謡の様な歌い回し、何言ってるかは分からないが不気味で高い声を上げながら茂みから、毛一つ無く異様に白い体全体をくねらせたモノが飛び出してきた。

恐怖に支配された投稿者だが、叔父は不浄の液体(おしっこ)を口に含んでヤツに吹きかけたり、パンツを脱いだ下半身をライトで照らして見せつけることで上手く興味を逸らすことに成功。
凄まじい呪詛の様な恨みの言葉を吐き、ヤツは山の中に帰っていった。
そうして一段落したところ、叔父はヤツ「邪視」について教えてくれた。
どうやら叔父は仕事柄、船で海外に行くことが多く、その一環で北欧のある街に滞在した際に似た存在のことを知ったらしい。
現場で一緒になった外国人と仲良くなった叔父は、面白いものを見せてくれるという彼の言うことに従い、ある場所へ赴くことに。
705 その10 sage 2008/01/17(木) 21:48:34 ID:U3a23e/90
そこには、蝋燭が灯る中、見た目は60代くらいの男が座っていた。ただ異様なのは、夜で家の中なのにサングラスをかけていた。
現地の男によれば「邪視」の持ち主だと言う。
邪視(じゃし)とは、世界の広範囲に分布する民間伝承、迷信の一つで、
悪意を持って相手を睨みつける事によって、対象となった被害者に呪いを掛ける事が出来るという。
イビルアイ(evil eye)、邪眼(じゃがん)、魔眼(まがん)とも言われる。
邪視の力によっては、人が病気になり衰弱していき、ついには死に至る事さえあるという。
叔父は、からかい半分で説明を聞いていた。この男も、そういう奇術・手品師の類であろうと。
座っていた男が、現地の男に耳打ちした。男曰く、信じていない様子だから、少しだけ力を体験させてあげよう、と。
叔父は、これも一興、と思い、承諾した。また男が現地の男に耳打ちする。男曰く、
「今から貴方を縛りあげる。誤解しないでもらいたいのは、それだけ私の力が強いからである。
貴方は暴れ回るだろう。私は、ほんの一瞬だけ、私の目で貴方の目を見つめる。やる事は、ただそれだけだ」
引用元:邪視
このときに体験した感覚が、今回ヤツを見たときの感覚と同じだったようだ。
それで「邪視」と気がついたらしい。
叔父が海外で会った邪視の持ち主は、その後ギャングとの抗争により亡くなったとのことだ。彼はその力をギャングの抗争に利用され、危険視した敵対勢力により命を奪われたそうだ。その際、邪視の持ち主は椅子に縛られ、周囲は糞尿まみれになっていたらしい。彼はその「不浄」に耐えられなかったのか、拘束を解いて目をくり抜いて亡くなっていたという。
706 その11、終わり sage 2008/01/17(木) 21:49:23 ID:U3a23e/90
「アイツが本当に化け物だったのか、ああいう風に育てられた人間なのかは分からない。
ただ、アイツは逃げるだけじゃダメな気がしてな…だから死ぬ気で立ち向かった。
カッパも、人間の唾が嫌いとか言うじゃないか。案外、お経やお守りなんかよりも、
人間の体の方がああいうモノに有効なのかもしれないな」
俺は、話を聞きながら弟の夢の事を思い出して、話した。弟が助けてくれたんじゃないだろうか…と。
俺は泣いていた。叔父は神妙に聞き、1分くらい無言のまま、やがて口を開いた。
「そういう事もあるかもしれないな…00はお前よりしっかりしてたしな。
俺の鳴った携帯の事、覚えてるか?あれな、別れた彼女からなんだよ。
でもな、この山の周辺で、携帯通じるわけねぇんだよ。見ろよ。今、アンテナ一本も立ってないだろ?
だから、そういう事もあるのかも知れないな…今すぐ、山下りて帰ろう。
このロッジも売るわ。早く彼女にも電話したいしな」
叔父は照れくさそうに笑うと、コーヒーを飲み干し立ち上がった。
引用元:邪視
こうして投稿者と叔父による恐怖にまみれた休日は終わりを告げたのだった…。
山に帰った邪視を持つモノ、今も何処かで誰かに興味を持ち、着々と接触する機会を伺っているのかもしれない。
邪視の正体徹底考察
邪眼の伝承

英語表記で「evil eye」、日本では邪眼・魔眼・邪視とも訳されるヨーロッパを中心に世界で見られる民間伝承の一つ。共通して邪視は、悪意を持って相手を睨みつけることにより、対象者に呪いを掛ける魔力とされる。
投稿者たちが出会った「邪視」も、民間伝承と同じく「負の感情」という呪いを植え付けられた。
ヨーロッパでも特に地中海沿岸が最も強い信仰を持っており、投稿者の叔父が邪視を持つ男に会ったのも、もしかしたら南ヨーロッパ寄りの地域の街だったのかもしれない。
邪視(じゃし)は、世界の広範囲に分布する民間伝承の一つ。悪意を持って相手を睨みつけることにより、対象者に呪いを掛ける魔力。イーヴィルアイ(evil eye)、邪眼(じゃがん)、魔眼(まがん)とも言われる。
様々な民族の間でこの災いに対する信仰は形成されている。また、邪視、邪眼はしばしば魔女とされる女性が持つ特徴とされ、その視線は様々な呪いを犠牲者にもたらす。
引用元:Wikipedia
邪視の特徴

物語中、邪視の正体に迫るための情報として主に以下の記述がある。
・頭はツルツルだ。しきりに全身を揺らしている。地元の人?踊り?
・手には鎌を持っている。だが異様なのは、この真冬なのに真っ裸ということ。
・ツルツルの後頭部。色が白い。
・人間と思える顔の造形はしていた。鼻も口もある。ただ、眉毛がなく、目が眉間の所に1つだけついている。縦に。
・民謡の様な歌い回し、何言ってるかは分からないが不気味で高い声。
・不気味な歌を歌い、体をくねらせ、ゆっくりゆっくりと移動していた!!
引用元:Wikipedia
まとめると、色白の人間、鼻も口もあるが眉毛がなく、眉間に縦に目が1つ、頭はツルツルで全身を揺らし手に鎌を持っている。民謡のような歌を発するが、内容の理解は不能。真冬でも全裸で衣服は纏っていない。というもの。
邪視への対処法としては、不浄とされるものを用いて興味を逸らすことが有効とされている。
邪視に似た妖怪

1. 一つ目小僧(ひとつめこぞう)
最も有名な「一つ目」の妖怪。一般的には悪さをせず、人を驚かせるだけの存在とされるものの、地方によっては「一つ目様(いちつめさま)」として、山の神や神の使いと結びついている場合もある。
邪視との共通点として、一つ目であること、山に関係することがあるが、邪視のような目を合わせた者に負の感情を植え付ける能力はもっていない。また服を着た姿で描かれることが多く、全裸である邪視の特徴とは一致しない。
2. 山童(やまわろ・やまわらわ)
九州地方を中心に伝わる、一つ目の怪異。河童が山に入って変化した姿と言われ、眉間に縦に裂けた眼を持ち、半裸で腰蓑を纏った姿をしている。
邪視のような「目が合った者を狂わす」能力はないが、眉間に目、半裸という姿は単純な見た目として一番邪視と近しい見た目ではある。
3. 一本だたら(いっぽんだたら)
奈良県と和歌山県の境にある果無山脈(はてなしさんみゃく)などに伝わる妖怪。姿は「一つ目一本足」とされ、冬の山の12月20日のみ出現するとされる。
邪視とは山に現れ一つ目という共通点はあるものの、12月20日限定、一本足という大きな違いがある。
4. クネクネ
邪視と同じく2chで書き込まれた怪談に登場する怪異。夏の水田、川原などの水辺で現れるとされ、地平線の先に白くクネクネしたものとして見え、その正体を知ってしまうと精神に異常をきたす。この話の投稿者は弟の友人Aの兄が田舎に遊びに行った際に遠目で気が付き、よく見ようと双眼鏡で覗いた際に会話不能なほどの精神にダメージを負ってしまっている。
実は邪視と多くの共通点がある。
| 怪異 | くねくね | 邪視(じゃし) |
|---|---|---|
| 容姿 | 色が白く、細長くクネクネと動く。 | 一つ目で白い身体。全身を揺らし、くねらせて移動する。 |
| 視認による影響 | 正体を理解すると、精神に異常をきたす。 | 目(邪視)が合うと、強烈な負の感情(自殺願望)に支配される。 |
| 出現場所・季節 | 夏の水田、川原などの水辺。 | 冬の裏山。 |
| 初遭遇の状況 | 遠くの何かを双眼鏡で見つける。 | 遠くの景色を望遠鏡で覗いて見つける。 |
結論:邪視の正体は〇〇の可能性が高い

邪視の正体としては、ネットで有名な怪談クネクネをモチーフとし創作である可能性が高い
理由として、クネクネが流行ったのは2003年、邪視が語られたのは2008年、時系列的にクネクネにインスパイアされていてもおかしくはないということ。
また邪視とクネクネには怪異としての共通点が多く、夏の水田や水辺に現れるクネクネに対し、山に現れる邪視、両者の外見的特徴も非常に似ており、しかも見た者に対する災いも同一系統、まるで陸のクネクネ・山の邪視という対比関係を想起させる特徴を持つこと。これはクネクネを意識しつつ、クネクネに寄せないようにしようとした作為を感じるという点。
また、本物語が創作である最大の理由として、別荘に置いてあった望遠鏡で邪視を見たという点である。一般的に別荘に置いてある望遠鏡は天体を楽しむためのものだろう。別荘に来て山の景色を楽しむのなら望遠鏡ではなく双眼鏡を置くはずだ。というのも望遠鏡は遠くのものを見る物として特化した性能を持つため、大海原や天体など遮蔽物のない環境で使用する道具だ。山の景色を楽しむのなら双眼鏡でいい。
では仮に天体を楽しむための望遠鏡でたまたま山の景色を見たに過ぎないという場合もあるかもしれない。しかし望遠鏡の多くは、天体を見るためのものとして製造されており、そのまま地上を見ると「正立プリズム」と呼ばれるパーツがないため、光の集束の関係で上下が逆さまで見えてしまうのだ。
投稿者の書き込み
ふと、部屋の中に望遠鏡がある事を思い出した。自然の景色が見たくなり、望遠鏡をベランダに持ってくる。
高性能で高い物だけあって、ホントに遠くの景色でも綺麗に見える。
町ははるか遠くに見えるが、周囲の山は木に留まっている鳥まで見えて感動した。
30分くらい夢中で覗いていただろうか?丁度裏山の木々を見ている時、視界に動くものが入った。
引用元:邪視
一般論として、上下逆さまな山の風景を夢中で30分も見るだろうか?
一般論として、上下逆さまに見える鳥を見て感動するだろうか?
つまり、レンズ越しに怪物の異様な動きや視線を瞬時に正しく認識できたという描写そのものが、現実の光学機器の特性を無視したものであり、恐怖を演出するためにあえて「望遠鏡」という舞台装置を配置した創作的演出である可能性が極めて高いといえる。
『邪視』は、「くねくね」の恐怖構造をベースに、「一つ目妖怪」の視覚的インパクトを加え、さらに「邪眼(呪術的攻撃)」という独自の設定を上書きした、非常に完成度の高い恐怖怪談であると言える。