書籍版「陰の実力者になりたくて」第3巻【あらすじ・見所・特典・感想】
主人公は陰の実力者シャドウを辞め、エリートエージェント「ジョン・スミス」へロールプレイを変更する。その目的とは何なのか?
タイトル | 陰の実力者になりたくて 第3巻 |
原作 | 逢沢大介 |
イラスト | 東西 |
ブシン祭は、シドの姉クレア・カゲノーが優勝した。駄目弟の将来の就職先を心配した姉に連れられて、シドは無法都市に吸血鬼「血の女王」の討伐戦に参加する事になった。
この参加を契機に姉はシドを騎士団に入団させようとするのだが、クレアはそこで自身に隠された大いなる力を認識する事になるのだった…
本作の見所や加筆ポイント
カゲノー姉弟の幼き日の出来事
シド6歳クレア8歳、幼い姉弟の修業時代の物語。シドは姉に引きずられ、入る事を禁止されている森の中に足を踏み入れる。修行の一環として入り込んだ森の中で、2人の幼い姉弟は、盗賊団と遭遇してしまうのだが…そこで6歳シドの無双が始まる。
ユキメの過去
ユキメが月丹と物別れした過去のある日、実は幼少期のシドがその場に乱入し暴れ回っていた事実が加筆シーンで描かれている。
web版では特に言及されておらず、単に月丹に襲われたユキメが気を失い、目が覚めると周囲には誰もいなかった場面になっている。だが、なぜあれだけユキメに執着していた月丹が気を失ったユキメを置いて姿を消した理由が書籍版で判明した。
収録エピソード
無法都市と血の女王編
荒くれ者が集まる無法都市には、3人の支配者が存在した。3人に内1人の血の女王は、所在が不明となり幾ばくかの月日が流れていた。だが、ある配下の策略により、赤く輝く月が地上を照らす時、かつて1国を蹂躙した最古の吸血鬼が復活しようとしていた。
「陰の実力者になりたくて! 3」読了
— Mira; (@Mira_H4ry) 2021年6月2日
法律などない、力こそが全てを決する街、その名も無法都市に、長い時を経て目覚めた始祖の吸血鬼。
始祖の吸血鬼を討伐すべくシドたちはひょんなことから無法都市へ向かう。
3巻では、今まであまりメインに出てこなかったシドの姉が出てきた回でした。 pic.twitter.com/41FDylbTQO
ミツゴシ商会と偽札騒動
シャドウガーデンのフロント企業で、その異世界知識で大躍進を続けるミツゴシ商会。そんな商会に既得権益を侵害される他の商会は黙っていなかった。2つの大きな組織がしのぎを削り合う中で、シドは無法都市の支配者の1人「ユキメ」と手を組む。
目的は、偽札を用いたミツゴシ商会の破壊。初めて仲間を裏切るシドの真の狙いとは?
陰の実力者になりたくて3巻読了
— やっそ (@yasso0823) 2021年3月22日
無法都市編と第商会連合編の2本立て
無法都市では吸血鬼と戦い、王国ではミツゴシグループを落とそうとする商会とドンパチ
主人公はただただ金が欲しかっただけで商会の偽札で儲けようとしていただけなのにあんな結末になるとは...
#陰の実力者になりたくて pic.twitter.com/LdNiCBvH1v
書籍特典
補遺
劇中の登場人物達、デルタ、イプシロン、クレア・カゲノー、ユキメの補足。キャラクターのイラストと紹介文を記載した物が収録。
シャドウ様戦記完全版三巻
シャドウガーデンの1人「ベータ」による無法都市編と偽札編での主人公シャドウ(シド)の観察日記。ベータ視点で描かれる誇張されたシャドウの物語が特徴の書き下ろしが収録。
終わりに
今作も内容自体は悪くなく、シドの認識と周囲の認識のズレを上手く物語に落としこんでいて面白かった。
webの連載では、偽札編でシドが自分の仲間が経営しているミツゴシ商会に敵対する理由が説明されていなかったが、今作では加筆部分で上手く動機付けもされていた。
次回作からweb版とは別ルートのストーリー展開になるとの事だが、第3巻が発売されて数ヶ月、漫画版の発売を迎えても、作者からは何も宣伝がない。そのため、第4巻が発売されるのか2020年7月時点では不明な点が、いち読者としてもどかしい思いを抱いている。
漫画版「陰の実力者になりたくて」第1巻の紹介記事