
映画「バイオハザード」シリーズをまとめて紹介。
ミラ・ジョヴォヴィッチ主演の第1作は2002年に公開され、最終作まで14年間にわたり人気を博した。本記事では全シリーズのあらすじやゲームからのオマージュ要素をまとめてみた。
⚠【ネタバレ】を含む内容です。未視聴の方はご注意ください。
映画バイオハザード6作|時系列あらすじ徹底解説
映画「バイオハザード」全6作品の時系列一覧
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タイトル
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時系列
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概要
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| バイオハザード | 21世紀初頭 | アンブレラ研究施設内でT-ウイルスが漏洩。その時の出来事で主人公のアリスは記憶喪失に。事態の収束に潜入する特殊部隊と共に施設へ入る。 |
| バイオハザードII アポカリプス | 前作直後 | ウイルスの漏洩阻止失敗。T-ウイルスはラクーンシティへと溢れ街は大パニックに陥る。 |
| バイオハザードIII | 数年後 | T-ウイルスの汚染は全世界に蔓延。文明社会は崩壊し、人類のほとんどはゾンビになる。 |
| バイオハザードIV アフターライフ | 前作から1年後 | アリスはかつての仲間と再会。共に海上にある未感染領域アルカディアを目指す。 |
| バイオハザードV リトリビューション | 前作直後 | 捕らわれたアリスは謎の実験施設の独房で目を覚ます、敵対関係だったウェスカーと協力し施設からの脱出を目指す。 |
| バイオハザード: ザ・ファイナル | 前作直後 | アンブレラがT-ウイルスを抹消する抗ウイルス剤の開発に成功する。48時間位内に散布するため、アリスは始まりの場所「ハイブ」へ向かう。 |
バイオハザード(2002年)
| 公開年 | 収録時間 | 原作ゲームとの対応 |
| 2002年 | 100分 | バイオハザード(PS) |
2002年公開のサバイバルアクションホラー映画。カプコンのテレビゲーム作品「バイオハザード」を原作とし、ポール・W・S・アンダーソンが監督・脚本を務める、第1作目の映画「バイオハザード」。
全米有数の巨大企業アンブレラ社は、地下深くでウイルス兵器を開発していたが、ある人物の手によってウイルスが漏洩する。地下研究所を統括するAI「レッド・クイーン」により、ハイブは封鎖され、逃げ出そうとした職員を抑えるために神経ガスが散布され、その結果、研究職員は全滅する
ガスの影響は地上施設にも及び、特殊工作員「アリス」も意識を失う。数時間後に目を覚ましたアリスは、地下施設の異常事態を調査するために派遣されたアンブレラ特殊部隊に拘束される。ガスの影響で記憶を失ったアリスは、そのまま部隊に同行し、地下施設でアンブレラが研究していた細菌兵器「T-ウイルス」の脅威を目の当たりにする。
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施設の統制を行っていたレッド・クイーンのシャットダウンに何とか成功するものの、それは牢獄に捕われたゾンビの解放を意味していた。ゾンビの襲撃やウイルスを漏洩させ盗み出そうとした「スペンサー」の裏切りを何とか退け、地下施設から脱出に成功したアリスとマットだったが、そこに攻め寄せたアンブレラ部隊に捕まってしまう。変異型リッカーに付けられた傷が変異していたマットはそのまま移送されてしまう。アンブレラ社が押し進める「ネメシス計画」の被検体として…
💡 何もオマージュ要素はゲームだけじゃない
地下研究施設やT-ウイルス、洋館など、ゲーム『バイオハザード』の要素を実写化したため、オマージュが多く盛り込まれている。しかし本作はゲームだけでなく童話「不思議の国のアリス」も参考に制作されている。主人公の名前がアリスで不思議の国の女王がレッドクイーンであるなどの要素が取り入れられている。
バイオハザード II アポカリプス(2004年)
| 公開年 | 収録時間 | 原作ゲームとの対応 |
| 2004年 | 94分 | バイオハザード3(PS)/ バイオハザードコードベロニカ |
💡 主なオマージュ要素
原作ゲーム「バイオハザード3(PS)」からジル・バレンタイン/カルロス・オリヴェイアがゲームのルックスを忠実に再現し登場。同作ゲームの敵クリーチャーネメシスもそのままの姿で登場。バイオハザードコードベロニカからアシュフォードの名前だけオマージュされる。
映画シリーズ第2弾、前作のエンディング直後の物語からスタートする。前作の監督ポール・W・S・アンダーソンは、他作品『エイリアンVSプレデター』の監督を務めていたため、本作は彼が指名したアレクサンダー・ウィットが監督を担当した。シリーズ唯一PG-12指定を受けていない。
副題であるアポカリプスは「黙示録」を意味し新約聖書における世界の破滅のことを指す。第3作以降視聴すれば、まさに本作はバイオハザード世界の終焉の始まりを描いていると言える。
前作から2日後、再度アンブレラにより派遣された部隊によって地下研究所ハイブの扉が開かれてしまう。部隊は全滅、T-ウイルスは地上に解き放たれた。一方警察の特殊部隊「S.T.A.R.S.」に所属していた「ジル・バレンタイン」は、ウイルスが蔓延した街から脱出するため街の外れに向かった。しかし、そこはすでにアンブレラによって封鎖されていた。
非感染者は街の外に出されていたが、その群衆の中からウイルス発症者が出たことにより扉は封鎖されてしまう。ジルとその同僚ペイトンは一般市民と教会に逃げ込む事になったが、リッカーの襲撃に絶対絶命、その窮地を救ったのは、病院から抜け出したアリスだった…
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教会を出たアリス達は「アシュフォード」博士との取引で、街に取り残された自分の娘の救出を条件に、脱出ルートの手引きをしてもらう事になる。しかしそこには「S.T.A.R.S.」に所属する人間を襲撃している「ネメシス」の存在が迫っていた。
同じくアシュフォードの依頼で娘を探していた「カルロス」とも合流し、脱出路に向かうもアンブレラに拘束されてしまう。「ネメシス計画」の最終段階、ネメシスとアリスの一騎打ちをさせられる事になる。アリスは戦いの途中でネメシスが前作で共に脱出したマットの成れの果てだと気づく。アリスはマットに呼びかけ、自我を取り戻したマットと協力しアンブレラを退け、ゾンビに汚染された街「ラクーンシティ」を脱出する事に成功した。
バイオハザード III エクスティンクション(2007年)
| 公開年 | 収録時間 | 原作ゲームとの対応 |
| 2007年 | 94分 | バイオハザード2(PS)/ バイオハザード4(PS2) |
💡 主なオマージュ要素
原作ゲーム「バイオハザード2(PS)」の主人公クレア・レッドフィールドが設定を変えて登場。前作から引き続きカルロス・オリヴェイアも出演。そして本作では原作ゲームでお馴染みの敵キャラクター「アルバート・ウェスカー」と敵クリーチャー「タイラント」がオマージュ出演を果たしている。
ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロやルチオ・フルチによるゾンビ映画が飽きられていた1980年代以降、21世紀のゾンビブームの先駆けシリーズとなったバイオハザード実写化の第3弾。
ゾンビ映画として定番ステージだった都市部から脱却し、今回の舞台は広大な砂漠地帯。さらにゾンビといえば暗闇による恐怖も印象に残るが、本作ではそこも脱却しあえて昼間という時間帯を選択、日中の広大な砂漠を舞台にしたゾンビ映画として新しい試みが取り入れられた。
アポカリプスから数年後、ウイルスの蔓延はラクーンシティに留まらなかった。世界はT-ウイルスに感染したゾンビが支配していた。
諸悪の根源であるアンブレラは地下に巨大な施設を建造し、ゾンビへの対抗手段や血清のためアイザックス博士を中心に日夜ウイルス実験を行っていた。
一方、ゾンビの脅威を生き抜いた人々を束ねていたリーダー「クレア・レッドフィールド」は、廃墟になったモーテルを拠点としゾンビからの襲撃に備えていた。しかしある出来事をきっかけにT-ウイルスに感染した動物に襲撃されてしまう。絶体絶命のピンチ、そこに各地を放浪していたアリスが現れ、カラスを一掃してクレア達を助けたのだった。
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アンブレラの罠に掛かり、多くの犠牲を出したアリス達は、逃げたアイザックス博士を追い、ヘリコプターを入手するためにアンブレラ地下研究所へ襲撃をかけることにした。カルロスの自己犠牲によって道が開け、アリス達は無事にヘリを確保する。アリスはヘリをクレア達に託し、彼女たちを脱出させた。
その後、アリスはアンブレラとの決着をつけるため、単身で地下施設に侵入する。そこで待ち受けていたのは、「自分のクローンの存在」と、T-ウイルス抗体の過剰摂取によってタイラント化したアイザックスだった。二人はウイルスから得たサイコキネシ能力を駆使して戦うが、窮地に陥ったアリスは、機転をきかせてアイザックスを倒すことに成功する。
アリスは自分のクローンであるアリスたちを解放し、アンブレラに対して宣戦布告する。
バイオハザード IV アフターライフ(2010年)
| 公開年 | 収録時間 | 原作ゲームとの対応 |
| 2010年 | 97分 | バイオハザード5(PS3) |
💡 主なオマージュ要素
原作ゲーム「バイオハザード(PS)」の主人公クリス・レッドフィールドが設定を変えて登場。前作から引き続きクレア・レッドフィールドとアルバート・ウェスカーも出演。アポカリプス以来となるジル・バレンタインもバイオ5バージョンで再登場。そして本作では原作ゲーム敵クリーチャー「マジニ」がオマージュ出演を果たしている。
時代設定は前作から1年後の世界が舞台。本作ではとうとう東京の渋谷が舞台となる。渋谷、アラスカ、ロサンゼルスを舞台にアンブレラ幹部アルバート・ウェスカーとアリスと仲間たちによる戦いが繰り広げられる。
監督のポール・W・S・アンダーソンは、本作の制作にあたり公開当時の原作ゲーム最新作「バイオハザード5」から非常に強い影響を受けたとのこと。そのため劇中では登場人物のルックスのオマージュに終わらず、ゲームと同じ動きを披露する場面も存在する。
前作の数年前、東京の交差点でウイルスの発症者が出現する。東京の地下研究所でウイルスの実験を行っていたウェスカーの元にアリス達は襲撃を仕掛ける。ウェスカーはすぐに見切りを付けて研究所を爆破、アリスのクローンは巻き込まれ、全滅してしまう。爆発を回避したオリジナルアリスは、飛行機で脱出をしようとするウェスカーを追い込むも、隙を突かれ無力化。同時に飛行機が墜落し、アリスはウェスカーを取り逃がしてしまう。
それから半年後、感染者のいない地「アルカディア」を訪れる。誰もいないことに落胆したアリスは、そこで襲撃を受けてしまう。撃退に成功するものの、その襲撃者はかつての仲間クレア・レッドフィールドだった。クレア達の行動を制御する機械の影響で記憶を失ったクレアと共に、アリスは生き残りを探し、ロサンゼルスへ向かったのだった。
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ロサンゼルスの生き残りと合流したアリスは、捕われていたクリスを解放し、真の楽園船「アルカディア」を目指す。
しかしそこは、アンブレラ社所有の船で、生存者達を集め実験する施設だった。そこではウェスカーが待ち受けており、クレア・クリス・アリスの3人が対峙する。しかしウェスカーの強化された身体能力になす術がない。なんとか隙を突き退治し、これで全てが終わったかに見えたが、そこにジル・バレンタインが率いた大部隊が襲撃するところで物語は終わる。
バイオハザード V リトリビューション(2012年)
| 公開年 | 収録時間 | 原作ゲームとの対応 |
| 2012年 | 96分 | バイオハザード(PS)/ バイオハザード4(PS2) |
💡 主なオマージュ要素
原作ゲーム「バイオハザード4(PS2)」からレオン・S・ケネディとエイダ・ウォンが、「バイオハザード(PS)」からバリー・バートンが参戦。敵クリーチャーのオマージュはない。
本作は前作直後の物語からスタート。本作の舞台はアンブレラ・プライムという研究施設ではあるものの、生物兵器のシミューレーション実験場として、アメリカのニューヨーク、日本の東京、ロシアのモスクワの街が再現という形で登場している。
ジル・バレンタイン率いる大部隊が、アルカディア船を襲撃してくる。船に残っていた多数の生存者が犠牲になる中、アリスは1人で戦っていた。オスプレイの操縦者を倒すも、コントロールを失い船に激突し大爆発を起こす。爆発に巻き込まれたアリスは吹き飛ばされ海中に落ち、気を失ってしまう。
次に目を覚めるとそこは主婦であるアリスとその夫カルロス、耳が不自由な娘がいる平和な家庭だった。少し混乱するアリスだったが、すぐに順応した。しかしそんな平和な家庭に突如襲撃者が訪れる。それはT-ウイルスに感染したゾンビだった。
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再び目が覚めるとそこはとある牢獄。執拗なジル・バレンタインによる尋問を受けるが、突如牢屋のセキュリティが解除される。セキュリティを解除した人物は何故か敵対関係にあるアルバート・ウェスカーだった。今いる場所はアンブレラの海中施設であり、信用しきれないアリスだったが、脱出するには他に手がなくウェスカーと協力することに。
アリスを助け出そうとウェスカーが派遣したエイダ・レオン・バリー達の協力を得て、アンブレラの追跡を逃れて行く。多数の犠牲の上で、施設の脱出に何とか成功する。そしてウェスカーが率いる人類の生存拠点に赴くも、そこには大量のゾンビと空飛ぶクリーチャーが襲撃していた。ここで劇中の幕は閉じる。
バイオハザード:ザ・ファイナル(2016年)
| 公開年 | 収録時間 | 原作ゲームとの対応 |
| 2016年 | 106分 | ほぼオリジナル |
💡 小ネタ
本作で登場する人口知能レッド・クイーンだが、アリス役のミラ・ジョヴォヴィッチと監督ポール・W・S・アンダーソンの実娘エヴァが演じている。ちなみにエヴァにとって本作がハリウッドデビューとなる。
本作は「IV」や「V」のような原作ゲームをそのまま再現したようなシーンの描写はほぼないものの、舞台装置や細かい演出で原作オマージュを表現している。またシリーズ最終作ということで、前作までの全5作品のハイライトビューが多く描写されている。
荒廃したワシントンD.C.で目を覚ましたアリスは、近くの水場で喉を潤した。ゾンビや空飛ぶクリーチャーの襲撃を退け、周囲一帯を探索していると、どこからともなく機械音が聞こえて来る。発生源に向かうと、そこにはFAXから「ようこそアリス」の文字が印字されていた。背後に置かれているモニターには、人工知能レッド・クイーンが映し出された。
レッド・クイーンはアリスに、人類最後の拠点への襲撃計画と、空気によって伝染する抗ウイルス剤の存在がある事を伝える。信じられないアリスだったが、藁にもすがる思いでレッド・クイーンを信じる事に。そして向かうは、始まりの地「ラクーンシティ」だった。
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ラクーンシティでの生存者達と合流し、地下施設ハイブへ侵入する事に成功。そこで衝撃の事実が判明する。今まで活躍していたアリスこそがコピーされた存在だったのだ。
本物のアリスはすでに年老いたアンブレラ社の最高幹部だった。そしてレッド・クイーンは父親によってアリスの幼少期の姿を参考に作られていた。T-ウイルスは元々アリスの病気を治すために開発された治療薬だったのだ。
そして抗ウイルス剤を保持していたオリジナルのアイザックスとの死闘の末、彼を倒し、抗ウイルス剤を入手する。しかしT-ウイルスに感染しているアリスは抗ウイルス剤を世界に散布すると死んでしまう。それでも彼女は自分の命を顧みず行動する。彼女に群がってきたゾンビ達は崩れ落ち、抗ウイルス剤は風に乗って世界へ漂っていった。
幸いな事にアリスは無事だった。体内にあるウイルスだけが消滅したらしい。人工知能であり幼きアリスでもあるレッド・クイーンは最後に、クローンゆえに幼少の記憶のない彼女に、老婆アリスの幼少の記憶を継承させ、シリーズは終わりを迎えた。
終わりに
2002年から始まったゲーム「バイオハザード」のハリウッド映画版は、6作を経てオリジナル要素を強めながら幕を閉じた。アリスの戦いは映画として一区切りを迎えたが、その裏で描かれなかったキャラクターたちの運命も存在している。
最後に映画で描かれなかったキャラクターたちの結末をどうぞ!
ファイナルで登場しない仲間たちの末路
映画バイオハザードVでジル/レオン/エイダ/ベッキーは要塞とかしたホワイトハウスで保護され生き残る。しかしラストシーンでは群がるアンデットたちに今後の生存は絶望的な印象を受けた。そんな彼らは小説版にて以下の結果となってしまっている。
・ジル・バレンタイン:裏切ったウェスカーとの戦いでアリスを庇い死亡。
・レオン/エイダ:アンブレラが差し向けたアンデット複合体メランジとの戦いで死亡。
・アリスのクローン体の娘ベッキーはメランジ戦で行方不明になるも、ザ・ファイナル終了後にアリスと無事再会した。
本記事でシリーズの流れを振り返ったうえで、ぜひ改めてお気に入りの作品を見返してみてください。U-NEXT などの配信サービスで視聴可能です。





