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書籍化小説【淡海乃海 水面が揺れる時】第十巻のあらすじ・見所・特典小説・感想

 

【淡海乃海 第10巻 あらすじ・特典収録ネタバレなしの紹介】

織田家の混乱。朽木基綱は、その余波の影響を避けるため織田家を喰らう事にした。しかし、この出来事が基綱に「一抹の不安」を募らせ、ある決断を選択する事となる。

淡海乃海 水面が揺れる時~三英傑に嫌われた不運な男、朽木基綱の逆襲~十【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 (TOブックスラノベ)

題名:淡海乃海 三英傑に嫌われた男、朽木基綱の逆襲 第10巻

著者 : イスラーフィール  : 碧風羽

あらすじ:戦国時代の掟「喰える時に喰う、躊躇ってはいけない」。主人公「基綱」が戦国を生き抜く上で自身に言い聞かせて来た言葉。その言葉に従い、信長なき織田家を喰らう。だが、織田家の領地を吸収した事でさらなる力を得た基綱だったが、その過程で見ていた織田家の混乱に「一抹の不安」を覚えてしまう。

2016年に素人小説投稿サイトで連載が始まった小説の書籍化作品第十弾。

 

ノベル「淡海乃海 第十巻」の見所

織田を食う朽木基綱

織田信長と跡継ぎが相次いで亡くなった事で起こった「織田家の御家騒動」。信長の後を継いだ者の不甲斐なさが更なる混乱が巻き起こる。

東海道が混乱する事で、その野心を見せ始めた徳川家康。みすみす、徳川の戦力増強を指を咥えて見る事への危険性から、主人公基綱は織田家を喰らう事とする。

その過程は意外にもあっけない物となり…

web版とほとんど変更はないが、webでは描かれなかった織田信長の妻であり斎藤道三の娘「鷺山」と主人公との会話シーンが追加されている。その会話は、本作までで描かれていた信長と鷺山の会話を想起させる物で、本作第十巻まで読んでいた読者にとっては、一種の織田信長と朽木基綱の本当の意味での終わりを意味する物に感じる。

隠居する主人公

息子である「堅綱」のパッとしない存在感から、主人公は一抹の不安を募らせて行く。織田信長、上杉謙信、三好長慶、戦国を席巻した大名達は病いにより40歳代で倒れている。主人公の年齢は33歳だが、今日の命が明日あるとは限らない。

今、自身が倒れれば混乱が治まって来た世の中が再度混乱してしまう。息子の器量では、それを抑えられないと感じた主人公は、朽木家の家督を息子に譲り隠居をする事に決める。

「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」

主人公は、息子を戦国時代で自身の力のみで生きて行ける様に鍛えるため、周囲が驚く一手「隠居」を選択する。

この基綱の選択と電子版特典の「最後通牒」の内容が、web版では既に描かれている足利義昭の顛末へと繋がる事になる。

特典 書き下ろし小説

特典短編【一】:織田家家臣の選択「決断」

あらすじ

朽木基綱の攻勢が強くなる。織田の当主「三介」の織田家らしからぬ決断の数々に、織田家へ見切りをつけ始める家臣達。しかし、先代の信長に恩義を感じる各家臣達は、朽木側に付き織田家への完全な敵対行動への戸惑いを覚えている。

このままでは、朽木の軍勢に攻められ家の存続が危うい、けれども世話になった織田信長への恩義も捨てれない。そんな悩みを抱える一つの家「遠山家」。その難しい舵取りを「決断」する物語。

特典短編【一】:ある人物の息子の疑念「真相」

あらすじ

足利義昭により誅された幕臣「兵部大輔」(第七巻時)。その息子である「細川与一郎忠興」は、ある人物の元を訪れる。その人物は、足利義昭に捨てられた元・幕臣であり、なぜか兵部大輔の様に誅されなかった「大館伊予守晴忠」であった。

与一郎は、晴忠にある事を訪ねる。

「父は何故、誅されたのか?」「そして、晴忠は何故、誅されなかったのか?」

晴忠はその答えを得るために、もう1人の人物、同じく元・幕臣の所謂「親朽木派」と目され、共に義昭に誅されなかった「諏訪左近大夫将監」を呼び、三人で事の真相を推測する。

電子版特典:征夷大将軍足利義昭と幕臣達「最後通牒」

あらすじ

九州の島津家に滞在している足利義昭の元にある情報がもたらされる。それは、織田家の崩壊と怨敵である朽木基綱の隠居の報せだった。

義昭と幕臣達は、基綱の隠居の裏にある「狙い」を見定めようとする。あいも変わらず自分達の都合の言いように解釈しだす幕臣達だったが、兵部大輔の兄であり足利義昭に弟の裏切りを知らせた「三淵藤英」は、正確に「狙い」を読み解いて行く。

それは、基綱の隠居による影響が九州の情勢を動かす物であり、義昭を頂点とする幕府への「最後通牒」でもあるものだった。

 

おまけ

コミカライズ5話試し読み

コミック版第2巻収録の第5話がおまけ漫画として収録されている。第5話は、小説版1巻で収録された三好と足利との和睦成立後、将軍の居なくなった朽木家に触手を延ばして来る高島七島への対応が描かれている。

終わりに 

十巻までで、足利家との権力争い、上杉との関係、毛利との戦いの決着、織田家の混乱と一通りの事に決着が付き一段落した。残す所は、九州問題、奥州との関係、徳川の事ぐらいになってしまった。

その残りの問題の一つで、歴史の授業で習う戦国時代の有名人物「徳川家康」。web版では家康との決着はあっけなく付いてしまう。本作である十巻までに家康サイドの加筆が結構あったと思うので、次巻以降の朽木家vs徳川家での徳川サイドの会話を描いた加筆シーンが多くなる事を切に願いながら発売日を待ちたいと思う。

漫画版「淡海乃海」第一巻の紹介記事

もし主人公が朽木の当主にならなかったら…そんなIFを描いた「異伝:淡海乃海 羽林、乱世を翔る」の紹介記事はコチラ