【不可解で難解なストーリーの考察】
Chilla’s Art(チラズアート)氏による日本の民家を舞台にした和風ホラーゲーム「おかえり」。学校から帰宅した少女を出迎えた存在とは…
短編ホラーとなっており、1時間程度でエンディングを迎え手軽に遊べる作品になっている。
こちらは「Steam」で310円の価格で販売中。
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学校から帰宅する所から物語は始まる
最近新しい家に引っ越して来た中学生の少女。午後6時に学校から帰宅した少女は母が居ると思い「ただいま」と声を掛ける。しかし、その家には誰も居らず、少女を出迎えたのは不可思議な現象であった…
というストーリーがバックボーンとして存在し、プレイヤーは少女を操作し物語を進めていく。VHS風のグラフィックが特徴的で、まるでプレイヤーがビデオテープを再生し見ている感覚を覚え、不気味さと恐怖がより煽られる。
誰も居ない家と空かない部屋
家の中は静まりかえっていた。部屋を見て回る少女だが、なぜか各部屋には鍵がかかっていた。空いている部屋が無いか確認していると、何処からともなく鍵の開く音とドアの開く音が聞こえて来る。
その音に誘われる様に少女が部屋に入って行くと…
不思議な現象と鍵付の箱
逆さまになったリビングの家具、居ないはずの猫の鳴き声、床を走り回る足音、様々な出来事を体験する少女は親の部屋で鍵付の箱を見つける。そしてノートに書かれた5つの場所。鍵の暗証番号のヒントになると、5つの場所を見て回りながら5桁の番号を調べて行く。
そして、わかった暗証番号で鍵を開けた箱の中には、1通のメモが入っていた。その内容は「借金」について書かれていた。
まさか自分の家族が借金していた事とは知らなかった少女は、動揺しながらも家の中を彷徨う。そしてドアの開いた部屋が目に入る…今までは鍵が掛かっていたのだが…
クリックで表示:【ネタバレあり】開かざる一室
今まで開かなかった一室のドアが開いており、その中で自身の母親が首を吊っている所を目撃してしまう。血の涙を流しながら亡くなっている母の姿を見て、少女は涙を流し声を上げるのだった…
⚠ここからネタバレを含んだ内容と考察になっています。
エンディング「そして4時間後」
母親の側に置いてった1通の手紙、それを手に取ると視界は暗転する。そして4時間経過した後の物語から開始される。
そこはとある山道、辺りは暗く静寂に包まれていた。少女は山道を上って行き、ある神社に到着する…
クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
人の気配のしない神社の中には、一つの椅子と先が輪になったロープが天井から垂れ下がっていた。
少女はそこに近づき…
視界は暗転。ここで物語は幕を閉じるのだった…
理解不能な物語の考察
作中の考察ポイント1
母親がロープにより吊られている姿に違和感がある事(ロープの輪っか部分に手を掛けている点)から自分の意志ではない事が読み取れる。少女の家族は、この家に引っ越して間がない事からも、母親の最後の姿に自身の意思が介在していない事はほぼ確定。
首を絞められる際の抵抗行動が見て取れる。
作中の考察ポイント2
そして母親のメモと思われる物を見ようとした瞬間に視界が暗転、そして4時間経過する点。作中であれだけ独り言を言っていた主人公の少女が、4時間後から一言も喋らない事から、エンディング前にプレイヤーが操作する人物は少女でない可能性がある事。
物語の仮説:家に取り憑く怨霊による生者の魂奪取説
借金苦により精神が疲弊していた母親と、その母親の最後に深い精神的疲労を負った少女。この2人の心の隙を突き取り憑いた霊が、2人を亡きものにし、魂を抜き取ったという解釈。
上記で述べた2つの考察ポイント。そしてもう1つのポイントとして、メタ的な所を切り口とした制作者の兄弟がアメリカ育ちだという点。
海外では悪魔が人間の魂と取る時に、対象者の精神を追い詰め自暴自棄にさせ、その弱った精神を惑わし魂を悪魔に与える事を承諾させる(すなわち命を与える)という話がある。
この3つのポイントから導き出される仮説が、和風ホラーに海外の悪魔の魂を奪う方法を重ね合わせて制作された可能性が考えられる…のだが…
終わりに
和風ホラーとしての家に誰もいない不気味な雰囲気は良く表現されおり、和風ホラーにふさわしい「想像する恐怖」を感じさせてくれる。
しかし、画面が暗く見づらい点と物語全体については少し難解な部分もあった。
考察で述べた可能性もあるが、あくまで一個人の考えに過ぎず、公式な説明があるわけでもないため物語の不可解さは不明なままだ。
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