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SCPとは?その解説と、それをモチーフとしたホラーゲームを6作品紹介

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日本ではまだまだマイナーなコミュニティ組織「SCP財団」。ホラーが好きな人は1度は耳にした事があるだろう「SCP」という言葉。今回はその「SCP」についての解説と、それらをモチーフとしたホラーゲームを6作品ほど紹介。

 

SCPまたはSCP財団とは?

SCPとは、Special Containment Procedures(Google直訳:特別な封じ込め手段)の略称で、自然法則に反した存在や物・場所を取り扱う架空の組織の名称。それをテーマに扱う同名の同人コミュニティサイトでもある。

この自然法則に反した存在や物・場所を「SCP-〇〇」と〇〇の部分に番号が振られている。いわゆるSCP財団における事象の管理番号と言うわけである。

SCPの発足

2007年頃。英語圏のインターネット掲示板にて怖い画像に番号や設定を付ける、という遊びが流行した事が発端になっている。2007年当時はホラーがメインのジャンルとしていたが、時間が経つにつれてホラーからコメディなどの多岐に渡るジャンルが確立されていく事になる。

そして、初めは英語圏だけでの遊びであったが、年数が経つにつれ日本・中国など英語圏外にも広がりを見せ、世界的なコンテンツとして今なお成長を続けている。

SCPにおけるオブジェクトクラス

SCPの報告書には、テンプレートとして「オブジェクトクラス」と呼ばれる項が設けられている。いわゆる漫画の幽◯白書における妖怪の強さを「D〜S級」とランク付けで振り分けられている物と似た様なもの。

基本3クラスと呼ばれる危険度を3段階に評価したカテゴリと、副次的な3つのカテゴリ(サブクラス)の計6クラスで存在や場所の危険度を割り振られている。

・基本3クラス

Safe(セーフ)

現状において安全に収容方法が確立されている存在。もしくは、意図的に異常を発生させなければ問題ないと判断されている場所や物。ただし、絶対に安全というわけではない。

例えて言うなれば、檻に入っライオン。檻の外から見る分には安全であるが、意図的にライオンを檻から解き放てば決して安全ではないという事。

Euclid(ユークリッド)

十分に解明が進んでおらず、挙動に関して予測不能な存在が該当するクラス。

Keter(ケテル)

Safe・Euclid・Keterの基本3クラスと呼ばれるカテゴリーの中で一番ヤバい物が該当するクラス。財団および人類に対して敵対的な存在かつ、収容不可能のものが該当する。財団はこのクラスのオブジェクトの収容を目指しているが、最後の手段として破壊してしまう事もある。

・サブクラス

Neutralized(ニュートラライズド:中和された)

何らかの要因により、非活性化したオブジェクトに割り振られるクラス。

Explained(エクスプレインド:説明された)

科学の発展により解明されたものや、後に虚偽や記載ミスなどが発覚したものに付けられるクラス。

Thaumiel(タウミエル:Keterの対となる存在)

財団の中でも一部の者しか知らない最高機密のクラス。基本3クラスの「Keter」人類の敵対する存在に対抗できうるもののサブクラス名。

語源は生命の樹「Keter(ケテル)」の対となる存在「Thaumiel(タウミエル)」から取られている。本来タウミエルは邪悪な存在の最高位であるが、財団は神が齎す運命に逆らう最後の切り札として命名している。

主なSCPの紹介

SCP-173「彫刻-オリジナル-」

クラス:Euclid

二本足で直立した鉄筋コンクリート製の彫刻物。人類と敵対的な存在で、見ている間は動く事はないが目を離すと高速で移動し見た者を襲う。人類が鬼の「だるまさんがころんだ」の様な存在。

この画像がネットに投稿された事がキッカケでSCP財団が設立される。このため「起源-オリジナル-」とも呼ばれている。

SCP-035「取り憑くマスク」

クラス:Keter

劇で使われる様な白磁のマスク。一見普通のマスクだが、強い自我と被った者を腐食させる特性を持つ。その特性から、被った者は亡くなり、身体はマスクの自我に取り憑かれてしまう。

SCP−682「不◯身の爬虫類」

クラス:Keter

ワニの様な姿の爬虫類。ただし、そこらにいる爬虫類とは違い高い再生能力を持つ特性がある。高い知能も持ち、人の言葉を話す事も可能。さらに身体の欠損を再生する際には、外敵や周辺環境に適応する形で再生する事ができる。

この無敵具合から、SCPの創作活動においての一種のパワーの上限、インフレを抑えるための指標にもなっている。創作者達にとっての、越えてはならない一線としての存在。

 

SCPをモチーフとしたホラーゲーム

SCP-002「生きている居間」

クラス:Euclid

大きな球体をしている肉の腫瘍の様な物体。調査のため中に入っていった職員7名は誰1人として戻って来る事はなかった。外から中の様子を確認すると、安いアパートの一室に見える事と、家具が7つ置いてある様子を確認する事ができる。

戻らない7人の職員と、設置された7つの家具。この事から中に入った人は、この「生きている居間」により家具へと変えられてしまう事が推測された。

SCP-002「生きている居間」をモチーフとしたホラーゲーム

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ゲーム画面

ゲーム概要:SCP財団職員Dクラスの主人公が、施設に安置されているSCP-002「生きている居間」を調べる事を強要されてしまう。すべき事はリストに指示されている。このリストに載っているオブジェクトを調べる事が、今の主人公に唯一許されている行動だったが…

SCP-002の設定を忠実に再現した無料のホラーゲームになっている。設定上の肉肉しい部屋の中が上手く表現されており、実に気味の悪い雰囲気を放っている。

SCP-096「シャイガイ」

クラス:Euclid

自分の顔を直視、または間接的にでも見てしまった者をどこまでも追いかけ襲う人型生物。身長は2.38m・両腕が1.5mもある存在。下記動画は財団資料に添付された「シャイガイ」を捉えた投稿映像である…

SCP-096「シャイガイ」をモチーフとしたホラーゲーム

IOS版フリーゲーム

SCP 096 MODEST

SCP 096 MODEST

  • Ruslan Visaitov
  • Games
  • Free
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ゲーム画面

ゲーム概要:SCPを管理する研究施設でシャイガイが脱走をしてしまう。指定時間後に施設をロックしている扉の鍵が解除される。その解除されるまでの間、シャイガイの潜む施設内を隠れて、走って、逃げて、生きのびる事で施設からの脱出を目指す。

SCP-106「オールドマン」

クラス:Keter

老人の姿をしている基本クラスで最もヤバい「Keter」クラスにカテゴライズされた存在。ただの老人ではなく全身が腐敗しており、黒い粘膜で覆われた人型生物。オールドマンが触った物を腐食させる特性を持つ。

SCP-106「オールドマン」をモチーフとしたホラーゲーム

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ゲーム画面

ゲーム概要:3人称視点のホラーゲーム。若い男を襲う「オールドマン」、その背景に迫る物語を扱った作品。主人公は銃を装備しているが、このゲームに関して言えばその存在にあまり意味はない。

銃で対抗できうる存在に「SCP」の名は付く事はないのだから…

 

SCP-6789?「サイレンヘッド」

クラス:???

SCP-6789にカテゴライズされる人型生物「サイレンヘッド」。巨大で細身な身体をしているが、頭部分がスピーカーになっているのが特徴的な化け物。その特徴に添う形で、頭部から様々な音や声を出して獲物である人間を襲う。さらには、町中で見かける街灯等にも擬態する事ができ、日中はそれらに擬態している。

SCP財団からは認定されていないため、厳密に言えばSCPに含まれない。この化け物の制作者本人もSCPとしてデザインしていないと明言している。

下記動画はYouTubeで公開しているファンにより制作されたサイレンヘッドと邂逅してしまった時を撮影したフィルム映像である。

SCP-6789?「サイレンヘッド」をモチーフとしたホラーゲームまとめて「7作品」の紹介記事

ゲーム概要:VHS風の作品や、モノクロを基調とした作品など「サイレンヘッド」にまつわるホラーゲームを7作品紹介している。各作品の詳しい紹介も別途記事にしているので、興味のある人は是非にそれも読んでみてほしい。

SCP-1437「ここではない何処かへ通じる大穴」

クラス:Safe

地球上の何処かの砂漠地帯に存在する3m×3mの底なしの大穴。並行宇宙へのアクセスポイントになっており、SCP財団の警備員により常に監視されている。無断でこの大穴に近づく者は、拘束され記憶を抹消されてしまう。

SCP-1437「ここではない何処かへ通じる大穴」をモチーフとしたホラーゲーム

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ゲーム画面

ゲーム概要:プレイヤーはSCP財団によって厳重に管理されている大穴へ飛び込む事でゲームを進めて行く。長い長い底なしの大穴を落ちて行く際に様々な建物や存在と邂逅していく事になるホラーゲーム。SCP財団による設定や、何処までも続く大穴内部の雰囲気が非常に良く出来ている作品。

SCP−087「吹き抜けた階段」

クラス:Euclid

建物や地形など構造上の物理法則を無視し、ひたすらに下へ降り続ける事になる階段。踊り場のある階段であり、入り口は清掃用ドア等に偽装されている。階段の数は13段で降りると踊り場を介して180度向きが変わりながら下る構造をしている。普通のビルでよく見かける構造に近い。

この奇妙な空間には「SCP-087-1」の番号が振られた「ある存在」が息を潜めているらしいのだが…

SCP-087「吹き抜けた階段」をモチーフとしたホラーゲーム

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ゲーム画面

ゲーム概要:ある施設に設置されている重厚な扉。その向こうには無限に続く地下への階段が備えられていた。プレイヤーはこの階段をひたすら降り続ける事になる。初めは何も起こらない。しかし、居り続ける毎に、プレイヤーは不可解な出来事と遭遇する事になる。

というSCP-087「吹き抜けた階段」の設定を色こく表現したホラー作品になっている。無料で遊べるわりに、画質のクオリティーもかなり出来が良い。

 

終わりに

以上がSCPを題材にしたホラーゲームでした。SCPには、化け物だけでなく不可解な場所も含む幅広い不思議やホラーを扱ったコミュニティサイトであり、今回紹介した物だけでなくファン達により無数に設定が作られその数を増やしている。

興味のある人は、下記リンクより「SCP財団」日本支部サイトにアクセスできる。

http://scp-jp.wikidot.com/secure-facilities-locations-jp

誰しもが幼い時に考えた「物語の設定」を世界のファンで共有し楽しむ事を目的にしているサイトであり、設定を「読む」読み物としても良く出来ていて、娯楽の一つとしてその存在を知っておくのも面白いと思う。