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120年続く米国大統領への怨嗟「テカムセの呪い」

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1840年の大統領選挙から20年毎に起こるとされる「テカムセの呪い」。

自分達の生きる領土を奪われたアメリカ大陸の先住民であるインディアン達。彼らは奪った者達の指導者たるアメリカ大統領への怨嗟の中、先祖代々生きて来た領土を追われまたは命を落としていった。その怨みの声は、今も消えることなく続いているかもしれない。

今回はアメリカ大統領選に伴うジンクス「テカムセの呪い」を解説、さらに太平洋を隔てた日本や韓国にも似た様な呪いも存在し…!?。

 

 

テカムセの呪いとは?

西暦で20の倍数年の大統領選挙で当選したアメリカ大統領が、在任期間中に命を落としていることを「テカムセの呪い」という。

なおアメリカ大統領選挙は4の倍数年で行われる。4年・8・12・16・20年と必ず大統領選挙が行われ、この呪いは20年を節目に1サイクルでリセットされていく。直近は2020年の選挙で選ばれた大統領「ジョー・バイデン」が呪いの対象とされるが…。

また「テカムセの呪い」は、別で「0年の呪い」「20年の呪い」「ティピカヌーの呪い」「大統領の呪い」という名でも呼ばれる。

呪いの主はインディアン酋長

テカムセの呪いの主は、白人に領土を奪われたあげく1811年ティピカヌーの戦いでウィリアム・ハリソンに討たれたインディアン部族ショーニー族のテカムセ酋長本人か、または彼の弟である予言者のテンスクワタワ、テカムセの母親の3名の誰かが呪詛したものと言われる。

ただし、これに対し明確な証拠はない。

そもそも一連の災難の原因が「テカムセの呪い」である事を示す明確な科学的また文献的な証拠はないが、テカムセを討ったウィリアムが1840年の選挙で大統領に当選翌年の1841年に就任その後わずか31日で命を落とし、それから20年毎に当時の大統領が相次いで亡くなった事からテカムセに関連付けられる様になっていった。

またウィリアムの在任期間31日というのは、アメリカの歴史において現在まで続く最短就任期間でもある。

呪いの対象となった歴代大統領の末路

テカムセの呪いの犠牲者とされる歴代大統領達。

テカムセを討ったウィリアム・ハリソンが大統領に就任してから20年毎に当時の大統領が何かしらの原因で命を落とすようになる。

選挙年 大統領名 死因
1840年 ウィリアム・H・ハリソン 肺炎
1860年 エイブラハム・リンカーン 銃撃
1880年 ジェームズ・ガーフィールド 銃撃
1900年 ウィリアム・マッキンリー 銃撃
1920年 ウォレン・ハーディング 心臓発作
1940年 フランクリン・ルーズベルト 脳溢血
1960年 ジョン・F・ケネディ 銃撃

ここまで120年も続いた呪いだが、1960年のジョン・F・ケネディの銃撃以降、任期中に危ない場面があるものの、命を落とすまでの事例はない。

1980年 ロナルド・レーガン 銃撃されるも存命
2000年 ジョージ・W・ブッシュ 在任中は存命
2020年 ジョー・バイデン 在任中

1980年から40年3代に渡り命を落とした事件は起こっていない。ただしあくまで段々と呪いが弱まっていくといった印象で、危機一髪の場面は発生している。詳細は「呪いの消失」にて。

ロナルド以降、命を失う事例が発生していない事から「テカムセの呪い」は消失したのではないかと言われている。

 

呪いの消失

1980年以降、テカムセの呪いの対象年で就任した大統領で命を落とした者は出ていない。

とはいえ結構危ない場面もあり、1980年に当選したロナルド・レーガン大統領は就任して69日後に銃撃され心臓を掠める事件が発生、かなり際どかったが命を取り留めている。また20年後の2000年に選出されたジョージ・W・ブッシュは在任期間中に訪問したジョージアのトビリシ市庁舎前自由広場で演説中に手榴弾を投げられている(不発に終わる)、さらにプレッツェルを食べている最中に失神・昏倒するものの窒息◯は避けれた。

このように段々と呪いの威力は減少していき、ロナルド・レーガンで半ば呪いは外れブッシュ時代に完全に脱却したものと思われる。

実際に「テカムセの呪い」対象年の大統領で命を落としたのは7人で、その内4件は銃撃が原因となる。政治的背景による銃撃が多く、現在ほど警備体制が整っていない時代背景もあり、そもそも呪いは関係なく、あくまで偶然だという論調が現在では主流である。

それでも複数のキリスト教団体は、1980年のレーガン元大統領と2000年ブッシュ大統領、さらに遡り1920年以降の大統領達に対し安全を願う祈願を行なっていたと主張、自分達の祈りが呪いを破ったものと信じている。

テカムセの呪いに類似した事例

国のトップに対する呪いまたはジンクスは何もアメリカだけのものではない。海を渡った日本や韓国にも似た様な呪いは存在する。

日本は「改元の呪い」韓国は「青瓦台の呪い」と呼ばれ、政界内で畏怖を抱く者も少なくないとか。

日本の「改元の呪い」

アメリカほどのインパクトはないが、日本では元号が改元されると5ヶ月以内に首相は退陣に追い込まれるという呪い、もといジンクスが存在している。

日本は議院内閣制が始まってから現在まで4回元号が改元されており、そのうち明治から平成までの3回全てがこの呪いに当てはまっている。

・明治から1912年7月30日に「大正」に改元、当時の西園寺首相は、陸軍の増強を拒んだことから陸軍大臣が辞任、その後任を決めれず同年12月21日に内閣総辞職。

・大正から1926年12月25日「昭和」に改元、当時の若槻首相は、昭和金融恐慌に対する救済緊急勅令案を否決され翌年1927年4月20日に辞任。

・昭和から1989年1月8日に「平成」に改元、当時の竹下首相はリクルート事件に対する世論の圧力を受け同年6月3日に退陣。

1912年から始まる「改元の呪い」は政界内では密かに警戒されていた。それは令和への改元(2019年5月1日)でピークとなった。

のだが、元安倍首相は改元してから約1年4ヶ月後の2020年9月に辞任しているためこの法則に当てはまらなかった。アメリカ同様「呪い」は消失した事となった。

韓国の「青瓦台(大統領府)の呪い」

さらにお隣韓国でも同様の呪いが存在する。それは就任中に襲われるアメリカや日本とは違い、韓国では就任後になるのが特徴。

韓国の歴代大統領は就任当初こそ強大な権力を持つものの、対抗勢力によりスキャンダルが暴かれ国民の支持を失いレームダック(役立たず)化する。そして退陣後には、亡命・暗殺・逮捕・自◯など平穏な余生を過ごす事ができない、というもの。

これについては、大統領に権力が集まりすぎる政治システムの弊害を指摘する声が主流で、青瓦台の呪いと呼ぶのは主に中国と韓国ぐらいである。

以上がアメリカや日本、韓国のトップを襲う「呪い」でした。