1999年から約20年に渡り人々に恐怖を与えてきたジャパニーズ・ホラーの大人気代表作「呪怨」。その人気は海を渡りアメリカのハリウッドまで席巻した。
今回はそんなホラー映画「呪怨」の公開順や時系列一覧や世界観のカテゴリー分け、あらすじ(ネタバレなし)や予告動画をまとめて順番通りに一挙ご紹介。
呪怨とは
昨今では「犬鳴村」「樹海村」で知られる清水崇監督による劇場未公開のビデオ販売/レンタルのみから始まったホラーシリーズ。
一般的なホラー映画の特徴である一つの呪いを解除するために奔走していくというタイプではなく、一つの呪いに対し複数の人々が被害にあう様を短編として描いていくオムニバスタイプで構成される物語が特徴。
また「伽椰子」や「俊雄」といったインパクトのあるキャラクターも登場し、そのインパクトからリングに登場する「貞子」同様、他作品でのパロディ出演でもよく使われた。
ジャパニーズ・ホラーとして「リング」と双璧をなすホラー映画の代表作の一つ。
呪怨最大の特徴は特級怨霊の「伽椰子」や「俊雄」の存在
呪怨で登場する呪いの元凶であり日本で最も有名な幽霊の一つ。
他作品のホラー映画リングに登場する同様の霊である貞子はビデオや映像を介して人を呪うタイプの悪霊だが、伽耶子は後述する理由から基本的には呪いの家に踏み入れた者を呪っていくという場所に縛られた性質を持っているいわゆる地縛霊の類。
彼女達は元は生きた普通の人間であり、ビデオ版では嫉妬と怒りに狂った夫に命を奪われ怨霊化している。その強力な呪いの力で夫の命を奪い彼女が住んでいた家自体が呪いの家と化してしまい、そして足を踏み入れた者や、少しでも関わった者を片っ端から呪い◯す存在となってしまっている。
伽耶子の恨みはの力は非常に強力で、作品によっては街の人が丸ごと消えさる程の威力を発揮した。この点からも伽耶子は他の怨霊とは一線を引く高性能な力を持つのも特徴的。
呪怨シリーズ時系順のカテゴリー
呪怨は原則公開順=時系列順となるが、一部時系列はもとより世界観の繋がりがない作品もあり、同一の世界観などで作品分けすれば以下の4カテゴリーに分ける事ができる。
なお「白い老女/黒い少女」は公開日や俊雄がカメオ出演しているため、世界観は初代呪怨に含まれる可能性もあるが伽耶子は登場していない事も含め詳細は不明。ここでは独自のカテゴリーとして分類している。
初代呪怨の時系列カテゴリー
1999年公開:呪怨(ビデオ版) | なぜ呪いの家が生まれたのか?伽椰子誕生の物語 |
2000年公開:呪怨2(ビデオ版) | 前作の続き、呪いの伝染と拡散がテーマ |
2003年公開:呪怨(劇場版) | 呪いの設定や世界観はビデオ版準拠 |
2003年公開:呪怨2(劇場版) | 1999から続く呪怨物語の繋がりは一旦終了 |
呪怨ハリウッド版の時系列カテゴリー
2004年公開:THE JUON/呪怨 The Grudge | 基本日本版の展開をリメイク、伽耶子の設定に若干の変更あり |
2006年公開:呪怨パンデミック The Grudge2 | 日本版呪怨2の展開には続かず、ハリウッド用のオリジナルの展開に |
2009年公開:呪怨 ザ・グラッジ3 | 伽椰子の妹が登場、清水監督の関わりはなく劇場未公開でビデオ販売のみで展開 |
呪怨スピンオフ版の時系カテゴリー
2009年公開:呪怨 白い老女 | 伽耶子未登場で俊雄のカメオ出演のみ、黒い少女とリンクする物語 |
2009年公開:呪怨 黒い少女 | 白い老女とリンクするが呪怨本編との明確な繋がりはなし |
新呪怨の時系列カテゴリー
2014年公開:呪怨 終わりの始まり | 初代シリーズの続編でなく、呪いの元凶が伽耶子でなく俊雄へ変更した新呪怨といえる展開に |
2015年公開:呪怨 ファイナル | 呪怨単独シリーズとしては、ここで一旦終了 |
呪怨シリーズ累計11+1作品公開順一覧
伽椰子の原点「呪怨(ビデオ版)」
発売年 | 1999年 |
妻の出産を控え幸せ絶頂の教師の小林俊介だったが、一つだけ気がかりなことがあった。
それは自身のクラスの中で1人だけ不登校となっている生徒「佐伯俊雄」の家庭訪問が終わっていないこと。
どうしても母親である佐伯伽椰子と連絡がつかず日程が決められないままだが、小林はアポなしで佐伯家を訪問し…この時小林は、訪問を機に自身の幸せが崩れ去る事など露ほども考えていなかった。
シリーズ最初の作品は、劇場未公開のビデオ作品での展開。
ホラー映画としての完成度は高いものの、そこまで売れず大苦戦。ビデオ版「呪怨2」が発売され、徐々に怖いという口コミ評判が広がり無事ヒット作の一員に。
そして劇場映画として制作が決定した。
ビデオ版の続編「呪怨2(ビデオ版)」
発売年 | 2000年 |
霊感を持つ響子は、不動産屋に勤める兄に頼まれある家の様子を視る事となった。しかし、響子は怨嗟にまみれるその家は手に負えないと直感し逃げ帰ってしまう。
それから家が売れた事を知った響子はその家が気になり色々と調べ始めるのだったが、彼女自身や関係者、家に関わった者たちに不可解な出来事が起こり始め…。
前作は家に住む人間や、入ってしまった人間が呪いに蝕われていく様が描かれたが、今作はそれらに加えて呪われた人の家族や事件を捜査する刑事達にも被害が及ぶ「呪いの広がり」が特徴となった。
初の劇場公開作「呪怨(劇場版)」
公開年 | 2003年 |
キャッチコピー | 総毛立つ快感 |
大学生の「理佳」は福祉センターを通して介護ボランティアをしていた。ある日、「徳永幸枝」の担当者と連絡が取れなくなった上司に頼まれ、代わりに彼女の様子を見に行く事となった。
不気味な雰囲気や悪臭が漂う徳永家だったが、理佳は介護の仕事をこなしつつ2階の様子を見に行った時…。
設定上はビデオ版の続きの世界線。
ビデオ版の「怖い」口コミにより制作されるも、劇場公開版という事でビデオ版よりグロ要素は抑えめ、ゆえにホラー方向へシフトされているのか怖さはコチラが上か。
前作の続き「呪怨2(劇場版)」
公開年 | 2003年 |
キャッチコピー | 身の毛もよだつ絶頂 |
ホラークイーンの異名を持つ女優「京子」は、テレビの心霊番組の企画でレポーターの「三浦朋香」とディレクターの「大国圭介」と共に「呪われた家」と噂される都内の一軒家を訪問する事となった。
その帰り道、撮影に関わった者達の身に異変が起こり始め…。
本作のエンディングからも、ビデオシリーズから続く同一の世界観も一旦ここで完結。
次作は海を超えハリウッドリメイクへ。
呪怨は海を渡る、ハリウッドリメイク「THE JUON/呪怨 The Grudge」
公開年 | 2004年(米国) |
キャッチコピー | これが、世界最恐の呪怨だ!! |
東京の大学で福祉を学ぶ留学生「カレン」は、ある家に向かい連絡不通となった関根洋子の代わりにその家へ行ってほしいと頼まれる。
以前は佐伯家と呼ばれたその家は、現在ウィリアム家が所有し寝たきりのエマ・ウィリアムズが放置されていた。
そんな家を訪れたカレンは、そこでこの世ならざる恐ろしい何かを見てしまい…。
日本のジャパニーズ・ホラーの流れを組みハリウッド映画化、それに伴い伽椰子の設定も若干変更に。
ハリウッドリメイクでもメインの舞台は日本のまま、あくまで海外留学生が体験する伽椰子の恐怖という物語。
ハリウッド版の第2弾「呪怨パンデミック The Grudge2」
公開年 | 2006年(米国) |
キャッチコピー | ついに始まる、恐怖の爆発感染 |
東京で暮らす学生「アリソン」は友人たちに連れられ、呪われた家として有名な一軒家を訪れる。アリソンは肝試しの最中、友人達のイタズラで2階の押入れに閉じ込められてしまい…。
一方、日本留学中の姉カレンが入院していると知った妹の「オーブリー」は、姉を連れて帰るため東京にやってきた。しかし姉は病院の屋上から転落し命を落としてしまった。オーブリーは姉の身に何が起こったかを知り、あの家へと向かったのだったが…。
前作からの直接の続編。
ビデオ版1→2と同じく個人への呪いから呪いの連鎖という流れは一緒。呪怨の生みの親である清水崇監督が関わるのも本作までとなった。
ハリウッド第3弾はビデオ専用「呪怨 ザ・グラッジ3」
公開年 | 2009年(米国) |
キャッチコピー | 呪いの連鎖は、血で終わらせる |
シカゴで起こった一家惨◯事件の生き残りジェイクが、精神病院で不可解な死を遂げる。
一方、東京に住む伽椰子の妹「ナオコ」は姉の悪夢に悩まされていた。そんな時、不意に目にしたシカゴの事件が伽椰子と関係があると直感したナオコは、呪いの連鎖を断ち切るべくジェイクの家があるシカゴに向かい…。
ハリウッド版第3弾。前作で清水崇監督の関わりは終わっているためか、本作は劇場公開されずビデオスルー(ビデオ販売のみ)となる。
残念ながら清水監督なしの影響か、ネットレビューはあまり良くない。
スピンオフ作品「呪怨 白い老女」
公開年 | 2009年 |
キャッチコピー | 呪いつづけて、10周年 |
クリスマスケーキを配達していた文哉は、ある一軒家を訪れていた。
「今から行く」
この返事のみで一向に取りに来ない事を不審に思った文哉は、鍵の開いた玄関から中に入って様子を伺う事に。
そして2階に少女の首なし遺体を発見してしまい…。
10周年を記念し呪怨作品が復活、ただしあくまでスピンオフとなるため伽椰子は登場せず。俊雄のカメオ出演のみ。
同年に公開された「呪怨 黒い少女」とリンクする世界観だが、直接の繋がりはほぼない。
白い老女とリンク「呪怨 黒い少女」
公開年 | 2009年 |
キャッチコピー | 怨みつづけて、10周年 |
看護師として働く「裕子」は、芙季絵という少女の担当をしている。だが彼女の担当になってから不可解な体験もするようになっていた。
そんなある日、芙季絵が眠る病室から「あ゛あ゛あ゛あ゛」という呻き声が聞こえてきた。担当する少女の病室の異変、裕子は恐る恐る芙季絵の病室に入り彼女が掛けている布団をめくると…。
呪怨のスピンオフ作品で「呪怨 白い老女」とリンクする構成。こちらの作品も伽耶子は登場せず、本作は彼女を中心とした呪怨ではなく、別の者による呪怨を感じさせる正にスピンオフといった作風。
伽耶子の設定一新「呪怨 終わりの始まり」
公開年 | 2014年 |
キャッチコピー | 肌が粟立つ恐怖の極点。日本発、世界を絶叫させた最恐ホラーシリーズ、再誕! |
急遽、小学3年生のクラス担当を務める事となった「生野結衣」は、不登校の生徒「佐伯俊雄」がいる佐伯家を家庭訪問し、俊雄の母、伽耶子に会うのだったが…。
それから結衣の身の回りで不可解な事が起こり始め…恐怖を感じる結衣だったが、まるで導かれるように再び佐伯家に足を踏み入れ…。
前作から5年ぶりに公開された呪怨に連なる新作映画。
今までの作品との繋がりは一切ないため、伽椰子の設定や呪いの家の場所も変更されている。(初代は俊雄の担当は小林だが、本作は生野となっているなど)
さらに前作までは、あくまで呪いの元凶は伽椰子だったが本作からは俊雄に変更、呪いの家の住所も練馬区の設定から川崎市に移っている。
シリーズ完結「呪怨 -ザ・ファイナル-」
公開年 | 2015年 |
キャッチコピー | 最恐が、終わる |
ホテルの客室係として働く「生野麻衣」は、ある晩に妹が不気味な少年を伴い訪れてきた夢を見た。
翌日、結衣の失踪を知った麻衣は妹の事を調べ、受け持っていたクラスの不登校児「佐伯俊雄」の家を頻繁に訪れていた事を知った。妹失踪の鍵となる佐伯俊雄を捜索しだすのだったが、その日を境に彼女の周囲で不可解な出来事が起こり始め…。
新設定となった前作「呪怨 終わりの始まり」の続編。呪いの家も無くなったとしても伝染した呪いは残り続けるのか?
タイトルにファイナルを冠している事からも、一応「呪怨」シリーズ単体としての映画はここで終わりを迎える。
最凶vs最恐「貞子vs伽椰子」
公開年 | 2016年 |
キャッチコピー | 呪い勝つのは、どっちだ!? |
見ると2日後に命を落とす呪いのビデオを見てしまった女子大生、入ると必ず命を落とす呪いの家に入ってしまった女子高生。
そんな彼女らの呪いを解くべく異端の霊能力者「常盤経蔵」と助手「珠緒」は、異なった呪い「最凶」と「最恐」を激突させ、元凶たる貞子と伽椰子を同時消滅させる策をしかけるが…。
1年ぶりの呪怨?ではなく、あくまで呪怨のキャラクター「伽椰子」が登場するスピンオフ作品に近い映画。
一時期流行っていた「VSシリーズ」の日本版といった映画。ジャパニーズ・ホラーの代表作である「リング」に登場する「貞子」と「呪怨」に登場する「伽椰子」のどっちが果たして強いのか?その疑問に答える一品。
ちなみに伽椰子の設定は初代のビデオ劇場版に準拠する形、俊雄の一部の設定がアメリカ版のものとなっている。
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