「13日の金曜日」が、なぜ不吉•縁起が悪いと言われるのか?。日本では馴染みが薄いが、海外映画での知識として知っている人も多いと思う。
そんな13日の金曜日だが、なぜ不吉とされるのか?その理由を「13」という数字、「金曜日」という曜日、2つの視点から13日の金曜日が不吉とされる所以に迫っていく。
- なぜ13日の金曜日が不吉と思うのか
- 13の数字が不吉とされる理由
- では13日のみでなく、なぜ金曜日も含まれたのか?
- 13日の金曜日が不吉といわれる正体は「確証バイアス」
- と思いきや、実は13という数字は日本でも昔から不吉な数字だった
- 終わりに
なぜ13日の金曜日が不吉と思うのか
なぜか世界には13日と金曜日に共通し不吉な伝承がいくつか存在する。
過去の人々がその伝承をもとに様々な著作物を作っていった結果、どことなく13日の金曜日は不吉では?という何となくのイメージが定着していった。
では、なぜ13という数字と金曜日という曜日が不吉とされているのか。
これには昔の神話や出来事が関わっているとされるが、現在において確かな定説はない。それでも13と金曜日が不吉とされる所以にいくつかの仮説は存在している。
まずは13という数字が不吉とされた理由を追ってみよう。
13の数字が不吉とされる理由
イエス・キリストが亡くなった日と裏切りのユダの存在
イエス・キリストがはりつけにされたのが13日の金曜だった。
キリスト最後の晩餐で、13番目の席に着いたのが「裏切りのユダ」だった。
この様に、キリスト教において不吉な出来事に「13」という数字が付いて回っている。この事から「13」という数字が不吉とされている。そして世界で最も多い信徒がいるのがキリスト教のため、キリスト教徒以外にも認知され広まっていったという説。
北欧神話の一遍
12人の神達が宴を催していた時に、13人目の招かれざる客「ロキ」が現れる。そのロキは冬と闇を司る神「ホド」を唆し、善神といわれる「パルドル」を襲わせた。その出来事をヴァルハラ神は大いに悲しんだという。
この神話から、晩餐会に13人が集まると碌な結果にならないと示されている。イエス・キリスト最後の晩餐で13番目の席についた人物「裏切りのユダ」にも通じる伝説の一章が由来。
テンプル騎士団壊滅の日
フランス全土に散らばるテンプル騎士団を壊滅させるため、フィリップ4世から秘密裏に作戦命令書が全国に出回った。そして、その作戦の決行日が1307年の10月13日金曜日だったためという説。
テンプル騎士団はキリスト教巡礼者の保護や支援目的で設立された組織であり、その組織の壊滅ともなればキリスト教にあたえた影響は計り知れない物があったのは想像に固く無い。不吉であると認知されるには十分である。
では13日のみでなく、なぜ金曜日も含まれたのか?
創世記に記された人類の原罪説
最初の人間とされるアダムとイヴ。この2人が蛇にそそのかされ禁断の果実に手を出した事で、神に楽園(エデン)を追われる事になった。
人は知恵と善悪を知る事ができたが、代価として楽園から地上に落とされ人生という苦楽を経験していくこととなった。いわゆる人類が負う事になった原罪であり、楽園から追放された日が金曜日だったとする説。
女神フレイヤが原因説
金曜日(Friday-フライデー-)の語源とされる女神フレイヤの存在が司る金曜日を不吉とした説。
そもそも女神フレイヤは美や知など様々な才溢れる女神で、本来は忌まわしい存在ではなく不吉と言われる謂れは全くない神様である。
しかし人々がフレイヤの美貌に誘われてしまう事から、昔から金曜日に結婚式などの祝い事は避ける風習があった。後世にその祝い事を避ける名残りから、金曜にネガティブな印象が伝わっていったというもの。
教会を追われた魔女の集会説
教会を追われたフリッグ(Frigg)が11人の魔女と悪魔を招き、毎週金曜日に集会を催していたために不吉な曜日として定着した。
またFriggも金曜日「Friday」の語源の一つではないかという説も。
13日の金曜日が不吉といわれる正体は「確証バイアス」
確証バイアスとは
認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと。
認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている。
引用元:wiki
簡単に言うと、占いの結果において近々悪い事が起こると言われる→2日後、自転車でこけてしまい怪我をする→そういえば昨日は財布を落としてしまったな→占いは当たるしすごい!という思考のこと。
自転車でこけてしまう事も財布を落としてしまう事も日常生活をしていれば占いの有無に関わらず遭遇する現象である。しかし確証バイアスにとらわれると、この出来事を占いの結果だと過大評価してまう。
13日の金曜日にも同じ事が言える。
海外において
キリスト教の影響の強い欧米では、何か不吉な出来事が起こると13日や金曜日に日付についつい結びつけて考えてしまっているからだろう。
テレビで占いを見た結果が悪くその日に何か良くない出来事があれば、占いの結果と結びつけて考えがちで、その典型的な日付が「13日の金曜日」だっただけである。
13日の金曜日だ→何か悪い事があると、今日は13日の金曜日に結びつけ思い出す→やっぱ13日の金曜日は不吉なんだ…という具合。
このようにキリスト教徒や北欧神話の影響が大きい海外では、何か良くない事があるとその原因として、13という数字と金曜日に結びつける様になってしまったのだろう。
日本において
キリストや北欧神話に縁のない日本においては、13や金曜日に忌避する感覚は基本的には存在しない。どちらかと言えば死を連想する4や、苦しいを連想する9が不吉な数字としては強い。
しかしホラー映画「13日の金曜日」がヒットした影響や、海外からの様々な情報の流入によって「13日の金曜日って不吉らしいじゃん?」という様な形で認知され定着していったのだろう。
と思いきや、実は13という数字は日本でも昔から不吉な数字だった
日本での13日の金曜日は、映画の影響で不吉なイメージがあると記述したが、実は日本においても13という数字が全く不吉なものと関係ないわけではなかったりする。
日本での不吉な数字として代表的なものは前述でも記載した通り4と9がある。これは4が人の亡くなる漢字を連想し、9は苦しいの「く」の字を連想させる言葉遊びからである。
そしてこの4と9を足すと…偶然か世界の流れから来る必然か、欧米でも不吉とされる13という数字が浮かび上がるのだ。
この事から日本ある地域での風習として、山小屋などに13人が集まってしまった際に13という数字を避けるために14人目の身代わりとなる藁人形などを部屋に置く風習が残っている地域もあるのだ。
終わりに
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正直日本人には馴染みの薄い出来事が多い。日本人にこの「13日の金曜日が不吉」とイメージがついたのは、映画「13日の金曜日」のジェイソンのイメージが大きいのだろう。
それでも面白い事に日本にも、部屋に集まる人数が13だと不吉であると認識している地域も存在している。偶然そうなっているのか、または日本にキリスト教が伝わった際に一緒に伝わったのか、謎である。ノアの方舟伝説、似た様な洪水による伝説がどこの国にもある事から、もしかしたら13日の金曜日という物も、同じく世界中で不吉な出来事が起こった世界の真理なのかも知れない。