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ホラーゲーム【深夜放送】元ネタ紹介・とーこの正体考察・3つのエンディングの解説や出現方法をご紹介

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【エンディング解説・とーこの正体トナコ説への考察】

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深夜のラジオ放送。定番ネタである「ホラー話」が思わぬ事態を招いていた。ラジオ放送直後、命を失った弟に何があったか調べるため、兄である主人公が事件のあったラジオ局を訪れる。今回はそんなホラーゲーム「深夜放送」を、あらすじからゲームの元ネタ、作中登場「とーこ」の正体考察などを一挙紹介。

 

 

ゲームの特徴

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ラジオの深夜放送が題材となったゲームという事もあり、物語の謎に迫るアイテム「ラジオテープ」を集めていき、物語に登場する犠牲者の身に何が起こったのか真相を探るホラーゲームとなっている。このラジオテープは、ラジオ番組の1コーナー「ホラー話」が収録された物になっており、このラジオをフルボイスで楽しめる。

本クリエイター「チラズアート」氏の初期作品「事故物件」では同じように犠牲者の身に何が起こったかを探るアイテム「日記メモ」を集める作風だが、こちらは字幕オンリーとなっており、本作の進化具合が伺える。

ダウンロード方法

2021年10月31日からPCゲームの配信サイト「Steam」にて定価479円(税込)でダウンロード販売中。購入ページの詳細は下記リンクより。

物語のあらすじ

プロローグ

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弟の「まさき」が亡くなったと連絡があった。朝はいつも通りの姿を見せていたのに…。原因は不明、自ら命を絶ったのではないかとの事で警察はそうそうと捜査を打ち切った。だが信じられない。あの夜。あの放送で何かあったに違いない。俺は自分で弟の身に何があったか調べる事にした。

今回はラジオ局が併設された村が舞台。主人公であるプレイヤーは軽トラックを運転し各場所を巡り、弟の身に起こった出来事の真相を探るホラーゲーム。この各地を回る際に、さまざまなホラー現象がプレイヤーの身に襲いかかってくる。

山奥ラジオ

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主人公は自分の部屋に置いてあったラジオ局からの手紙に従い、オーナーである「橋本」家の郵便ポストから「ラジオ局の鍵」を入手し、ラジオ局内に入る事ができた。

無人となっている局内、テープ保管室に置かれた1つのテープが目に入る。そのテープが置かれた場所は血のようなシミができている。主人公は、局内に置かれている再生機を使い、そのテープを再生した。

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不穏な音楽が流れ出した。弟の声だ。ラジオコーナー「ホラーな話」の収録テープだった。それはリスナーから送られた怖い話を紹介する内容であり…。

ラジオネーム「とーこさん」からの投稿。

彼女の霊感のある小学校時代の同級生の話。初めはモヤの様な物しか見えていなかったその子は、年齢を重ねるほど霊感が増していき、だんだんとはっきり見える様になったとの事だ。

そんなある日、その子の学校帰りに「こんばんは」と声を掛けられた。見知らぬおじさん、彼は「家まで送ってあげるよ」と言い強引にその子を連れて行こうとした瞬間、おじさんはある一点を見つめては叫び声をあげ走り去ってしまった。その子が、おじさんの見ていた方向を見てみると、いつも見かけていた幽霊が佇んでいたのだった…。

幽霊に守られたのだろうか…。

な"な"の"い"ち"

くぐもった声が聞こえてきた。

この様なテープが後6本あるみたいだ。主人公は、なぜかあと6本のテープを探さなくてはならない使命感を覚える。弟の身に起こった出来事は、このテープに関係しているはずだ。

7つのラジオテープ

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街中を彷徨いながらも、各地で隠された収録テープを集めていく。テープを集めれば集めるほど、主人公の周囲で不可解な出来事が起こり始める。それでも、弟の亡くなった原因を突き止めるため、途中で帰る事はしなかった。

そして全てのテープを集めた時、この事件に裏にある「ある人物」の怨念が姿を現す。

 

⚠ここからエンディング・ゲーム内容におけるネタバレを含んだ内容になっています。

 

 

3つのエンディング

エンディング1「婚約者」

6本目のラジオテープを聴いた以降、山奥ラジオ収録室の机の資料の間に挟まっている「トナコの闇」を自分で読む事で迎えるエンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

最後の投稿ホラー「トナコの闇」を読んだ瞬間、収録室は赤い液体で水びだしになっていた。どんどん量が増えてくる水の中から、白いフードを被った人物がこちらを見ており、手をかざしてきた。

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その瞬間、主人公の視界は暗転する。

意識が無くなる直前、主人公の目には、白い顔、白い髪の女性の顔が視界いっぱいに広がるのだった…。

エピローグ

治男が亡くなった。そう聞いたのは、彼が弟の亡くなった原因を探しにいった次の日の出来事だった。

結婚の約束をしていた。

そんな彼が簡単に亡くなるはずはない。調べなければ、彼の亡くなった理由を…。

エンディング2「警察官」

7本目のテープの逆再生を直し、ラジオ局で再生する。弟が音読した「トナコの闇」を聞く事で迎えるエンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

この手紙を読んだ事が原因で弟は亡くなったのだ。そう確信した主人公は、山奥ラジオで調べる事はなくなり、局を出て家へと帰るのだった。

エピローグ

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ある朝、まさきの兄「治男」が1つのテープを持ってきた。

「これを聞けば、まさきの亡くなった原因が分かるはずだ」

俺は、そう告げる治男と一緒にテープを再生してみる。しかし、いくら再生していっても何も流れる事なく無音であった。

「そんなはずは…」

そう独り言を言う治男は、1枚の手紙を渡し

「この手紙を声に出して読んだから弟は亡くなった」

そう真剣な目でこちらを見つめ、治男は去っていってしまった。

 

警察をからかっているのか?

手紙を読むだけでそんな事が起こるなんてありえない。

そう思う俺に後輩が声を掛けてきた。

「何してんですか?先輩」

俺は、治男から言われた事を後輩に話す。

「迷信なんて信じてるんですか?」

 

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そう告げる後輩は、俺から手紙を受け取り読んでしまった。

 

何も起こらなかった。

 

ほっとした瞬間、後輩の叫び声をあげ倒れてしまった。

そのまま後輩は亡くなってしまった。

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エンディング3「トナコの闇の都市伝説」

山奥ラジオ所有地の謎を解いて入手したボイスレコーダーを手に持った状態で、逆再生を直した7本目のラジオテープを聞く事で迎えるエンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

最後の投稿ホラー「トナコの闇」を読んだ瞬間、収録室は水びだしになっていた。どんどん量が増えてくる水の中から、白いフードを被った人物がこちらを見ており、手をかざしてきた。

視界が暗転する最中、主人公は手に持ったボイスレコーダーに「トナコの闇」の危険性を訴える。決して読んではいけない。自分たち兄弟の悲劇を繰り返さないためにも…。

エピローグ

その後、ネット掲示板では「トナコの闇」の話で盛り上がっていた。

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そして最後はこう締め括られていた。

21

〉〉3 「トナコの闇」を声に出して読んだ人は亡くなるんだよ。

 

 

ラジオネーム「とーこ」の手紙の内容

ここでは、ゲーム中で集める事となるラジオテープに収録された内容を一挙解説。後述する「とーこの正体」にも迫る根拠ともなる。実際にゲーム中で流れる音声内容からかなり省略しているため、原文を楽しみたい人は実際にプレイする事推奨。

1本目の再生

ラジオネーム「とーこ」さんによる小学校時代の同級生の話。

本記事:物語のあらすじ「山奥ラジオ」参照。

2本目の再生

ラジオネーム「とーこ」さんによる従兄弟の話。

家族が病気にかかり従兄弟は、無力感からの苛立ちと不安から情緒が不安定となり不登校になってしまった。そんな彼女の希望は、親友の存在。小学生からの付き合いで、不登校になってからも毎日家へお見舞いに来てくれ、色々な話をしてくれた親友の存在は希望だった。

そんなある日、いつも来てくれていた時間になっても彼女が来る事はなかった。やきもきする中、外の遠くから救急車のサイレンが聞こえてきた。ちょうどその時、家の電話が鳴り響く。電話口からは彼女は事故で命を失ってしまった事を連絡する内容だった。

従兄弟は絶望、自ら命を絶とうとするも、親友の顔が目の前に現れた事で自分で命を絶つ事をやめたそうだ。それ以降、親友の姿を見る事はなかったらしい。


3本目の再生

ラジオネーム「とーこ」さんからの投稿。友人が高校生だった時、家族が入院してしまい毎日お見舞いに行っていた時に体験した出来事。

その病院は総合病院で大きく、かなりの数の病院関係者が出入りしていた。ある日、いつもは見かける事のなかった看護師が家族が入院している病室から出てくるのを目にする。気になった友人は、家族に「新しい看護師が入ったの?」と聞くも、家族からは「知らない」との返答、自分の見間違いかと思ったが隣のベットのおばさんが「病院だから色々あるのよ」と声を掛けてきた。

それから数日。家族が居る病室から、あの時見た看護師が出てきた。以前とは違い、その看護師の傍には隣で入院していたあのおばさん居て、彼女の手を引いていた。

家族に隣のおばさんの事を聞くと、さっき一人で出ていったと言うので、友人はあわてて追いかけたそうだ。おばさんに必死に声を掛けるも反応はなく、エレベーターに乗った時に友人がおばさんの手を掴む事ができた。その瞬間、手を引いていた看護師がこちらを睨み消えていったそうだ。


4本目の再生

ラジオネーム「とーこ」さんからの投稿。最近知り合った同じバイトの同僚の話。

兄弟が入院し気落ちしていたが、その子は兄弟のためだと毎日病院へと通い看病していたそうだ。いつもの様に病室へ向かうと、その日は兄弟の担当医が病室の前で待っていた。その子は別室に連れて行かれ「もう長くはありません」…そう担当医から告げられる。

兄弟が待っている病室へ向かう、兄弟はいつもの様に笑って迎えてくれた。残された少ない時間、その子はできるだけの時間を兄弟と共に過ごそうとした。

それから3ヶ月、病室へ向かう際に小さな女の子に「おかあさん」と声を掛けられた。その子は違うよと返事をすると、女の子は泣き出してしまったらしい。その子は不憫に思い一緒にお母さんを探してあげる事にした。すぐにお母さんはつかり男の子を渡した。母親はその子に「体調が悪そうですが、大丈夫ですか?家が近いので私の家で休みませんか?」と告げてきた。

その子は言葉に甘え、家で休ませてもらう事にした。気がつくと病院の面会時間がなくなりそうだった。急いで家を出るも、挨拶をし忘れた事に気がつき振り返ると、そこには先ほどまで休んでいた家は存在していなかった。

時間に押されたその子は気にする事なく急いで病院へ着くも、病院の前には兄弟に似た小さな男の子いた。その子に近づくと「僕が苦しかった時、何してたの?」と言った様に聞こえた。そして入院していた兄弟は亡くなっていた。

大声で泣く私に何か入ってくる感覚を覚えた。それから、ずっと兄弟に見られている感覚を覚えている。そう、ずっと…。

4本目のラジオテープから主人公の弟である「まさき」は、送られてきた手紙の異変に気がつき始める。書かれたホラー話の文字に「カタカナ」が混じっており、文章の構成が今まで送ってくれていた「とーこ」さんと違う様で困惑する様子も録音されていた。

5本目の再生

ラジオネーム「とーこ」さんからの投稿。誰の話か不明。

両親なんて初めからいない。そう思っていた。

私には弟しかいない。友人も親戚も誰も私周りには誰もいない。

いや、居なくなっていた。

許せない。

怒りは全てに向かう。

みんな…みんな不幸になればいい。

いつも決まったかんに手紙を書いた。

丁寧に。

見える物を全て取り込んで。

そうした手紙は相手に響く。

相手の読んだ顔を見るのが好きだった。

私たちの世界ヘちそうを用意して。

弟は隣にいる。弟が眠ってしまいできなかった事を。

るしみを…。

あなたに会いにいきますね。

 

………………テガミヨミマシタカ?


6本目の再生

ラジオネーム「とーこ」さんからの投稿。物語のタイトルは…。

………………

ラジオの収録音声は、ノイズに潰されてしまい詳細は不明。


7本目の再生

ゲーム中最後に入手するテープの収録音声。この内容は、「トナコの闇」というタイトルの手紙になる。この物語は口に出して読んでしまうと不幸が訪れる物となっており、誰が読むかによってゲームエンディングが分岐していく。

 

物語の考察

元ネタとなった都市伝説

4本目のラジオテープから、投稿者による手紙の中にカタカナが混じるようになる。そのカタカナだけを抜き出すと「トミノノジゴク」という単語になる。このトミノノジゴクは、今から約100年前に発売した詩集「砂金」に収録された実在する詩の題名である。

この詩は、声に出して読んでしまうと呪われてしまうと言われており、発売から80年経った2000年代から盛んに噂されるようになった実在する都市伝説の一つでも有名。

ゲームのクリエイター「チラズアート」氏は、このマイナーな都市伝説をモチーフとして今回のゲームを制作したと思われる。この詩の背景には、トミノの地獄の作者の亡くなった妹に宛てた詩とも言われ、本作の物語に共通するワード「兄弟」にも関連付けたストーリーにしたのだろう。

ラジオネーム「とーこ」の正体「トナコ」説の考察

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本記事では、「とーこの正体はとなこ」であり、呪いの手紙「トナコの闇」はとーこの世の中への憎しみ、自分の中に存在する闇を綴った手紙である…可能性が高いと考察している。その結論へ考察する上で以下のポイントと仮説を設けている。

考察のポイント

作中に登場する事実 導かれる可能性
4本目の手紙の文章から、弟の「まさき」は今まで送ってくれた人と同一人物が訝しむ。そしてその文面内に主観である「私」というワードが登場する。 4本目からとーこ自身の体験談が綴られている。
5本目の手紙が、明らかに自分の思いを綴っている事。内容に「丁寧に見える物全てを取り込んで、そうした手紙は相手に響く」「相手の読んだ時の顔が好きだった」という文が書かれている。 とーこは相手に響く手紙の書き方を心得ている。
ラジオネーム「とーこ」さん。 あくまでラジオネーム(異名)であるため、とーこ≠トナコではない。

とーこ=トナコという結論への考察

5本目に収録されている「とーこ」からの意味不明な「見える物を全て取り込んで」という文章。

これについて、そもそも現実的に「見える物全てを取り込む」なんて事は不可能である。そのため仮説として「1本目から収録されている「とーこ」の手紙が、実は自身の体験談だった」と仮定し解釈する。そう仮定すると、とーこは霊感を持っている、すなわち現実で見える物以外の全てが見える様子がわかる。

送られた手紙がとーこの体験談である仮説の根拠

この仮説の根拠として、作中でとーこの心情を書いたと思われる手紙の中に「私の周りには弟以外誰もいない。いや、居なくなっていた。」と書かれた段落がある。今まで送られてきた手紙で、親友、家族が亡くなったであろう描写が存在する事から、5枚目の自分の心情との文章とつじつまは合うので、仮説を導く根拠としている。

この「手紙はとーこの体験談」仮説だと、5本目の手紙に書かれた「見える物を全て」は、現実に存在する物質的な意味ではなく、幼い時から自分にだけ見えている「霊的なもの」と解釈する事が可能となる。

この解釈から「霊的に見える全てを取り込んで書いた手紙」を「世の中の全てが憎いと思う心の闇」とが合わされば、読んだ人の命を奪う手紙も完成しそうではないだろうか?

そして、エンディング1と3のラスト、主人公の意識が無くなる寸前に「真っ白に染まった女性の顔」が目の前に出現する。この事を「相手の読んだ時の顔が好きだった」と手紙に書かれていた事を思い浮かべれば…まさに、トナコ(とーこ)は、手紙「トナコの闇」を読んだ相手の顔を覗き込んでいるように見えないだろうか…。

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さらにこの「ラジオに送られた手紙がとーこ自身の体験談」の仮説が合っていれば、1〜4本目の収録テープに送られた内容が、とーこの幼少時代→中学時代→高校時代→社会人時代と成長していく過程の体験を綴った文章だったと捉える事が出来るのだが。

 

終わりに

本作は、前作「帰り道」に引き続き、ストーリー重視のホラーゲームであった。作風としては同クリエイターの過去作品「事故物件」にも共通するものがあり、ホラーな雰囲気を楽しむウォーキングホラーな面と、亡くなってしまった大事な人が体験した事を追体験する2重のホラー要素が絡み合った面白いホラゲーとなっていた。

また、丁寧に細かく作られており、なんとも考察しがいのある作品でもあった。

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