東京行きの新幹線で起こった異常。異常があれは戻って進む間違い探し系ホラーゲーム「新幹線0号」。
そんな新幹線0号に登場する緑色に発光する眼を持つ存在の正体や、そもそも新幹線0号とは何なのか?ゲームの紹介やダウンロード方法、あらすじなどを加えて一挙考察。
ゲームの紹介
今作は一時期ブームとなった「異常があったら引き返す」系のホラーゲームと同じタイプの作品。
舞台は東京行きの新幹線の車両。
間違い探し系の他のゲームとは違い、本作新幹線0号では「異常があったら引き返す」「異常があったら進む」の2パターンに加え、物語性に定評があるチラズアート作品独特のある姉弟の物語もスパイスされた作風が特徴。
ゲームのダウンロード方法
Shinkansen 0 Out Now!
— Chilla's Art|チラズアート (@ChillasArt) 2024年3月23日
「新幹線0号」発売しました🚄🎉https://t.co/Yy0Cw2oBnl
2024年3月23日からPCゲームの配信サイト「Steam」にて定価800円(税込)でダウンロード販売中。購入ページの詳細は下記リンクより。
8番出口ライク+少々のホラー要素。今までの作品と比べて、大分ホラー要素が薄く感じました。
異常を全て見ることを考えるとボリュームあるように思えますが、ホラー要素を欲している方は、少々物足りないかもしれないです。
8番出口ライクでしたが…テイストが異なりチラズ色の異変探しといった印象です。
間違い探しですが、ストーリーを進める流れが強く従来のチラズホラー感は薄めなライトな仕上がりです。
ただ物語は多くを語らない、考えさせる脚本でした。¥800ですが、グラフィック含め充分と感じます。面白かったです。
8番出口が良かったなら、このゲームも楽しめるかと。
個人的にはストーリーや少し増したホラー要素もあり、こっちの方が好きでした。
物語のあらすじ
ループする新幹線内で1人の少年と出会った主人公。
「また会ったね」
「お兄さんはゲームをしにきたの?」
「ルールは一つ、変わった事があったら戻るだけ」
「ゲームの終わらせ方は先頭の0号車に行ってブレーキをかける」
「かんたんでしょ?」
主人公は7号車から始まり、先頭車両である0号車を目指すのだったが…異変の裏には家族の悲しい物語が隠されていたのだった。
普通車編「異変があったら戻る」
一番最初のステージは「普通車編」からスタート。このステージは8番出口同様に異変があったら前の車両に戻る事で次の車両へ進み、異常がなければそのまま車両を進み0号車を目指すタイプ。
グリーン車編「異変があったら進む」
普通車両を抜けると到達するエリア。異変があったら戻るタイプの普通車とは違い、グリーン車では異変があったら進んでいく逆の仕様。
普通車とは違い、だるまさんが転んだ系の異変や迫り来る車内ワゴンを回避するタイプの異変など少しアクションを必要とするものが追加される。
⚠ここからエンディング・ゲーム内容におけるネタバレを含んだ内容になっています。
2種類のエンディング
通常エンディング
到達条件:普通車とグリーン車を進んで行き0号車の運転席でブレーキをかけ後ろの光るドアから出る事で迎えるエンディング。
特にストーリーもなく、そのままエンドロールが流れる。
トゥルーエンド
到達条件:0号車でブレーキをかけた後、光るドアから出ずに車両を戻って行き、最初にゲームのルールを教えてくれた少年の隣で寝ていた女性に話しかける。
彼女と新幹線で起こる異常を止めるため、手分けして再度先頭車両の運転席を目指す事になるが、この時に主人公が「普通車の先頭にいく」選択をし到達すると迎えるエンディング。
トゥルーエンドでは、ルールを教えてくれた少年と隣で寝ていた女性が何者だったのかが判明。
クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
無事に新幹線で起こった異変の原因を止める事に成功した主人公は、なぜか車内にいたはずの少年と女性が駅のホームに居る光景が目に入る。
少年「お兄さん、ぼくはもう大丈夫だよ」
少年「そうだ、お兄さんも一緒に来る?」
女性「来ない方がいいと思います」
女性「私たちに何が起こったかわかる気がします」
女性「ありがとうございました」
女性「私たちはもう行きますね」
そして主人公は簡易に作られた医務室で目を覚ます。
どうやらエコノミー症候群で倒れていたらしい。
たまたま車内に居た医師のおかげで助かったとの事だ。
誰かと電話している駅員の会話が聞こえてきた。
少年とその姉と思われる女性が列車事故に巻き込まれ命を落としたという内容だった。
新幹線0号の考察
考察1:新幹線0号は三途の川
トゥルーエンディングに向かう途中、主人公は普通車がグリーン車のどちらかの運転席を目指す必要がある。
グリーン車の運転席を目指すと光に包まれ強制エンドロール、普通車の運転席を目指すと現実世界で目を覚ます。
この事から新幹線車内は三途の川に近い世界で、グリーン車の先頭を目指す毎にあの世に近づき、逆サイドの普通車の先頭を目指す毎にこの世に近づいている事が考察できる。
そして普通車の運転席を目指すと追いかけてくる存在は、主人公をあの世へ連れて行こうとする死神や鬼なのかもしれない…(後述に考察あり)。
そう考えると、主人公がグリーン車に向かった世界線では、この女性は生還を果たしていたのかもしれません。
考察2:通常エンディングはあの世だった
前項で述べたグリーン車の先頭に進むとあの世に近づく考察。
この説があっていればグリーン車の運転席にブレーキをかけて光るドアから出る事で迎える通常エンディングの意味が変わってくる。
それは主人公がゲームには勝ったものの現実世界ではエコノミー症候群でそのまま亡くなり、光に包まれ天(あの世)へと召されたバッドエンドだったのだ。
考察3:少年がゲームのルールを知っていた理由
主人公に新幹線のルールを教えてくれる少年。
なぜこの子は新幹線で起こっているゲームのルールを知っていたのか?
「3回間違えるとお化けがくるから気をつけてね」
新幹線を進む主人公に教えてくれる少年からの助言、なぜ3回間違えるといけない事を知っているのか、それはすでに自身の生還をかけたゲームに挑んでおり3回間違えてしまった経験からきた助言だったのだろう。
考察4:新幹線0号のモチーフは「8番出口」と「◯の◯◯」
少年の隣で寝ていた女性は物語終盤まで起きてこない。そして少年だけが起きており主人公にルールを教えてくれる。
このゲームは同じくループ間違い探しゲーム「8番出口」をモチーフにしているが、もう一つモチーフになったのではないかという日本の伝承がある。
それは「賽の河原」と呼ばれる物語だ。
この物語は、亡くなった子供が行くとされる三途の川の河原で子供はここで両親の供養のため石を積み上げるが完成間近で鬼が現れ絶えず石の塔を崩され終わらない、最後には弥勒菩薩が現れて子供を救うというもの。
ここで重要なワードは「子供」「終わらない(ループ)」「弥勒菩薩が子供を救う」の三つ。
そう子供である少年はループする新幹線を体験し続け、主人公(弥勒菩薩)が現れた事でループが終わり姉である女性と共に救われたという賽の河原のモチーフが隠されていたのではないだろうか。
そのため、子供ではない姉(女性)は、賽の河原の対象ではないため物語終盤まで意識を失っていたのではないでしょうか。
考察5:緑目スーツ人の正体
グリーン車編で登場する緑に発光する眼を持つ謎の人物。どう控えめに見ても只者ではない。途中で出会う84歳の老人も信用するなと警告を発するこの存在の正体は。
新幹線で現れる異常の源であり元凶、この世に戻ろうとする者を邪魔する死神や鬼とも言える存在である。
そう考察できる根拠として、まずはこの画像を見てほしい。
左の画像が緑色に発光する眼を持つ人物の手の拡大画像、右の画像が普通車で遭遇する異変の一つだ。両者とも黒いマニキュアをしているのが見てわかる。
さらに主人公が普通車の運転席に向かう途中で追いかけてくる髪の長い存在。実はこの存在をよく見てみると、黒いマニキュアをしているのだ。
これらの共通点から、グリーン車で座る緑色に発光する眼を持つ存在は新幹線で現れる異常の源であり元凶、また死神や鬼とも言える存在であるのだろう。
ちなみに考察冒頭で記述した新幹線は三途の川説の補足と合わせて、三途の川ではあの世からこの世に戻ろうとする者には鬼や夜叉が邪魔をするという伝承がある。
まさしく新幹線の車両を引き返す主人公(この世に戻ろうとする者)の姿と、それを邪魔しようとする存在(鬼や夜叉)の姿に重なっているようにも思えないだろうか?
以上、新幹線0号に残された謎の考察でした。