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チラズホラー【誘拐事件】エンディングとピエロの正体考察

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【エンディング解説・物語の謎考察】

チラズアートホラーゲーム「誘拐事件」。

前作ほど本作には考察余地はないが、作中で登場したピエロの正体やオープニングの謎を物語を解説しつつちょびっと考察。

 

 

ゲームの紹介

今作はフルボイス。チラズアート過去作品「帰り道」同様に子供を操作し物語を進めていく。ただし、帰り道でもそうだった様に今作は「家庭問題」にモチーフが当たっており、メンタルにダメージ(胸糞)を受ける場合があるため注意が必要。

※このゲームには暴力シーンや一部グロテスクな表現が含まれています。苦手な方はご注意ください。

引用元:Save 10% on [Chilla's Art] The Kidnap | 誘拐事件 on Steam

この表記もあるため、これ系も苦手な人も注意してください。

ゲームのダウンロード方法

2023年10月31日からPCゲームの配信サイト「Steam」にて定価1200円(税込)でダウンロード販売中。購入ページの詳細は下記リンクより。

主なレビュー

前作から約2ヶ月という驚異の速度でリリースされたチラズアートの新作。

タイトルからも分かる通り、前作と同じくヒトコワ系のホラーになります。(むしろサスペンス寄りかも?)今までのヒトコワ系は女性店員、女子高生、女性配信者と、女性主人公が多かったが、今作の主人公は男子小学生。

描かれるテーマは中々に重く、過去作だと『行方不明』に近い印象です。

引用元:https://store.steampowered.com/

チラズアートほんと面白いな…

今回の誘拐事件も最高でした、、、

引用元:https://twitter.com/

今回も楽しませてもらいました!最後の緊張感はここ最近で体験出来てないぐらいいいものです。

カードもすべて集めて、昔からいるメンバーが神のカード、過去作品が魔法みたいになってて面白かったですね。

強いて言うならおじさん視野狭くない?wぐらいですかね。

引用元:https://store.steampowered.com/

 

 

物語のあらすじ

さらお

母親に罵倒され落ちていたハンマーを持つさらお

「さらお」は窓を木の板で塞がれた薄暗い部屋で過ごしていた。

母親に産まなければよかったと罵倒される日々。

そんなある日、さらおは部屋に転がっているハンマーで罵倒してくる母を…。

れんや

7月3日

母親の姉への罵倒

れんやは夜中に目を覚ました。布団の中央は黄色く染まっている。

おねしょをしてしまった。彼は母に報告すべく、部屋を出て母の部屋へと向かった。

途中、母親の寝室のドア向こうで姉と母親が会話している。授業参観についての相談の様だったが母親は姉に向かって罵倒し、しまいには産まなければよかったと叫んでいた。

ここのステージ構成は、チラズアート過去作品「おかえり」に非常に似ています。特に2階部分の廊下はそのままです(記憶が確かなら)。

9月1日 

ゴミが散乱した家。母親が出て行って帰って来ない家。

姉はご飯の準備をしていた。れんやは、自分の仕事となった洗濯を済ませる事に。ちょうどご飯の準備も終わった様だ。れんやは姉と一緒に、母親のいないテーブルを囲んで食事を済ませたのだった。

そんなテーブルの上には、母を喜ばすため満点を取った姉のテスト用紙が。

9月5日

この日、れんやは夜中に起きた。出しっぱなしの洗濯物を片付けるも、家の中には母親は当然として姉の姿もなかった。

心配したれんやは雨が降り頻る中、外に出て姉を探し回るのだった。

9月8日

あれから姉は帰って来ない。それでも学校の授業に行かなくてはいけない。

学校の掃除の時間、踊り狂った友達、真面目に掃除する女子、れんやはみんなと一緒になって教室の掃除を済ませた。

そして帰りの会が始まった。先生からは知らない人に着いて行かない様注意があった。

いつもの友達と帰りの途中、友達の1人まさひろが公園でかくれんぼしようと言い出した。れんや、けいじ、こひめはじゃんけんで鬼を決めて遊んだのだった。

その途中「ねぇねぇ遊ぼうよ」

子供に声をかけるおじさん

そう声を掛けてきたおじさんもいたが、れんや達は一緒に遊ぶふりして彼を置いて帰ってしまった。

みんなと別れた後、れんやは森の中で不審な者「ピエロ」を見かける。気にせずに家路を急ぎ、母も姉もいない家で勉強をしていた時、森の中で見かけたピエロがドアからこちらを覗いていた。

ドアの隙間からこちらを覗くピエロ

そしてピエロとのゲームが始まったが…。

誘拐事件

飼い猫「たま」の鳴き声で目を覚ました。たまの姿はない。くまなく家の中を探すれんやは、外から何者かが侵入した痕跡を見つけてしまう。

その後は押し入れへと続いており、襖を開けるとたまがいた。近づくと…。

「見ーーーーつけた」

学校帰りに話しかけてきたおじさんが目の前に、そして意識は暗転してしまった。

次に目を開けると、そこは車内で運転席にはおじさんが。そして隣には姉が。連れて行かれた先は知らない家。

れんやは姉と一緒に逃げようとするも、当の本人が

「私は、おじさんに誘拐してもらったの」

おじさんに誘拐を依頼した姉の動機

といい拒絶。姉は母が自分を気を引くためだけに誘拐を頼んだようだ。

 

⚠ここからエンディング・ゲーム内容におけるネタバレを含んだ内容になっています。

 

 

2つのエンディング

リトライエンディング

本作では作中で選択した行動によって「リトライエンディング」と「トゥルーエンディング」へと分岐する。

リトライエンディングはゲームオーバーとは違い、一つの結末を迎えるがゲームはやり直しといった具合。そしていくつかの選択肢は、このリトライエンドへと収束するのも特徴。

お姉ちゃんに従ったリトライエンド

おじさんに連れ去れれた後、姉からは何もするなと釘を刺されてしまう。その後の選択肢で「姉に従う」を選んだ場合のリトライエンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

誘拐犯の家でカレーを作る姉

あれから2週間経ったが、今も姉と誘拐犯の家で暮らしている。

学校は面倒になるからと行かせてもらっていない。

姉の計画はよくわかないが、このままでもいい気がする。

そんな時、チャイムが鳴り響く、れんやが玄関のドアを開けると…。

訪ねてきた警察官

警察に事情を話したが、子供の言う事など信じてもらえず誘拐犯は捕まってしまった。

警察は母親に連絡をしている様子だった。

母が警察署まで迎えにきてくれた。

姉と一緒に自分の家へ帰る途中、姉は母に構ってもらって嬉しそうだっだ。

しかし、自宅の中へ入ると母は急変。姉とれんやを罵倒しだしてしまう。

「どうでもいいあんたたちのために、なんで私がこんな事をしなくちゃいけないのよ!!!!」

そう言い残し家を後にする母。その後ろ姿を見て姉が一言。

「なんで…」

そう言っていた。

トゥルーエンド

連れ去られた後での選択肢「お姉ちゃんに頼れない、助けを呼びに行く」→「ほんとに行く」を選択する事で家からの脱出ルートへ。脱出した先での選択肢いかんによって、そのままトゥルーエンディングを迎えるか、リトライエンディングになるかに分岐。

脱出後の分岐 「けいじくんの家」「まさひろくんの家」「左の道」へ行く

おじさんと姉に見つからない様に家から出て自転車に乗り逃走。途中の交差点で3つの選択肢が選べる様に。その選択によってエンディングが分岐していく。

選択肢:まさひろくんの家・けんじくんの家への場合

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

このモノローグと共に姉とれんやは警察署へ

お姉ちゃんに従った場合での警察署に母が迎えにきた時の流れに、そこからの展開もほぼ同じ。

警察署に迎えにきた母親に、自分に迷惑かけるなと罵倒され姉が絶望しリトライへ。

選択肢:左の道→自分の家へ

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

視界が暗転し何かにぶつかる音が響き渡る。

目を開けるとそこには車が。どうやら車とぶつかったらしい。

心臓が高鳴る音を聞きながら、れんやは必死に道路を走って逃げる。

後ろから「なんで逃げるんだよー」という誘拐犯の声が。

必死に自分の家へ逃げ帰るも…。

迫り来る誘拐犯

結局捕まってしまい…。

選択肢:左の道→こひめちゃんの家へ

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末

児童相談所で働くこひめちゃんの母は親身になって話を聞いてくれた。

れんやと姉を保護してくれる事になった。

その後こひめちゃんの母は姉の話もよく聞いてくれ、れんやたちは児童養護施設で暮らす様になり、おじさんの話もあがることもなく、おじさんを見ることもなくなった。

エンドロール

養護施設での生活もしばらくし、施設に母が迎えにきてしまう。

帰りの車内でれんやと姉を罵倒、彼女は迷惑をかけるなと自分の体面しか気にしない。

母は誘拐犯にも腹を立てているらしく、そのまま直接文句を言いにいったのだったが。

誘拐犯を罵倒する母親

暴言も途中、母が彼の肩に手を掛け押した瞬間、彼はその手に持った鎌を振り上げ…。

泣き崩れる姉、倒れ伏す母、れんやはその光景を前に口がにやけてしまうのを隠す事が出来なかったのだった。

オープニングシーンの謎と誘拐犯の正体考察

物語中盤から終盤にかけて登場してきた誘拐犯。その正体はオープニングで部屋に閉じ込められていた少年「さらお」その人。これらは以下の2点を見る事で明らかになる。

・れんやの閉じ込められた部屋の間取り

物語終盤、れんやが閉じ込められた部屋はオープニングで登場する「さらお」が居た部屋と同じ間取り、かつ布団の柄やバスケ道具が置かれているなど、ほぼそのまま。

・押し入れに置かれた誘拐犯の母の日記

誘拐犯宅に置かれた日記

母親の懺悔が込められた日記。子供を閉じ込めている事、子供の名前が「さらお」である事が記されている。

これらのことから誘拐犯の正体は「さらお」であり、屋根裏で見られる白骨化した◯体の正体は彼の母親のものである事が確定する。

※この母親だが、白骨化は一部分ななため冒頭のシーンは比較的最近の出来事であることも判明。

れんやが見たピエロの謎を考察…単純に「悪夢」なだけ?…いや

ここでは作中で登場した謎の存在「ピエロ」の正体を徹底考察。単なるホラー要素としての存在なのか?果ては別の意味が込められた存在なのか?

果たして…。

ただ単に演出としての「悪夢」説

れんやの前に現れたピエロ

学校の放課後、自宅へ帰る途中でれんやはピエロを見かけてしまう、その後、自宅で勉強している彼の前にそのピエロが登場、なぜか時間内に風船を割るというゲームをさせられる事に。

このピエロの正体だが、普通にれんやが見た「悪夢の象徴」と思われる。根拠として。

・れんやがピエロとのゲーム後、ベッドから目覚めるシーンがある事。

・一般的なイメージとして、ピエロは子供を拐かす象徴の一面がある事。

が上げられる。たぶんチラズアート氏による「子供」「誘拐」のタイトルテーマからくる演出の一つかと。

読者様からの考察提供「れんやが産み出した空想上の仲間」説

前述で本作に出てきたピエロは、単にれんやの悪夢と記載したが本記事のコメントでもある通り

・れんやの通う学校で「ピエロ」が出る噂が流れている事。

・実績解除のタイトルが「Bye(さようなら)」であり、れんやが満面の笑顔である事。

・れんやとこひめちゃんの会話「変な人がでてほしい」という発言が、彼の袋小路の現状を打開する何かを切望していると考えられる事。

これらから、ピエロの正体は「れんやの母からの◯待という自分では何も出来ない状況を打開してくれる何かを切望する気持ちと、学校で聞いた「ピエロ」の噂が深層心理下に混ざり合いあの幻(空想上の仲間)を産み出した」。そしてエンディングの笑顔は、その自分の中に産み出した空想上の仲間(ピエロ)が表層に出てきたという事なのだろう。

倒れ伏す親を見て微笑むれんやの口元

また、さらおもれんや達も親から散々「産まなきゃよかった」と言われており、その対比の存在としての演出「空想上の仲間を産み出してよかった(EDの笑顔)」という考え方も面白いかも?

提供された考察内容は本記事コメントで。

ちなみに作中で遊べる2Dゲームのタイトルは「came over」。日本語訳は「やってくる」です。これはピエロの事を指しているのか、果ては誘拐犯のことなのか…。

終わりに

前回考察した今作は心霊系ホラーになるという予想は大ハズレとなりました。

前作から打って変わってスチームでのレビュー評価は全体的に低め。そのため2ヶ月間隔という短い期間での発売による作品のクオリティへの影響を心配している人も。

個人的には最近の作品はヒトコワをモチーフとした作品が続いているため、そろそろチラズアート過去作「花子さん」系のホラーが恋しい…。

前作、Vtuberを襲った恐怖を描いたホラーゲーム「パラソーシャル」

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