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映画【天使と悪魔】レビューと鑑賞した評価

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秘密結社「イルミナティ」とカトリック総本山「バチカン」

ある出来事により、数百年前から続く両者の因縁が、21世紀に表面化する

天使と悪魔 (吹替版)

題名:天使と悪魔

公開:2009年

時間:138分

あらすじ:10億人のカトリックを束ねるローマ教皇が亡くなった。バチカンには全世界から枢機卿や信徒が集まり、次の教皇を決める「コンクラーヴェ」が開催される事になった。その一方でスイスにある研究所では「反物質」の生成実験が行われ、かつてない大きさの「反物質」を作り出す事に成功する。喜びも束の間、何者かに「反物質」は盗み出されてしまう。前回の事件によってバチカンから睨まれていた「ロバート・ラングドン」の元にバチカン警察が訪れる。ある事件への捜査協力の依頼だった。バチカンの元に届けられたアナグラムと脅迫状を見たラングドンは、それが秘密結社「イルミナティ」の犯行であると見抜く。そしてバチカンに向かった「ラングドン」は脅迫犯から届けられたビデオメッセージを目にする。そこには捕われた4人の枢機卿の姿と、スイスの研究所で盗まれた「反物質」の存在だった…

 

鑑賞後評価

  物語:★★★★

  推理:★★★

  演出:★★★

  印象:★★★★

  総合:★★★★(3.9)

 

前作『ダ・ヴィンチ・コード』の続編映画。監督も引き続きロン・ハワードが務める。ちなみにパッケージの『天使と悪魔』像は架空の石像。

紹介

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今作は約400年前の「教会」と「イルミナティ」の因縁を元にした物語。かつては教会により迫害された科学者達が寄り集まって設立した組織「イルミナティ」。その「イルミナティ」を異端とし壊滅に追いやった「バチカン」。数百年前の因縁が時を越え現代に蘇る。

前作の『ダ・ヴィンチ・コード』よりフィクション性が増している。今作に主に登場する過去の偉人は「ガリレオ・ガリレイ」。地動説を唱え、天動説を推奨する教会の裁判により、その生涯を軟禁されて過ごせざる得なかった偉人。その人物の書く著書が今作の「キー」となる。

ローマ教皇がどのような選出をされるのか。「ガリレオ・ガリレイ」と「イルミナティ」の関係とは?宗教とは一体なんなのか?そんな事を全体を通して考えさせられる作品になっている。

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ガリレイ・ガリレイとは

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DarkWorkXによるPixabayからの画像

イタリアの物理・天文・哲学者。二つ名「天文学の父」。今では常識である、太陽の周りを地球は回っている「地動説」の提唱者。「天動説」を唱える教会から異端の認定を受け裁判になり有罪に。その際に嘆いた言葉「それでも地球は回っている」は有名な言葉。実は「地動説」を初めて唱えた人物ではなく、「地動説」に科学的根拠をもたらし復活させた人物だったりする。その前にはコペルニクスも「地動説」を提唱している。

見所

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劇中に出て来る小道具や撮影セットの「歴史ある伝統様式」と「近代技術」の融合がうまく表現された物の数々が素晴らしかった。物語で「バチカン」の地下の警備室にラングドン教授は赴く事になるのだが、そこでの監視映像室と伝統的な銃剣などが並べられている構図の対比が、何ともミスマッチであり、それが逆に教会の歴史の長さの中に埋もれている様が、初めて見た時には「衝撃」を感じれる。まさしく「今昔の調和」が見所の一つ。

難点

紹介でも記述した様に、今作はフィクション性が増している。そのためか前作より現実世界とのリンクが少ない。出て来る美術品は実在の物ではあるが、劇中に出て来る「ガリレオ・ガリレイ」の著書が実在するのか怪しい。推理や考察の中心に位置してくる物が真偽不明な物だと、作品全体の雰囲気にフォクション性が強くなってしまっている所が少し残念。

前作での「イエス・キリストの隠された秘密」に比べるとどうしても今回扱うテーマは見劣りしてしまう。小説版では「天使と悪魔」の次回作が『ダ・ヴィンチ・コード』になるため、小説通りの順番で見ていれば、また違ったとは思うが。

秘密結社「イルミナティ」が全面に押し出されているが…「ネタバレ含むため割愛」…な所も不満点の一つ。

 

観賞後評価

ミステリー作品としての完成度が高い。劇中に教皇選定の儀式「コンクラーヴェ」の結果を見ようと集まる信徒達や、その時のローマ全体雰囲気の演出は高クオリティ。ローマ教皇については日本のニュースで見る事はあるが、誰がどう選出しているかは知らなかったため、本作でその一端でも理解できた事は勉強になった。

ただ枢機卿が4人誘拐され、午後8時から1時間毎に誘拐犯に手を掛けられてしまうのだが、その時間設定にだいぶ無理やり感が出てしまっている。8時に1人犠牲になり、次の9時までの1時間で、バチカンの地下にある書物から次の犯行現場を推理し急行するのだが、1時間で書物の山からヒントを抜き出し、推理し次の現場への移動時間を考えたら無理じゃない?と思ってしまった。そのため観賞後評価は★(3.9)

イエス・キリストの隠されたタブーに迫る。前作『ダヴィンチ・コード』