
トム・ハンクス主演映画「ダ・ヴィンチ・コード」「天使と悪魔」「インフェルノ」。ダン・ブラウン原作小説の映画3作品のあらすじを一挙に紹介。
「レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐」「秘密結社イルミナティとバチカン教会」「ダンテの神曲:地獄篇」など、史実と虚実を織り交ぜた本格サスペンス映画。
⚠【ネタバレ】を含む内容です。未視聴の方はご注意ください。
キリスト最大の秘密が明かされる『ダ・ヴィンチ・コード』
| 公開 | 2006年 |
|---|---|
| 時間 | 174分 |
| 監督 | ロン・ハワード |
| 原作 | ダン・ブラウン |
| 主演 | トム・ハンクス |
| 興行収入 | 7億6000万ドル |
| 評価 | ★★★☆☆(3.3) |
全世界での累計興行収入7億6000万ドル、日本円にして約884億円(2006年円ドル為替レート年間平均116.3円)の大ヒットを記録した。
これは2006年公開の映画で2番目に高い興行収入で、ハワード監督の作品で最も高い興行収入となる。ちなみに本作を上回る興行収入を記録したのはパイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェストの約10億6617万ドル(日本円で約1,240億円)。
💡 本作の影響
記録的な興行収入を達成した一方、キリスト教のタブーに触れかねない内容から、物議を醸し、国によっては上映禁止や上映の反対運動が行われた。

ルーヴル美術館の館長ジャック・ソニエールは、何者かに襲撃され銃弾を受けてしまう。死の間際、彼は一つの暗号めいたメッセージを残した。
宗教象徴学の権威であるロバート・ラングドン教授は、フランス警察の要請でルーヴルに呼び出される。そこで彼が目にしたのは、ソニエールが残した不可解な暗号だった。だが警察の態度から、ラングドンは自分が殺人の容疑者に仕立てられていることを悟る。彼は、ソニエールの孫で暗号解読官でもあるソフィー・ヌヴーの助けを得て、美術館から脱出し、暗号の解読を試みる。
解読の末に浮かび上がったのは「レオナルド・ダ・ヴィンチ」と「モナ・リザ」を示すメッセージだった。2人はモナ・リザに隠された鍵を発見し、警察の追跡をかわしながらルーヴルを後にする。その鍵は貸金庫のものであり、金庫には“聖杯”にまつわる新たな暗号が収められていた。さらなる手がかりを求めて訪ねたのは、専門家リー・ティービング。そこで彼らは、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』に秘められた衝撃の謎に直面するのだった。
クリックで表示:【ネタバレ】物語の結末

物語の最大の暗号として登場するのが、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』である。中央の「赤い服と青い肩掛けをした人物」はイエス・キリスト、その左隣の「青い服にピンクの肩掛けをした人物」はヨハネだとされるのが通説だ。
しかし本作では、ヨハネの女性的な佇まいやキリストとの衣装の色彩的な対比、さらに両者の間に不自然に空いた「▽逆三角形」の空間に注目する。
この逆三角形は宗教的に女性の子宮を象徴するとされ、ここから“聖杯”とは杯ではなく「女性の子宮」を指すのではないかと推理される。
つまり「聖杯の暗号」に隠された真実とは、「マリアの棺の在処」を示すものであると考えられたのだ。
やがて、ラングドンはソニエールの孫で暗号解読官のソフィー・ヌヴーこそが、隠された血脈 ――すなわち「イエス・キリストの子孫」であることを知る。そして、“聖杯”に秘められていた本当の意味は「マリアの棺」ではなく、「キリストの血脈を示す証」であったと明らかになる。

物語の結末では、ソフィーは代々キリストの血脈を守ってきた修道会の人々と合流し、自らの運命を受け入れてその場を去る。一方ラングドンはルーヴル美術館へ戻り、導かれるようにルーヴル・ピラミッドの地下へと向かう。そここそが「マリアの棺」が眠る場所であると悟り、物語は静かに幕を閉じる。
カトリック教会と秘密結社イルミナティの確執『天使と悪魔』
| 公開 | 2009年 |
|---|---|
| 時間 | 138分 |
| 監督 | ロン・ハワード |
| 原作 | ダン・ブラウン |
| 主演 | トム・ハンクス |
| 興行収入 | 4億8000万ドル(日本円約560億円) |
| 評価 | ★★★★☆(3.5) |
💡 実は順序が逆な天使と悪魔
実写化ではダ・ヴィンチ・コードが第1作、本作が第2作となるが、原作小説では第1作が本作で続編がダ・ヴィンチ・コードで実は順番が逆。
実写映画ダ・ヴィンチ・コードの続編で、主人公は引き続きラングドン役のトム・ハンクスが演じた。
ダ・ヴィンチ・コードがキリストの血統なら、本作はキリスト教の総本山バチカンがテーマ。

10億人の信徒を率いるローマ教皇が亡くなり、教会は次の教皇を決める「コンクラーヴェ」の開催を決定した。その一方で、スイスの研究所から、他の物質と接触すると大爆発を起こす危険な「反物質」が盗まれてしまう。バチカンには「ある組織」から脅迫状と暗号が届き、その解読をラングドン教授に依頼することになる。
ラングドンは、この事件に「秘密結社イルミナティ」が関与していることを見抜き、バチカンへ向かう。そこで目にしたのは、誘拐犯からのビデオメッセージで、誘拐された4人の枢機卿と、スイスの研究所から盗まれた反物質の存在だった。
クリックで表示:【ネタバレ】物語の結末

4人の枢機卿は20時から1時間ごとに犠牲となり、深夜0時に反物質を宙に浮かせるバッテリー磁石の電池が切れ、ケースと接触して大爆発が起こることになる。
限られた時間でラングドンは、イルミナティのメンバーであった「ガリレイ・ガリレイ」の書物から次の犯行現場を予測しようとするが、あと一歩のところで間に合わない。唯一「バッジア枢機卿」は助け出せたが、とうとう深夜の0時を迎える。
ついに時間切れになる間際に反物質の保管場所を特定するが…すでに時間切れで、バッテリー磁石の交換に間に合わず、あきらめかける一同。しかし、前教皇の右腕「マッケンナ(カメルレンゴ)」は反物質を抱えヘリでバチカン上空に向かい、そのまま脱出。上空で爆発した反物質により市民に被害は及ばなかった。

その英雄的行動により、他の枢機卿達から次期教皇に推薦される。
しかし、今回の事件はすべてマッケンナ(カメルレンゴ)によって仕組まれたことが判明。
すべてが明らかとなり、逃げられないと判断したマッケンナは自らその身を焼き亡くなった。バチカンはこの事実を公表せず、誘拐された枢機卿とマッケンナは事故で亡くなったと発表。唯一ラングドンに助けられたバッジア枢機卿が次期教皇となり、物語は幕を閉じる。
💡 タイトルの意味
映画のタイトル「天使と悪魔」とは、この「マッケンナ」の信徒(神に仕える)としての天使の側面、陰謀の首謀者としての悪魔という二面性を示している。
世界は地獄の劫火へ焼かれてしまうのか『インフェルノ』
| 公開 | 2016年 |
|---|---|
| 時間 | 121分 |
| 監督 | ロン・ハワード |
| 原作 | ダン・ブラウン |
| 主演 | トム・ハンクス |
| 興行収入 | 2億2000万ドル(日本円約256億円) |
| 評価 | ★★★☆☆(3.2) |

イタリアのフィレンツェにある病院で目を覚ましたロバート・ラングドン。記憶がはっきりしない彼に、医師は「逆行性記憶障害」により、過去48時間の記憶がないことを告げる。頭部に銃弾がかすった跡があることから、イタリア警察が事情聴取に訪れるが、ラングドンを一目見た瞬間、なぜか銃撃してくる。 その場に居合わせた女医師シエナ・ブルックスの助力により、ラングドンはなんとか病院から逃げ出すことに成功する。彼はシエナの自宅に一時避難し、自身の所持品を調べると、小型の筒状カプセルを発見する。身に覚えがないにもかかわらず、指紋に反応して解錠された中身は、小型プロジェクター「ファラディー・ポインタ」だった。 そこから映し出されたのは、哲学者ダンテの『地獄篇(インフェルノ)』をモチーフに描かれた「『地獄篇』の見取り図」だった…。
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「地獄の見取り図」に暗号が書き加えられていることを発見したラングドンとシエナは、イタリア警察や謎の襲撃者に追われながらも、「ファラディー・ポインタ」に隠された真実へと迫っていく。やがて、世界的大富豪バートランド・ゾブリストが開発した、人類の人口を減らすための「未知のウイルス=インフェルノ」の存在が明らかになる。
拡散を阻止すべく謎を追った二人は、ウイルスがイスタンブールのアヤソフィアに隠されていることを突き止める。しかし現地へ向かう直前、ゾブリストの恋人でもあるシエナの裏切りにより、ラングドンは追手に捕らえられてしまう。
これまでの行動はすべて、シエナがラングドンに謎を解かせ、ウイルスを手中に収めるための計画だったのだ。やがて追手から解放されたラングドンはWHOのシンスキーらと合流し、拡散を目論むシエナ一派と激突。死闘の末、ついにウイルスの封じ込めに成功する。
終わりに
都市伝説や陰謀などが好きな人には持ってこいの映画。レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」の隠された暗号の解釈は、今なお多岐に渡り解釈されている。
「やり過ぎ都市伝説」の番組を見いてる人には、馴染み深い内容の映画。「天使と悪魔」「インフェルノ」に関しては、よりフィクション色が強くなっている。
本作はAmazonプライム会員特典で視聴可能です。初めての方なら30日間の無料体験が利用できるので、この機会に試してみるのもおすすめです。
時期によってAmazonプライムの無料視聴タイトルから外れている場合があります。


