【ネタバレ注意】
貞子3Dシリーズの2作品をまとめて紹介。「リング」シリーズ完結から12年後の2012年、時代背景を取り込んだ最新の「貞子」3Dとなって帰って来た。
そんなリングから始まる貞子の新しいシリーズ作品の紹介記事。現在は3D環境で見る事は出来ないが、興味がでた人は空いた時間に貞子ライフを。
貞子3D〜2Dバージョン〜
公開:2012年 時間:96分
監督:英勉 出演:石原さとみ、瀬戸唐史、田山涼成
貞子3Dの特徴
進化した貞子の呪い
リング版とは違い、呪いのビデオは存在しない。代わりに登場するのが、動画データの存在。ネットを介して呪われてしまう事で、旧来にあったダビングして見せる事で助かるという「不幸の手紙要素」は全く存在せず、見た者は必ず亡くなってしまう強力な物になっている。
3D特有の難点
基本的に3Dを楽しむための演出を中心に構成されているので、2D(平面)で見る映画としては少し違和感の多い演出がある。
アクション性も増しており、従来の純粋なホラー映画というよりはパニック要素を含んだホラー要素が強い。
あらすじ
「-全ての始まり-」
鮎川茜が教師を務める学校では、ニコニコ動画で放送された「呪いの動画」で話題は持ち切りだった。茜のクラスの女子生徒の森崎は、なんとしても動画を見つけ出そうと躍起になっていた。そんな執念が実り、自宅で勉強していた森崎のスマホに呪いの動画が映し出される。しかし、直後に窓を突き破り森崎は地面に落下、亡くなってしまうのだった。
自宅に居た茜の元に1通の連絡が入る。それはクラスの森崎が亡くなった知らせで、茜は激しく動揺してしまう。
「-刑事の捜査と標的-」
一方、巷で増えて来た奇妙な事件を捜査をしていた小磯と中村の刑事コンビは、相次ぐ事件がネットで話題になっている呪いのビデオのせいではないかと疑いだす。問題になっているニコニコ生放送を行った張本人「柏田清司」の自宅へ赴くも、これといった成果を得る事なく捜査は暗礁に乗り上げていた。
そんな中、親友(森崎)を失った同級生の北山は、事件の謎を自身で解くため森崎が見たと思われる呪いの動画を探していた。
森崎同様、始めは発見できずにいたが学校のPCで検索している際に画面が黒く染まり、呪いの動画が流れ始める。
一方で、茜は不審な気配を感じ、北山の元へ急ぐ。PCの画面から出て来た貞子に襲われている北山を助け出す事には成功するが、同時に貞子から、茜の体質に目をつけられてしまう事になる。
「-恋人の失踪-」
目を付けられたとは露知らず、自宅で茜は恋人の考則と過ごしていた。奇怪な出来事にPCを使用しない事を2人で約束するも、貞子の手は伸び2人を襲い始める。
モニターから襲いかかる貞子から何とか逃げようとする2人だったが、途中で考則は貞子により連れ去られてしまう。
一方で、捜査をしていた小磯刑事の元に、まるで貞子の風貌になってしまった中村刑事が現れる。中村は、小磯に呪いの動画は存在していた事、自身も見てしまった事を告げ、拳銃で頭をうちぬいてしまう。それを見た小磯は不条理な出来事に激怒する。
「-量産型貞子の出現-」
孝則を探す茜と合流した小磯は、2人で始まりの場所「貞子が落とされた井戸」を訪れる。しかし、井戸から現れた貞子によって小磯は襲われ、重傷を負いそのまま気を失ってしまうのだった。
次から次へと井戸から沸いて来る量産型貞子達に茜は追い回され、ある場所に到着する。椅子に置いてあるスマホ、孝則に通じていると思った茜は手に取るが、それを介して貞子に連れさられ貞子の本体と面と向かう事になる。
「-そして…-」
茜は孝則を解放する様要求するが、貞子に別空間に飛ばされてしまう。貞子は茜と自分は同じ存在だと告げ、抱き寄せた茜の中にとけ込む様に消えてしまう、次の瞬間、茜の周囲に髪の毛の束が沸き起こり、茜の身体を乗っ取ろうとする…
別の部屋に飛ばされた孝則は目を覚まし、茜の抵抗する叫び声が聞こえるスマホを破壊。同時に天井から落ちて来た髪の毛の束に埋まっている茜に声を掛け、目を覚ました茜と無事を確認しあい抱き合うのだった…
貞子3D2〜2Dバージョン〜
公開:2013年 時間:96分
監督:英勉 出演:瀧本美織、瀬戸唐史、石原さとみ、田山涼成
貞子3D2の特徴
前作のパニック寄りの演出から純粋なホラーへ
不自然に飛び散るPCモニターの破片や、大量に出て来た量産型貞子の演出を無くし、パニックホラーからピュアホラーにバランスが取り直されている。
3D演出の意識の低下
前作では3Dを目玉とするため、画面から飛び出す様な演出を多く取り入れていた。だが、今作ではピュアホラーへバランスを取り直した事で、3Dを意識した演出が低下している。そのため3D不要の2Dバージョンで見る分には不自然な所が少なくなっている。
あらすじ
「-前作から5年-」
茜と孝則の間に産まれた子供「凪」は、孝則の妹「楓子」と共に生活していた。母親は凪が産まれて間もなく亡くなっており、父親は凪を避けていた。そんな環境のため引っ込み事案になった凪は、幼稚園で同年代の子供にいじめられていた。
一方、街では不可解な事が発生しており、スマホやPCを見た後に自ら命を断つ者が現れ始める。
この事件を捜査していた垣内刑事は、5年前に発生していた事件と似ている事に気がつき、かつての担当刑事小磯の元を訪れる。
「-不可解な事件の続発と凪-」
5年前の事件で何とか一命を取り留めていた小磯は、垣内刑事にありのままの顛末を語る。しかし、その常軌を逸した話しを信じる事ができない垣内は、その場を後にするのだった。
楓子は、凪の同年代のいじめっ子の事故、電車内で発生した乗客の狂乱、楓子宅の家政婦の飛び降り、その全てに凪が関わっている事に気がついてしまう。兄の孝則が自宅へ戻った際に、詳しい話しを聞こうとするもはぐらされ、凪は何者なのか?その答えに行き着く事はなかった…
「-事の始まりの首謀者「柏田清司」-」
楓子は自宅の兄の部屋に入った際に、堅く閉ざされたタンスを見つける。先日の一件から、中が気になりタンスを開けると、そこには柏田清司から孝則宛に送られた手紙を発見する。
楓子は、5年前の事件で刑務所に収監されている柏田と面会、凪について話しを聞く事にする。なぜか楓子の身のうちを知り尽くしている柏田に、楓子は心を掴まれる感情を覚えてしまう。この不可解な事件を止めるため柏田は楓子に2つの選択肢を提示する。
それは「自身の命を断つか」「凪の命を断つか」この2つの選択だった…
「-楓子の決意-」
臨床心理学の教授に呼び出された楓子は、大学で変貌した教授に襲われてしまう。何とかその場から逃げた楓子だったが、逃げ込んだ先でPCのモニターに映る映像「呪いの動画」を見てしまい呪われてしまう。
自身の過去のトラウマと、凪への恐怖心により精神の安定を欠いた楓子は、柏田が提示した2つの選択肢の1つを選ぶ事を決意する。
「-凪への愛情-」
楓子は凪を連れ岩場を訪れる。どこかおかしい楓子の様子に怯える凪だったが、海を眺める間に寝入ってしまう。楓子は、そんな凪を抱え橋の上に赴き、凪を橋の下へ落とそうとする。
だがその間際に凪は目覚め、涙を流しながら自身に向けられる恐怖の視線、母親譲りの特異な能力で人の亡くなる未来が見える事を伝えて来るのだった。
そんな凪を見て楓子もまた涙を流し、凪を強く抱きしめ懺悔の言葉と共に柏田が提示した2つの選択肢の外、第3の選択肢を選ぶ事を新たに決意する。
そして、楓子は凪の父親孝則を呼び出し改めて問いつめる。その覚悟を見た孝則は、楓子に全ての秘密を明かすのだった。
「-決別と未来-」
凪の母親茜は生きている事、意識は無いが貞子の力が凪に及ばない様に自身の内側に貞子を抑え込んでいる事、凪と茜が出会えば貞子が復活する事を伝える。
孝則と楓子の前に、凪を連れた垣内が姿を現す。自身が呪いに掛かった事、呪いにより妻を失った事、その原因を凪と茜のせいだと妄信する垣内に、茜の秘密を嗅ぎ付けられてしまったのだった。
茜と凪を消そうとする垣内から、孝則の奮闘もあり楓子と凪は逃げ出す事に成功するが、凪の母親に会いたいとの言葉により、病院内へ戻り茜と凪を対面させるのだった。
しかし、後を追って来た垣内により、茜は撃たれてしまう。その光景を目の前で見た凪は、その絶望から力を暴走、それに呼応した貞子が顕現してしまう。
垣内、楓子は貞子に襲われ、凪を井戸の底へ連れ去ろうとするが、楓子の奮闘により貞子から奪取する事に成功、貞子は断末魔の嘆きを叫びながら、闇の中へ消えて行くのだった…
それからしばらく時は経ち、空に飛ぶ竹トンボを笑顔で見つめる楓子と凪の姿があった。
終わりに
貞子は年数を経る事により、どんどん色物具合が増して行ったキャラクターだった。
映画「チャイルドプレイ」の人形チャッキーも、続編が作られる度に、どんどんギャグ感が増して行ったので、どこか貞子とチャッキーは同じ印象を持つキャラクターになってしまった。
そして貞子は次なるステージへ
最恐vs最凶 映画「リングの貞子」と「呪怨の伽倻子」の直接対決へ