人の三大欲求の一つである睡眠欲を媒介とした恐怖の都市伝説「猿夢」。
ある投稿主が体験した夢の中での恐怖体験、それを見た人の夢を渡って次々と伝染していく。
今回はかつてネットを賑わした恐怖の都市伝説「猿夢」についての対処法や似た話などを一挙超解説。
自分が夢を見ていると自覚した時、逃げ場のない場所でこの世ならざるモノはあなたの肩に手を掛け…。
猿夢とは
2000年8月、インターネット掲示板2ちゃんねるオカルト板に書き込まれた怪異話の一つ。書き込み主が「私」と呼称する事から女性、書き込みの内容から高校生〜大学生 ぐらいの年齢とされているが詳細については不明。
「猿夢」とある事から夢にまつわる怪談話であり、夢の電車内で「活けづくり」「ひき肉」といったアナウンスと、それに応じた乗客の身に起こった恐怖の出来事が語られた。
人は寝なくては生きていけない以上、この猿夢は誰もが見てしまう可能性があり、回避する術もない事からネット上で話題となり怪談都市伝説の一つとして数えられることになった。
また有名になったこの怪談話に派生し、怖い夢の事を「猿夢」と総称する場合も。
猿夢のあらすじ
2000年8月、ある投稿者が自身で体験した「夢」の話を投稿。
9 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:2000/08/02(水) 07:03
私は、夢をみていました。 昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢をみているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。
何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。
ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。 すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは「まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ~」 と意味不明なものでした。
まもなく駅に電車が入ってきました。 それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。
私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなりその電車に乗る事に決めました。
本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。 私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。
引用元:http://www2.kanazawa-gu.ac.jp/~matsui/webdesign/2b22yano/page2.html
投稿主は自身の身に起こっている現状について「夢」という自覚があった。そのため安易に、いざとなれば目を覚ませばよいと好奇心から電車に乗ってしまう事に。
そしてこの好奇心が、今後も続く恐怖の始まりとなってしまう。
12 名前:まだつづくぞ! 投稿日:2000/08/02(水) 07:09
私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、 本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。 「 出発します~」とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。
アナウンスが流れました。「 次は活けづくり~活けづくりです。」
活けづくり?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。
振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに四人のぼろきれのような物をまとった小人がむらがっていました。よく見ると、男は◯物で体を裂かれ、本当に魚の活けづくりの様になっていました。
「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」とアナウンスが流れました。
すると今度は二人の小人が現れ、ぎざぎざスプーンの様な物でうしろの女性の目を◯◯り出し始めました。
さっきまで、無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、私のすぐ後ろで鼓膜が 破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。
引用元:http://www2.kanazawa-gu.ac.jp/~matsui/webdesign/2b22yano/page2.html
この様に電車内で流れるアナウンスと同様の事が乗客の身に降りかかり、次々と乗客が減っていき…。
13 名前:これで最後だ 投稿日:2000/08/02(水) 07:11
「次は挽肉~挽肉です~」とアナウンスが流れました。
最悪です。どうなるか、容易に想像が出来たので神経を集中させ、夢から覚めようとしました。(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)いつもはこう強く念じる事で成功します。
急に「ウイーン」という機会の音が聞こえてきました。
今度は小人が私の膝に乗り変な機械みたいな物を近づけてきました。たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)と目を固くつぶり一生懸命に念じました。
引用元:http://www2.kanazawa-gu.ac.jp/~matsui/webdesign/2b22yano/page2.html
決して止まらない車内アナウンスと必ず回ってくる順番、投稿主は夢の中だからと安易な気持ちで電車に乗ってしまった事を後悔し夢の中から覚める事を強く念じた結果、無事に現実世界へと戻ってくる事ができたのだったが…。
この恐怖の夢も記憶の彼方となった4年後、この時の続きの夢をみる事になりました。
そしてある晩、急に始まったのです。
「 次はえぐり出し~えぐり出しです。」あの場面からでした。私はあっ、あの夢だとすぐに思いだしました。
引用元:http://www2.kanazawa-gu.ac.jp/~matsui/webdesign/2b22yano/page2.html
前回夢から覚めた場面の続きを見てしまう事に。投稿主は自分に迫る機械音を耳にしながらも前回同様強く念じ夢から覚めるも。
どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時
「 また逃げるんですか~次に来た時は最後ですよ~」
とあのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。
引用元:http://www2.kanazawa-gu.ac.jp/~matsui/webdesign/2b22yano/page2.html
初めて夢を見た時から4年後に見た続きの夢、では次が最後と言われた夢は果たしていつ来るのだろうか。
それから、現在までまだあの夢は見ていませんが次に見た時にはきっと心臓麻痺か何かで死ぬと覚悟しています。
こっちの世界では心臓麻痺でも、あっちの世界は挽肉です。。。。。。
引用元:http://www2.kanazawa-gu.ac.jp/~matsui/webdesign/2b22yano/page2.html
投稿主は半ば諦めの境地で、自身の体験談をネットに残したのだった。
この舞台となった電車は通勤で使う様なタイプではなく、遊園地で使う様な「お猿さん電車」な事から「猿夢」と呼ばれています。
猿夢の派生した怪談
ある投稿者による夢の怪談「猿夢」。この話を読んだ人の中には、投稿者が体験した恐怖を経験してしまう読者も出てきてしまう。
猿夢+
76 名前:コピペ1 投稿日:03/05/02 14:40
さて、この『猿夢』だが、このテの話に多い『読んだ人にも災難が降り掛かります』的なコメントもなく始められていて、文章も読み易く、僕はページを開くなりサクサク読み進めていった。
しかし、それが間違いだったのかも知れない。この話を読んでから4日目の晩、僕は『続き』とも言える恐ろしい夢を見たのである。
2000年8月から3年後の5月、当時猿夢の書き込みを読んだ人が体験した猿夢同様の夢で起こった怖い話が投稿される。
投稿主は見た夢は自身が幼い時、家族で訪れた遊園地での思い出を見ていたが急に場面は変わり新幹線の中に移動。以降の流れは車内アナウンスとそれに応じた乗客の悲劇と事の流れは猿夢と同様。
ただし、アナウンスの内容に「つるし上げ」なども追加され、さらには他の乗客とも会話が可能でリストラされ現実に絶望し夢の中に留まろうとする男性もいたりする。
猿夢エゴマ
昨日は11時に寝た。疲れていたからすぐに寝てしまったんだよ。
まるでRPGを始めるかのように夢が始まった。
気が着くと近所の無人駅なんだけどなんか違うんだよ。うまく説明できないけど、なにかが違うんだ。
で、目覚ましみたいな音がホームに響いた。ジリリリリリってね。
アナウンスが聞こえて言うんだよ。『まもなく電車が到着します。乗車するとあなたは怖い目に会いますよ~』
2008年12月に書き込まれた「猿夢エゴマ」という怪談。こちらは遊園地などで置かれるお猿さん電車ではなく、普通の路面電車が舞台となる。
おおまかな流れは初代猿夢同様にアナウンス→アナウンス通りの惨事といい大まかには同じだが、こちらはアナウンス内容がヤキニクやペーストに変わっており投稿主に訪れたアナウンスが「エグマ」になっている。
タイトルの由来は投稿主がアナウンスされた「エグマ」と思いますが、なぜか何処の記事にも「猿夢エゴマ」と記載があり誤植かどうかの詳細は不明です。
猿夢の共通点
物語を読んだ人に同じ様な夢を体験してしまう事がある。
舞台は大なり小なり電車系統の乗り物である。
始まりのアナウンスと出来事は、自分からではなく必ず他人から始まり自分の番まで待つ事になる。
目が覚めない事はないが、必ず「次が最後になる」という事を告げられる。
猿夢系統の怪談話は起承転結のテンプレートが存在しており、だいたいが電車に乗る→アナウンスを聞く→同様の出来事が起こる→目が覚めるも次見たら終わりであるという流れが鉄板。
似た様な話として漫画ぬ〜べ〜の「ブキミちゃん」や「テケテケ」などが上げられ、両者ともに怪談を聞いた人の夢へ訪れ命を奪う…というもの。猿夢の元ネタと思われる。
猿夢の対処方法
どうしても寝なくてはいけないし寝ないと生きてはいけない以上、誰しもが猿夢に遭遇してしまう可能性はある!?ここではそんな猿夢で怖い思いをしない様な対策を考察。
またあの夢をみたら、どうすればいいのだ? 猿夢の対処法を教えて下さい。
— yukakrt (@purple_seed) 2011年11月11日
怖いよ…#猿夢
そもそも電車に乗らない
猿夢の共通する事は、自分が夢を見ているという自覚のある「明晰夢」であること。初代猿夢では好奇心から投稿者は電車に乗ってしまっている。そうである以上「乗らない」という選択肢も十分取り得る。
しかし、猿夢+や猿夢エゴマの場合では乗らなくてはいけない義務感や、場面変更で強制的に乗車させられてしまっているため、このパターンの場合の対処は不可能。
目を覚ました時に対処する
猿夢の共通点として「一度は必ず目が覚める」事にある。そして「次が最後ですよ」という示唆があるまでは大丈夫という事。そのため目が覚めた後に対処する方法が容易に取れる点が武器となる。
1:バクに悪夢を食べてもらう。
古代より安眠には夢を食べる霊獣「バク」に悪夢を食べもらう。
おまじないは簡単で、眠る際に「バク、バク、バク」と三回唱えるだけです。
バクさんが怖い夢をお腹いっぱい食べてくれますので、今夜は心安らかに眠ることができます。
また東京目黒区には五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)という寺院に、白沢(獏王)の像があるため、お参りと同時に悪夢を食べてくてる様にお願いする。
2:お祓いする。
神社やお寺では厄祓いまたは厄除けをしてもらう。
あくまで怪談都市伝説なため過度に怖がらない
猿夢はネットで書き込まれた怪談話に過ぎないため過度に信じたり怖がりすぎない。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、人は疑心暗鬼になりすぎると何でもない枯れ尾花も幽霊に見えてしまうという諺。
ネガティブ思考になりすぎると自身の精神状態が悪くなり、何でもない事まで怪談にこじつけたり、そもそも悪夢自体も見やすくなってしまう。そのため猿夢や他の怪談はあくまでエンタメとして楽しみ、どうしても不安ならばテレビや動画配信でお笑いを見てリラックスしよう。
以上が猿夢の発祥体験談やその対処法でした。