行方不明の姉を探してある廃療養所に辿り着いた妹。そこにはこの世ならざる者が徘徊しており、妹はそれらから隠れつつ姉が居るはずの一室へと足を踏み入れたが…。
今回はそんなホラーゲーム「夢彼岸」のダウンロード方法や物語のあらすじ、作中に隠された謎などを日本の伝承から読み解き徹底考察していく。
ダウンロード方法
PCゲーム・PCソフトウェアを配信しているネットサイト「Freem!」でWindows専用ゲームとして無料で配信中。
ゲーム容量487MB
物語のあらすじ
旧療養所へ肝試しに赴いた姉が行方不明になって1週間。
「ねこにあいます」
この言葉を唱えトンネルを抜けるとたどり着くと言われる療養所に行き、行方不明になった姉を探さないと!
ゲーム紹介
療養所を徘徊する女性から逃げ隠れしつつ、姉が居ると思われる場所へとたどり着く事を目的としたステルスホラーゲーム。
療養所のドアにはアイコンが記されており、全2階からなる館を探索しつつドアに対応するアイテムを用いて次々と部屋を解放していく。最後にたどり着く閉ざされた部屋には行方不明となった姉がいるはずなのだが…。
難易度は普通・難しいの2つから選べ難しいモードでは時間制限とダッシュ不可の制約が。攻略方法などは普通モードと同じ。
日本の伝承から読み解く夢彼岸の考察
ゲーム終盤でプレイヤーが操作する妹は無事に姉との再会を果たす。
「やっと会えたね」その言葉とともに視界は暗転しエンディングロールとなり物語は終えている。
その後、再会した姉妹はどうなったのか?ここではゲームタイトルから姉妹の末路を考察する。
考察1:ゲームタイトル夢彼岸に隠された意味
浄土思想でいう「極楽浄土」(阿弥陀如来が治める浄土の一種、西方浄土)は西方にあり、1年の内で2度、昼と夜との長さが同じになる春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し、遙か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まりである。
引用元:彼岸 - Wikipedia
いわゆる彼岸は「あの世」の事であり、さらに夢彼岸という言葉自体にも。
「夢彼岸」の夢とは、「般若心経」の「色即是空 空即是色」での「空」と解釈し、四苦八苦から解放されて到達するところを「夢彼岸」と名づけた。
考察2:赤文字表示の「ねこにあいます」の意味
物語のステージとなる旧療養所は「ねこにあいます」を唱えトンネルを抜ける事で訪れる事ができる。
物語上、赤文字で表示されるほど重要なワードではあるが、作中に関係するものは一切登場せず謎のまま終わる。作中では謎の包まれた「猫」という単語だが、日本には昔から「猫」にはこの様な言い伝えも語られている。
猫が年を経ると猫又という妖怪になり、亡者をまたぐと亡者を操るとか、亡者に取り付いて操るなどと言われていたようです。
考察1・2まとめ:そして姉妹の末路と療養所で現れた女の子の正体は…
・姉妹の末路
彼岸はあの世を指す言葉、夢彼岸は四苦八苦からの解放、姉が行方不明になり彼女を心配し苦しむ妹はゲームエンディングにて姉と再会し四苦八苦から解放「夢彼岸」へと到達する。
それは生きての再会だったのか…?
ゲームのタイトルや作中で登場する首のない女の子などから察するに、とてもではないが生きての再会ではないだろう。妹は姉と同じ場所であるあの世へ行った事による生きている上で感じる苦からの解放「夢彼岸」という事なのだろう。
・女の子の正体
「ねこにあいます」で行ける療養所で会える女の子。
年老いた猫は猫又となり亡者を操る言い伝えから、主人公は療養所で出会った女の子は猫が操った存在だったのだろう。
終わりに
本作品は「徘徊呪」や「呪瘡」など和風ホラーゲームを製作するクリエイターの作品となっている事からも、独特の雰囲気はなかなか。