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悪魔の人形が母娘を襲う 映画【アナベル 死霊館の人形】あらすじ解説・物語考察・評価

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【ネタバレ注意】あらすじ解説・物語考察・評価

幸せな夫婦に魔の手が伸びる。母親の精神をとことん追い詰める悪魔の人形【アナベル】。果たしてアナベルの目的とは…

アナベル 死霊館の人形(吹替版)

鑑賞後評価:★★★☆☆(3.1)

題名:アナベル 死霊館の人形 公開:2015年 時間:98分

監督:ジョン・R・レオネッティ 

出演:アナベル・ウォーリス、ウォード・ホートン

あらすじ:ジョンが妻ミアのために用意した最高のプレゼント。それは、古いアンティーク人形だった。だがその人形アナベルをもらった喜びも束の間、隣のカルト宗教の事件に巻き込まれてしまう。

その日をさかいに、人形にまつわる不気味な出来事が…ミアはジョンに人形を捨てる様に頼む。新しい引っ越し先で荷解きを行うも、そこには捨てはずの「人形」が…そしてミアたちの幸福は、一転したものになる。

⚠【ネタバレ】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。

予告動画

www.youtube.com

映画「アナベル」の特徴

実在する人形をモチーフとしている

アメリカコネチカット州の博物館に実際に展示されている「ラガディ・アン人形」がモチーフとなっている。実物も大変いわくつきで、博物館のケースには「触れるな、開けるな」の注意紙が貼られている程。

シリーズ作品の前日章にあたる始まりの物語

時間軸上シリーズ第1作品「死霊館」の前日章にあたる。物語オープニングは看護婦達による、この「アナベル人形」に関わる話しから始まる。その流れから人形のドアップで物語は始まるのだが、この人形が気味が悪すぎる造形で、その時点で映画への期待度が高まる。

想像力を刺激するホラー

視聴開始から中盤までは、人形のアップの視点で固定される場面など直接恐怖を表現するシーンがなく、視聴者の想像力を刺激する演出がなされている。

この点は洋画の【エイリアン】を彷彿とさせるが、洋画ではこういった表現は珍しい。たいていのホラーは視覚や音で、ダイレクトに視聴者に恐怖を与える表現が多いが、この【アナベル】は想像力を刺激する事で、勝手に視聴者が恐怖を想像により高める演出が多い。

 

物語のあらすじ(ネタバレ有り)

新居について来た「人形」

娘リアも産まれ、新居に引っ越して来たジョンとミア夫妻。アンティーク人形のコレクターであるミアは人形が入った荷物をほどくと、捨てはずの「アナベル人形」が紛れ込んでいた。

それを見たジョンは、不審に思い捨てて来る事を告げるも、ミアはジョンのプレゼントだからと断り、コレクションケースに並べるのだった。

起こり始める異変

ある日、ミアはソファーでうたた寝をしてしまう。赤ん坊の泣き声で目が覚め、気晴らしに外へ出かけていく。通りを歩いていると、ある本屋の前に差し掛かる。そこに展示されていた「悪魔の誘い」のタイトルの書物が異様に気になるミアは、本屋の店主エブリンに声を掛けられ挨拶を交わす。

ジョンが居ない夜、ミアが自宅で食器を洗っている最中に急に音楽が鳴り始め、部屋の中で走り回る人影を目撃する。鳴り響くミシンの音に誘われ部屋へ赴くと、姿を現した霊体がミアに向かって走り出してくる。その霊体は途中で大人の姿に変化し、その姿を見たミアは前の自宅で遭遇した事件の犯人アナベルの姿だった。

さらなる異変

ミアはゴミ捨て場に、引っ越しで不要になった段ボールを捨てに向かうのだが、そこでベビーカーの車輪の音と赤ん坊の泣き声を耳にする。さらに遭遇した何者かの影に襲われてしまう。

何とか振り切りエレベーターに乗るが、動く事はなく扉が開いた状態でマンションは停電してしまうのだった。降りるしかなくなったミアは、走って階段まで駆け抜け助けを呼びながら上の階に向かうも、その後ろを異形の悪魔が追いかけて来るのだった。

追いつめる悪魔と結末 

翌日、本屋で「悪魔」「カルト」について調べようと本を探していたミアは、そこでエブリンと遭遇、自身に起こった出来事を相談する。

エブリンの助言により悪魔への対抗策を探す過程で悪魔の狙いが、自身の娘リアの魂であると感じたミア。その時、悪魔の攻勢が始まりミアを追いつめて行く。ちょうどその時ジョンが帰宅するのだが、ジョンの目から見た光景はミアが1人狼狽している姿でしかなかった。実際に見る事のないジョンだったが、ミアのただならぬ様子に、教会の神父に来てもらう事にした。

神父の言により、悪魔は人間の承諾無しに魂は奪えない事、バチカンの専門家に来てもらう事、人形は教会で預かる事を伝えミアを安心させる。

人形を持って教会に入ろうとした神父だったが、扉をくぐる直前に何かの力によって吹き飛ばされ大怪我を負ってしまい、ジョンの務める病院に搬送されるのだった。

一方、ミアはエブリンと買い物を済ませ、一緒に自宅へ戻り2人は楽しい一時を過ごす。

病院で神父が、悪魔の危険性をジョンに伝えたと同時に、ミアに対して最後の攻撃が始まるのだった…

クリックで表示:【核心】物語の結末

鳴り響くラジオ、血だらけのアンティーク人形、連れ去られた娘のリア、エブリンはミアを連れ2人で部屋から出ようとするが、現れた「悪魔」によりエブリンは部屋の外にはじき出されてしまい室内にはミア1人が閉じ込められてしまう。

追いつめられるミアは、娘に手を出させない事を条件に、自身の魂を与える事を決意してしまう。

ちょうどその頃、神父の警告を受け帰って来たジョンとエブリンが合流、2人で扉を破り部屋へ侵入、錯乱し窓から飛び降りようとしていたミアを説得、隙を付き室内に引っぱり込む事に成功する。

悪魔を撃退する事は不可能だと判断したエブリンは、自身が身代わりになり魂を差し出す事でミアとリアは助かるのだった…

そして半年後、事件現場で行方不明になった人形は、とある店舗で佇み、次の標的を探すのだった…

物語が進むほど、アナベルの人形が変色していく事についての考察

見た事がある人は気がついたと思うが、劇中で悪魔の攻勢が一段落する毎に、人形がドス黒く変色していっている。

この変化については、劇中で触れられていないため、その詳細について公式な設定は不明だが、劇中の演出からある事が推測される。

考察ポイント(人形の変色の度合い)

【1】ジョンが捨てた際には、アナベル人形の色は白く新品に近い状態だった。

【2】ミアが荷解きした際に、混じっていたアナベル人形の色は少し灰色になっていた。

【3】ミアの魂を奪う寸前には、青黒い色にまで変色が進んでいる。

【4】エブリンが身代わりになって、マンションから地面に飛び降りた後には、アナベル人形の色は【1】の状態に戻っていた。

考察ポイント2(悪魔が魂を奪う条件)

悪魔が魂を奪う条件「人間の精神が疲弊している事」「魂が奪われる事を了承する」の2つの条件が必要になっている。

考察結果(個人的見解)

人形の変色具合は、悪魔が魂を奪う条件「精神の疲弊具合」を表し、色の変色が濃くなる程に、ミアに襲いかかる事象が激しくなる事から、一種の反比例の関係の構築が伺える。

ミアの精神が疲弊するに従い、悪魔は負の感情で力を増大させ、ピークになった段階で対象人物の了承の元、初めて「魂」を抜き出す「力」を得る。

そのためエブリンが身代わりになった後では、アナベル人形の色は「白」に戻っている。(たった一瞬のカットだが、エブリンと人形が、地面に倒れているシーンで、人形は、すでに白くなっている様に見える)

精神が疲弊しているミアではなく、健康な精神を持つエブリンの魂を抜き出したからこそ儀式は不完全に終わり、エンディングで次の標的を探すため、アンティークショップに鎮座している…という解釈もできなくはない。

 

視聴後評価

思い出補正が多分に含まれているため、公平な比較はできないが、同じ人形を対象としたホラー映画ではやはり【チャッキー】を見たとき程の衝撃はなかった。

これは視聴した年齢によって大きく変化するため当てにはならないが、今見比べてもそう変わった評価にはならないと思う。余談だが【チャッキー】は後年ギャグ映画になっていったが…ちなみにだが、この【アナベル】はシリーズで何作品かあるみたいなので、機会があれば見てみようと思う程度には楽しめ作品であった。