人形の恐ろしさを描いた映画は多い。今回はその中でも、独特の雰囲気や特徴豊かな人形ホラー映画を10つ選出してみた。
「人形が襲い掛かる恐怖」「人形に仕立てる人間による恐怖」「インパクトのある人形が登場」「個性の強い人形が登場」など様々な形で物語に関わる、人形を題材としたホラー映画をご覧あれ!
人形を題材としたホラー映画:目次
- チャイルド・プレイ(1988年公開)
- ドールズ(1986年公開)
- アナベル 死霊館の人形(2015年公開)
- ザ・ボーイ~人形少年の館~(2016年公開)
- デッド・サイレンス(2007年公開)
- パペットマスターリメイク版(2019年公開)
- ソウ(2004年公開)
- ドールメーカー(2017年公開)
- 生き人形マリア(2019年公開)
- 恐怖人形(2019年公開)
- 終わりに
チャイルド・プレイ(1988年公開)
手配中の男「チャールズ」が逃走中に傷を負い命尽きる寸前に、逃げ込んだ玩具屋の人形に自身の魂を移す呪文を唱える。そのチャールズの魂が入った人形を購入した一家では、不可解な出来事が起こり始め…。という内容の物語で、数十年前までは金曜ロードショーなどでも放送されていた。幼い時にこの映画を観てしまった事で、人形に対するトラウマを植え付けられた人も多かっただろう。それぐらいホラー映画としての完成度が高く、名作映画の一つとして名があがる。
続編として、7作品が制作されており、純粋なホラー映画としてはナンバリングタイトルである1~3ぐらいまでで、4作目からはコメディ要素の強い物になっている。
そして、2019年には人形に魂を移すオカルト設定ではなく、インプットされたAIの暴走という新設定を元にリメイクされ「新チャイルドプレイ」が公開された。これに伴い、チャッキー人形も過去作とは異なる外見に変更されている。
ドールズ(1986年公開)
幼い少女は、意地悪な継母と自身を邪険にする実父との旅行中に嵐に遭遇してしまう。嵐から避難するため、ある屋敷にお邪魔する事となる。そこには良い人そうな老夫婦が住んでいたが、屋敷の中は手作りの人形が飾られており…その夜、惨劇が起こり始め…。という内容。
マイナーな作品ではあるが、知る人ぞ知る名作ホラーといった作品。人形ホラーだと、前述した「チャイルド・プレイ」と本作の名がまず上がる2強の一角。
アナベル 死霊館の人形(2015年公開)
実在する呪われた人形「アナベル」を題材にしたホラーシリーズ。実際のアナベル人形は大変かわいらしい姿で、劇中に登場する物とは似ても似つかないデザインをしているが、映画の題材にされる事について何かを思ったのか、死霊館シリーズの撮影中には不可解な出来事が数多く起こっている。
本作は、このアナベル人形にスポットを当てたシリーズのスピンオフ作品。内容は、ある夫婦の隣りに住むカルト教団が、ある日の夜に妻へと襲い掛かってくる。夫や警察の助けもあり妻はこの危機を乗り越えるが、亡くなってしまったカルト教団の手には、先日夫からプレゼントされたアンティーク人形が握られていた。そして、その日から妻の周りでは不可解な出来事が起こり始める。
日本のホラーを思わせる演出が使われており、視聴者の勝手な想像で恐怖を感じる様に作られている特徴がある。
ザ・ボーイ~人形少年の館~(2016年公開)
ある家にベビーシッターとして雇われた女性だったが、面倒を見る相手は「少年人形」だった。この子の両親と思われる老夫妻は、彼女に「10個のルール」を厳命する。彼女は、人形相手と侮りそのルールを破ってしまい…。というストーリーで展開されるホラー映画。その予想だにしない結末に、この映画を鑑賞した人の間では賛否の嵐が巻き起こった。
一見するとチャイルド・プレイ同様、人形に憑りついた怨念が何かが襲ってくるホラー映画だと思いきや意外や意外、想像だにしない結末を迎える事となる。
この結末だが、物語の伏線である老夫婦から厳命された「10個のルール」が強く関わってくる。この10のルールも物語の結末を迎えた後にもう一度見返してみると、よく練られた伏線だったと気づかされる。
デッド・サイレンス(2007年公開)
ある夜の日、一組の夫婦の元に腹話術人形が送られてくる。その後、夫が外出している間に妻が舌を抜かれて〇されてしまう。警察は当然、夫を容疑者としてマークする。警察の追求を逃れながら夫は事故直前に届いた送り主不明の人形を調べていく。すると、自身の故郷が深く関わっている事に気が付き、久々に故郷の実家を訪ねるのだが…。というストーリーのサスペンスホラー映画。
ホラーとしても面白いがサスペンス要素がかなり強く「これで終わりか」と思わせてからのストーリー展開も秀逸。物語全体のテンポもいいので、ドキドキしながら見れる点も評価が高い。
この作品はかの有名な「ソウ」を手掛けた「ジェームズ・ワン」が監督を務め、同じく脚本家も「ソウ」の「リー・ワネル」が務めている事からも、物語の急テンポな展開やどんでん返しの物語構成などが容易に想像できると思う。
パペットマスターリメイク版(2019年公開)
主人公の実家に保管されていた「人形」。オークションで高値で売れると知りイベント会場のホテルへと宿泊する。しかし、主人公が出品する予定の人形が突如として行方不明になってしまう。はじめは盗難か何かだと思っていたが、ホテルでは次々と宿泊客達が〇されていき…。
この様なストーリー展開で繰り広げられるホラー映画であるが、この作品の魅力は「個性豊かな人形達」が登場する所だろう。残忍な性格の人形だったり、どこかヘンテコだったり、かわいいような怖いような、そんな印象を持つ人形達が登場する所が面白い。
この作品は、かなりのカルト的な人気を博し、1989年に初めて公開されてから現在までに13本もシリーズ作品が作られている。
ソウ(2004年公開)
今まで紹介した作品の様な「人形が襲ってくる」といったタイプとは違った作品。この映画では、人形の扱いはあくまで「一つの小道具」でしかない。しかし、その不気味な造形は、観た人に強いインパクトを残すため、今回の人形ホラー映画特集の一つとしてピックアップしている。
ストーリーは、見知らむ廃屋のトイレで目覚めた登場人物達だが、その足には鎖が繋がれていた。トイレに置かれていたテレビには、人形が映し出される。そして始まるのは、生き残りをかけたデスゲームだった…。
この作品に出てくる「人形」の名前は「ビリー人形」というが、本作の監督が務める別のホラー映画「デット・サイレンス」には、ソウで登場したビリー人形がシレっと出演していたりする。
ドールメーカー(2017年公開)
チャイルド・プレイの監督「トム・ホランド」が手掛けたホラー映画。今回は人形が襲うのではなく、人形を仕立てる人間による恐怖を描いた作品になっている。
物語は、女性を襲っては人形に仕立てコレクションしている〇人鬼、通称「ドール・メーカー」と呼ばれた人物が、精神病院から退院し、おじが残した家に帰ってくる。しかし、その家に残る過去の記憶がフラッシュバックし、彼は再び「ドール・メーカー」として変貌していく。
生き人形マリア(2019年公開)
フィリピンで制作された人形ホラー。物語は、事故で娘を亡くした3組の家族のもとに人形が届けられる。その人形は亡くなった娘にどこか似ており、母親達は一見不気味な人形だったが心を許すようなっていった。同時に、家族の身の回りでは不可解な出来事が起こり始め…。
なぜ人形が3体なのか?物語後半はミステリー要素も含んだ展開が楽しめる。
恐怖人形(2019年公開)
日本で制作された人形ホラー映画。主演は日向坂46「小坂菜緒」が務める。
日常風景を撮影するのが趣味の女子大生の元に、差出人不明のパーティの案内状が届く。軽い気持ちでパーティに参加する事にしたが、集合場所には同じく案内状を受け取った数人の男女がいた。会場となるキャンプ地へと赴くメンバーだったが、突如として日本人形が現れ…。といった内容で物語は展開されていく。
この映画最大の特徴は、登場する日本人形が巨大化し全力で物理攻撃してくる点だろう。ここまで聞くと、あきらかなB級アイドル映画といった印象を持つと思うが、ホラーにストーリーや整合性を求めず、ちょっとコメディ要素も楽しみたい人には向いている映画…かもしれない。
終わりに
人形を題材としても、チャイルド・プレイの様な直接的恐怖を与える存在、またトイ・ストーリーの様な愉快で楽しい気持ちにさせてくれる存在、表現する人によってホラーやコメディにもなる様々な一面を見せてくれる「人形」という題材は面白いものがある。
他の映画◯選シリーズ
王道〜邪道!サメ映画集
ゾンビオブゾンビ!ゾンビ映画集
世界基準!都市伝説をモチーフとしたホラー映画集