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都市伝説がモチーフ 映画【ひきこ】あらすじ解説・噂との比較・感想

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【ネタバレ注意】あらすじ・映画と噂の「ひきこさん」を比較解説

都市伝説「ひきこさん」をモチーフに描く、フル3DCGアニメーション映画

都市伝説物語 ひきこ

鑑賞後評価:★★★★(3.5)

題名:都市伝説物語ひきこ 

公開:2008年 時間:42分

監督:奇志戒聖 出演:藤田秀和、東城未来、飯島恵美、西田絋ニ

あらすじ:聡は15年前に卒業した同窓会に出席するため、かつて住んでいた街に戻っていた。懐かしさに誘われるまま、当時住んでいたマンションを訪れる。ふいに外を見ると雨が降りだしていた、聡は小学生時代の事を思いだす。

橋の上で見かけた存在、川辺で何かを引きずる「白い服、長い髪の女性」の事、そして同級生「さと子」との事を…

⚠【ネタバレ】を含む内容と解説があります。未視聴の方は注意して下さい。

映画「ひきこ」の特徴

フル3DCGアニメーション

等身大の人間をCGアニメで描いたアニメーション映画。CG自体はPS2の画質程度と、決してクオリティは高く無く画質が粗い。しかし、CGであるがゆえに描かれる「ひきこさん」の不気味な動きや気味の悪い姿は、いかんなく表現されている。

見ている者に嫌悪感と恐怖を与えるには、このクオリティでも充分すぎる程。

いじめ問題と都市伝説を絡めた物語

親からのネグレクト、教師のいじめ放置、子供の友達関係、自己保身をリアルに描いた社会問題が含んだ物語になっている。

都市伝説に忠実な物語とミステリアスな雰囲気が特徴。

 

登場人物(キャスト声優)

聡(幼少/植田大輔 大人/藤田秀和)

田中と鈴木のさと子へのいじめを心良く思ってはいないが、友人関係上とめる事ができないでいる。15年経った今でも、その事を後悔しているのだが…

妃さと子(幼少/斉藤瑞李 大人/東城未来)

小学校への転校生で聡の隣りの部屋に引っ越して来た女の子。身体に無数にある痣や、その陰気な雰囲気から田中と鈴木にいじめられている。

田中守(幼少/鈴木大介)

さと子へのいじめっ子の1人。

鈴木慎吾(幼少/毛塚敦也)

さと子へのいじめっ子の1人。

物語のあらすじ(ネタバレ有り)

聡の小学生時代「妃さと子」の転校

聡は小学生の頃、橋の上から見かけた「人を引きずる存在」に追いかけられてしまう。必死に逃げ、自宅へ戻るのだが「それ」は自宅まで追いかけて来ていた。

ドアノブを回す音に聡は恐怖するが、しばらくしてそれがおさまりると同時にチャイムが鳴り響く。恐る恐るドアを開けるが、単に隣りに引っ越してきた親子の挨拶だった。

翌日、教室の前で紹介される転校生「妃さと子」。その子の身体には痣があり、細くやせ細っている子で、周りの同級生はさと子に一歩引いていた…

聡はさと子が引っ越しの挨拶をしてきた母親のそばに居た子供と気付き、声を掛けようとするが、同級生の友達にその事をからかわれてしまい声を掛ける事ができなかった。

転校生へのいじめ

その容姿からいじめを受けるさと子。担任の先生は、そんなさと子の現状に見てみぬふりを続ける。

そんなある日、学校から自宅へ戻った聡は、さと子が帰宅して来た事の気配がしドアの覗き穴から様子を伺う。すると、さと子の歩いて行った反対側から先日見かけた「引きずる女」が歩いて来る姿を発見してしまう。

引きずる女がドアの前まで歩いて来た姿に、覗き穴から目を離した聡だが、意を決してもう一度覗くと、覗き穴からコチラを覗く「引きずる女」と目が合ってしまう…

という悪夢で目が覚める。

翌日、聡は教員室に呼ばれ、いじめが原因で不登校のさと子に書類を届ける様に頼まれるのだった…

担任、さとこ、田中、鈴木の失踪

聡は書類を届けに伺うも、さと子は留守だった。ふとマンションから立ち去るさと子を見かけ追いかける。

背後に聡を食い入る様に見る「引きずる女」の姿に気づいていないままに…

捨て猫の世話をしているさと子の姿を目にした聡は、その優しい一面に心を開き書類を手渡し話しかけるのだった。

それからしばらくの間、聡とさと子は隠れて猫に世話を続けていく。

しかし夜な夜なに、隣りから聞こてくるさと子へ罵倒する親の声に心配した聡は、ポストからさと子の様子を伺おうとするも、さと子に腕を掴まれ引きずられる様にその場を去るのだった。その際に、さと子の姉の存在を聞いた聡だが、深い事は聞けず2人は猫の世話をしに向かう。

途中で猫のエサを忘れた聡は自宅に取りに戻るが、その間に学校のいじめっ子に猫を取り上げられ、担任の車に猫を括り付ける。それを助けようとしたさと子はそのまま車に引きずられていってしまう。

ただ、聡はそれを見ている事しかできなかった…

担任の先生はそのまま車を停車させ自宅へ戻ろうとするのだが、「引きずる女」に襲われてしまう。翌日、担任の先生、さと子、いじめっ子の2人は失踪、そのままさと子の家族は引っ越してしまい、15年の歳月が流れるのだった…

そして現在

そんな小学生時代を思い出し、聡はその場を後にする。

同窓会会場についた聡は当時の学級委員長と再会し、この場にさと子が来ている事を聞く。

15年の歳月を経て、さと子と再会した聡だが、記憶とは全く違う「さと子の容姿」と彼女から明かされる衝撃の事実に困惑するのだった…

クリックで表示:【核心】物語の結末

聡の記憶では「妃さと子」という名前の女の子だったが、実際の名前は「沢村さと子」である事、沢村聡と思っていた自分の名前が実際は「妃聡」であった事。

いじめを受けていた人物が本当は聡で、過去の記憶で転校した自分の記憶を優しくされた「さと子に投影」自身が受けて来たいじめの記憶を改ざんしていた事実だった。

記憶を思い出し錯乱した聡は、その場から逃走、かつて住んでいたマンションに戻り、壁の中に埋めた自身の「姉」を引きずり出し、懺悔するのだった…

同窓会の帰り道、雨が降る橋の上から沢村さと子は、当時見かけた「引きずる女」が妃聡を引きずる光景を目撃してしまうのだった…

実際の都市伝説と劇中の「ひきこさん」の比較

実際の都市伝説の「ひきこさん」

雨の日ボロボロの白い着物を着ている女性。何かを引きずって歩いているが、よく見ると、それは子供の姿だった。女性は自身を見ていた子供を捕まえては、ボロボロになるまで引きずり回す…

派生として、いじめや両親との家庭問題への恨みから怪異化したパターンがある。

劇中の「ひきこさん」

沢村聡(妃聡)の姉が正体。聡の母親いわく、精神に異常をきたしているが、その詳細は不明。さと子(聡)をいじめる少年2人と、いじめを見て見ぬふりをする担当教師を襲っている事から、一応?弟思いの一面も?

雨の日ボロボロの白いワンピースを着ており、川辺で何かを引きずっている。自身を見ている者に気づくと、そちらを向き指さし叫ぶ

まとめ

劇中での「ひき子さん」の容姿は、ほぼ実際の都市伝説通り。ただし、いじめられていた点や、家庭問題については弟に設定を引き継ぐ形になっている。

「妃さと子」の「妃」は実在する都市伝説の「ひき子さん」の本名「森妃姫子(モリヒキコ)」から1文字を取ったと思われる。

 

観賞後評価

HD化されていないため、画質はかなり粗く全体的にぼやけている。しかし、収録時間が短く物語のテンポがいい事、ホラーの中にミステリアスな雰囲気がある事で物語自体に集中できるので画質はさほど気にならない。

プロの声優が演じているので、そこらにあるB級映画特有の素人演技臭さがない点も、物語に集中でき、見やすかった。