【淡海乃海 第15巻 あらすじ・特典収録、ネタバレなしでご紹介】
父上は凄い…百戦錬磨とは、まさに父のための言葉なのだろう…。
タイトル | 淡海乃海 水面が揺れる時 第15巻 |
原作 | イスラーフィール |
イラスト | 碧風羽 |
天下統一まで九州と奥州を残すのみ。戦国乱世も終わりに差し掛かり、天下人朽木基綱に反抗的な九州の龍造寺を除き、毛利を含む他の大名達は着々と戦いが終わった時代以降に目を向け始める。
一方、日本国内の戦いへ目を向ける者が多い中、基綱は転生者特有の広い視野とすでに知っている世界情勢から外国勢力への対策に着手する。手始めに、島国である日本防衛の生命線である「水軍」を一新、各地に独自で組織している水軍を一本化するため九鬼と堀内を呼び出した。
ノベル「淡海乃海 第十五巻」の見所
西日本制圧!天下統一まで後数年に迫る
本作では、とうとう九州編とも言うべき物語が終わりを迎える。散々煮湯を飲まされ、表面上は基綱に従いながらも裏では潜在的な敵である龍造寺との戦いが決着!
九州平定に同行した基綱の息子三郎右衛門と幼い頃に両親を亡くし当主となった三好孫六郎はその戦いで、八千石の小領主が天下統一まで成り上がった基綱の力の片鱗を目撃し畏怖を抱く。
父上は凄い。百戦錬磨とは父上のためにある言葉だろう。
引用元:淡海乃海 第15巻 本編 三郎右衛門の心中
毛利家についての大幅な加筆
本作では、毛利家についての物語が大幅に加筆されており、毛利当主でありながらも、有能な叔父達がいるせいでどこか頼りない右馬頭の成長が描かれている。
「人は頼れぬと思った時から自らの力で動けるようになるのかもしれませぬな」
引用元:淡海乃海 第15巻 本編 毛利家にて、右馬頭についての会話
右馬頭は同年代でありながらも天下人として周囲に頼られる基綱と自分を比較し卑下していたが、九州遠征で彼はある種の覚醒を果たし武功をあげる結果に。
特典 書き下ろし小説
淡海乃海小説第15巻では、以下の3エピソード(電子版特典含む)の書き下ろしが収録。
一つめは、朽木と毛利の婚姻で起こった毛利家側のトラブル「血の結束」。
そして二つめが、義輝を亡き者にし主◯しの汚名を来た父の想いを知る息子「父から子へ」。
最後に電子版特典として、一女から見た天下人である基綱の気苦労を描いた「覇者の肖像」。
特典短編【一】:毛利「血の結束」
あらすじ
毛利家と朽木家を結ぶ婚姻、朽木次郎右衛門と親族から毛利の養女となり朽木に嫁ぐ弓。式には朝廷から名だたる公家が出席する事から、その期待の大きさは押して知るべしだった。
しかし、毛利家内部では弓が朽木に嫁ぐ事に反対する人物もおり…それは親族一丸となって生きる毛利「血の結束」を乱しかねず…。
特典短編【二】:三好家の亡き父から今を生きる息子への想い「父から子へ」
あらすじ
ある日、足利義昭に斬られ亡くなった三好義継の息子である孫六郎が基綱のもとを訪れる。彼の思い悩む顔を見て、基綱は深刻な話である事を察した。孫六郎は基綱に向かい、今まで生きてきてどうしても疑問に思っていた事の答えを求めそれを口に出す。
「父は何故足利義輝公を亡き者にしたのでしょうか?」
…悩んだ基綱は自分の知る義継の想いを彼に…。
電子版特典:懐かしい思い出「覇者の肖像」
あらすじ
毛利家の恋愛騒動で児玉周は、基綱の妻である小夜のもとで保護された。彼女は小夜と行動を共にする事で、世の中では苛烈で冷酷と言われる天下人基綱の裏の顔を知り驚かされてばかりだった。
周は基綱の表での振る舞い、安らげる家中での裏の振る舞い、両方の顔を見る事で天下人「覇者」とはこういう人物なのだろうという肖像を知る事となる。
おまけ漫画
コミカライズ出張版 特典SS「士官」が収録
朽木家の重鎮として大いに力を振るう事になる竹中半兵衛が、朽木から勧誘を受けた時の漫画が収録。朽木長門守の甥でもあり主でもある基綱への想いを聞いた半兵衛は、彼の言葉に心打たれ朽木への士官を決めたのだった。
某も自身と誇りを与えてくれる主君がほしいと思います。士官いたしましょう。
引用元:淡海乃海 第15巻 おまけまんが
他の読者の反応
Webをお読みの方でも面白く読めるようになっています。
毛利家を中心に追加エピソードが盛りだくさんになっています。むろん滅びゆく龍造寺に関しての視点も追加されていますが、こん巻の中心は毛利家になるかと思います。
朽木に嫁ぐことが決まっている弓、毛利家内部の問題、毛利家当主の苦悩、それを支える家臣たち、そして毛利家最大の問題女子たちに関して等々あれ主人公誰だっけと思うほどに毛利が目立ちます。
web版より大幅加筆されて大満足です。とても面白いかったです!
小説最新15巻読了。
やはりここしばらくはWEB原作版と比べても加筆の比重が大きくてスゴく新鮮に読めて楽しいあと発売に合わせて1から読み直したけど、初期と比べるとかなりキャラの人柄が文章から滲み出てきてより世界観に深く入れるのが良いな。
終わりに
第15巻にて、大きな敵はほぼほぼ倒し切ってしまった。残すは奥州にいる伊達政宗ぐらい?
基綱の敵は国内から海外勢力にシフト、ノベル版は小説家になろうで掲載されているweb版エピソードにそろそろ追いつくため、今後の展開はネタバレ不明の状態へ突入か。
もし主人公が朽木の当主にならなかったら…そんなIFを描いた「異伝:淡海乃海 羽林、乱世を翔る」の紹介記事はコチラ