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原作者とトラブルが勃発したテレビドラマ8選「セクシー田中さん」「のだめ」「海猿」騒動

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人気漫画のドラマ化。ある一定のファンがいる事からも一定の収益が見込める。テレビオリジナル作品は権利的に独占できるため当たればでかいが、放送するまでどうなるかわからない。そして外れてしまえば莫大な損失が出てしまう。

昨今そんな冒険が出来ないテレビ局は、一定のファンがついている原作を見つけては作者に声をかけドラマ化していく。

果たしてテレビ局による実写ドラマ化企画は、原作者にとって幸せな事なのか、それとも…。

今回は人気作品がドラマ化された際に原作者とテレビ局側でトラブルが起こり揉めたドラマ作品を8つご紹介。

 

 

トラブルが勃発した原作漫画のテレビドラマ8選

アイドルゴリ押しで吹き飛んだ「のだめカンタービレ」

2006年10月期に放送されたドラマ「のだめカンタービレ」。現在ではフジテレビ放送としての印象が強いが、もともとTBSが制作し放送する予定だった。

原作漫画連載当時よりドラマ関係者の間では「売れる」と評判で、各局の重複交渉の末にTBSが放送権を獲得、無事制作発表までこぎ着けるも…。

・STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)のゴリ押しで主題はV6が担当する事に。

・それに合わせて主演も主役「野田恵(のだめ)」演じる上野でなく、千秋を演じる岡田に合う様に物語を大幅改変。

局側はその事に難色を示した原作者「二ノ宮知子」氏と揉めに揉め、遂にはドラマ化の話は消滅…という結末に。

その後フジテレビは原作者を口説き落としドラマ放送権を獲得し原作を忠実に再現、平均視聴率は18・9%の大台を叩き出した。さらには前後編として映画化もされ前編は41億、後編37億を超える大ヒットを記録する光をもたらす結果となった。

一方、原作者と揉める形で影を落としたTBSだったが、のだめのドラマ化が頓挫した事で大慌て。

そんな折にTBSは、2003年まで放送された昼ドラ「キッズ・ウォー」出演井上真央の所属事務所が、ある漫画の原作権利を持っている事を知る。そして急遽彼女を主役とした漫画実写化テレビドラマ「花より男子」を突貫工事で制作し放送。

こちらも平均視聴率19・8%と2000年代を代表する大ヒットドラマに化ける結果となった。

まさに怪我の功名とはこの事。

 

好き勝手マルチ展開されてしまった「海猿」

1999年〜2001年まで連載の作者佐藤秀峰/原案小森陽一が送る、海難救助を中心とした海上保安官の活躍を描いた漫画が原作となる作品。

漫画が完結した翌年に実写ドラマ化。その人気は凄まじく2年後には映画化され、さらに大ヒット、伊藤英明を筆頭に演者の演技やストーリーも感動的であり漫画の実写化での成功例ともいえる作品の一つに名をあげた。

漫画実写化での成功例として名があがる一方、成功という光の裏には影も存在する。

2012年原作者である佐藤秀峰氏はTwitterで以下の出来事があった事を発表。

・フジテレビが原作者との契約なく勝手に関連書籍を発売する。

・アポもなく自身の事務所に突撃取材してくる。

これらを理由に、フジテレビとの新規で契約せず、また続編の制作を許可しない旨をファンに伝える。

この事は大いに炎上し、フジテレビは原作者を蔑ろにした事を会見を開き謝罪する事態にまで発展。2015年には原作者とフジテレビは和解するも、原作者は2017年の契約満了に伴い今後新作ドラマはもちろんのこと再放送でさえ放送される事はないと明言している。

2024年1月29日、本記事でもまとめている「セクシー田中さん」原作者訃報を受け、同年2月2日、海猿の原作者である佐藤秀峰氏は自身のnoteで当時の心境を書き記している。

作品が自分の手から奪われていく感覚がありました。

「漫画と映像は全くの別物である」と考えました。

そうしないと心が壊れてしまいます。

引用元:佐藤秀峰氏note

ショックの余り原作の連載STOP「おせん」

こちらの作品は週刊イブニングで連載していた漫画作品。

ドラマ放送開始直後に「原作とのあまりの違いにショックを受けたため、創作活動を行えない」と声明を出し原作の連載がSTOPしてしまっている。

原作ファンからすればドラマ第1話の段階で、あまりの原作との違いに困惑があった様で、ある種の納得の空気もあった様だ。ちなみにドラマ放送が2008年4月22日~2008年6月24日、原作者休載期間2008年4月~2008年12月となる。

後に連載が再開されたものの、原作からの改変に対し具体的になにがあったか、その要因について原作者が口を開く事はなかった。……のだが…その連載を再開し心機一転新シリーズとしての物語が展開されるも、どうも意味深な人物などが描かれており…。

連載再開後の新シリーズにて

・連載再開後、企画を成立させようと強引に話を進めるプロデューサーが登場する。

・マスコミを信用しちゃいけねぇ、期待もするなというおせんのセリフが描かれる。

・アイドル男性事務所のゴリ押しで出演者が差し替えられそうになるところ。

などが描かれた。

さらに後に原作者である「きくち」氏は「作品とは作者にとって子どものようなもので、その子どもが嫁に行き、幸せになれるものと思っていたら、それが実は身売りだった」とも語っており、具体的に何があったかは不明なままだが、上記の連載再開後の新規登場人物などの言動や態度から、ドラマスタッフとの間に何があったのかは察してしまう。

そしてドラマ最終話のテロップでは「原作」表記は消え「原案」に変更ともなっている。

許可なく新設定を盛り込んだ「八神くんの家庭の事情」

こちらの作品は上記でご紹介した「おせん」より前にテロップが原作から原案に変わったドラマ作品となる。

原作漫画は、息子よりも若く見える母親と、そんな母に行き過ぎた愛情を抱くマザコン主人公とのコメディ漫画だったのだが…。

・原作では童顔美少女の母親が、ドラマでは40代の女性でさらに魔女という新設定が追加される。

・主人公のマザコン設定がドラマでは削除される。

というような原作の柱とも言える設定が軒並み変更の嵐!

これには原作者のみならずファンからも不評をくらい、ついには原作者の楠桂氏も「自分の作品はドラマのストーリーとは関係ない」という声明を発表。

エンドクレジットは原作から原案に変更、当然ファンからそっぽを向かれて視聴率は現在でも未公表、当然再放送もなければソフト化もされず「幻の駄作ドラマ」の烙印を押される結果となった。

本作は1994年放送であり、テレビ局側が原作のネームバリューだけを利用したもので、その余波は原作者にまで及ぶ最悪のケースでもあった。

 

連載の終了を覚悟させた「いいひと」

原作の物語は底抜けの「いいひと」と、目の前に現れた「いいひと」の存在に触発されながら生きる人々の物語が特徴の漫画。

1997年、元SMAPの草なぎ剛主演でテレビドラマ化され平均視聴率は20.4%という今を基準に考えると化け物コンテンツと呼べるヒットを飛ばした。

だったのだが、このテレビドラマをきっかけにし原作者は漫画の連載を終了させてしまう。

ドラマ化当初、原作者はたった一つの守ってほしい条件を提示した。それは登場人物である「ゆーじと妙子だけは(原作から)変えないこと」

しかし原作者のたった一つの条件すら守られることはなかった

・原作でのゆーじこと北野優二は底抜けにいいひとであるキャラクだーだが、ドラマのゆーじは路上で奇声をあげて踊りだすおかしい一面や単に運がいいだけの突撃キャラに改変される。

原作とは性格の変えられた主人公に原作者は激怒、エンドクレジットでは原作表記を使わせず原案表記に変更。

ドラマの主人公改変により、ファンへの申し訳無さでいっぱいになった原作者は、もうファンが愛する作品を何者にも勝手に変えられない様にするため、原作者の責任として連載を終了させてしまう結末に。

「私は、もうこれ以上わたし以外の誰にも変えられずに、読者の方々の中の『いいひと。』を守ること、そして同時に多くの読者の方に悲しい思いをさせてしまった、その漫画家としての責任として私の生活の収入源を止めること、その二つを考え連載を終了させようと思いました」

引用元:Yahooニュース

これ使わせて頂きます!→嘘でした「YAWARA!」

大人気柔道スポーツマンガ「YAWARA!」のテレビドラマ化では、怒りのあまり原作者が記者会見をボイコットするトラブルが発生している。

原作者はドラマ化の際に受け取った脚本に納得いかず、3日も徹夜して気になる箇所を書き直した。その情熱にプロデューサーも「これ、使わせていただきます!!」と脚本を持って帰ったのだったが。

試写会で完成したドラマを観たところ、手直しした脚本は1行も使われていなかった事が判明したらしい。

後に作者は「怒り心頭に発しまして、記者会見を全部ボイコットしました」と雑誌のインタビューで当時を振り返っている。

あやうく放送中止に「霊媒探偵・城塚翡翠」

2022年10月に放送された漫画原作のテレビドラマ「霊媒探偵・城塚翡翠」。

主人公の城塚翡翠は霊視能力を持っている。その能力を活かしつつ探偵として働きながらも、霊視には証拠能力がない事に苦悩していた。そんな彼女は推理作家・香月史郎と出会い、協力しあいながらも事件を解決していくという漫画が原作のミステリー作品。

このテレビドラマ版だが、実は水面下で放送中止になりそうになる事態が発生していた。

それはドラマの脚本を原作者がチェックした段階でそれは起きる。完成した脚本に対し原作者サイドがOKを出さなかったのだ。

これは当初原作者が伝えていたドラマ化の条件を満たさないレベルの脚本だったため起きてしまった問題だった。そして完成原稿を執筆した脚本家は降板、そしてドラマ第4話は原作者自身が脚本を執筆する事態に。この騒動がかなりテレビ局内で大事になったらしく、撮影スケジュールは押しに押されドラマの情報解禁時に初回の放送日を発表できなかったほど。これが舞台や映画だったら放送中止の白紙になっていただろうと関係者は語る。

一部週刊誌報道では、原作者の脚本への口出しが日に日に酷くなっていき、終いには原作権を振りかざし始めた…なんて報道のされかたもあったが、この報道については原作者がしっかりと否定している。

「週刊誌にあんなことを書かれたら普通に傷付くし悲しいし怖いし病むでしょ」「あんな嘘書かれて著者が傷付いているのに出版社が著者を護る気やケアをする気がないのなら、メディア化みたいな仕事はこっちに持ってこないでほしい。普通に病みます」

引用元:リアルライブ

 

最悪の結末となった「セクシー田中さん」

「セクシー田中さん」の原作者でマンガ家の芦原妃名子氏のご冥福をお祈りするとともに、関係者の方々には謹んでお悔やみを申し上げます。

本項目につきましては、揉める原因等の事情で特定の誰かを責める意図はありません、そのため作品の原作者以外の名前は伏せてあります。ご了承下さい。

それでは、どうぞ。

テレビ局が原作のネームバリューだけを利用し、原作者に多大な心労を掛け追い詰める。1994年八神くんの家庭の事情で起こった出来事と似た出来事が30年後の2024年に繰り返される事となった。

ますは物語の概要として

婚活に励む派遣OL・倉橋朱里は、アラフォーで地味な経理部のOL・田中京子の雰囲気がここ最近変化したことが気になっていた。

そんなある日、朱里は立ち寄ったレストランで初めてベリーダンスを鑑賞し、妖艶で煌びやかに踊るベリーダンサー・Saliのダンスに魅了された。目に焼き付いたSaliの立ち姿が、後日、社内を歩く京子のそれと一致することに気が付いた。

京子は朱里にダンサーをしていることを社内の人間に知られたくない、内密にして欲しいと懇願したことが切っ掛けで、今まで殆ど接点がなかった二人に交友関係が生まれた。ひと回り以上歳の差のある二人だが、互いに刺激を受け合い、自身の新たな一面を見出していく。

引用元:Wikipedia

女性人気の高い本作品は、日テレ2023年10月22日~12月24日放送枠全10回でテレビドラマ放送が決まった。

ここで留意する事は、ドラマ放送時の段階で原作はまだ連載中であるということ。そのため原作者である芦原妃名子氏は、事前にテレビ局側と以下の約束事を取り決めた上でドラマ制作にOKを出した。

内容は以下の通り。

《ドラマ化するなら「必ず漫画に忠実に」。漫画に忠実でない場合はしっかりと加筆修正をさせていただく。漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様「原作者があらすじからセリフまで」用意する。原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある》

引用元:Yahooニュース

あくまで原作を大切にする。原作を商用利用させてもらう以上、ドラマで放送する場合は当然テレビ局側も作者の要望である「必ず漫画に忠実に」を守る必要があるはずなのだが。

芦原さんは26日のSNSで「毎回、漫画を大きく改変したプロットや脚本が提出されていた」と主張していた。あえてセオリーを外して描いた展開を王道の展開に変更される、個性の強い各キャラクターが別人のようなキャラに変更される、作品の核として描いた社会問題のシーンが大幅に削除されたことなどを挙げた。

引用元:Yahooニュース

というプロットが原作者にもとに届き、あくまで当初の約束に沿う修正を要求する日々を過ごす結果に。

自分の考えを直接脚本家とやり取りできない事(全てプロデューサーを介して行われた)事もストレスに感じていた様で、とうとう8話にて脚本家は交代となり、最終話までの脚本を原作者が執筆せざるえない状況になってしまう。

原作漫画の締め切りも迫る中での同時進行でドラマ脚本の執筆、精神的肉体的な限界を迎える中でドラマ放送は最終回を迎える事となった。

その後1話~8話までを担当していた脚本家が、Instagramで自身が外された事への不満を発信、今回の件は不本意であり普通ではありえない事だと投稿。たちまち炎上しネットで話題に。その情報は原作者の耳に入り、出版社と協議の上、自身のX(Twitter)やブログで騒動の釈明をする事態にまで発展してしまう。

原作者による原作改変のストレスの訴え、様々な正義感や悪意は物語を改変した脚本家に集まりさらに大炎上。しかし原作者は脚本家を攻撃する目的で釈明したのではなかったため「攻撃したかったわけじゃない、ごめんなさい」とポストし当該ブログ等などを削除、その後音信不通となってしまった。

たぶんだが、あくまでテレビ局側の原作に対する姿勢への苦言であったのかもしれない。

そして2024年1月29日、原作者の訃報が報じられる。自ら命を断ったとの事だった

1994年放送ドラマ「八神くんの家庭の事情」では、原作のネームバリューを利用しドラマのオリジナル設定を加えた改変ドラマの制作が「幻の駄作ドラマ」とまで言われる事態を招いたが、今回の原作改変騒動では原作者が命を断つまで追い詰められる事態となってしまった。

さらにはこの事件に付随する形で以下の発言が収録されたと思われる脚本家の対談動画が大炎上。現在は該当動画は削除され観れないが、この対談動画の中である脚本家が
「私は原作者の方には会いたくない派なんですよ。私が大切なのって原作であって原作者の方はあまり関係ないかなって。」

セクシー田中さんの訃報が報じられた当日に配信された事からも、原作者軽視とも言える発言注目を浴び大炎上してしまう。

該当動画は削除されてしまっているが、ほの動画を保存していたユーザーによりYouTubeでは該当部分がUPされているので、気になった方は自らの目で確認してみてほしい。

※本記事ではあくまで出来事を紹介する記事です。そのため当該脚本家による原作軽視ともとれる発言を観る際の注意点を記述しておきます。

発言についての該当部分のみのUPが多いため前後の文脈が不明な点、また著者の感じた感覚では該当発言をした脚本家以外の人はその発言に対し引いていた様に見受けました。そのため、該当発言はあくまで発言者本人の考えであり、脚本家全体の総意ではない点には注意したほうがいいでしょう。

本事件では、テレビ局側のスケジュールありきの撮影や原作を使ってやっているという傲慢さ、制作や騒動に対し出版社が矢面に立たず原作者にのみ負担が集まった事、原作者と脚本家のやりとりがプロデューサーを介してのみというコミュニケーション不足による原作者の心労が大きいと指摘されている。

以上、原作サイドと揉めた実写ドラマ化作品でした。

その他のマルチメディア化でトラブルとなった作品は