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ホラゲー【閉店事件】エンド分岐に考察、過去作との繋がり紹介

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【エンディング解説・物語の考察・過去作との繋がり】

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カフェでのバイト。カフェでは様々な人が利用していく。接客の基本は笑顔だ。

笑顔を向けられたお客さん、その中には勘違いしてしまう人がいるかもしれない。今回は、そんな勘違いしたお客さんが恐怖を振り撒くホラーゲーム「閉店事件」のあらすじや分岐するエンディングを一挙解説。

 

 

ゲームの特徴

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今作は今までの作品とは違う特徴を持ち、それは実際にカフェでバイトをしている様な感覚を覚えるという事。

次々とお客さんが店内に入ってきてはドリンクや食べ物の注文をしてくる。オーダーを受けたプレイヤーは、実際にドリンクや食べ物を提供していく事でゲームを進めていくのだが、単純にドリンクを手渡すのではなく、店のキッチンに置かれた材料を組み合わせて、お客さんのオーダー通りに作っていかなくてはならない。

今回は実際にカフェでアルバイトをしつつも、要所要所で不穏な出来事に遭遇する物語が特徴のチラズアート作品。

ダウンロード方法

2022年3月19日からPCゲームの配信サイト「Steam」にて定価620円(税込)でダウンロード販売中。購入ページの詳細は下記リンクより。

※製作者であるチラズアート氏は、プレイ後に上記サイトでのレビューで感想を書いて欲しいとの事なので、遊んだ人はレビューを書き込んでみてはどうだろう。

物語のあらすじ

チラズカフェ

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「あっ!やばっ」

うっかりバイトに遅刻してしまった彼女は、バイト先である「カフェ」へ急いだ。

カフェに着いた彼女は、急いで荷物を置いてバイトの先輩へと挨拶するも、先輩は「次は店長にチクるから」と言いながら、カフェのメニューの作り方を記録した研修用のビデオを確認する様に伝えてきた。

ビデオで一通りメニューの作り方を学んだ彼女は本格的にカウンターに立ち接客を仕事を始める。

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「ここは何か変だよな。落ち着かない」

「娘がよく来るから立ち寄ってみたが…」

「知ってます?ストーカー事件が増えてるんですって」

「わたしも気をつけないと、男の人ってすぐ見てくるし」

お客さん達と会話をしながらドリンクオーダーを捌いていく彼女。その日の最後のお客さんは探偵を名乗る男性だった。

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「あやしいやつを見なかったか?」

「最近、事件が多く依頼も増えてきている」

「店に異常はないか?」

オーダーもそこそこに次々としゃべりかけてくる探偵さん。最後に彼は「何かあったら、早めに店を閉める事をおすすめするよ」そう語り、ドリンクを片手に店を出て行った。

ここでは実際に店内の道具を使いながら、ドリンクや食べ物を作り提供していく事でストーリーを進めていく。一応、店の控室のホワイトボードには作り方が書かれているので、注文毎に確認しながら進めて行っても問題なし。

 

突然の停電

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お客さんもひと通りいなくなった後、主人公は店内の清掃をする事にした。店の中の一角、あるお客さんがドリンクを飲んでいた席の床が異常に汚れていた。モップで汚れを拭き取り綺麗にした主人公だったが、拭き終わった瞬間、店内のライトが消灯、真っ暗となってしまう。

ブレーカーを上げ、店内のライトを点灯した主人公だったが、暗くなる前にはなかった牛乳が店内に散らばっていた。不審に思いつつも牛乳パックを冷蔵庫へと戻した彼女のバイトはそれで終わった。

11月15日

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この日もカフェのバイトが入っている。車に乗りバイト先へ向かった主人公は、支度を済ませ、店頭に立つ先輩へと挨拶を済ませる。

「また遅刻か」

「やる気だせよ」

2回も遅刻をしてしまった主人公へ注意する先輩。彼はそのままシフトをあがり、車で家へと帰っていった。

今日の初めてのお客さんはジェイムズと名乗る外国人の男性。

「お姉さん、ここは何か変じゃないですか?」

「あそこにいる彼は知り合いですか?」

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周囲を見回しても誰もいなかった。ジェイムズはオーダーを受け取り店から出て行ってしまった。次々とお客さんが入っては接客・オーダーを処理しつつ今日もシフトの終わりを迎えた。

主人公は店内の清掃やゴミ出しをし上がり作業をこなしていくが、店内の一席に写真の忘れ物が置いてあった。彼女の仕事姿を隠し撮りした様な写真。気味悪かったが店内の清掃を終え、その日はシフトをあがった。

 

11月27日

この日もいつも様にバイトへと出かける主人公。いつもの様に先輩へと挨拶を済ませる。今日は初めての閉店までのシフト、主人公は誰かに見られている…ストーカーに遭っているのではないかと不安になるも先輩には一笑されてしまう。

一抹の不安…それでも、主人公はシフトに入りお客さんの注文を捌いていく。そして、お客さんの流れもひと通り落ち着き、いつもの清掃作業を始めるのだが、この日は違った。

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掃除をしていると不意に店内の明かりが消える。店の窓にはデジタルの数字が浮かび上がる。表示された数字はだんだんと減っていく…何かのカウントダウンの様だが。

12月17日

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あの出来事はなんだったのだろう…。不審に思う彼女に追い討ちをかける様に、今日もお客さんが不可解な事を告げてくる。

「今日って撮影か何かですか?外で写真を撮っている人が居たんですけど」

「店の屋上でアンテナ工事でもしているの?人影が見えたけど」

お客さんの不可解な言動、それを確かめるため彼女は屋上の様子を見にいく事にした。そして驚愕の事実が判明する。

店の中の開かない扉、その中にはベットや食料が置かれていた。誰かが住んでいたらしい。壁には彼女の写真が貼ってある。恐怖を覚えた彼女は早々に店を閉めて、家へと帰ろうとしたのだが…。

 

⚠ここからエンディング・ゲーム内容におけるネタバレを含んだ内容になっています。

 

 

エンディング+バッドエンド2種

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正規のエンディングは一つ。今回は分岐エンディングというより、実質ゲームオーバー・デッドエンドの演出であり、正規のエンディングは一つのみとなっている。

バッドエンド「飛んで火に入る」

店の入り口に迫ってくるストーカーを確認後、店の裏口からそのまま出ると迎えるエンド演出。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
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店の裏口から外に逃げた私に、あの男が襲いかかってきた。

手に持った鉄パイプで私を…。

助けを求める声は誰にも届かない…。次第に視界は暗転してしまい、そのまま…。

バッドエンド「後ろに」

クローズ作業、店の入り口に迫ってくるストーカーから逃げる際にドライバーを使用し、トイレのダクトから店外へ。道端に落ちている車の鍵を使用し逃げると迎えるエンド演出。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
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もしかしたら裏口には、あの男が…?。

店のトイレのダクトを通り外へ。

なぜこんな所に私の車の鍵が?

そんな事を考えている暇はない。一刻も早くこの場から逃げなければ。

しかし車の後ろの席には、あの男が隠れており…。

エンディング「ストーカーを◯してしまった」

店の入り口に迫ってくるストーカーを確認後、店内から屋上へ向かう。屋上のレンガを入手し、店の外に待ち構えているストーカーに使うと迎えるエンディング。

クリックで表示:【ネタバレあり】物語の結末
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店へと押し入ろうとするストーカー。

私は屋上へと登り、レンガを店の外にいるストーカーへと投げつけた。

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私は人を◯してしまった。

どうしても怖かった。

すぐに警察に駆け込み、事の経緯を捲し立てる様に伝えた。

警官と一緒に現場に戻った時、あの男の姿は消えていた。

警察は「あとのことは任せてくれ」そう言うと私を家まで送ってくれた。

これで全て終わったのだ。

やっといつもの日常に戻れる。

今日は家でゆっくりしたい

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テレビの調子が悪い。マンションのオーナーに連絡しなくては。

そういえば、私の携帯どこやったっけ?

外から携帯の着信が鳴る。

私の携帯だ…。マンションの駐輪場で鳴る私の携帯を回収し、部屋に戻り電話をかける。

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そんな私の部屋には、あの時わたしに襲いかかってきた男の姿が見え…。

物語の考察

実はストーカーは3人登場している!?

スマホを落とした人に、主人公は落ちていたスマホを届けてあげた。それが恐怖の初まりだった…。

普通にプレイした場合、この時のスマホを届けた相手がストーカーとなり、カフェでバイトをしている主人公に迫り来る…と理解するが、実はストーリー上には主人公に付き纏ったストーカーが全部で3人登場している、という考察だ。

まず前提としての伏線が、物語開始直後に客が話している「最近、ストーカー事件が多くなっている」というセリフがある。これはバイト初日の最後の客「探偵はっさく」が述べている。

この事により、閉店事件の世界観において「複数のストーカー」がいる事が前提として設定される。その言葉通り、閉店事件には複数のストーカーがちゃんと登場している。

1人目のストーカー

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言わずと知れた1人目のストーカー。物語の恐怖を振りまくメインキャラであり、エンディングに主人公の部屋のクローゼットに隠れていた張本人であり、複数のエンドシーンは全てこのストーカーが関わっている。

2人目のストーカー

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2人目と思われる考察理由

彼が座っていた席に、主人公を隠し撮りした写真が置かれていた。

2人目のストーカーはこの人物。フードを被った青年で、カフェで主人公から飲み物を貰うと、カフェ内のカウンターから壁で見えない席へと着く。彼が帰った後、カフェ内を掃除した際には彼が座っていた席に、主人公の働く姿を隠し撮りした写真が置かれている。

この事から、このフードを被った青年は、主人公を隠し撮りする様な人物であり、1人目のストーカー程、物語に直接関わりが描写されているわけではないが、主人公を隠し撮りした写真を持ち歩く人物ではある事がわかる。

3人目のストーカー

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3人目と思われる考察理由

バスにじろじろ見てくるキモい男がいるという会話が登場する。

バス内でじろじろ見てきた男性が、わざわざドライブスルーに現れる。

物語を進めていくと、いつも通勤で使っていた車が故障しバスでカフェへと向かうシーンがある。物語上では、バスを降りた主人公の後ろに1人目のストーカーが乗っていた…という演出だが、バス内にはもう1人男性が乗っていた。この人物が3人目のストーカーだというのだ。

途中のバス停で乗ってきた中年男性は、席に着くと主人公の顔を見つめてくる。それ以外のアクションはなく、バス停を降りた後に1人目のストーカーが主人公の後ろにいた事から、普通は中年男性は主人公を見てきたのではなく、異様な雰囲気を醸し出す後ろにいた1人目のストーカーを見ていた、と思うだろう。

しかし、この日だけは、全編を通して唯一カフェのドライブスルーで注文が入る。唯一の演出、大変印象に残るシーンであるこの場面で登場したドライブスルーで注文する客が、バス停で見かけた中年男性によく似ているのだ。

バスに乗り何処かに移動している中年男性、わざわざ車に乗り換え主人公が働くカフェへと訪れる理由…そして唯一の演出シーン…この理由は…。

さらに前日には、カフェを訪れた女子高生達がバス停でじろじろ見てくる男性がいるという会話シーンも登場していた。

この2つの伏線から、バスで好みの女性を探していた男性に、主人公の容姿が目に止まり…3人目のストーカーになった…という考察である。

 

過去作品との繋がり

テレビで流れたニュース映像

今作では、チラズアートの過去作品との繋がりが示唆されている。といっても、ごくごく小さなファンサービス的な物だと思うが…。

今作閉店事件のエンディングで主人公が見ていたニュース番組だが、その内容が過去作品の「帰り道」で流れたニュースと同様の内容が放送されているのである。

過去作品「帰り道」

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過去作品「帰り道」OPのニュース映像

帰り道で流れたニュース内容は以下の通り。

中学一年生の女子が行方不明になっている事が分かりました。

昨日午後8時頃、部活動を終え帰宅途中だったとみられる船森セツナさんの行方がわからなくなっており…。

ちなみに帰り道では、このニュース内容に関連した心霊現象が物語の軸となった展開になっている。

今作「閉店事件」

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今作「閉店事件」エンディングで流れるニュース映像

閉店事件の物語の都合上、こちらではテレビノイズにより詳細な音声内容は不明。以下の文が聞き取れる内容。

閉店事件で流れた聞き取れる範囲のニュース内容は以下。

中学一年生の女子が行方不明となっている事がわかりました。

午後8時頃、部活動を終え帰宅途中だったとみられ(ノイズ)さんの行方がわからな(ノイズ)

帰り道で流れるニュース内容と、今作で流れた聞き取れる範囲のニュース内容は同じで、画像からもわかる通り両作品で放送されたニュース画面も同じである。

この事から「閉店事件」での出来事と、過去作「帰り道」での出来事は、時間軸上ほぼ同時に起こった事件だった事がわかる。両作品に繋がりはなさそうなので、単なるファンサービスの一環と思われるが。

船橋三兄弟

今作で登場したチラズカフェの先輩店員「船橋」。作中で自身は「三男」だという事を主人公に告げてくる。三男という事は、上に二人の兄がいる事になる。実はこの2人の兄だが、チラズアート過去作品に登場しているのだ。

今作「閉店事件」の船橋(三男)

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今作に登場した「船橋」先輩。作中の会話で、自身が「三男」であり、上に二人の兄の存在を教えてくれる。

夜勤事件の船橋(兄)

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コンビニバイト店員に降りかかる恐怖を描いたホラーゲーム「夜勤事件」。ここに登場するコンビニ店員の先輩の名前が「船橋」である。作中で名乗る場面はないが、彼が付けているネームプレートには確かに「船橋卓矢」の名が刻まれている。

行方不明の船橋(兄)

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行方不明になった男子中学生を巡るホラーゲーム「行方不明」。ここに登場する警察官の名前が「船橋」である。交番に滞在するセーブ要員でもある警察班長が、主人公の相棒として紹介した警官を「船橋」と呼んでいる。

警察官の船橋とコンビニ店員の船橋、どちらが長男なのかは不明。今後の作品で「船橋」という登場キャラクターに注意されたし。もしかしたら、船橋兄弟の四男または長女なのかも知れないのだから…。

 

終わりに

今までの作品にはない「心霊」「幽霊」「怪奇現象」を排除し、お客さんの会話から感じる不穏な雰囲気を楽しむ種類のホラーゲームであった。お客さんからの注文を、実際にゲーム内で作って提供していくシステムもなかなか面白かった。

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