書籍版「陰の実力者になりたくて」第2巻【あらすじ・見所・特典・感想】
主人公は姉からある手紙が届く。それがキッカケで過去に起こった伝説がひも解かれる事になる!?
タイトル | 陰の実力者になりたくて 第2巻 |
原作 | 逢沢大介 |
イラスト | 東西 |
ある日、主人公シドの元にシャドウガーデン筆頭「アルファ」から手紙を受け取る。中身はたった一言「暇なら聖地に来て」だった。
武装集団学園占拠事件を機に前倒しになった夏休みで、暇だった主人公は聖地と言われる「リンドブルム」と呼ばれる街を訪れていた。
ちょうどその頃、リンドブルムでは「女神の試練」と呼ばれる古来の英雄を呼び出した戦うデモンストレーションを行うイベントが開催されていた。楽しそうなイベントに、シドは図らずとも陰の実力者「シャドウ」として乱入する事になった。
本作の見所や加筆ポイント
もう1人の転生者!?
聖地リンドブルムを訪れた主人公シドは、そこで人気作を世に出す有名小説家の作品タイトルを目にする。
「紅ずきん」
「シンデレーラ」
そのタイトルはどれも地球で有名な作品を模した様なタイトルで、シドは自分以外にこの世に生まれた転生者の存在を疑うが…
仲間達との出会いと日常
シャドウガーデン4番目の仲間「デルタ」。その人物がいかにしてシドの仲間に加わったのか?その背景や出会いについて加筆で描かれている。
もう一つは同じ仲間の1人「イプシロン」の日常と、ある気になる部分を他の仲間と張り合うキャットファイトが加筆追加で描かれている。
「先日聖地の任務で主さまと一緒になったときにね…熱い視線を注がれてしまったの…」
「なッ!?」
「私の、ココに、主さまの熱い視線が」
「な、なな、なななななッ、そ、そんなはずありません!か、勘違いですッ!」
引用元:陰の実力者になりたくて2巻 イプシロンとベータの会話
主な収録エピソード
女神の試練編
陰の実力者「シャドウ」として「女神の試練」に乱入し暴れ回るシドだったが、そこで「悪の組織ディアボロス教団」が暗躍するキッカケとなった人物と邂逅し戦う事に。さらに「悪の組織ディアボロス教団最高幹部第11席」やかつて魔人から世界を救った英雄とも。
ブシン祭編
2年に1回の剣術大会「ブシン祭」。こんな楽しそうなイベントを見逃すはずのない主人公は、冴えない男「ジミナ・セーネン」として弱そうなキャラだが実はすごい実力を隠しており…というムーブを開始する。
当然この大会も普通に終わる事はなく、シドは裏で暗躍する教団の計画に無自覚のまま関与していく。
そして新たな仲間が加わる…
書籍特典
補遺
劇中の登場人物達、ベータ、ガンマ、ローズ・オリアナ、アンネローゼの補足。キャラクターのイラストと紹介文を記載した物が収録。
シャドウ様戦記完全版二巻
シャドウガーデンの1人「ベータ」による女神の試練編とブシン祭編での主人公シャドウ(シド)の観察日記。ベータ視点で描かれる誇張されたシャドウの物語が特徴の書き下ろしが収録。
終わりに
今作はあまり加筆が多くなく、書き下ろしも物語を戦記物として纏めた物を除き特に特筆する物がない巻であった。別書籍の戦国時代への転生物語の書籍版の加筆がすごく印象に残る分、個人的に「陰の実力者になりたくて」の書籍版は不満の多い物になってしまっている。
正直に言えば、ネットで投稿されている無料版と大差ないため、わざわざ購入する意義は薄い。
内容はコメディ描写で、軽く読める雰囲気の作風が面白い分、ただ単にネットの投稿をそのまま出版した内容にはもったいない気持ちがある。素人小説投稿サイトでの連載も止まってしまっているので、この作品が完結するまで発売するのか?それとも途中で打ち切りになってしまうのか?不安が残る作品。
結構ネガティブな感想を書いたが、内容は決してつまらない物ではなく、ネットで人気がある評価に間違いはない。
書籍版「陰の実力者になりたくて」第3巻の紹介記事
漫画版「陰の実力者になりたくて」の紹介記事